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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】漢詩の読解練習問題 第2回|10問一問一答と詳しい解説

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数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

はじめに

藤原:翔先生、第1回では漢詩の基本用語を扱いましたが、今回は「絶句・律詩の形式」「押韻」「対句」を、実際に短い漢詩を読みながら定着させていきましょう。

翔先生:はい。今回使う漢詩はすべて、この記事のために新しく作った学習用のオリジナル作品です。有名な詩を覚えているかどうかではなく、「句数を数えて形式を判定する」「句末の字を見て押韻をチェックする」「対になる語を見つけて対句を指摘する」という手順そのものを練習してもらいたいんです。

藤原:入試の漢詩問題は、実はほとんどが同じ手順で解けます。この記事を1回通して解けば、その手順が体に入るはずです。全10問、じっくりいきましょう。

問題(全10問)

以下の漢詩4篇は、すべて※学習用に作成した例文です。実在の作品ではありません。

【漢詩1】「山寺」
山寺鐘声遠(さんじ しょうせい とおく)
白雲繞塔前(はくうん とうを めぐる まえ)
秋風掃落葉(しゅうふう らくようを はらい)
帰客思故年(きかく こねんを おもう)

書き下し文:山寺 鐘声遠く/白雲 塔前を繞る/秋風 落葉を掃い/帰客 故年を思う

【漢詩2】「秋夜」
月満江天一色空(つきは こうてんに みちて いっしょくむなし)
孤舟渡水夜光中(こしゅう みずを わたる やこうのうち)
遠山寂寂無人語(えんざん せきせきとして ひとのことばなく)
唯有寒蟬泣暁風(ただ かんせんの ぎょうふうに なくあり)

書き下し文:月は江天に満ちて一色空し/孤舟は水を渡りて夜光の中/遠山寂寂として人語無く/唯だ寒蟬の暁風に泣く有り

【漢詩3】「秋思」
一句 秋山日已斜(しゅうざん ひすでに ななめなり)
二句 落葉満林中(らくよう りんちゅうに みつ)
三句 風冷吹残菊(かぜ ひややかにして ざんぎくを ふき)
四句 月明照旧宮(つき あきらかにして きゅうきゅうを てらす)
五句 旅思随雲遠(りょし くもに したがいて とおく)
六句 郷心逐雁通(きょうしん がんを おいて つうず)
七句 何時帰故里(いずれのときか こりに かえり)
八句 相対酒杯同(あいたいして しゅはいを おなじくせん)

書き下し文:秋山 日已に斜めなり/落葉 林中に満つ/風冷やかにして残菊を吹き/月明らかにして旧宮を照らす/旅思は雲に随いて遠く/郷心は雁を逐いて通ず/何れの時か故里に帰り/相対して酒杯を同じくせん

【漢詩4】「望郷」
一句 江上孤帆遠故郷(こうじょうの こはん こきょうに とおざかり)
二句 数年離別鬢添霜(すうねんの りべつ びんに しもを そう)
三句 春風不解行人恨(しゅんぷう かいせず こうじんの うらみを)
四句 夜雨空催旅客傷(やう むなしく もよおす りょかくの いたみを)
五句 万里山河横北斗(ばんりの さんが ほくとに よこたわり)
六句 一天星月照南方(いってんの せいげつ なんぽうを てらす)
七句 何日還家対父老(いずれのひか いえに かえりて ふろうに たいし)
八句 共論往事酔壺觴(ともに おうじを ろんじて こしょうに よわん)

書き下し文:江上の孤帆 故郷に遠ざかり/数年の離別 鬢に霜を添う/春風は解せず 行人の恨みを/夜雨は空しく催す 旅客の傷みを/万里の山河 北斗に横たわり/一天の星月 南方を照らす/何れの日か家に還りて父老に対し/共に往事を論じて壺觴に酔わん

第1問

漢詩1「山寺」の形式として正しいものを、次のア〜エから一つ選べ。
ア.五言絶句 イ.五言律詩 ウ.七言絶句 エ.七言律詩

第2問

漢詩1「山寺」において、押韻している句末の組み合わせとして正しいものを、次のア〜エから一つ選べ。
ア.一句と二句 イ.二句と四句 ウ.一句と三句 エ.一句のみ

第3問

漢詩2「秋夜」について、押韻している句末をすべて選べ(一句・二句・三句・四句のうち、当てはまるものをすべて答えよ)。

第4問

漢詩2「秋夜」の三句末「語」が押韻していない理由として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選べ。
ア.絶句では奇数句末はすべて押韻しないから
イ.七言絶句では三句末(転句の末字)は原則として押韻しないから
ウ.「語」という字はそもそも押韻に使うことができない字だから
エ.本来は押韻すべきところを、作者が誤って作っているから

第5問

漢詩3「秋思」の形式として正しいものを、次のア〜エから一つ選べ。
ア.五言絶句 イ.五言律詩 ウ.七言絶句 エ.七言律詩

第6問

漢詩3「秋思」において押韻している句末を、次のア〜エから一つ選べ。
ア.一・三・五・七句 イ.二・四・六・八句 ウ.すべての句 エ.二・四句のみ

第7問

漢詩3「秋思」の中で、対句になっている二つの聯(それぞれ2句1組)を、句の番号(一〜八)で二組答えよ。

第8問

漢詩3「秋思」の三句・四句「風冷吹残菊/月明照旧宮」の対句としての対応関係の説明として正しいものを、次のア〜エから一つ選べ。
ア.「風」と「月」、「冷」と「明」、「吹」と「照」、「残菊」と「旧宮」が、それぞれ同じ働きの語として対応している
イ.対句とは句末の押韻のことをいうので、この二句には対句の要素はない
ウ.「風冷」と「月明」は同じ意味を繰り返しているだけなので、対句とはいえない
エ.対句は名詞と名詞の対応しか認められないので、「吹」と「照」の対応は対句ではない

第9問

漢詩4「望郷」の頸聯(五句・六句目)を抜き出し、その対句としての対応関係を、対応する語の組をあげて説明せよ。

第10問

律詩と絶句の違いについて説明した文として正しいものを、次のア〜エから一つ選べ。
ア.律詩は八句、絶句は四句からなり、律詩には頷聯・頸聯に対句を置くのが原則である
イ.律詩も絶句も、すべての句末で押韻するのが原則である
ウ.絶句には対句を用いてはならないという規則がある
エ.律詩は五言のみで作られ、絶句は七言のみで作られる

解答・解説

第1問の解答と解説

解答:ア.五言絶句

漢詩1「山寺」は「山寺鐘声遠」のように一句が五字で、句数は全部で四句です。一句の字数が五字で句数が四句の漢詩は「五言絶句」と呼びます。形式判定の基本は、まず句数(四句か八句か)を数え、次に一句の字数(五字か七字か)を数えるという二段階の手順です。この手順を先に固定しておくと、字数を数え間違えて律詩と絶句を混同するミスを防げます。今回は四句かつ五字なので、五言律詩(イ)でも七言(ウ・エ)でもなく、アが正解です。

第2問の解答と解説

解答:イ.二句と四句

二句末は「前(ゼン)」、四句末は「年(ネン)」で、いずれも同じ響きの韻を踏んでいます。一句末の「遠」はこの韻に含まれておらず、押韻していません。五言絶句は偶数句末(二句・四句)で押韻するのが原則で、一句末は押韻してもしなくてもよい、三句末は原則として押韻しないというルールがあります。この詩は一句末で押韻しない、最も基本的な形の五言絶句だと考えれば、迷わずイを選べます。

第3問の解答と解説

解答:一句・二句・四句

一句末「空」、二句末「中」、四句末「風」は同じ韻グループの字で、いずれも押韻しています。三句末の「語」だけが韻を踏んでいません。七言絶句では、五言絶句と違い一句末も押韻に加わり、一・二・四句末の三か所で押韻するのが原則です。「七言は一句目からすでに韻を踏んでいる」という点が五言絶句との最大の違いなので、五言と七言でルールが変わることを必ず覚えておきましょう。

第4問の解答と解説

解答:イ

絶句は「起承転結」の構成をとり、三句目は内容や調子を変える「転句」にあたります。三句末で押韻を外すことで、リズムの上でも変化をつけているのです。アは「奇数句末はすべて押韻しない」と一般化していますが、七言絶句では一句末(奇数句)も押韻するため誤りです。ウのように字そのものに押韻できる・できないの区別があるわけではなく、エのように作者の誤りでもありません。押韻しないのは「三句末だから」という形式上の原則であることを押さえましょう。

第5問の解答と解説

解答:イ.五言律詩

漢詩3「秋思」は一句が五字で、句数は全部で八句あります。句数が八句、一句の字数が五字の漢詩は「五言律詩」です。四句しかない絶句(ア・ウ)とはまず句数の時点で区別できるので、字数を数える前にざっと句数を数えるクセをつけておくと、律詩と絶句の判定ミスがなくなります。

第6問の解答と解説

解答:イ.二・四・六・八句

二句末「中」、四句末「宮」、六句末「通」、八句末「同」は同じ韻グループで押韻しており、一句末「斜」・三句末「菊」・五句末「遠」・七句末「里」は押韻していません。五言律詩は五言絶句の押韻ルールをそのまま八句に延長したもので、偶数句末(二・四・六・八句)で押韻するのが原則です。一句末は押韻してもよいですが、この詩のように押韻しない形も基本形として認められています。「五言は偶数句末、七言はさらに一句末も加わる」という対応を、絶句・律詩どちらでも共通のルールとして覚えておくと迷いません。

第7問の解答と解説

解答:三句・四句(頷聯)と五句・六句(頸聯)

三句「風冷吹残菊」と四句「月明照旧宮」、五句「旅思随雲遠」と六句「郷心逐雁通」は、それぞれ語順や意味の構造がそろった対句になっています。律詩は八句を二句ずつ四つの聯(首聯・頷聯・頸聯・尾聯)に分け、このうち頷聯(三・四句)と頸聯(五・六句)に対句を置くのが原則です。首聯(一・二句)と尾聯(七・八句)は対句でなくてもよい、という点も合わせて覚えておくと、対句を探す際に無駄な句を見なくて済みます。

第8問の解答と解説

解答:ア

対句は、二つの句を文法上・意味上そろった構造で並べる技法です。「風」と「月」(自然物を表す名詞)、「冷」と「明」(状態を表す語)、「吹」と「照」(動詞)、「残菊」と「旧宮」(名詞句)が、それぞれ同じ位置で対応しています。イのように対句を押韻と混同してしまう誤りは非常に多いので注意が必要です。また、ウ・エのように「意味が似ているから対句ではない」「名詞同士でなければ対句ではない」という思い込みも誤りで、動詞・形容詞を含めて位置ごとに語の働きがそろっていれば対句として認められます。

第9問の解答と解説

解答:五句「万里山河横北斗」・六句「一天星月照南方」
対応関係:「万里」と「一天」(数量や範囲を表す語)、「山河」と「星月」(自然を表す名詞)、「横」と「照」(動詞)、「北斗」と「南方」(方位・天体を表す語)が、それぞれ同じ位置でそろっています。

頸聯は律詩の中でも特に規模の大きな景物を並べて対句を作ることが多く、この詩でも「万里」対「一天」という空間の大きさを表す対句からスケールの大きさを演出しています。対句を答えるときは、句をそのまま抜き出すだけでなく、どの語とどの語が対応しているかまで一組ずつ具体的に説明できるようにしておくと、記述問題での減点を防げます。

第10問の解答と解説

解答:ア

律詩は八句、絶句は四句という句数の違いがあり、律詩には頷聯・頸聯に対句を置くのが原則であるという点でアは正しい説明です。イは誤りで、押韻するのは基本的に偶数句末(七言ではさらに一句末も)であり、すべての句末が押韻するわけではありません。ウも誤りで、絶句に対句を用いることは可能ですが、律詩のように必須のルールにはなっていません。エも誤りで、律詩・絶句のいずれにも五言・七言の両方の形式が存在します。形式・押韻・対句の三つの知識を一つの選択肢の中で組み合わせて問われても、それぞれの原則を分けて一つずつ確認すれば正誤を判定できます。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:漢詩問題で一番大事なのは、「感覚で読む」のではなく「手順で処理する」ことです。①句数を数える→②一句の字数を数える→③句末の字を確認して押韻を探す→④対句になっていそうな二句を探す、という順番を毎回同じように踏むだけで、初見の漢詩でもかなり正確に解けるようになります。

藤原:特に押韻は「偶数句末が基本、七言はさらに一句末も」という原則、対句は「律詩の頷聯・頸聯が基本」という原則の二つを丸ごと覚えてしまうのがコツです。細かい漢字の音まで完璧に覚える必要はなく、入試レベルでは「どの句末が対応しているか」を図に書き出して確認できれば十分に対応できます。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は自作の五言絶句・七言絶句・五言律詩・七言律詩を使って、絶句・律詩の形式判定、押韻の位置、対句の対応関係を10問で総合的に練習しました。形式を数える、押韻の位置を確認する、対句を探すという三つの作業は、どの入試でも共通して問われる基本動作です。何度も繰り返して、初見の漢詩でも自然に手が動くようにしておきましょう。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。前橋校・横浜校・オンラインで全国対応しています。nihonkokugojuku.comからお気軽にお問い合わせください。また、数学・理系科目は数強塾(sukyojuku.com)もあわせてご利用ください。

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