はじめに
藤原進之介:数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!今日から「同音異義語」シリーズを始めます。翔先生、まず同音異義語ってなぜ受験生がつまずくんでしたっけ?
翔先生:読み方が同じだから、耳で聞いただけでは区別できないんですよね。だから「文脈」から意味を判断して、正しい漢字を選ぶ力が必要になります。特に「対象・対称・対照」や「保証・保障・補償」あたりは、模試でも入試でも本当によく間違えられます。
藤原:そうなんです。今回は基礎編として、書き取りで失点しやすい定番の同音異義語10組を厳選しました。文脈のヒントを丁寧に読めば、必ず一つの答えにたどり着けるように作っています。まずは10問、じっくり考えてみてください。
問題(全10問)
第1問
法律の内容を時代の変化に合わせて( )する必要がある。次のうちどちらが適切か答えなさい。
【改定/改訂】
第2問
この教科書は最新の研究成果を反映させるために大きく( )された。
【改定/改訂】
第3問
ボランティア活動に参加することの( )を、私は改めて感じている。
【意義/異議】
第4問
会議の決定事項に対して、彼は強く( )を唱えた。
【意義/異議】
第5問
警察は事件の真相を( )するために、関係者への聞き込みを続けた。
【追求/追及/追究】
第6問
幸福とは何かという問いを、哲学者たちは長い間( )してきた。
【追求/追及/追究】
第7問
この図形は左右が完全に( )になっている。
【対象/対称/対照】
第8問
アンケートは、20代から30代の男女を( )として実施された。
【対象/対称/対照】
第9問
銀行はこの融資に対して、確実な( )を求めてきた。
【保証/保障/補償】
第10問
災害で被害を受けた住民には、国から一定の( )が支払われることになった。
【保証/保障/補償】
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:改定
「改定」は、法律・規則・料金など、社会的に定められたルールを新しく定め直すときに使う言葉です。ここでは「法律の内容」を新しく定め直す文脈なので「改定」が正解になります。「改訂」との混同が最も多い一組で、対象が「制度・決まりごと」なのか「文章・書物」なのかで見分けるのがコツです。法律・規則・運賃・料金は「改定」、教科書・辞書・小説の内容は「改訂」と覚えておきましょう。
第2問の解答と解説
解答:改訂
「改訂」は、書物・文章・教科書などの内容を書き改めることを指します。ここでは「教科書」の記述内容を書き改める文脈なので「改訂」が正解です。第1問の「改定」との違いは、対象が「文章・出版物」であるかどうかにあります。「改訂版」という言葉を思い浮かべると区別しやすくなります。
第3問の解答と解説
解答:意義
「意義」は、物事の持つ価値や大切な意味を表す言葉です。ここでは「ボランティア活動の価値・意味」を感じている文脈なので「意義」が適切です。「異議」は反対意見を述べるときに使う語で、意味がまったく異なります。「意味・価値」の意義、「反対・不服」の異議、と対で覚えると混同しにくくなります。
第4問の解答と解説
解答:異議
「異議」は、決定や意見に対して反対の主張をすることを指します。ここでは「会議の決定事項に対して反対の意見を述べた」という文脈なので「異議」が正解です。「異議あり」という言い回しを思い出すと判断しやすいでしょう。第3問の「意義」と字形が似ているため、書き取り問題で特に混同しやすい組み合わせです。
第5問の解答と解説
解答:追及
「追及」は、責任や真相などを厳しく問いただすことを表す言葉です。ここでは「事件の真相を厳しく問いただす」文脈なので「追及」が正解になります。「追求」は利益や目標を追い求めること、「追究」は学問的に物事を深く調べ極めることを指すため、文脈が異なります。「責任追及」「真相追及」というセットで覚えると定着します。
第6問の解答と解説
解答:追究
「追究」は、物事の本質や真理を学問的・理論的に深く探り極めることを意味します。ここでは「幸福とは何か」という問いを哲学的に探求する文脈なので「追究」が正解です。「追求」は利益や幸福そのものを手に入れようとする行為に使うため、「幸福を追求する」とは言えますが、「問いを追求する」とは通常言いません。目的語が「問い・真理・本質」であれば「追究」と覚えておきましょう。
第7問の解答と解説
解答:対称
「対称」は、図形などが互いに釣り合っている状態を表す言葉です。ここでは「左右が釣り合っている図形」の文脈なので「対称」が正解になります。「左右対称」という熟語を思い浮かべると判断しやすいでしょう。「対象」は行為の目的物、「対照」は比べ合わせることを指すため、意味が大きく異なります。
第8問の解答と解説
解答:対象
「対象」は、行為や調査の目的となる相手・物事を表します。ここでは「アンケートの相手となる年代・性別」の文脈なので「対象」が正解です。「調査対象」「研究対象」という言い回しで覚えると分かりやすいでしょう。第7問の「対称」、次に扱う「対照」との違いは、それぞれ「釣り合い」「相手・目的物」「比べること」という意味の違いに注目すると整理できます。
第9問の解答と解説
解答:保証
「保証」は、確かであると請け合うこと、責任を持って請け合うことを表します。ここでは「融資に対して確実であると請け合うもの」を求められている文脈なので「保証」が正解です。「保証人」「品質保証」という言葉を思い浮かべると理解しやすくなります。「保障」は権利や生活を守ること、「補償」は損害を金銭などで埋め合わせることを指し、意味が異なります。
第10問の解答と解説
解答:補償
「補償」は、与えた損害を金銭などで埋め合わせることを意味します。ここでは「災害の被害に対して国からお金が支払われる」文脈なので「補償」が正解です。「損害補償」という言葉で覚えるとよいでしょう。第9問の「保証」や「社会保障」の「保障」と字形が似ているため、書き取り問題で頻出の間違いやすい組み合わせです。「損害=補償」「権利・生活=保障」「請け合う=保証」と3つセットで整理しておきましょう。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:同音異義語は、漢字だけを丸暗記しようとすると必ずつまずきます。大切なのは「その熟語がどんな場面・どんな目的語と一緒に使われるか」をセットで覚えることです。
藤原:その通りです。「損害を補償する」「権利を保障する」「品質を保証する」のように、短い例文ごと頭に入れておくと、初めて見る文章でも同じパターンで判断できるようになります。今回扱った10組は、模試や入試の書き取り問題で本当によく出るものばかりなので、ノートに例文ごとまとめておくことを強くおすすめします。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は書き取りで失点しやすい同音異義語10組を、文脈から判断する形式で練習しました。漢字の形だけでなく、使われる場面・目的語とセットで覚えることが得点力アップの近道です。次回もさらに実践的な問題をご用意しますので、ぜひ挑戦してみてください。
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