はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
共通テストの現代文に「実用的な文章」が登場してから、受験生の間では「どうやって対策すればいいの?」という戸惑いの声が後を絶ちません。広告のチラシ、報告書、グラフや表が含まれた複合資料……これらは従来の評論文や小説とはまったく異なる読み方が求められます。
実はこの「実用的な文章」、正しいアプローチを身につけさえすれば、むしろ得点源にできるジャンルです。論理の流れを追う必要がある評論文と違い、「情報を正確に拾う」という作業が中心になるからです。しかし、それが「簡単」を意味するわけではありません。情報量が多く、複数の資料を横断して読む必要があるため、やり方を間違えると時間を大幅にロスします。
この記事では、共通テスト現代文「実用的な文章」の核心的な出題パターンから、広告・報告書・グラフ付き問題それぞれの具体的な解法まで、徹底的に解説します。ぜひ最後まで読んで、今日から実践に移してください。
「実用的な文章」とは何か|核心情報
共通テストにおける「実用的な文章」とは、日常生活・社会生活で実際に使われる文書を指します。文部科学省の学習指導要領では「論理的な文章」「文学的な文章」と並んで「実用的な文章」が明記されており、共通テストでもその趣旨に沿った出題がなされています。
具体的には以下のような素材が出題されます。
- 広告・チラシ・パンフレット
- 報告書・調査レポート・企画書
- グラフ・表・図が含まれた資料
- 契約書・規約・取扱説明書
- 会議の議事録・メモ・手紙
共通テストでは、これらの複数の文書が組み合わされて出題されることが多く、「資料Aと資料Bを比較して…」「グラフの情報と本文を照らし合わせると…」という形式の問いが頻出です。
翔先生からひと言:
「実用的な文章は、評論文のような『筆者の主張を読み解く』という作業が不要な分、情報処理の速度と正確さが命です。問題を解く前に、どの資料に何が書いてあるかを素早くマッピングする習慣をつけましょう。」
出題の特徴として押さえておくべき重要な点は、「共通テスト現代文 実用的な文章」の設問が以下の3タイプに大別されるということです。
- 情報抽出型:「資料の中から〇〇に該当する記述を選べ」
- 照合・比較型:「AとBの両方に共通して述べられていることは何か」
- 推論・判断型:「この状況でどのような行動が適切か」
この3タイプを意識するだけで、問題を見たときの頭の動かし方がまるで変わります。
具体的な解法|広告・報告書・グラフ付き問題を解く
① 広告・チラシ・パンフレット問題の解き方
広告系の問題で最も大切なのは、「どこに何の情報が書かれているか」を瞬時に把握することです。広告には必ず「見出し・強調部分」「本文説明」「注意書き・条件」の3層構造があります。
【具体例】
たとえば、「〇〇スポーツジム入会キャンペーン」という広告が出題されたとします。設問では「このキャンペーンを利用できない人はどれか」という問いが定番です。
ここで受験生がよく陥る罠は、本文の太字・大見出しだけを読んで答えを選んでしまうことです。正解の根拠はほぼ必ず「*印の注意書き」「小さなフォントの条件欄」に書かれています。
解法ステップ:
- まず設問を読み、「何を聞かれているか」を確認する
- 広告全体を俯瞰し、「見出し・本文・注意書き」の位置を把握する
- 設問に関係する条件・例外が書かれた箇所を重点的に読む
- 選択肢と照合する際は「必ず原文に戻る」ことを徹底する
特に「〜を除く」「〜に限り」「〜の場合のみ」などの限定表現は、正誤の分かれ目になる最重要ワードです。これらを見つけたら必ずチェックを入れてください。
② 報告書・調査レポート問題の解き方
報告書や調査レポートは、評論文に最も近い形式ですが、決定的に違う点があります。それは「構造が明示されている」ということです。報告書には「目的・方法・結果・考察・結論」という型があり、共通テストの素材もこの構造に沿って書かれていることがほとんどです。
【具体例】
「地域の高齢者を対象にしたアンケート調査の報告書」が出題されたとします。設問が「調査結果からわかることとして適切なものを選べ」という場合、受験生はついつい「なんとなく正しそう」な選択肢を選んでしまいます。
しかし正しいアプローチはこうです。
- 「結果」のセクションに書かれていることと「考察」に書かれていることを明確に区別する
- 「〜と考えられる」「〜の可能性がある」などの推測表現に注意する(事実として述べているかどうかを確認)
- 選択肢に「すべて」「必ず」「〜だけ」など断定・全称の言葉があれば疑ってかかる
報告書の問題での典型的な誤答パターンは、「書いてないことが書いてある」「事実と推測が混同されている」「数値の読み間違い」の3つです。特に数値の読み違えは時間的プレッシャーの中で起きやすいので、数字が絡む選択肢は必ず原文・グラフと照合してください。
③ グラフ・表・図付き問題の解き方
共通テスト現代文の「実用的な文章」において、グラフや表が絡む問題は特に受験生が苦手とする部分です。ここでは「グラフを読む力」と「グラフと本文を統合する力」の2つが問われます。
グラフ問題の鉄則は、以下の5点です。
- タイトルを必ず読む:何のデータか、期間・対象は何かを確認
- 縦軸・横軸の単位を確認する:「%」「万人」「指数」など単位によって解釈が変わる
- 凡例を確認する:複数の折れ線・棒グラフがある場合、どれが何を表すか
- 最大値・最小値・急激な変化の点を探す:設問はこうした「特徴的な部分」を問うことが多い
- 本文の記述と照合する:本文でグラフに言及している箇所を特定し、整合性を確認
【具体例】
「日本の食品ロスの推移を示した棒グラフ」と「食品廃棄に関する意識調査の報告書」の2つが出題され、「グラフと報告書の両方から読み取れることとして正しいものを選べ」という設問があったとします。
この場合のアプローチ:
- まずグラフだけで言えること(数値の増減、傾向)を箇条書きにする
- 次に報告書だけで言えること(原因・対策・課題)を整理する
- 「両方に言及されていること」「片方にしかないこと」を峻別する
- 選択肢を1つずつ「グラフ根拠あり?」「報告書根拠あり?」と確認する
この「根拠の所在確認」プロセスを習慣化することが、複合資料問題の正答率を飛躍的に上げる最大の秘訣です。
④ 複数資料の統合問題(最難関タイプ)の解き方
共通テストでは、3〜4つの異なる形式の資料が一度に提示され、それらを統合して判断する問題が出ることがあります。これが最も難易度が高いパターンです。
対処法は「資料ごとに役割を分担させる」ことです。
- 資料Aは「事実・データを提供する役割」
- 資料Bは「文脈・背景を提供する役割」
- 資料Cは「条件・ルールを提供する役割」
こうして各資料の「担当領域」を決めてから設問に当たると、「どこを見れば答えがわかるか」が明確になります。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介からのアドバイス:
「私が日本国語塾トップの指導の中で常に強調しているのは、『設問を先に読む』習慣の重要性です。実用的な文章は情報量が膨大なので、目的なく全部読んでいると時間が溶けていきます。設問を先に読んで『何を探せばよいか』を頭に入れてから資料を読む。これだけで解答スピードが段違いに変わります。共通テスト現代文の実用的な文章では、この一点だけで10点以上の差が出ると確信しています。」
翔先生からのアドバイス:
「僕が実際に生徒に指導していて効果があると実感しているのは、『消去法の徹底』です。実用的な文章の選択肢は、1〜2か所に間違いが仕込まれています。『完全に正しいものを選ぶ』ではなく『明らかに間違っているものを消す』という思考回路に切り替えてください。選択肢の中に一つでも資料に書かれていないことが含まれていれば、それは即アウトです。根拠のない情報に騙されない目を養うことが、実用的な文章攻略の核心です。」
また、時間配分についても具体的に言及しておきます。共通テストの現代文は時間的に非常に厳しい試験です。実用的な文章のセクションに充てる目安時間は20〜25分です。資料の全体把握に3〜4分、各設問の解答に2〜3分、見直しに3分というペース配分を練習段階から意識してください。
よくある失敗と解決策
失敗①:全部の資料を最初から全部読んでしまう
解決策:設問を先読みし、必要な資料・箇所だけを精読するスキャニング読みを身につけましょう。英語のリーディングでよく言われる「skimming & scanning」の考え方を現代文にも応用します。
失敗②:グラフを「なんとなく」読んで根拠なしに答える
解決策:グラフの具体的な数値を選択肢と照合する癖をつけてください。「増えている」「減っている」だけでなく、「何年から何年にかけて、何%から何%に変化した」という具体的な数値を意識することが大切です。
失敗③:「書いていないことが正しそうに見える」選択肢に引っかかる
解決策:実用的な文章の設問では「資料に書かれていないこと」は絶対に正解にはなりません。「常識的に正しい」「なんとなくそうだと思う」という判断を禁止し、必ず原文に根拠を求める癖をつけてください。
失敗④:複数資料のうち一つしか確認していない
解決策:「両方の資料から言えること」を問う設問では、必ずすべての資料を確認してから答えを確定させましょう。片方の資料だけで判断すると、もう片方の資料と矛盾している可能性があります。
失敗⑤:時間をかけすぎて他の問題が解けなくなる
解決策:わからない問題は2分以上考えず、仮の答えをマークして次に進みましょう。実用的な文章は情報を探す問題なので、時間をかければかけるほど正答率が上がるわけではありません。スピードと正確さのバランスが命です。
今日からできるアクション
「実用的な文章の対策、今日から何をすればいい?」という受験生のために、具体的なアクションプランをまとめます。
Step 1:日常の情報収集から始める(今日から)
身の回りにある広告・パンフレット・契約書・ニュース記事のグラフを意識的に読む習慣をつけましょう。「このグラフは何を伝えようとしているか」「この注意書きに例外条件はあるか」という目線で日常の情報に接してください。これが最も手軽で効果的な「実用的な文章」の読解力トレーニングです。
Step 2:共通テスト過去問・試行調査を素材として使う(今週中に)
共通テストの過去問(2021年以降)には実用的な文章の問題が含まれています。また、試行調査(プレテスト)の問題も貴重な練習素材です。まずは時間を気にせず「解法のプロセス」を確認することを優先し、次のステップで時間制限をつけて練習しましょう。
Step 3:「根拠ワード」を記録するノートを作る(今週中に)
選択肢を選ぶたびに「根拠:資料〇の〇行目」と記録するノートを作ってください。根拠が書けない答えは選ばない、というルールを自分に課すことで、「なんとなく解答」から「根拠ある解答」に意識が変わります。
Step 4:時間制限付きで実戦練習する(1ヶ月後から)
解法が身についてきたら、実際の共通テストと同じ時間制限の中で問題を解く練習をしてください。「知っている」と「時間内に解ける」は別物です。反復練習によって解法を自動化することが、本番での得点につながります。
まとめ・日本国語塾トップについて
共通テスト現代文の「実用的な文章」は、正しいアプローチを身につければ必ず得点できるジャンルです。今回の解説をまとめると、以下のポイントが核心です。
- 設問を先に読んでから資料を読む(目的を持って読む)
- 広告・チラシは「注意書き・条件欄」が正誤の分かれ目
- 報告書は「事実」と「推測」を区別して読む
- グラフはタイトル・単位・凡例を必ず確認してから数値を読む
- 選択肢は消去法で、根拠は必ず原文に求める
- 複数資料の統合問題は「各資料の役割分担」を意識する
- 時間配分は20〜25分を目安に、わからない問題は引きずらない
共通テスト現代文の「実用的な文章」は、正しい対策を積み重ねれば確実に得点できる分野です。ぜひ今日から紹介したアクションを実践してみてください。
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