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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】現代文重要語練習問題 第1回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、今日から「現代文重要語」シリーズを始めますね。第1回はどんな内容にしましょうか。

翔先生:はい。評論文でつまずく生徒の多くは、実は内容が難しいのではなく「恣意的」「敷衍」「止揚」といったキーワードの意味を知らないだけ、というケースが本当に多いんです。今回はそうした頻出語を10問に絞って、しっかり定着させたいと思います。

藤原:なるほど。逆に言えば、この10語を押さえるだけで評論文の読解スピードがぐっと上がりますね。選択肢式にして、必ず解答が一つに定まる問題にしていますので、腕試しのつもりで解いてみてください。

翔先生:解説では「なぜその答えになるか」だけでなく「どこで間違えやすいか」も丁寧に書いていますので、間違えた問題こそじっくり読んでくださいね。

問題(全10問)

第1問

「彼の判断は恣意的だ」という文における「恣意的」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①客観的な根拠に基づいている ②その場の思いつきや個人の勝手な考えによる ③長年の伝統に従っている ④多数決によって決められた

第2問

「筆者はこの主張を具体例を挙げて敷衍した」という文における「敷衍」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①短くまとめること ②反対の立場から否定すること ③意味を押し広げて詳しく説明すること ④他人の意見をそのまま引用すること

第3問

「対立する二つの考えは、より高い次元で止揚(アウフヘーベン)された」という文の意味として最も適切なものを選びなさい。

①片方の意見が完全に否定された ②両者が妥協して意見を半分ずつ採用した ③対立する要素を統合し、より高い段階へと発展させた ④議論そのものが打ち切られた

第4問

「価値観は絶対的なものではなく、相対的なものである」という文における「相対的」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①いつ、どこでも変わらないこと ②他との関係や比較によって成り立つこと ③個人の感情に基づくこと ④科学的に証明されていること

第5問

「この法則はどの時代・地域にも当てはまる普遍的な原理である」という文における「普遍的」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①一部の人にだけ当てはまること ②時代や地域を問わず広く当てはまること ③流行のように一時的に広まること ④専門家だけが理解できること

第6問

「急がば回れ」という表現に見られる、一見矛盾しているようで実は真理を含んでいる言い方を何というか、最も適切なものを選びなさい。

①逆説(パラドックス) ②比喩 ③敷衍 ④二項対立

第7問

「近代思想は『理性と感情』『主観と客観』のような二項対立で世界を捉えてきた」という文における「二項対立」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①三つ以上の要素を比較すること ②二つの対立する概念を軸にして物事を捉える枠組み ③二つの意見が完全に一致すること ④二人の人物が議論すること

第8問

「そんなことはわざわざ説明するまでもない、自明のことだ」という文における「自明」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①誰にとっても証明が難しいこと ②説明しなくても明らかであること ③個人の秘密であること ④まだ証明されていない仮説であること

第9問

「この理論は、個々の事情を捨象して一般的な法則だけを取り出している」という文における「捨象」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①個々の特殊な要素を切り捨てて共通の要素だけを取り出すこと ②すべての要素を細かく記録すること ③反対意見を無視すること ④結論を先延ばしにすること

第10問

「他人に流されず、主体的に考えて行動する」という文における「主体的」の意味として最も適切なものを選びなさい。

①周囲の意見に完全に従うこと ②自分の意志・判断に基づいて行動すること ③感情のままに行動すること ④結果だけを重視すること

解答・解説

第1問の解答と解説

解答:②

「恣意的」とは、客観的な根拠や必然性がなく、その場の気分や個人の勝手な判断によって物事を決めるさまを指します。評論文では「言葉と意味の結びつきは恣意的である」のように、必然性がないことを強調する文脈で頻出です。①の「客観的な根拠に基づいている」は正反対の意味なので、うっかり選ばないよう注意しましょう。「恣意」を「意志」と混同して「意志的=しっかりした意志」と誤解する生徒が多いですが、実際は逆の「勝手気まま」というニュアンスです。

第2問の解答と解説

解答:③

「敷衍」は、ある考えや主張の意味を押し広げて、具体例などを用いてわかりやすく詳しく説明することを意味します。「衍」には「広がる」という意味があり、「敷いて衍げる(ひろげる)」というイメージで覚えると忘れにくいです。①の「短くまとめる」は「要約」の意味であり、敷衍とは逆の作業なので混同しないようにしましょう。評論文では「以下、この点を敷衍しよう」のように、筆者が自分の主張を詳しく展開する合図として使われます。

第3問の解答と解説

解答:③

「止揚(アウフヘーベン)」は、ヘーゲル哲学に由来する重要概念で、対立する二つの要素(正と反)を単に否定・妥協するのではなく、両方の良い面を取り込みながらより高い次元の答え(合)へと統合・発展させることを指します。②の「妥協して半分ずつ採用」は一見似ていますが、単なる折衷案であり、止揚が意味する「新しい次元への発展」とは異なる点に注意が必要です。評論文で「対立を止揚する」とあれば、単純な決着ではなく、質的に高次な解決を指していると読み取りましょう。

第4問の解答と解説

解答:②

「相対的」とは、他のものとの関係や比較の中で初めて成り立つ性質を指し、「絶対的」の対義語です。「背が高い/低い」なども、比較対象があって初めて言える相対的な評価です。①はまさに「絶対的」の説明であり、正反対の内容なので注意が必要です。評論文では「価値は相対的なものであり、時代や文化によって変わる」という文脈で頻出するため、「絶対的」とセットで対比的に覚えることをおすすめします。

第5問の解答と解説

解答:②

「普遍的」は、特定の時代・地域・個人に限定されず、広く一般に当てはまる性質を意味します。「普く(あまねく)」という漢字が使われている通り、「広く行き渡る」というイメージを持つと覚えやすいでしょう。③の「一時的に広まること」は「流行的」の意味であり、「普遍的」とは時間軸の意味合いが正反対なので混同しないよう注意してください。「相対的」と対で「普遍的・絶対的」という語群を整理して覚えると、評論文の読解が格段に楽になります。

第6問の解答と解説

解答:①

「逆説(パラドックス)」とは、一見矛盾しているようで、実はそこに深い真理が含まれている表現のことです。「急がば回れ」は、遠回りに見える方法がかえって早い、という一見矛盾した内容の中に真実を含んでいるため、逆説の代表例といえます。②の「比喩」と混同する生徒が多いですが、比喩は「たとえ」の技法であり、矛盾を含む点は逆説特有の性質なので区別しましょう。評論文では「逆説的に言えば」という形でよく登場し、筆者の意外な主張が続くことが多いので注意して読むとよいでしょう。

第7問の解答と解説

解答:②

「二項対立」とは、「善と悪」「主観と客観」「理性と感情」のように、二つの対立する概念を軸として物事を整理・理解する思考の枠組みを指します。現代の評論文では、この二項対立的な思考そのものを批判し、乗り越えようとする論調が非常に多い点も押さえておきましょう。①のように「三つ以上」ではなく、あくまで「二つの対立軸」であることが定義の核心です。「二項対立を脱構築する」といった表現とセットで理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。

第8問の解答と解説

解答:②

「自明」とは、証明や説明をするまでもなく、それ自体で明らかであることを意味します。「自」ら「明」らかである、という漢字の意味そのままに理解すると覚えやすいでしょう。評論文では「これは自明のことのように思われているが、実は問い直す必要がある」のように、当たり前とされていることに疑問を投げかける文脈でよく使われます。①「証明が難しい」は正反対の意味であり、うっかり選びやすいので注意してください。

第9問の解答と解説

解答:①

「捨象」とは、対象が持つさまざまな性質のうち、個々の特殊な要素を切り捨てて、共通する本質的な要素だけを抽出することを意味します。「概念」を作る際の思考プロセスとして、「抽象」とセットで説明されることが多い語です。②のように「すべての要素を細かく記録する」は捨象とは正反対の作業であり、混同しないよう気をつけましょう。「抽象=捨象+一般化」という関係で覚えておくと、評論文の哲学的な論述にも対応しやすくなります。

第10問の解答と解説

解答:②

「主体的」とは、他人の意見や周囲の状況に流されず、自分自身の意志や判断に基づいて考え、行動する態度を意味します。評論文では「客体」と対になる概念として登場することが多く、「主体性を失う」「主体的に生きる」といった表現でよく使われます。①の「周囲の意見に完全に従う」はむしろ「主体性のない」状態の説明であり、正反対の意味なので注意しましょう。近代思想を扱う評論文では、この「主体」という概念自体を批判的に問い直す論調も多いため、基本の意味を押さえたうえで応用にも備えておくとよいでしょう。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回のように、評論文重要語には「絶対的⇔相対的」「普遍的⇔特殊的」「主体⇔客体」のように、対義語のペアで覚えられる語がたくさんあります。片方だけでなく、必ずペアで整理して覚えるのがおすすめです。

藤原:そうですね。さらに一歩進めるなら、語の意味を覚えるだけでなく、実際の評論文の中でその語がどんな文脈で使われているかを意識して読むことが大切です。「恣意的」が出てきたら「必然性の否定」、「止揚」が出てきたら「対立の統合」というように、語と論理展開をセットで捉える癖をつけると、初見の難解な評論文でも筆者の主張の流れを見失わなくなります。単語カードで意味を覚えるだけでなく、実際の文章の中で何度も出会って定着させていきましょう。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は評論文頻出の重要語10語について、一問一答形式で理解を深めていただきました。「恣意的」「敷衍」「止揚」といった語は、意味を正確に知っているだけで評論文の読解スピードも精度も大きく向上します。次回もさらに重要語を取り上げていきますので、ぜひ継続して取り組んでみてください。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。前橋校・横浜校・オンラインで全国対応しています。nihonkokugojuku.comからお気軽にお問い合わせください。また、数学・理系科目は数強塾(sukyojuku.com)もあわせてご利用ください。

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