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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】小論文の演習課題練習問題 第3回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、第3回は小論文の演習ですね。今回はどんな力を鍛える回にしましょうか。

翔先生:はい。小論文で一番差がつくのは「思いつきで書く」か「型に沿って論理を組み立てるか」の違いです。今回は資料文の読み取り→主張の設定→根拠づけ→反論への対応、という流れを10テーマで反復して、どんなお題が来ても崩れない骨組みを作ります。

藤原:今回のお題はすべてオリジナルで、資料の数値も学習用に作成した仮想データです。実在の統計・入試問題ではありませんので、内容の暗記ではなく「考え方の型」を身につけることに集中してください。それでは10問、いきましょう。

問題(全10問)

第1問

次の資料は、ある地域の中高生を対象に行った学習用の仮想アンケート結果です(※学習用に作成した架空のデータです)。「授業中にスマートフォンで調べ物をすることについて」賛成42%、反対38%、どちらとも言えない20%という結果が出た。この資料を踏まえ、あなたは学校の授業でスマートフォンの利用を認めるべきかどうか、400字以内で自分の考えを述べなさい。

第2問

「便利さが増すほど、人は不便さに耐えられなくなる」という考え方について、あなたの意見を、具体例を一つ挙げながら500字以内で述べなさい。

第3問

次の意見文(※学習用に作成した例文です)を読み、設問に答えなさい。
「地域の商店街は、大型ショッピングモールの進出により客足が減り続けている。しかし商店街には、顔なじみの店主との会話や、地域の祭りの拠点になるといった、モールにはない役割がある。効率だけを重視すれば商店街は不要かもしれないが、それでよいのだろうか。」
この文章の筆者の主張を踏まえたうえで、あなたは地域社会にとって商店街のような場所が今後も必要だと考えるか、理由とともに450字以内で述べなさい。

第4問

「失敗を経験させない教育」と「失敗から学ばせる教育」という二つの考え方について、あなたはどちらの立場に近いか、理由を含めて500字以内で述べなさい。

第5問

次のグラフの説明(※学習用に作成した仮想データです)を読み、設問に答えなさい。
「ある地域で行った調査によれば、一人暮らしの高齢者のうち『困ったときに頼れる人がいない』と答えた人は10年前は18%だったが、現在は31%に増加した。」
この変化の背景として考えられる理由を一つ挙げ、地域社会にできる対応策を含めて500字以内で述べなさい。

第6問

「多様性を尊重する」という言葉は近年よく使われるが、その一方で「みんな同じであるべきだ」という考え方との間に摩擦が生じることがある。この摩擦がなぜ起こるのか、あなたの考えを400字以内で述べなさい。

第7問

次の意見文(※学習用に作成した例文です)を読みなさい。
「働き方改革によって残業時間は減った。しかし、仕事量そのものは変わらないため、持ち帰り仕事や休日出勤という形で見えない労働が増えているという指摘もある。」
この指摘を踏まえ、真に労働環境を改善するために必要なことは何か、あなたの考えを500字以内で述べなさい。

第8問

「人工知能が書いた文章と人間が書いた文章の違いは何か」というお題について、あなたの考えを具体例を交えながら500字以内で述べなさい。

第9問

次の資料(※学習用に作成した架空のデータです)を読みなさい。
「ある学校でSNS上のトラブルについて調査したところ、『言葉の行き違いが原因だった』と答えた生徒が全体の65%にのぼった。」
この結果から考えられる、SNSでのコミュニケーションにおける注意点を、具体的な行動の提案を含めて450字以内で述べなさい。

第10問

「伝統を守ること」と「時代に合わせて変えること」は、しばしば対立して語られる。この二つは本当に両立できないのか、あなたの考えを一つの具体例を挙げながら550字以内で述べなさい。

解答・解説

第1問の解答と解説

答案の骨子:①資料の数値(賛成42%・反対38%・拮抗している事実)を引用して現状を提示する。②「認める/認めない」のどちらかの立場を明確にとる。③立場を支える理由を1〜2つ、具体的な学習場面(調べ学習・辞書代わりの利用など)に即して述べる。④反対意見(授業に集中できなくなる等)に触れ、それに対する条件づけ(利用場面を限定する等)で反論に応える。

評価の観点:数値をただ書き写すだけでなく「拮抗している=一律のルールでは納得を得にくい」という読み取りができているかがポイントです。賛成・反対どちらの立場でも構いませんが、立場を途中で揺らがせないことが重要です。間違えやすいのは、資料の数字を根拠にせず自分の感想だけで書いてしまうパターンで、これは資料読解型の設問では大きな減点対象になります。反対意見への言及がないと「一面的」と評価されるため、必ず一言でも触れましょう。

第2問の解答と解説

答案の骨子:①命題(便利さと不便さへの耐性の関係)に対して賛成か反対かを最初に明示する。②抽象的な主張だけで終わらせず、必ず1つの具体例(例:エレベーターがない建物での不満、検索できないときの焦りなど)で裏付ける。③その具体例から「なぜそう言えるのか」という一般化の説明を加える。

評価の観点:この設問は抽象的な命題への意見文なので、具体例の質が得点を大きく左右します。よくある失敗は、具体例を挙げたのに命題との対応関係を説明せず放置してしまうことです。「エレベーターが止まって困った」だけでは不十分で、「これは便利さに慣れた結果、少しの不便さも耐えがたく感じるようになった例だ」と明示的につなげる必要があります。抽象と具体を行き来する構成ができているかを重点的に見ます。

第3問の解答と解説

答案の骨子:①筆者の主張(効率だけでは測れない価値が商店街にはある)を自分の言葉で要約する。②その主張に対して自分は賛成か、部分的に異なる立場かを示す。③商店街が持つ機能(コミュニティの拠点、世代間交流など)を自分なりに補強する具体例を挙げる。④効率重視の立場(モールの利便性)にも一定の理解を示し、両者のバランスに言及できると高評価。

解説:資料要約型の設問では、筆者の主張を勝手に自分の意見にすり替えてしまうミスが多発します。まず「筆者は〜と述べている」という要約を独立させ、そのあとに「私は〜と考える」と自分の意見を続ける二段構成にすることが安全です。商店街の存在意義を情緒的に語るだけでなく、地域社会の機能面(防災の連携、高齢者の見守りなど)から論じられると説得力が増します。

第4問の解答と解説

答案の骨子:①二つの立場のどちらか一方を選ぶ(両論併記で終わらせない)。②選んだ理由を、成長・自立・自己肯定感などのキーワードで説明する。③反対側の立場が持つメリット(安全性・効率性など)にも触れ、それでもなお自分の立場が妥当だと補強する。

解説:この設問は「二項対立から一方を選ばせる」典型的な小論文形式です。よくある失敗は「どちらも大切だと思う」という結論に逃げてしまうことで、これは論点をぼかしてしまい評価が下がります。選んだ立場について、抽象論だけでなく「どのような場面で」その考え方が有効かを具体化することが重要です。反対側への配慮を一文でも入れることで、視野の広さを示せます。

第5問の解答と解説

答案の骨子:①数値の変化(18%→31%)を明示して問題の深刻化を示す。②背景として考えられる要因を1つに絞って提示する(例:核家族化・地域のつながりの希薄化など)。③その要因に対応する具体的な対応策(見守りネットワーク、地域サロンの設置など)を提案する。

解説:データの読み取り設問では、要因を複数羅列すると論点が拡散し、字数内で説得力を出せなくなります。1つの要因に絞り、その要因と提案する対応策が一直線につながっているかが評価の中心です。「地域のつながりが薄れたから、行政が高齢者向け施設を増やすべきだ」のように、要因と対策の対応関係がずれていないかを必ず見直しましょう。

第6問の解答と解説

答案の骨子:①「多様性の尊重」と「均質であるべきという価値観」がそれぞれ何を大切にしているかを整理する。②両者が対立する理由を、集団の一体感と個人の自由という視点から説明する。③この摩擦にどう向き合うべきか、自分なりの見解を短く添える。

解説:抽象度の高いテーマなので、まず二つの立場の「価値観の違い」を言語化できるかが第一関門です。ここを飛ばして「摩擦は良くない」といった感想だけで終わると分析が浅いと判断されます。集団の秩序を重んじる立場と、個人の違いを認める立場、それぞれの「良さ」を公平に扱うことで論の深さが出ます。

第7問の解答と解説

答案の骨子:①資料の指摘(残業削減が見えない労働を生んだ)を要約する。②「時間の削減」だけでは解決にならない理由を説明する。③根本的な改善策として、仕事量の見直し・人員配置・評価制度の変更など、時間管理以外の視点を提案する。

解説:この設問は「制度の表面的な変更が本質的な解決になっていない」という構造を見抜けるかがカギです。よくある失敗は「残業を減らせばよい」という資料の内容を繰り返すだけで終わることです。資料が示す矛盾(時間は減ったが負担は変わらない)を踏まえ、その先の対策を自分の言葉で提示できているかを厳しく評価します。

第8問の解答と解説

答案の骨子:①AIの文章の特徴(大量の情報から統計的に自然な表現を生成する)を簡潔に説明する。②人間の文章の特徴(経験や感情に基づく一回性、意図の背景)と対比する。③具体例(同じテーマの作文でも、個人的な体験談が入るかどうか等)を挙げて違いを裏付ける。

解説:抽象的な比較テーマは、対比の軸をはっきりさせることが最重要です。「AIはすごい/人間は温かい」といった印象論だけでは評価されません。「情報の処理方法の違い」と「経験に基づくかどうかの違い」など、具体的な軸を設定してから両者を比較する構成にすると論理性が際立ちます。

第9問の解答と解説

答案の骨子:①資料の数値(65%が言葉の行き違いが原因)を引用し、問題の中心が「文字だけのやり取りの限界」にあることを指摘する。②なぜ文字だけだと行き違いが起きやすいのか理由を説明する(表情や声の抑揚が伝わらないなど)。③具体的な対処法(送信前に読み返す、感情的な内容は対面や通話で伝える等)を提案する。

解説:データを根拠にした提案型の設問は、「原因の分析」と「対策の提案」がセットで評価されます。原因分析を飛ばして対策だけを書くと、資料を活用できていないと判断されるので注意が必要です。対策は抽象的な精神論(「思いやりを持とう」等)ではなく、具体的な行動レベルまで落とし込むことで説得力が増します。

第10問の解答と解説

答案の骨子:①「伝統を守ること」と「時代に合わせて変えること」が対立する理由を簡潔に述べる。②両立可能だと考える立場(または対立は避けられないという立場)を選び、明確にする。③具体例(祭りの形式は変わっても目的である地域の結束は守られている、など)を用いて自分の主張を裏付ける。

解説:この設問は伝統と変化という二項対立を「本質」と「形式」に分けて考えられるかが評価の分かれ目です。「本質(目的・価値)は守りつつ、形式(やり方)は変えてもよい」という整理ができると、説得力のある論になります。伝統と革新のどちらか一方に偏った主張だけでは、視野の狭さを指摘されやすいため、両者のバランスをとる視点を持てているかを確認しましょう。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回の10問に共通しているのは、「資料や命題を正確に読み取る」→「自分の立場を明確に決める」→「具体例で裏付ける」→「反対意見に一言触れる」という4段階の型です。この型さえ体に染み込ませておけば、どんなお題が出てもゼロから構成を考える必要がなくなります。

藤原:特に受験本番で差がつくのは、「立場をぼかさないこと」と「反対意見への配慮」です。両論併記で逃げる答案は一見バランスが良さそうに見えて、実は「結局何が言いたいの?」と評価されてしまいます。今回の10題を繰り返し練習して、自分なりの型を確立してください。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は小論文の演習課題として、資料読解型・二項対立型・データ活用型など、入試で頻出する様々なパターンを10問用意しました。すべてオリジナルの問題ですので、模範解答を丸暗記するのではなく、「なぜこの構成になるのか」という考え方を身につけて、次回以降の演習にも活かしてください。

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