はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
藤原:翔先生、今回は漢字の「読み」に絞った第4回ですね。
翔先生:はい。今回は特に「熟字訓」「重箱読み」「湯桶読み」を意識して作りました。訓読みと音読みが入り混じる言葉って、なんとなく雰囲気で読んでしまって、実は間違えているケースが多いんです。
藤原:「早急」を「そうきゅう」と読んでしまう人、実際多いですよね。
翔先生:そうなんです。ニュース等では慣用読みも広がっていますが、入試では正式な読みが問われることが多いので、しっかり区別できるようにしておきましょう。今回の10問で、読み間違えやすい漢字の「型」をつかんでもらえたらと思います。
問題(全10問)
第1問
幼い頃に過ごした故郷を離れるとき、彼は駅のホームで名残惜しそうに何度も振り返った。
第2問
海外旅行の前に、銀行で円をドルに為替を利用して両替してもらった。
第3問
祖母の家の台所からは、いつも懐かしいみそ汁の匂いが漂ってくる。
第4問
急に空が曇ってきたので、念のため雨具をかばんに入れて出かけた。
第5問
取引先からの依頼だったので、早急に対応するよう部下に指示を出した。
第6問
役所の窓口で、住民票に記載する続柄を「長男」と記入した。
第7問
今月の売上と経費を相殺すると、ほとんど利益は残らなかった。
第8問
祖父は着物を仕立てるため、呉服屋で上等な反物を選んでいた。
第9問
会社の経理担当者は、日々の現金の出納を細かく帳簿につけている。
第10問
幼い弟は、自分の作った積み木が崩れただけで泣き出すほど意気地がなかった。
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:なごり
「名残」は漢字それぞれの音や訓を単純に組み合わせても出てこない、特別な読み方をする「熟字訓」の代表例です。「名」を「な」、「残」を「ごり」と機械的に分解して覚えようとすると混乱するので、「名残」という二字全体で一つの言葉として覚えるのがポイントです。「なごり惜しい」「なごり雪」のようにセットで覚えると定着しやすくなります。うっかり「めいざん」などと音読みしてしまう誤りに注意しましょう。
第2問の解答と解説
解答:かわせ
「為替」も熟字訓の代表格で、金融関係の文章で頻出する語です。「為」を「かわ」、「替」を「せ」と分けて覚えるより、「かわせ」という音の響きごと覚えてしまう方が実戦的です。経済のニュースや説明文でもよく登場するため、入試の評論文読解の場面でも読めないと文意がつかみにくくなります。「為替レート」「外国為替」といった複合語で繰り返し目にしておくと忘れにくくなります。
第3問の解答と解説
解答:だいどころ
「台所」は「台(だい)」が音読み、「所(どころ)」が訓読みという「重箱読み」の典型例です。重箱読みは「音+訓」の組み合わせで、名前の由来である「重箱(じゅうばこ)」もこの型に当たります。「台」を訓読みの「うてな」などと結びつけて考えてしまうと読み方を誤りやすいので、「台所=だいどころ」という完成した単語として覚えておくことが大切です。日常語のため軽視されがちですが、読み方の型を確認する良い教材になります。
第4問の解答と解説
解答:あまぐ
「雨具」は「雨(あま)」が訓読み、「具(ぐ)」が音読みという「湯桶読み」の典型例です。湯桶読みは「訓+音」の組み合わせで、名称の由来となった「湯桶(ゆとう)」もこの型にあたります。「雨」を「あめ」と読みたくなりますが、複合語になると「あま」と変化する点も合わせて押さえておきましょう。「雨具」「雨戸」「雨具入れ」のように、複合語での「雨」の読み方の変化に注目すると理解が深まります。
第5問の解答と解説
解答:さっきゅう
「早急」は「そうきゅう」と読み慣わされることが多いですが、伝統的・辞書的な読みは「さっきゅう」です。入試や国語の問題では、慣用読みではなく正式な読みが問われることが多いため注意が必要です。「早」を「さっ」と読む例は「早速(さっそく)」にも見られ、この読み方の型を覚えておくと応用が利きます。日常会話での聞き慣れた読みに引きずられて誤答しやすい典型的な一問です。
第6問の解答と解説
解答:つづきがら
「続柄」は「ぞくがら」と読み間違えやすい語ですが、正しくは「つづきがら」です。役所の書類や親族関係を説明する文章で頻出するため、読めないと文章の内容理解にも支障が出ます。「続く」という訓読みの意識を保ったまま「柄(がら)」と組み合わせる形で覚えると定着しやすいでしょう。実生活でも見かける言葉なので、書類記入の場面などと結びつけて覚えておくと忘れにくくなります。
第7問の解答と解説
解答:そうさい
「相殺」は「そうさつ」と誤読しやすい語ですが、正しくは「そうさい」です。「殺」という漢字は「殺す(ころす)」の印象が強いため「さつ」と読みたくなりますが、「相殺」では「さい」という特別な音になります。経済・会計分野の文章で頻出するため、評論文の読解でも重要な語彙です。「そうさつ」と読んでしまう誤りは非常に多いので、繰り返し目にして正しい読みを刷り込んでおきましょう。
第8問の解答と解説
解答:たんもの
「反物」は着物の生地を指す言葉で、「反(たん)」は音読み、「物(もの)」は訓読みという重箱読みの一種です。「反」を「はん」と読んでしまう誤りが多いですが、布地の単位としての「反」は「たん」と読むのが決まりです。「一反(いったん)」のように単位として使われる場面も合わせて押さえておくと理解が深まります。伝統文化や生活文化に関する文章で登場しやすい語なので、意味とセットで覚えておきましょう。
第9問の解答と解説
解答:すいとう
「出納」は「しゅつのう」と読み間違えやすい語ですが、正しくは「すいとう」です。「出」を「すい」と読むのはこの語に限られた特殊な読み方であるため、まとまりごと覚える必要があります。会計や経理の文章に頻出する語であり、評論文や資料読解の問題でも登場することがあります。「出納帳」「出納係」といった複合語で繰り返し確認しておくと、本番でも迷わず読めるようになります。
第10問の解答と解説
解答:いくじ
「意気地」は熟字訓で、「意気地がない」という慣用表現でよく使われます。それぞれの漢字を単独で読もうとすると「いきち」のような誤読につながりやすいため、「いくじ」という言葉全体で覚えることが重要です。「意気地なし」という表現とセットで覚えると意味も読みも同時に定着します。心情や性格を表す語として物語文にも頻出するため、確実に読めるようにしておきましょう。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:今回のポイントは、漢字二字の読み方には「音+音」「訓+訓」だけでなく、「音+訓(重箱読み)」「訓+音(湯桶読み)」、そしてどちらにも当てはまらない「熟字訓」があるということです。
藤原:特に熟字訓は、一字ずつ分解して覚えようとすると失敗しやすい。「言葉のかたまり」としてそのまま覚える習慣をつけることが大切です。
翔先生:また、「早急」や「相殺」のように、日常の慣用読みと辞書的な正式読みがずれている語も要注意です。ニュースや会話で聞き慣れた読みが、必ずしも入試での正解とは限りません。
藤原:読み間違えやすい漢字は、一度声に出して読む練習をすると記憶に残りやすくなります。今回の10問も、ぜひ音読して復習してみてください。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は熟字訓・重箱読み・湯桶読みを中心に、入試で狙われやすい漢字の読みを10問取り上げました。読み方の「型」を意識することで、初めて見る漢字語彙にも応用が利くようになります。ぜひ繰り返し復習して、確実な得点源にしていきましょう。
日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
前橋校・横浜校・オンラインで全国対応しています。nihonkokugojuku.comからお気軽にお問い合わせください。
また、数学・理系科目は数強塾(sukyojuku.com)もあわせてご利用ください。
💬 数強塾グループ 公式LINEに登録しよう
情報I・数学・英語・国語に関する有益な情報発信や無料授業の告知をLINEで行っています。英検合格保証の英論会もこちら👇
プレゼント付き公式LINEを友だち追加