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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】小論文の演習課題練習問題 第6回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、今回は小論文演習の第6回ですね。

翔先生:はい。今回は「課題文+短い資料」から自分の意見を組み立てる形式を10題そろえました。小論文は自由記述だからこそ、採点者が見ている『骨子』と『評価の観点』を知らないと、いくら書いても得点が伸びません。

藤原:そうですね。今回は「主張・根拠・具体例・反論への対応・結論」という小論文の型を、テーマを変えながら繰り返し練習することで、どんなお題が来ても対応できる『骨組みの筋力』を鍛えていきます。

翔先生:各問には模範解答の骨子と、採点で見られるポイントを詳しく書いていますので、自分の答案と照らし合わせながら復習してください。

問題(全10問)

第1問

【課題文】近年、多くの職場で「効率化」が最優先の価値として語られる。しかし、効率だけを追求すると、人と人との間にある「無駄なやり取り」が失われ、かえって信頼関係が築きにくくなるという指摘もある。

【設問】上記の課題文を踏まえ、「効率」と「人間関係」の関係についてあなたの考えを200字以内で述べよ。

第2問

【課題文】ある調査では、SNSで多くの情報に触れている人ほど、かえって「何が正しいか分からなくなった」と感じる割合が高いという結果が出た。

【設問】情報量の増加が人の判断力に与える影響について、具体例を一つ挙げながら150字以内で説明せよ。

第3問

【課題文】地方のある商店街では、若者の流出が進む一方で、移住者向けの空き店舗活用によって新しい店が生まれつつある。

【設問】地方の活性化にとって「外から来る人の力」と「地元に元からいる人の力」は、それぞれどのような役割を果たすと考えられるか。200字以内で述べよ。

第4問

【課題文】学校教育において「正解を早く出す力」と「粘り強く考え続ける力」は、しばしば対立するものとして語られる。

【設問】この二つの力のうち、これからの社会でより重視されるべきはどちらだと考えるか。理由とともに200字以内で述べよ。

第5問

次の文章は、学習用に作成した文語文の例文である。※学習用に作成した例文です。
「今の世の人、便利を求むること甚だしくして、手間暇かかることを厭ふ。されど、手間暇こそ物を深く知る道なりとぞ言ふべき。」

【設問】この文章の内容を現代語で100字程度に要約せよ。その上で、この考え方に賛成か反対かを、理由とともに150字以内で述べよ。

第6問

【課題文】AIによる自動翻訳の精度が急速に上がり、外国語学習の必要性が薄れるのではないかという意見がある一方、言語を学ぶことには翻訳以外の意味があるという反論もある。

【設問】外国語を学ぶことの意義について、あなた自身の考えを200字以内で述べよ。

第7問

【課題文】高齢化が進む地域では、若い世代が減る一方で、高齢者の知恵や経験を生かした地域づくりが注目されている。

【設問】高齢者の「経験」を地域社会に生かすために、具体的にどのような取り組みが考えられるか。150字以内で提案せよ。

第8問

【課題文】ある学校で「多数決で決めたことには必ず従うべきだ」というルールを導入したところ、少数意見を持つ生徒が発言しなくなったという事例が報告された。

【設問】多数決という決め方の長所と短所を挙げた上で、少数意見を尊重するためにどのような工夫ができるか、200字以内で述べよ。

第9問

【課題文】「伝統を守ること」と「新しいものを取り入れること」は、対立するように見えるが、実際には両立している例も多い。

【設問】具体例を一つ挙げながら、「伝統」と「革新」が両立する理由を200字以内で説明せよ。

第10問

【課題文】ある企業では「失敗した社員を責めない」という方針を掲げたところ、新しい挑戦をする社員が増えたという結果が出た。

【設問】この事例を踏まえ、「失敗を許容する環境」がなぜ挑戦を促すのか、あなたの考えを200字以内で述べよ。

解答・解説

第1問の解答と解説

解答の骨子:①効率化には情報伝達の速さなどの利点がある ②一方で雑談や余白のやり取りが信頼構築に必要 ③両者のバランスを取る姿勢が望ましい、という三段構成。

この問題は「対立する二つの価値をどう両立させるか」を問う典型パターンです。効率か人間関係かの二者択一で終わると評価が下がります。両方の価値を認めた上で、具体的な折り合い方(例:会議前の雑談時間を確保するなど)を示せると高評価です。片方だけを一方的に否定する答案は、視野の狭さを指摘されやすい点に注意してください。課題文の「かえって」という逆接に着目し、効率化の限界を的確に拾えたかも採点の分かれ目です。

第2問の解答と解説

解答の骨子:①情報量の増加により判断材料が増えすぎる ②情報の真偽を吟味する時間・能力が追いつかない ③具体例(ニュースの錯綜など)を挙げて説明する。

この設問は「量の増加が質の低下を招く」という逆説的な因果関係を的確に説明できるかがポイントです。単に「情報が多くて大変」で終わらず、なぜ判断力が下がるのかという理由を一段掘り下げて書く必要があります。具体例が抽象論のままだと減点対象になるため、「災害時の真偽不明な投稿が拡散する」など、誰にでも分かる具体を選ぶことが重要です。解答欄が150字と短いため、要素を絞り込む練習にもなります。

第3問の解答と解説

解答の骨子:①外から来る人は新しい視点やつながりをもたらす ②地元の人は歴史や人間関係の蓄積を生かせる ③両者が協力することで持続的な活性化につながる、という対比構成。

この問題は「二つの立場の役割を対比して述べる」型の代表例です。片方だけを持ち上げると評価が下がるので、両者の強みを公平に扱えているかが最大のチェックポイントになります。課題文の「移住者」と「元からいる人」という対立軸を見落とさず、両方に言及することが必須です。最後に「協働」というまとめ方をすると、論理の着地がきれいになります。

第4問の解答と解説

解答の骨子:①どちらか一方を選び、理由を明示する ②選んだ力が社会で必要とされる背景(変化の速い時代など)を述べる ③選ばなかった力の価値にも一言触れて視野の広さを示す。

この設問では「粘り強く考え続ける力」を選ぶ答案が書きやすい傾向にありますが、どちらを選んでも理由さえ論理的であれば評価は変わりません。重要なのは選択の正しさではなく、選んだ理由の説得力です。もう一方の力を完全に否定してしまうと視野の狭さを指摘されるため、最後に軽く配慮を示す一文を入れると答案の完成度が上がります。

第5問の解答と解説

解答の骨子:要約→「現代人は便利さを求め手間を嫌うが、手間をかけることこそ物事を深く知る道である」という趣旨。賛否については、賛成なら「効率化の弊害」に触れ、反対なら「手間をかけずとも学べる方法がある」ことに触れる。

まず要約問題では、原文の言い回しをそのまま抜き出すのではなく、自分の言葉で言い換えられているかが評価されます。「便利」「手間暇」というキーワードを落とさずに要約できているかが最初のチェックポイントです。賛否の設問では、理由が要約内容と矛盾していないかを必ず確認してください。要約と意見が食い違う答案は、読解と論述の一貫性に欠けると判断されます。

第6問の解答と解説

解答の骨子:①翻訳技術の発達により実用面の必要性は下がる ②しかし言語には文化理解や思考の枠組みを広げる意味がある ③自分の考えを結論として明示する。

この問題は「技術の進歩によって従来の価値が本当に失われるのか」を検討させる典型的なテーマです。翻訳ができれば十分、という単純な結論は評価が伸びにくく、言語学習が持つ「翻訳できない価値」(ニュアンスの理解、文化背景の理解など)に踏み込めているかが分かれ目になります。抽象的な美辞麗句で終わらせず、具体的に何が得られるのかを一つでも挙げると説得力が増します。

第7問の解答と解説

解答の骨子:①高齢者の経験を伝える場を作る(例:地域講座、若者との交流イベント) ②世代間の橋渡しとなる仕組みを提案する ③実現可能な具体性を持たせる。

提案型の設問では、抽象的な理想論だけで終わる答案が最も多い失敗パターンです。「知恵を生かす場を作る」だけで終わらず、誰が・どこで・何をするのかまで具体化できているかが採点で重視されます。字数が150字と短いため、提案は一つに絞り、その分具体性を高める書き方が有効です。

第8問の解答と解説

解答の骨子:①多数決の長所(迅速な意思決定、公平性の担保) ②短所(少数意見が反映されにくい) ③工夫の提案(意見表明の場を別に設ける、少数意見の理由を記録するなど)。

この設問は長所・短所・改善策の三点セットを求める構成になっており、どれか一つでも欠けると大幅減点となります。特に「工夫の提案」が抽象的な精神論(例:みんなで話し合う)だけで終わると具体性不足と判断されやすいため、仕組みとしての提案(記録・別枠の発言時間など)を書けるかがポイントです。課題文の事例(発言しなくなった生徒)に戻って結論づけると、説得力のある答案になります。

第9問の解答と解説

解答の骨子:①伝統の中心となる価値・技術は変えずに残す ②表現方法や伝え方の部分を時代に合わせて更新する ③具体例(伝統工芸品に新しいデザインを取り入れる例など)を挙げて説明する。

「伝統」と「革新」が両立する理由を説明する際は、「変えない部分」と「変える部分」を分けて論じられているかが最大のポイントです。両者を漠然と「うまく調和させる」とだけ述べる答案は具体性に欠け、評価が伸びません。具体例を通じて、変わらない核と変わる形式の違いを示すことができれば、論理性の高い答案として評価されます。

第10問の解答と解説

解答の骨子:①失敗を責められると人は挑戦を避けるようになる心理を説明する ②責めない環境では安心して新しいことに取り組める ③結果として組織全体の成長につながる、という因果の流れ。

この問題は「なぜ」を問うているため、単に「失敗を許容すると挑戦が増える」という事実の言い換えだけでは不十分です。人がなぜ失敗を恐れると挑戦をやめるのか、その心理的なメカニズムまで踏み込んで説明できているかが評価の分かれ目になります。課題文の事例(新しい挑戦をする社員が増えた)を結論部分で活用し、理由づけと事例を結び付けられると、完成度の高い答案になります。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回の10問に共通しているのは、「対立する二つの立場や価値を、どちらか一方に決めつけず、理由をもって整理する」という型でしたね。

藤原:そうですね。小論文で高得点を取る答案には共通点があります。それは「主張」「理由」「具体例」「反対の立場への配慮」という4つの部品を、字数に応じて過不足なく組み立てているということです。今回のように字数が150〜200字と短い場合は、部品を全部詰め込もうとせず、優先順位をつけて絞り込む練習が特に有効です。

翔先生:また、要約問題(第5問)のように読解力が問われる設問も、実は小論文の重要な土台です。課題文を正確に読めていないと、そもそも論じる方向がずれてしまいますからね。

藤原:普段の演習では、書いた後に「この答案は、課題文のどの部分に対応しているか」を線で結んでみることをおすすめします。対応関係が曖昧な部分があれば、そこが答案の弱点です。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は、対立する二つの価値をどう整理し、自分の主張として組み立てるかという視点で10問を演習しました。小論文は「正解が一つではない」科目だからこそ、骨子の作り方と評価の観点を知っているかどうかで得点差が大きく開きます。繰り返し演習し、自分の答案を客観的に見直す習慣をつけていきましょう。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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