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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】小論文の演習課題練習問題 第4回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、小論文の演習課題も第4回になりましたね。今回はどんな力を鍛えますか?

翔先生:今回は「読む→整理する→書く」という小論文の基礎工程を一問一答形式で分解しました。要約、対比、因果関係の整理、構成の並べ替え、資料の読み取り、表現の修正まで、小論文で必ず使う技術を一通り確認できるようにしています。

藤原:小論文は「自由に書くもの」というイメージがありますが、実は答えが一つに絞れる部分もたくさんありますよね。

翔先生:その通りです。課題文の要点整理や構成の型は、実はかなり客観的に正解が決まります。今回はそうした「型」の部分をしっかり練習しましょう。

問題(全10問)

第1問

次の課題文を読み、要旨を40〜45字以内で要約せよ。

「情報化社会において、私たちは膨大な量の情報に日常的に接している。しかし情報の量が増えるほど、一つひとつの情報を吟味する時間は短くなり、結果として断片的な理解にとどまりやすい。情報の質を見極める力こそが、これからの社会で求められている。」

第2問

次の課題文を読み、「便利さ」と対比されている内容を、本文中の語句を用いて15字以内で答えよ。

「科学技術の進歩は便利さをもたらす一方で、人間が本来持っていた身体的な感覚や忍耐力を弱めているという指摘もある。」

第3問

次の課題文を読み、本文の因果関係を「A→B→C」の形に整理せよ。

「地域の祭りは、単なる娯楽ではない。世代を超えた人々が同じ目的のために協力する過程で、地域への帰属意識が育まれる。この帰属意識が、防災や福祉など地域課題への協力意識にもつながっていく。」

第4問

次の四つの文を、小論文の基本構成(意見→理由→具体例→結論)に合うように並べ替えよ。

ア.したがって、学校でのスマートフォン使用は制限すべきである。
イ.私は、学校でのスマートフォン使用を制限すべきだと考える。
ウ.実際に、休み時間の多くをスマートフォン操作に費やし、友人との会話が減った例が報告されている。
エ.なぜなら、生徒同士の対面での関わりが減少し、コミュニケーション能力の育成が妨げられるからである。

第5問

次の課題文を読み、具体例に共通する抽象的な概念を10字以内で答えよ。

「電車内で高齢者に席を譲る、ゴミを持ち帰る、順番を守って並ぶ――これらの行動に共通するのは何か。」

第6問

次の文章は反対意見への配慮(譲歩)を欠いているため説得力が弱い。譲歩の一文を挿入するべき最も効果的な位置とその内容を答えよ。

「読書は大切だ。だから全ての人が本を読むべきだ。」

第7問

次の課題文を読み、「序論・本論・結論」の三部構成に分けたとき、本論に当たる文を番号で答えよ。

①現代社会では、多様な価値観を持つ人々が共に生活している。②そのため、自分と異なる意見に触れる機会も増えている。③このような環境では、相手の意見を否定せず、まずは理解しようとする姿勢が重要になる。④例えば、討論の場で相手の主張を要約してから自分の意見を述べると、対話が円滑に進みやすい。⑤よって、異なる価値観と向き合う際には、まず理解の姿勢を持つことが求められる。

第8問

次の資料を読み、そこから読み取れる内容として最も適切なものを一つ選べ。

「ある高校で実施した調査によると、『読書が好き』と答えた生徒の割合は、中学1年時で65%、高校3年時で42%であった。一方、『月に1冊も本を読まない』と答えた生徒の割合は、中学1年時で10%、高校3年時で35%であった。」

ア.高校生になると読書の好き嫌いに関わらず読書量が増える。
イ.学年が上がるにつれて読書離れが進んでいる傾向がうかがえる。
ウ.中学生は全員が読書を好んでいる。
エ.この調査だけで読書離れの原因が特定できる。

第9問

次の文中の空欄に入る語として最も適切なものを選び、その理由を答えよ。

「小論文では、個人の感想ではなく( )な根拠に基づいて論じることが求められる。」

ア.主観的 イ.客観的 ウ.感覚的 エ.情緒的

第10問

次の一文を、小論文にふさわしい表現に書き直せ(意見の内容は変えないこと)。

「私は正直、この問題についてよく分かんないけど、たぶん賛成かなって思う。」

解答・解説

第1問の解答と解説

解答:情報量の増加で吟味する時間が減り、断片的理解に陥りやすいため、情報の質を見極める力が必要だ。(約44字)

この課題文は「情報量の増加」→「吟味の時間の減少」→「断片的理解」という因果関係の末に、「情報の質を見極める力が求められる」という結論を述べる構造になっています。要約では、途中の因果関係を省略せず、最後の結論部分(筆者が最も伝えたいこと)を必ず入れることがポイントです。よくある間違いは、「情報化社会について」というテーマだけを書いて結論を落としてしまうケースです。要約は「テーマの説明」ではなく「筆者の主張の要点」を書くものだと意識しましょう。

第2問の解答と解説

解答:身体的な感覚や忍耐力

この問題は、本文中の対比構造を見抜く力を問うています。「便利さをもたらす一方で」という表現が対比の合図であり、その直後にある「身体的な感覚や忍耐力を弱めている」が対比対象です。小論文の課題文では「一方で」「しかし」「他方」といった接続表現の直後に、対比される重要な内容が置かれることが多いため、こうした語に印をつけて読む習慣をつけると読解が速くなります。誤答としては「科学技術の進歩」を答えてしまう例がありますが、これは便利さをもたらす主体であり対比対象ではありません。

第3問の解答と解説

解答:世代を超えた協力(祭りへの参加)→地域への帰属意識の醸成→地域課題(防災・福祉など)への協力意識の向上

因果関係の整理問題では、「〜という過程で」「〜が育まれる」「〜につながっていく」のような、原因と結果を結ぶ表現に注目します。この課題文では二段階の因果関係(祭りへの参加が帰属意識を生み、帰属意識が地域課題への協力意識を生む)が明示されているため、A→B→Cの三段階で整理するのが正確です。間違えやすいのは、AとCを直接結んでBを省略してしまうパターンで、これでは論理の飛躍が生まれ、正確な読解とはいえません。

第4問の解答と解説

解答:イ→エ→ウ→ア

小論文の基本構成は「意見(主張)→理由→具体例→結論(意見の再提示)」です。イは意見の表明、エは「なぜなら」で始まる理由、ウは「実際に」で始まる具体例、アは「したがって」で始まる結論にそれぞれ対応しています。接続表現(なぜなら・実際に・したがって)は文の役割を示すサインなので、並べ替え問題ではまずこれらの語に注目して分類すると、迷わず正しい順序に組み立てられます。理由と具体例の順番を逆にしてしまう間違いが多いので、「なぜなら」は必ず理由、「実際に」は必ず具体例だと覚えておきましょう。

第5問の解答と解説

解答:他者への配慮(公共心)

この問題は、複数の具体例から共通する抽象概念を取り出す「抽象化」の練習です。席を譲る、ゴミを持ち帰る、順番を守るという三つの行動は、いずれも「自分以外の誰かのために行動を控えたり選んだりする」という点で共通しています。小論文では、具体例を並べただけで終わらせず、その先に「つまり何が言えるのか」という一般化の一文を必ず加えることが評価される答案の条件です。個々の行動をそのまま並べただけの解答は、抽象化ができていないため不十分と判断されます。

第6問の解答と解説

解答:「読書は大切だ。」の直後に、「もちろん、学びの手段は読書以外にも数多くある。」のような譲歩の一文を挿入するのが効果的。

反対意見を先に一部認める「譲歩構文」(もちろん〜/確かに〜、しかし〜)を入れることで、一方的な主張ではなく多面的に検討した上での結論だという印象を読者に与えられ、説得力が高まります。挿入位置は、主張の直後で反対意見の可能性を早めに認めておくのが最も効果的です。譲歩を全く入れずに「だから全ての人が〜すべきだ」と断定する文章は、視野が狭いと評価されやすく、小論文としては減点対象になりやすい点に注意しましょう。

第7問の解答と解説

解答:本論=③④(序論=①②、結論=⑤)

序論は問題提起・背景の説明(①多様な価値観の共生、②意見の相違に触れる機会の増加)、本論は主張の理由と具体例(③理解の姿勢の重要性、④討論での実践例)、結論は主張の再提示(⑤理解の姿勢の必要性のまとめ)にそれぞれ対応します。本論は「理由+具体例」がセットで置かれる部分であり、これが小論文全体の説得力を支える中心部分です。序論の②を本論と誤読しやすいですが、②はまだ背景説明の域を出ておらず、筆者独自の主張はまだ述べられていない点で区別できます。

第8問の解答と解説

解答:

資料では「読書が好き」の割合が中学1年の65%から高校3年の42%に減少し、「月に1冊も読まない」の割合が10%から35%に増加しています。この二つの数値の変化から、学年が上がるにつれて読書離れが進んでいる傾向がうかがえると読み取るのが最も妥当です。アは数値の変化と矛盾し、ウは「全員」という言い切りが資料の65%という数値と一致せず、エは一つの調査から原因まで特定できるとする過度な一般化であり、いずれも不適切です。資料読解では、数値が示す事実の範囲を超えて断定しないことが重要です。

第9問の解答と解説

解答:イ(客観的)

小論文は個人の好みや感覚ではなく、誰が読んでも確認・検証できる根拠(データ、事実、一般的に共有された論理)に基づいて論じることが求められます。「主観的」「感覚的」「情緒的」はいずれも個人の内面に基づく判断であり、根拠として弱いため小論文には不向きです。特に「主観的」は「客観的」と対義語の関係にあるため、選択肢として混同しやすいポイントですが、小論文の評価基準では常に客観的根拠の提示が重視される点を押さえておきましょう。

第10問の解答と解説

解答例:「私はこの問題について賛成の立場をとる。」

元の文には「正直」「よく分かんない」「たぶん」「〜かなって思う」といった、話し言葉特有の曖昧表現・口語表現が多く含まれています。小論文では、自分の立場を明確に示す断定的な文末(「〜と考える」「〜の立場をとる」など)を用い、根拠のない自信のなさを表す語は取り除く必要があります。内容そのものは「賛成」という立場を変えずに、表現だけを書き言葉として整えることがこの問題のねらいです。よくある誤りとして、表現を直す際に主張の内容自体まで変えてしまう答案がありますが、これは設問の条件(意見の内容は変えない)を満たしていないため不正解になります。また、「たぶん」を「おそらく」に置き換えるだけでは口語的な曖昧さが残るため、断定表現へ完全に書き換えることが重要です。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回の10問を通じて感じてほしいのは、小論文は「感覚で書くもの」ではなく「型に沿って組み立てるもの」だということです。要約、対比、因果関係、構成の並べ替え、資料読解、表現の修正――どれも練習すれば必ず精度が上がる技術です。

藤原:特に大事なのは、接続表現(しかし・一方で・なぜなら・実際に・したがって)に敏感になることですね。これらは文章の「地図記号」のようなもので、どこに何が書かれているかを瞬時に見抜く手がかりになります。

翔先生:そして、自分の意見を書く段階では、必ず「主観的な感想」ではなく「客観的な根拠」に基づいて論じること。そのために、譲歩構文を使って反対意見にも目配りできると、答案の説得力が大きく上がります。日々の練習で、この「型」を体に染み込ませていきましょう。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は、小論文で必ず求められる基礎技術――要約、対比の把握、因果関係の整理、構成の組み立て、資料の読み取り、語句の使い分け、表現の修正――を10問に凝縮してお届けしました。一つひとつは小さな作業に見えても、これらを正確に積み重ねられるかどうかが、実際の入試小論文における答案の完成度を大きく左右します。ぜひ何度も解き直して、型として身につけてください。

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