数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
はじめに
藤原:翔先生、四字熟語シリーズの第2回ですね。今回はどんな力が身につきますか?
翔先生:はい。前回は「意味を覚える」ことが中心でしたが、今回は入試で本当によく問われる「空欄補充」と「用例の中での使い方」を中心に据えました。四字熟語は意味を知っているだけでは得点になりません。文脈の中でどう使われるかまでセットで覚える必要があります。
藤原:なるほど。単語カードのように単独で覚えるのではなく、「文の中でどう機能するか」まで確認する、というわけですね。
翔先生:その通りです。今回の10問を通して、①正確な漢字表記、②正しい意味、③実際の文脈での使い分け、この3点を同時に鍛えていきましょう。
問題(全10問)
第1問
次の空欄に当てはまる漢字二字を答えなさい。
「昔の学問や事柄を研究し、そこから新しい知識や見解を得ることを( )故知新という。」
第2問
「付和雷同」の意味として最も適切なものを選びなさい。
ア.自分の考えを持たず、他人の意見にすぐ同調すること
イ.雷が鳴るほど激しく怒ること
ウ.風のようにすばやく物事を決断すること
エ.周囲の人と力を合わせて困難に立ち向かうこと
第3問
次の空欄に当てはまる漢字一字を答えなさい。
「仲の悪い者同士や敵対する者同士が、共通の困難のために同じ場所や状況に居合わせることを、呉越( )舟という。」
第4問
「大器晩成」の意味として最も適切なものを選びなさい。
ア.大きな器は最後まで完成しないものだということ
イ.大人物は若いうちから目立った才能を発揮するということ
ウ.真に偉大な人物は、若いうちには目立たず、年を重ねてから実力を発揮するということ
エ.大きな成功は一瞬の運によって決まるということ
第5問
次の空欄に当てはまる四字熟語の一部(漢字二字)を答えなさい。
「彼の主張は聞くたびに内容が食い違い、まったく( )滅裂で筋が通っていない。」
第6問
次の空欄に当てはまる漢字二字を答えなさい。
「物事は一朝( )に成し遂げられるものではなく、長い年月の積み重ねが必要である。」
第7問
「四面楚歌」の意味として最も適切なものを選びなさい。
ア.四方を敵に囲まれ、味方が誰もいない孤立した状況
イ.四方八方から歌声が聞こえる、にぎやかな祭りの様子
ウ.四つの方角から仲間が助けに来てくれる心強い状況
エ.周囲の人々が一斉に反対意見を述べること
第8問
次の空欄に当てはまる漢字一字を答えなさい。
「千載一( )のチャンスを逃さないよう、彼は準備を怠らなかった。」
第9問
「竜頭蛇尾」の使い方として最も適切な文を選びなさい。
ア.彼の計画は竜頭蛇尾で、最初は立派だったが最後は尻すぼみに終わった。
イ.彼はいつも竜頭蛇尾な性格で、最後まで粘り強くやり遂げる。
ウ.この作品は竜頭蛇尾で、最初から最後まで安定した完成度を保っている。
エ.彼女の演説は竜頭蛇尾で、序盤は平凡だったが終盤に向けて盛り上がった。
第10問
次の空欄に当てはまる漢字一字を答えなさい。
「絶望的な状況からの起死( )生の一打として、彼は最後の作戦を実行した。」
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:温
正解は「温故知新」で、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」という『論語』に由来する語です。過去の学びを振り返ることで、新しい発見や知恵を得るという意味を持ちます。「温」を「暖」と誤って書いてしまう受験生が非常に多いので注意してください。訓読みの「たずねる」から漢字を連想すると覚えやすくなります。
第2問の解答と解説
解答:ア
「付和雷同」は、自分にしっかりした考えがなく、他人の意見にわけもなく同調してしまうことを意味します。「雷同」は雷が鳴ると周囲の物が一斉に響き合うことに由来し、そこから「他人の意見にすぐ調子を合わせる」という意味に転じました。イは「雷」の字面から連想しやすい誤答ですが、怒りの意味は一切ありません。ウやエのような前向きな意味と混同しないよう注意しましょう。
第3問の解答と解説
解答:同
「呉越同舟」は、仲の悪い者同士が同じ舟に乗り合わせるように、敵対関係にある者同士が共通の利害や困難のために協力・同席することを意味します。中国の呉と越という長年対立していた国の名に由来する故事成語です。「同」を「共」と書き間違えるケースが見られますが、正しくは「同舟」です。「協力する」という前向きな意味だけでなく、「本来は仲が悪い」という前提があることを押さえておきましょう。
第4問の解答と解説
解答:ウ
「大器晩成」は、真に偉大な才能を持つ人物は、若いうちにはなかなか頭角を現さず、年齢を重ねてから大成するという意味です。『老子』に由来する語で、「大きな器(能力)は完成までに時間がかかる」という比喩から生まれました。アは字面だけを見た誤読で、「最後まで完成しない」という意味ではない点に注意が必要です。若くして成功しなかった人物を励ます文脈でよく使われます。
第5問の解答と解説
解答:支離
「支離滅裂」は、話や物事がばらばらでまとまりがなく、筋道が通っていない状態を表します。「支離」はばらばらに離れていること、「滅裂」は破れ裂けることを意味し、両者が合わさって「めちゃくちゃな状態」を強調しています。「支離」を「四離」など同音の別漢字で書いてしまう誤りが多いので、意味とセットで正確な漢字を覚えましょう。論理的でない主張や文章を批判する場面で頻出します。
第6問の解答と解説
解答:一夕
「一朝一夕」は「一つの朝と一つの夕方」、つまり「わずかな期間」を意味し、多くは「一朝一夕にはいかない」という打消しの形で用いられます。物事の達成には長い時間や努力が必要だという文脈で使われる点がポイントです。「一朝一石」など漢字を誤って組み合わせる例が見られるため、「朝」と「夕」という対になる時間帯の漢字であることを意識して覚えてください。
第7問の解答と解説
解答:ア
「四面楚歌」は、周囲を敵に囲まれ、味方が一人もいない孤立無援の状況を表します。楚の国の武将・項羽が、四方から楚の歌が聞こえてきたことで自国の兵が既に降伏したと知り、絶望したという故事に由来します。イのように単に「にぎやかな」様子と誤解する受験生がいますが、実際は孤立や絶望を伴う否定的な状況を表す語である点に注意してください。ディベートや議論で孤立した立場に立たされた際の描写にもよく用いられます。
第8問の解答と解説
解答:遇
「千載一遇」は、千年に一度しか巡り会えないほどの、めったにない好機を意味します。「載」は「年」と同じ意味で使われ、「遇」は「めぐりあう」ことを表します。「遇」を「偶」と誤記する例が非常に多いので、「偶然」ではなく「めぐりあう」という意味の漢字であることを意識して区別しましょう。チャンスの貴重さを強調する場面で頻繁に使われる表現です。
第9問の解答と解説
解答:ア
「竜頭蛇尾」は、頭は竜のように立派だが尾は蛇のように貧弱であることから、始めは勢いが盛んでも終わりに近づくにつれて衰えてしまうことを意味します。したがって「最初は立派だったが最後は尻すぼみに終わった」とするアが正しい用例です。イ・ウ・エはいずれも「一貫して安定している」「終盤に盛り上がる」といった正反対、あるいは無関係な意味で使われており誤りです。「頭でっかち・尻すぼみ」というイメージを漢字の意味から直接つかんでおくと混同を防げます。
第10問の解答と解説
解答:回
「起死回生」は、ほとんど絶望的な状況や、死にかけている状態を立て直し、勢いを取り戻すことを意味します。「死に起きて生に回る」という漢字の並びから、絶望的な状態からの逆転を表す語であることがイメージしやすいでしょう。「回」を「快」など似た読みの漢字と混同しないよう注意が必要です。スポーツの逆転劇や、経営の立て直しなどの文脈で頻出する表現です。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:今回の10問を通して感じてほしいのは、四字熟語は「漢字四文字の暗記」ではなく「四文字それぞれに意味がある」ということです。例えば「起死回生」なら「起・死・回・生」の一文字一文字に意味があり、それを組み合わせて理解すると、漢字の書き間違いがぐっと減ります。
藤原:そうですね。加えて、今回の第9問のように「正しい用例を選ぶ」形式は近年の入試で増えています。意味を暗記するだけでなく、「その四字熟語がポジティブな文脈で使われるのか、ネガティブな文脈で使われるのか」まで押さえておくことが得点力に直結します。
翔先生:普段の学習でも、四字熟語を見つけたら意味だけでなく短い例文を自分で作ってみる習慣をつけると、確実に定着していきますよ。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は入試頻出の四字熟語10問を、空欄補充・意味選択・用例選択という3つの角度から出題しました。漢字の正確な表記、意味の正確な理解、そして文脈の中での使い分けをセットで身につけることが、四字熟語問題での得点力アップの近道です。次回もぜひ引き続き挑戦してみてください。
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