数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「伝えたいことがうまく書けない」「自分の文章が読みにくいと言われる」「受験の作文で何を書けばいいかわからない」——そんな悩みを持つ受験生・社会人の方は非常に多いです。
実は、「わかりやすい文章」には明確な技術があります。センスや才能の問題ではありません。正しい技術を学び、練習すれば、誰でも必ず書けるようになります。
この記事では、受験の作文・小論文から社会に出てからのビジネス文書まで、あらゆる場面で使える「わかりやすい文章を書く10の技術」を、具体例とともにわかりやすく解説します。ぜひ最後まで読んで、今日からすぐに実践してみてください。
はじめに:なぜ「わかりやすい文章」が書けないのか?
多くの人が文章を書くときに陥るパターンがあります。
- 頭の中にあることをそのまま書いてしまう
- 「なんとなく」書いてしまって構成がバラバラになる
- 難しい言葉を使えば「良い文章」だと思っている
- 書いた文章を読み返さない
これらはすべて、「読む人」を意識していないことが原因です。文章は自分のために書くのではなく、「読み手に伝えるため」に書くものです。この意識の転換こそが、わかりやすい文章への第一歩です。
翔先生からひとこと:
「僕が受験生を指導していて一番感じるのは、”書き始める前の準備”が足りないことです。いきなり書き出す前に、少しだけ立ち止まって考える習慣をつけるだけで、文章の質は劇的に変わります。」
核心情報:「わかりやすい文章」の3大原則
10の技術を学ぶ前に、まず土台となる3つの原則を理解しましょう。
原則①:一文一義(いちぶんいちぎ)
一つの文章には、一つの情報だけを入れるという原則です。一文に複数の情報を詰め込むと、読む人は混乱します。
悪い例:「私は昨日、雨が降っていたのに傘を忘れてしまったので、ずぶ濡れになってしまい、風邪を引きそうになったため早めに帰宅しました。」
良い例:「昨日は傘を忘れた。雨でずぶ濡れになったため、早めに帰宅した。」
原則②:結論ファースト
日本語は結論が最後に来る構造ですが、わかりやすい文章では最初に結論・主張を述べることが基本です。読み手は「この文章で何が言いたいのか」を早く知りたいと思っています。
原則③:読み手を想定する
「この文章を誰が読むのか」を常に意識することが大切です。小学生に向けた文章と、大学教授に向けた文章では、使う言葉も構成も変わります。受験作文であれば「採点する先生」、ビジネス文書であれば「上司や取引先」が読み手です。
具体的な方法:わかりやすい文章を書く10の技術
技術①:書く前に「型」を決める
文章を書く前に、構成の「型」を決めましょう。最もシンプルで強力な型が「PREP法」です。
- P(Point):主張・結論
- R(Reason):理由
- E(Example):具体例
- P(Point):主張・結論の繰り返し
作文での例:
「私は読書の習慣が大切だと考える。(P)なぜなら、語彙力と思考力が同時に鍛えられるからだ。(R)たとえば、一日15分の読書を続けた生徒が、半年後の模試で国語の偏差値を10以上上げた事例がある。(E)このように、読書は学力向上の基盤となる習慣だと言えるだろう。(P)」
技術②:主語と述語を近づける
主語と述語が離れると、文章の意味が取りにくくなります。
悪い例:「私が先生から昨日の放課後に、数学の問題の解き方を詳しく教えてもらった内容は、とても役に立った。」
良い例:「昨日の放課後、先生から数学の解き方を教えてもらった。その内容はとても役に立った。」
主語と述語はできるだけ近くに置き、間に情報を挟みすぎないようにしましょう。
技術③:接続詞を正しく使う
接続詞は文章の「道路標識」です。正しく使うことで、読み手が迷わず読み進めることができます。
| 種類 | 接続詞 | 使い方 |
|---|---|---|
| 順接 | だから・そのため・したがって | 原因→結果の流れ |
| 逆接 | しかし・ところが・だが | 予想と逆の展開 |
| 添加 | また・さらに・加えて | 情報を追加する |
| 対比 | 一方・それに対して | 二つを比べる |
| 例示 | たとえば・具体的には | 例を挙げる |
ただし、接続詞を使いすぎると文章がくどくなります。特に「そして」の多用は注意が必要です。
技術④:具体例を必ず入れる
抽象的な主張だけでは、読み手には伝わりません。必ず具体例とセットで書くことを習慣にしてください。
抽象だけ:「環境問題への取り組みが重要だ。」
具体例あり:「環境問題への取り組みが重要だ。たとえば、毎日使い捨てのペットボトルを1本減らすだけで、一人あたり年間365本のプラスチックごみを削減できる。小さな行動の積み重ねが大きな変化を生む。」
受験作文・小論文では、具体例の有無が得点を大きく左右します。
技術⑤:漢字・ひらがなのバランスを意識する
漢字が多すぎると文章が硬くなり読みづらくなります。逆にひらがなが多すぎると幼稚な印象を与えます。
目安として、文章全体の漢字比率は30〜40%程度が読みやすいとされています。
また、「事」「物」「時」「所」などは、文脈によってひらがなの「こと」「もの」「とき」「ところ」の方が読みやすくなる場合があります。
技術⑥:段落を適切に分ける
「段落=話題のまとまり」です。一つの段落に複数の話題を詰め込んではいけません。話題が変わるたびに段落を変えるのが基本ルールです。
受験作文では、段落の最初の一文(トピックセンテンス)にその段落で言いたいことを書き、その後に説明・具体例を続ける構成が高評価を受けやすいです。
技術⑦:受動態・二重否定を避ける
受動態(〜される、〜られる)や二重否定(〜ないわけではない)は文章をわかりにくくします。
受動態の例:「この決定は委員会によって承認された。」→「委員会がこの決定を承認した。」
二重否定の例:「間違いではないとは言えない。」→「間違いの可能性がある。」
能動態・肯定表現を使うことで、文章がすっきりと力強くなります。
技術⑧:数字・データを活用する
「多い」「大きい」「最近」などの曖昧な言葉の代わりに、具体的な数字を使うと説得力が増します。
曖昧:「最近、スマートフォンの利用者がとても増えている。」
具体的:「2023年の調査では、日本国内のスマートフォン普及率は約94%に達している。」
受験の小論文でも、社会的データや統計を引用すると論述の説得力が格段に上がります。
技術⑨:声に出して読み直す
書き終えた文章は必ず声に出して読み直しましょう。黙読では気づかない「読みにくさ」や「語順のおかしさ」が、音読することで発見できます。
特に確認すべきポイント:
- 読んでいて息が続かないほど長い文章はないか
- 同じ言葉が近くで繰り返されていないか
- 「が」「は」「を」などの助詞が正しく使われているか
技術⑩:「である調」と「ですます調」を統一する
一つの文章の中で「である調」と「ですます調」を混在させてはいけません。これは文章の基本ルールですが、案外できていない人が多いです。
- 受験作文・小論文:「である調」が一般的
- ビジネスメール・ビジネス文書:「ですます調」が一般的
- 報告書・レポート:「である調」が多い
書き始める前に文体を決め、最後まで統一しましょう。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介より:「文章力は思考力のアウトプット」
私が長年の指導経験で確信していることがあります。それは、「文章が書けない」のは「考えが整理できていない」ことの裏返しだということです。
つまり、文章力を鍛えることは、思考力を鍛えることと同義です。今日紹介した10の技術を練習する過程で、皆さんの論理的思考力も自然と高まっていきます。受験で求められる国語力・小論文力は、単なる「文章の上手さ」ではなく、「考える力」そのものなのです。
ひとつアドバイスをするとすれば、毎日100字でも書く習慣をつけることです。日記でも感想でも構いません。「書くこと」を日常にすることで、文章力は確実に伸びていきます。
翔先生より:「まず型を身につけ、そこから自分の言葉で」
受験生のみなさんに伝えたいのは、最初は「型の模倣」で構わないということです。「PREP法」などの型を完全に体に染み込ませることを優先してください。
型が身についてくると、次第に自分の個性や言葉が型の中に乗ってきます。野球のバッティングフォームと同じで、まず正しいフォームを覚えてから、自分なりのスタイルを加えていくんです。
また、「上手な文章を真似する」ことも非常に効果的です。新聞の社説、優れた小論文の例文、良書の一節——これらを書き写す「書き写し練習」は、プロの作家も行う王道の方法です。ぜひ取り入れてみてください。
よくある失敗と解決策
失敗①:原稿用紙の字数を埋めようとして内容が薄くなる
解決策:「具体例を増やす」ことで字数と内容の両方を充実させましょう。同じ主張を繰り返すのではなく、別の角度からの具体例を付け加えることで、文章に厚みが生まれます。
失敗②:話が広がりすぎてまとまらない
解決策:書く前に「言いたいことを一文で言うと何か」を紙に書き出してみましょう。この「一文要約」ができていれば、文章が迷走することはありません。
失敗③:接続詞「しかし」で逆接ばかり使う
解決策:小論文では「問題提起→反論の紹介→自分の主張」という流れで書く場合が多く、「しかし」を多用しがちです。「だが」「とはいえ」「一方で」など、意味が似た表現を使い分けて変化をつけましょう。
失敗④:文末表現がすべて「〜だ。〜だ。〜だ。」と単調になる
解決策:「〜である。」「〜といえるだろう。」「〜ではないだろうか。」「〜に他ならない。」など、複数の文末表現をバリエーション豊かに使いましょう。文章のリズムが生まれ、読みやすさが増します。
失敗⑤:書き直しをしない
解決策:良い文章は「書いた後」に生まれます。一度書いたら必ず読み返し、「この文は本当に必要か?」「もっとシンプルに言えないか?」と問いながら削ぎ落とす作業をしましょう。優れた文章家ほど、推敲(すいこう)に時間をかけています。
今日からできるアクション
この記事で学んだことを実際に定着させるために、今日から取り組めることをリストアップします。
【今日すぐできること】
- 身の回りのことについて、PREP法を使って100字程度の文章を書いてみる
- 書いた文章を声に出して読み、長すぎる文章を分割する
- 新聞の社説を一段落書き写してみる
【今週中にできること】
- 過去の受験作文・日常文を読み返し、10の技術に照らして添削してみる
- 「主語と述語が遠い文章」「受動態の文章」を書き直す練習をする
- 気に入った文章(本・記事)の冒頭を5回書き写す
【継続的にやること】
- 毎日何かについて「意見+理由+具体例」の3点セットで書く習慣をつける
- 書いた文章を信頼できる先生・家族に見てもらいフィードバックをもらう
- 良いと感じた文章の「型」を分析し、自分の引き出しを増やしていく
翔先生からひとこと:「文章力は一朝一夕では身につきません。でも、毎日少しずつ書く習慣さえ続ければ、3ヶ月後には必ず変化を感じられます。焦らず、でも毎日続けることが最強の戦略です!」
まとめ・日本国語塾トップについて
今回の記事では、わかりやすい文章を書く10の技術を、具体例とともに解説しました。
改めて10の技術をおさらいしましょう:
- 書く前に「型」を決める(PREP法)
- 主語と述語を近づける
- 接続詞を正しく使う
- 具体例を必ず入れる
- 漢字・ひらがなのバランスを意識する
- 段落を適切に分ける
- 受動態・二重否定を避ける
- 数字・データを活用する
- 声に出して読み直す
- 「である調」と「ですます調」を統一する
これらの技術は、受験の作文・小論文はもちろん、大学のレポート、社会に出てからのビジネス文書まで、あらゆる場面で通用する普遍的なスキルです。今日からひとつずつ、着実に実践してみてください。
文章力は、論理的思考力・表現力・伝える力のすべてを含む総合的な能力です。この力を磨くことは、受験を超えて、皆さんの人生を豊かにしてくれます。
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