はじめに
藤原:数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!今回は「漢字書き取り」シリーズの第4回ですね。
翔先生:はい。今回のテーマは「同音異字の識別」です。読み方は同じでも意味がまったく違う漢字を、文脈からきちんと見分ける力を鍛えていきます。
藤原:入試の漢字書き取りで一番失点しやすいのが、この同音異字の混同なんですよね。「ホショウ」なら補償・保証・保障、「カンヨウ」なら寛容・肝要・慣用……。
翔先生:そうなんです。今回の10問では、こうした紛らわしい同音異字をあえて多く混ぜています。一問ずつ「なぜその漢字になるのか」を文脈から考える練習にしてもらえたら嬉しいです。
藤原:それでは、さっそく問題に挑戦してみましょう!
問題(全10問)
第1問
彼はコウキ心が旺盛で、常に新しいことに挑戦する。
第2問
事件のケイイを詳しく説明してください。
第3問
彼女は難しい交渉をカンテツする強い意志を持っていた。
第4問
老朽化した制度をイジするために多額の予算が必要だ。
第5問
会議室に入った瞬間、緊迫したフンイキが伝わってきた。
第6問
彼はカンヨウな心で部下の失敗を許した。
第7問
彼は交通事故のホショウ問題について弁護士に相談した。
第8問
新しい技術がフキュウする速度は驚くべきものだ。
第9問
彼女は難民支援のために多大なコウケンをした。
第10問
委員会は来年度の予算案をシンギするために招集された。
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:好奇心
「コウキ」には「後期」「光輝」「好機」などの同音異字がありますが、ここでは「新しいことに珍しさや興味を感じる心」という意味なので「好奇心」が正解です。「好奇」の「奇」を「機」や「輝」と書き間違える受験生が非常に多く、特に「奇」の右側を「寄」のように書いてしまう誤りにも注意しましょう。「好奇心」は「珍しいもの・未知のものを好む心」という熟語のかたまりで覚えると、漢字単体の意味からも判断しやすくなります。文脈上「常に新しいことに挑戦する」という部分がヒントになっていることも見逃さないようにしましょう。
第2問の解答と解説
解答:経緯
「ケイイ」は「敬意」「軽易」などと紛らわしい同音異字です。ここでは「事件がどのような順序・過程をたどって起こったか」という意味なので「経緯」が正解になります。「敬意」は「尊敬の気持ち」、「軽易」は「たやすいこと」を表す語なので、意味からはっきり区別できます。「経緯」の「緯」を「違」と書き間違える誤答も多いため、「経(たて糸)」と「緯(よこ糸)」で織物の筋道を表すという語源も一緒に覚えておくと定着しやすいです。
第3問の解答と解説
解答:貫徹
「カンテツ」は「関節」「間接」と音が同じで紛らわしい語です。ここでは「意志を最後までつらぬき通す」という意味なので「貫徹」が正解です。「関節」は体の骨のつなぎ目、「間接」は「直接」の対義語であり、いずれも文脈と合いません。「貫徹」は「初志貫徹」という四字熟語でよく使われるため、セットで覚えておくと入試本番でも思い出しやすくなります。「徹」を「撤」と書き間違えるミスも頻出なので、字形の違いにも注意しましょう。
第4問の解答と解説
解答:維持
「イジ」は「意志」「遺志」と混同しやすい同音異字です。ここでは「制度をそのままの状態で保つ」という意味なので「維持」が正解になります。「意志」は「何かをしようとする心」、「遺志」は「故人が生前に持っていた志」を表す語で、いずれも文脈に合いません。「維持」の「維」は「つなぎとめる」という意味を持つ漢字で、「現状維持」という熟語で覚えると意味からも判断しやすくなります。同音の中でも意味の系統が全く違うため、文脈読解の練習として最適な一問です。
第5問の解答と解説
解答:雰囲気
「フンイキ」は書き取り問題で頻出でありながら、実は誤字の非常に多い語です。「雰囲気」を「ふいんき」と誤って発音・記憶している受験生が多く、そのまま「雰意気」などと誤字を書いてしまうケースが目立ちます。「雰」は「霧のような気」を表す漢字で、「囲」は「取り囲む」という意味です。正しくは「雰囲気」という三字構成であることを、書きながら一画ずつ確認する練習が効果的です。
第6問の解答と解説
解答:寛容
「カンヨウ」は「肝要」「慣用」と非常に紛らわしい同音異字です。ここでは「他人の失敗などを心広く受け入れて許す」という意味なので「寛容」が正解になります。「肝要」は「非常に大切であること」、「慣用」は「習慣として広く使われること」を意味し、いずれも文脈に合いません。「寛容」の「寛」は「ゆったりと広い」という意味を持つ漢字で、「寛大」という類義語と一緒に覚えておくと区別がつきやすくなります。文中の「許した」という動詞が最大のヒントです。
第7問の解答と解説
解答:補償
「ホショウ」は「保証」「保障」と並ぶ入試最頻出の同音異字です。ここでは「事故によって生じた損害を金銭などで埋め合わせる」という意味なので「補償」が正解になります。「保証」は「間違いないと請け合うこと」、「保障」は「侵されないよう守ること」を意味し、それぞれ「品質保証」「社会保障」のような熟語で覚えると区別しやすくなります。三つの違いを「損害の埋め合わせ=補償」「請け合い=保証」「守り・保護=保障」と整理して暗記することが得点力に直結します。
第8問の解答と解説
解答:普及
「フキュウ」は「不朽」「不休」と紛らわしい同音異字です。ここでは「技術が広く一般に行き渡ること」という意味なので「普及」が正解になります。「不朽」は「いつまでも滅びず残ること」、「不休」は「休まないこと」を意味し、文脈上は「速度」という語と結びつきません。「普及」の「普」は「あまねく(広く)」という意味を持つ漢字で、「普通」「普遍」などの熟語と関連づけて覚えると理解が深まります。
第9問の解答と解説
解答:貢献
「コウケン」は「後見」「高潔」などと紛らわしい語です。ここでは「力を尽くして役に立つこと」という意味なので「貢献」が正解になります。「後見」は「後ろ盾となって世話をすること」、「高潔」は「人格が気高く清らかであること」を意味し、いずれも「難民支援」に対する行為としては文脈が合いません。「貢献」の「貢」は「みつぎもの・尽くすこと」を意味する漢字で、「社会貢献」という頻出表現とあわせて覚えるとよいでしょう。
第10問の解答と解説
解答:審議
「シンギ」は「信義」「真偽」と混同しやすい同音異字です。ここでは「予算案について詳しく検討・議論すること」という意味なので「審議」が正解になります。「信義」は「約束を守り誠実であること」、「真偽」は「本当か嘘かということ」を意味し、いずれも「委員会が招集される」という文脈にはそぐいません。「審議」の「審」は「詳しく調べる」という意味を持つ漢字で、「審査」「審判」といった関連語とあわせて覚えておくと定着します。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:今回のように同音異字が並ぶ問題では、漢字単体の「読み」だけを覚えるのではなく、熟語ごと・意味ごとにセットで覚えることが大切です。
藤原:そうですね。「補償・保証・保障」のように似た語は、必ず短い例文とセットで覚えるのがコツです。「品質保証」「社会保障」「損害を補償」というように、熟語の使われ方をセットで記憶すると、文脈から瞬時に判断できるようになります。
翔先生:また、漢字の部首や成り立ちに注目するのも効果的です。「審」なら「詳しく調べる」、「普」なら「あまねく広い」というように、漢字が持つ本来のイメージを理解しておくと、初めて見る熟語でも意味から漢字を選べるようになります。
藤原:書き取り練習は「量」も大事ですが、今回のように「なぜその漢字になるのか」を毎回言葉で説明できるようにする「質」の練習も、ぜひ意識してみてください。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は同音異字を中心とした漢字書き取り問題10問に挑戦しました。似た読み方の漢字ほど、文脈の意味を正確に読み取る力が問われます。ぜひ何度も繰り返し解いて、確実に得点できる漢字を増やしていきましょう。
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