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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】ことわざ・故事成語練習問題 第1回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、今日は「ことわざ・故事成語」シリーズの第1回ですね。

翔先生:はい。ことわざ・故事成語は覚える量が多いように見えますが、実は「似た意味のグループ」「反対の意味のグループ」でまとめると効率よく頭に入りますよ。

藤原:特に故事成語は、由来となった中国の古典のエピソードを知っておくと、意味を丸暗記するよりずっと忘れにくくなります。

翔先生:今回の10問では、有名な故事成語の由来をしっかり解説しつつ、似た意味のことわざ・反対の意味のことわざを対にして出題しています。1問ずつ丁寧に確認していきましょう。

問題(全10問)

第1問

「弘法にも筆の誤り」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.どんな名人でも時には失敗することがある
イ.経験を積めば必ず上達する
ウ.準備を怠ると必ず失敗する
エ.人は見かけによらないものだ

第2問

「弘法にも筆の誤り」と同じような意味を持つことわざを、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.猿も木から落ちる
イ.石の上にも三年
ウ.急がば回れ
エ.二兎を追う者は一兎をも得ず

第3問

次の文章は、ある故事成語の由来を説明したものである。空欄に当てはまる語句を漢字二字で答えなさい。

「昔、中国のある商人が市場で盾と矛を売っていた。彼は『この盾はどんな矛も防ぐ』と言い、また『この矛はどんな盾も突き通す』と言った。すると見物人の一人が『では、その矛でその盾を突いたらどうなるのか』と尋ねたところ、商人は答えることができなかった。この話から、話のつじつまが合わないことを(  )というようになった。」

第4問

故事成語「蛇足」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.余計な付け足し
イ.素早い行動
ウ.無駄な争い
エ.見せかけだけの飾り

第5問

「五十歩百歩」とほぼ同じ意味を持つ言葉を、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.どんぐりの背比べ
イ.雲泥の差
ウ.千里の道も一歩から
エ.一石二鳥

第6問

次の文の空欄に入る故事成語を答えなさい。

「両者が争っている間に、第三者が苦労せずに利益を横取りすることを(  )という。」

第7問

「漁夫の利」とは反対に、欲張って両方を狙った結果どちらも得られないことを意味することわざを、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.二兎を追う者は一兎をも得ず
イ.一石二鳥
ウ.棚からぼた餅
エ.濡れ手で粟

第8問

故事成語「杞憂」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.無用な心配
イ.深い後悔
ウ.突然の幸運
エ.固い決意

第9問

次の文の空欄に当てはまる故事成語を漢字二字で答えなさい。

「詩や文章の表現を何度も練り直し、より良いものにしようとすることを(  )という。」

第10問

「覆水盆に返らず」と似た意味を持つことわざを、次のア〜エから一つ選びなさい。

ア.後の祭り
イ.善は急げ
ウ.初心忘るべからず
エ.案ずるより産むが易し

解答・解説

第1問の解答と解説

解答:ア

「弘法にも筆の誤り」は、書の名人として知られる弘法大師(空海)でさえ、時には文字を書き誤ることがあるという意味から、「どんなに優れた人でも失敗することがある」ことを表すことわざです。イのように「経験を積めば上達する」という成長の意味だと誤解する受験生が多いですが、このことわざの主眼はあくまで「名人でも失敗する」という点にあります。ウ・エはまったく別の意味なので、選択肢の中で意味のずれを見抜けるかがポイントです。

第2問の解答と解説

解答:ア

「猿も木から落ちる」も「弘法にも筆の誤り」と同じく、「その道の達人・得意な者でも失敗することがある」という意味を持つ類義のことわざです。イ「石の上にも三年」は忍耐の大切さ、ウ「急がば回れ」は安全な方法を選ぶことの大切さ、エ「二兎を追う者は一兎をも得ず」は欲張ることの戒めであり、いずれも意味が異なります。ことわざは「似た意味のグループ」でまとめて覚えると、選択問題での判別力が格段に上がります。

第3問の解答と解説

解答:矛盾

この話は中国の思想書『韓非子』に見える有名な故事で、「どんな盾も防ぐ矛」と「どんな矛も防ぐ盾」という、両立しない主張をしてしまった商人のエピソードから、話や物事のつじつまが合わないことを「矛盾」というようになりました。「矛」と「盾」という二つの武器の名前がそのまま熟語になっている点を押さえておくと、漢字の書き間違い(「矛」を「予」と書くミスなど)を防げます。故事成語は由来のストーリーとセットで覚えると、意味も漢字も忘れにくくなります。

第4問の解答と解説

解答:ア

「蛇足」は中国の書物『戦国策』に由来する故事成語です。蛇の絵を早く描く競争をしたところ、一番早く描き終えた者が調子に乗って蛇には本来ない足まで描き足してしまい、蛇ではなくなったために負けてしまった、という話が元になっています。ここから、なくてもよい余計な付け足しのことを「蛇足」と呼ぶようになりました。「蛇足ながら申し上げますと」のように、自分の発言をへりくだって添える表現としても使われる点も覚えておきましょう。

第5問の解答と解説

解答:ア

「五十歩百歩」は『孟子』に由来する故事成語で、戦場で五十歩逃げた兵士が百歩逃げた兵士を「臆病者だ」と笑ったが、逃げたこと自体は同じであるという話から、「多少の違いはあっても本質的には大差がない」ことを表します。「どんぐりの背比べ」も同じく「似たり寄ったりで大差がない」という意味であり、正解はアです。反対に、イ「雲泥の差」は天と地ほどの大きな違いを表す言葉であり、意味が正反対になるため、対比してセットで覚えておくと混同を防げます。

第6問の解答と解説

解答:漁夫の利

「漁夫の利」は『戦国策』に見える故事成語です。シギがハマグリのからだをついばもうとしてくちばしを挟まれてしまい、両者が意地を張り合って争っているうちに、通りかかった漁師が両方とも簡単に捕まえてしまった、という話が由来です。ここから、当事者同士が争っている隙に、無関係な第三者が労せず利益を得ることを「漁夫の利」と呼びます。「棚からぼた餅」と混同されがちですが、こちらは単なる偶然の幸運であり、「争いの結果として第三者が得をする」という構造がある点が漁夫の利の特徴です。

第7問の解答と解説

解答:ア

「二兎を追う者は一兎をも得ず」は、二羽のウサギを同時に追いかけようとすると結局どちらも捕まえられない、という意味から、欲張って複数のことを同時に狙うと、結果的にどれも成功しないという戒めを表すことわざです。「漁夫の利」が第三者が労せず利益を得る話であるのに対し、こちらは欲張った当事者自身が損をする話であり、対比して覚えると理解が深まります。イ「一石二鳥」は一つの行動で二つの利益を得るという正反対の意味の言葉なので、混同しないよう注意しましょう。

第8問の解答と解説

解答:ア

「杞憂」は中国の書物『列子』に由来する故事成語です。杞の国に住むある人が、「天が崩れ落ちてきたらどうしよう」と心配するあまり、食事も喉を通らず夜も眠れなくなってしまった、という話が元になっています。ここから、実際には起こる可能性がほとんどないことを心配する「無用な心配・取り越し苦労」を「杞憂」と呼ぶようになりました。「それは杞憂に終わった」のように、心配していたことが結局起こらなかった場合の表現としてもよく使われます。

第9問の解答と解説

解答:推敲

「推敲」は、唐の詩人・賈島が「僧は推す月下の門」という詩句を作った際、「推す」を「敲く」に変えるべきか迷いながら歩いていたところ、当時の高名な文人・韓愈に出会って相談し、「敲く」の字を採用することにした、という故事に由来します。ここから、文章や詩の表現を何度も練り直し、より良いものにしていくことを「推敲」と呼ぶようになりました。「推」と「敲」という二つの漢字がそのまま熟語になっている点は、第3問の「矛盾」と同じ構成であり、由来を知っていれば漢字を混同することがなくなります。

第10問の解答と解説

解答:ア

「覆水盆に返らず」は、太公望(呂尚)が貧しかった頃に去っていった妻が、太公望が出世した後に復縁を求めてきたのに対し、太公望が盆(皿)の水を地面にこぼし、「これを元の盆に戻せるか」と言って断った、という故事に由来します。ここから、一度してしまったことは取り返しがつかないという意味で使われます。「後の祭り」も同じく、事が終わってしまってからでは手遅れであるという意味の類義のことわざであり、正解はアです。イ〜エはいずれも意味の方向性が異なるため、消去法でも見抜けるようにしておきましょう。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回のポイントは「対比で覚える」ことですね。似た意味のことわざ同士、反対の意味のことわざ同士をセットにして頭に入れると、選択問題で迷いにくくなります。

藤原:その通りです。特に故事成語は、由来となったストーリーを知っているかどうかで定着度が大きく変わります。「矛盾」なら盾と矛の商人、「杞憂」なら天が落ちてくると心配した杞の国の人、というように、エピソードごと覚えてしまいましょう。

翔先生:また、「漁夫の利」と「二兎を追う者は一兎をも得ず」のように、似ているようで実は視点が違うことわざ・故事成語もあります。「誰が得をして、誰が損をする話なのか」を意識して整理すると、混同を防げますよ。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は、ことわざ・故事成語の基礎を固める全10問をお届けしました。特に故事成語は由来を理解することで意味を正確に、そして忘れにくく身につけることができます。次回もぜひ挑戦してみてください。

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