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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】漢文重要語練習問題 第4回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、漢文重要語シリーズも第4回になりましたね。今回はどんなテーマですか?

翔先生:今回は「置き字」「再読文字」「句形にかかわる重要語」の総復習です。特に置き字は”読まないのに意味を持つ”という独特のルールがあるので、初学者がつまずきやすいポイントですね。

藤原:再読文字も「二度読む」という特殊な読み方に加えて、意味までセットで覚えないといけない。今日の10問を解けば、その両方が一気に定着しますよ。

翔先生:すべて一問一答形式で、例文の中で実際に使われている語を問う形にしました。書き下し文まで自分の手で書いてみてから解答を確認してください。

問題(全10問)

第1問

次の文の傍線部「未」の読みとして最も適切なものをひらがなで答えよ。また、この文の意味を現代語で答えよ。
「学者至。」
(※学習用に作成した例文です)

第2問

次の文の傍線部「将」の読みをひらがなで答え、この語がどのような意味を表す再読文字か説明せよ。
「天雨。」
(※学習用に作成した例文です)

第3問

次の文は『論語』学而第一の一節である。傍線部「而」の働きについて説明せよ。
「学時習之、不亦説乎。」

第4問

次の文は『論語』衛霊公第十五の一節である。傍線部「於」の働きについて説明せよ。
「己所不欲、勿施人。」

第5問

次の文の傍線部「当」の読みをひらがなで答え、書き下し文を答えよ。
「汝努力。」
(※学習用に作成した例文です)

第6問

次の文の傍線部「雖」の読みをひらがなで答え、この語が表す意味を答えよ。
「身賤、志不賤。」
(※学習用に作成した例文です)

第7問

次の文の傍線部「豈」の読みをひらがなで答え、この文が表す意味(反語表現の内容)を現代語で答えよ。
不痛哉。」
(※学習用に作成した例文です)

第8問

次の文の傍線部「盍」は再読文字である。読みと意味を答えよ。
学乎。」
(※学習用に作成した例文です)

第9問

次の文の傍線部「矣」の働きについて説明せよ。
「天下大乱。」
(※学習用に作成した例文です)

第10問

次の文の傍線部「使」の読みをひらがなで答え、書き下し文を答えよ。
「王使人問之。」
(※学習用に作成した例文です)

解答・解説

第1問の解答と解説

解答:読み=いまだ(〜ず) 意味=学者はまだ到着していない。

「未」は再読文字の代表格で、まず副詞として「いまダ」と読み、文末の助動詞(ここでは「至」に続く)を読んだあとにもう一度返って「ず」と打ち消しで読みます。書き下し文にすると「学者未だ至らず」となり、「まだ〜していない」という未完了の否定を表します。「未」は「まだ〜していない(今後実現する可能性を含む)」という未完了の否定なので、時間的な含意を持たず単に否定するだけの「不」と混同しないよう注意しましょう。特に「未だ〜ずんばあらず」のような二重否定と組み合わさる形も入試で狙われやすいので、基本形をしっかり押さえておくことが大切です。

第2問の解答と解説

解答:読み=まさに(〜んとす) 意味=今にも〜しようとする、という近い未来・切迫を表す再読文字。

「将」は「まさニ〜ントす」と読む再読文字で、書き下し文は「天将に雨ふらんとす」となります。「今にも雨が降りそうだ」という、事態が差し迫っている様子を表す点がポイントです。同じ「まさニ〜ベシ」でも「当」「応」は”当然〜すべきだ・きっと〜だろう”という当然・推量の意味になるため、「将(且)」との意味の違いを混同しないことが重要です。再読文字は形が似ていても意味がまったく異なるものが多いので、一語ずつセットで覚える必要があります。

第3問の解答と解説

解答:「而」は置き字であり、読まずに前後の内容をつなぐ働きをする。ここでは「学びて時に之を習ふ」と読み、順接(〜して)の接続を示している。

置き字は文字として存在するのに書き下し文には表記しない語で、「而」「於」「于」「乎」「矣」「焉」が代表例です。「而」は主に順接・逆接の接続を表し、文脈によって「そして」「しかし」のニュアンスを補いますが、読みとしては声に出しません。今回の例では「学ぶ」と「時に習う」という二つの動作を順接でつないでおり、逆接に訳すと文意がおかしくなる点に注意が必要です。置き字は「読まない=存在しない」と誤解しがちですが、実際は文の構造や意味を支える重要な役割を担っています。

第4問の解答と解説

解答:「於」は置き字であり、動作の対象・場所・比較などを示す働きをする。ここでは「人に施すこと勿かれ」の「人に」の部分にあたり、動作の対象を示している。

「於」「于」「乎」はいずれも置き字として使われることが多く、直前の語との関係で「〜に」「〜において」「〜より」などの意味を補います。今回の文では「施す」対象が「人」であることを示すために「於」が使われており、書き下し文では「人に」と訓読上に反映されますが、「於」自体は読みません。置き字は読まないからといって軽視すると、対象・比較・受身などの重要な文法関係を読み落とすことになるため、必ず前後の語との関係を確認する習慣をつけましょう。

第5問の解答と解説

解答:読み=まさに(〜べし) 書き下し文=「汝当に努力すべし。」

「当」は再読文字で、「まさニ〜ベシ」と読み、「当然〜すべきだ」という当為・義務のニュアンスを表します。まず副詞として「まさニ」と読み、文末の助動詞的な語を経てから返って「べし」と読む二段階の読み方が特徴です。同じ「まさニ〜ベシ」と読む「応」との違いは、「当」が”当然そうすべきだ”という義務・当然を表すのに対し、「応」は”きっとそうだろう”という推量寄りの意味を持つ点です。文脈から義務なのか推量なのかを判断する練習を積んでおくと入試での取りこぼしを防げます。

第6問の解答と解説

解答:読み=いえども 意味=「〜ではあるけれども」という逆接の仮定・確定条件を表す。

「雖」は「いへどモ」と読み、「たとえ〜であっても」「〜ではあるけれども」という逆接を表す重要語です。書き下し文は「身は賤しと雖も、志は賤しからず」となり、身分は低くても志は低くないという対比構造になっています。「雖」は仮定・確定条件のどちらにも使われるため、文脈によって「たとえ〜としても」(仮定)か「〜ではあるが」(確定)かを判断する必要があります。逆接を表す語としては他に「然」「而」がありますが、「雖」は必ず前の節にかかる形で使われる点が特徴です。

第7問の解答と解説

解答:読み=あに 意味=「どうして痛まないことがあろうか、いや、痛む」という反語表現で、実質的に強い肯定(非常に痛ましい)を意味する。

「豈」は反語を作る重要な副詞で、「あニ〜ンや」の形で「どうして〜だろうか、いや〜ない」という意味を表します。この文では「豈不痛哉」で「どうして痛まないことがあろうか」という形をとり、二重否定的な構造によって「非常に痛ましい」という強い肯定の意味になります。反語は形の上では疑問文なのに内容的には断定・強調を表すため、直訳だけで満足せず必ず反語の裏返しの意味まで読み取ることが大切です。「豈」以外にも「安」「何」「誰」なども反語を作る語として頻出なので、あわせて確認しておきましょう。

第8問の解答と解説

解答:読み=なんぞ(〜ざる) 意味=「どうして〜しないのか」という勧誘・反語を表す再読文字。

「盍」は再読文字の中でもやや珍しいタイプで、「なんゾ〜ざル」と読み、「どうして〜しないのか、〜すればよいのに」という勧誘の意味を含む反語を表します。書き下し文にすると「盍ぞ学ばざる」となり、「どうして学ばないのか」つまり「学びなさい」という勧めのニュアンスが込められています。再読文字は「未・将・且・当・応・宜・須・猶・由・盍」など数が限られているので、一つずつ意味とセットで確実に暗記しておくことが得点への近道です。「盍」は出題頻度こそ高くありませんが、知っているかどうかで差がつく語なのでこの機会に押さえておきましょう。

第9問の解答と解説

解答:「矣」は置き字であり、文末に置かれて断定・強調(〜た、〜のだ)の意味を添える働きをする。

「矣」は文末に用いられる置き字で、読みとしては表記しませんが、文全体の内容を断定・強調するニュアンスを添えます。この文では「天下大いに乱る」と読み、「天下がすっかり乱れてしまった」という完了・断定の語気が「矣」によって強められています。同じく文末に置かれる置き字に「焉」がありますが、「焉」は断定に加えて「これ」という指示のニュアンスを含む場合がある点で異なります。置き字は読まないために見落とされがちですが、文末の「矣」があるかないかで文の語気の強さが変わるため、意識して確認する習慣をつけましょう。

第10問の解答と解説

解答:読み=しむ 書き下し文=「王人をして之を問はしむ。」

「使」は使役を表す重要語で、「AをしてBしむ」の形で「Aに命じてBさせる」という意味になります。書き下し文では「使」自体は「しむ」と読み、対象となる人物「人」には「をして」という送り仮名が付く点が大きな特徴です。使役を表す語には他に「令」「遣」「教」がありますが、いずれも同じく「しむ」と読み、「Aヲシテ〜しム」という構文をとる点は共通しています。使役の構文は返り点や送り仮名が複雑になりやすいので、「誰が誰にさせるのか」という主語・対象の関係を常に意識して読み解くことが重要です。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回のポイントは、置き字と再読文字を「見た目」ではなく「働き」でセットに覚えることですね。

藤原:そうですね。置き字は「読まないけれど意味を持つ語」、再読文字は「一語で二度読み、意味も二段階になる語」という共通の仕組みを理解すると、初めて見る漢文でも応用が利きます。

翔先生:特に反語表現は、直訳した後に「本当はその逆の意味」だと気づけるかどうかが分かれ目です。「豈」「安」「何」を見たら、必ず裏の意味まで読み取る癖をつけましょう。

藤原:今回学んだ10語は入試で繰り返し登場する頻出語ばかりです。書き下し文を自分の手で書く練習を続ければ、確実に得点源になりますよ。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は漢文の置き字・再読文字・句形にかかわる重要語を10問の一問一答形式で確認しました。「未」「将」「当」といった再読文字、「而」「於」「矣」といった置き字、「雖」「豈」「盍」「使」といった句形の要となる重要語は、いずれも入試漢文の土台となる知識です。書き下し文を自分で書く練習を繰り返し、意味とセットで確実に定着させていきましょう。

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