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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】要約練習問題 第2回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、今回は要約練習の第2回ですね。前回に引き続き、今回はどんな力を鍛えますか?

翔先生:はい。今回は「短い文章から、筆者が一番言いたい一文(結論)を見抜く力」に的を絞りました。評論文は具体例や比喩が入るので、そこに引っ張られて要約に余計な情報を入れてしまう生徒が多いんです。

藤原:なるほど。要約でよくある失敗は「具体例をそのまま縮めて書いてしまう」パターンですよね。

翔先生:そうなんです。今回の10問では、「抽象・結論の部分」と「具体・説明の部分」を見分ける訓練を意識して作りました。全問、字数指定つきの一問一答形式です。ぜひ紙に書いて挑戦してみてください。

問題(全10問)

第1問

次の文章を読み、40字以内で要約しなさい。

言葉は単に情報を伝える道具ではない。同じ「ありがとう」という一言でも、声の調子や間の取り方によって、感謝の深さも、時には皮肉のニュアンスも生まれる。つまり言葉の意味は、文字面だけでなく、それが発せられる状況や話し手の態度と切り離せない関係にある。

第2問

次の文章を読み、45字以内で要約しなさい。

インターネットの普及により、私たちは膨大な情報に瞬時にアクセスできるようになった。しかしその一方で、自分の関心に合う情報ばかりが表示される仕組みのために、異なる意見に触れる機会はかえって減っている。情報量の増大が、視野の広がりに直結するとは限らないのである。

第3問

次の文章を読み、50字以内で要約しなさい。

科学技術は、できることとやってよいことを区別しない。遺伝子を操作する技術も、人工知能を高度化する技術も、それ自体は善悪を持たない。だからこそ、その技術をどう用いるかを判断する倫理的な議論を、技術の進歩と同じ速さで進めていく必要がある。

第4問

次の文章を読み、40字以内で要約しなさい。

伝統とは、過去をそのまま保存することではない。むしろ、時代の変化に応じて形を変えながらも核となる精神を受け継いでいくことこそが、伝統を「生きた」ものにする。変わらないための努力ではなく、変わり続けるための努力によって、伝統は続いていく。

第5問

次の文章を読み、50字以内で要約しなさい。

私たちは他者を理解しようとするとき、無意識のうちに自分の経験や価値観を物差しにしてしまう。しかし相手の背景は自分とは異なるため、その物差しが必ずしも通用するとは限らない。真に他者を理解するには、まず自分の物差しそのものを疑ってみる姿勢が求められる。

第6問

次の文章を読み、45字以内で要約しなさい。

教育の目的を、知識を効率よく詰め込むことだと考えてしまうと、生徒は「正解を早く出す力」ばかりを鍛えることになる。しかし社会に出て直面する問題の多くには、あらかじめ用意された正解が存在しない。教育が本当に育てるべきは、正解のない問いに向き合い続ける力である。

第7問

次の文章を読み、50字以内で要約しなさい。

環境問題は、ある地域だけで解決できる問題ではない。一つの国が排出量を減らしても、別の国で増加すれば、地球全体としての効果は相殺されてしまう。環境問題への取り組みは、個々の国や地域の努力だけでなく、国境を越えた協力の枠組みなしには成り立たない。

第8問

次の文章を読み、40字以内で要約しなさい。

異なる文化を「優れている・劣っている」という一つの物差しで比べようとすると、必ずどちらかを見下すことになる。しかし文化とは、それぞれの土地の気候や歴史の中で育まれてきたものであり、優劣ではなく違いとして捉えるべきものである。

第9問

次の文章を読み、45字以内で要約しなさい。

時計が示す時間は誰にとっても同じ長さで進むが、私たちが体感する時間の長さは一定ではない。楽しい時間はあっという間に過ぎ、退屈な時間はいつまでも続くように感じられる。時間には、客観的に測られる時間と、主観的に感じられる時間という、二つの異なる姿がある。

第10問

次の文章を読み、55字以内で要約しなさい。

芸術の世界では、模倣は必ずしも否定されるべきものではない。優れた作品を真似ることで技法を体に染み込ませ、そこから初めて自分独自の表現が生まれてくる。模倣とは創造の対立物ではなく、創造へと至るための一つの通過点なのである。

解答・解説

第1問の解答と解説

解答例:言葉の意味は文字面だけでなく、話し手の態度や状況と切り離せない。(33字)

この文章は「言葉は単に情報を伝える道具ではない」という導入のあと、「ありがとう」という具体例を挟んで、最後の一文「言葉の意味は〜切り離せない関係にある」で結論を述べています。要約すべきは真ん中の具体例ではなく、最後の結論部分です。「ありがとう」の例をそのまま書いてしまうと、抽象化ができておらず減点対象になります。具体例は結論を支える根拠なので、要約には基本的に含めません。

第2問の解答と解説

解答例:情報量の増大は、必ずしも視野の広がりにはつながらない。(27字)

「しかし」の後ろに書かれている内容が、この文章の核心です。前半の「膨大な情報にアクセスできる」はいわば譲歩(一般に言われていること)であり、逆接の後にこそ筆者の本当の主張があります。逆接語の後を軽視して前半だけをまとめてしまうミスが非常に多いので注意しましょう。「関心に合う情報ばかり表示される仕組み」は具体的説明なので省略可能です。

第3問の解答と解説

解答例:技術自体は善悪を持たないため、用途を判断する倫理的議論が技術の進歩と同時に必要だ。(41字)

この文章の骨格は「技術は善悪を持たない」→「だからこそ倫理的議論が必要」という因果関係です。「遺伝子操作」「人工知能」は技術の具体例にすぎないため、要約では「技術」という上位語でまとめるのが正解です。具体例を固有名詞のまま書いてしまうと、字数を圧迫するうえに一般化ができていない答案になってしまいます。

第4問の解答と解説

解答例:伝統は変化しながら核となる精神を受け継ぐことで生きたものになる。(32字)

「伝統とは〜ではない」という否定から入り、「むしろ〜」で本当の定義が示される典型的な構造です。否定された内容(保存すること)ではなく、「むしろ」以降の肯定内容を中心にまとめる必要があります。最後の一文は繰り返し・強調にあたるため、要約に無理に両方入れると字数オーバーになりやすい点にも注意してください。

第5問の解答と解説

解答例:他者理解には、自分の価値観という物差しを疑う姿勢が必要だ。(29字)

「しかし」を挟んで、前半(無意識に自分の物差しを使う)と後半(物差しが通用するとは限らない)が対比され、最終文でとるべき態度が示されています。要約の中心は最後の一文「真に他者を理解するには〜姿勢が求められる」です。前半の説明を長く書くと、筆者が最終的に伝えたい提案部分が薄まってしまうので気をつけましょう。

第6問の解答と解説

解答例:教育が育てるべきは、正解のない問いに向き合い続ける力だ。(28字)

「〜だと考えてしまうと」という仮定・問題提起のあと、「しかし」を挟んで結論に至る構成です。第2問と同じく逆接後が要約の核になります。「知識を詰め込む」「正解を早く出す力」は否定される内容なので、これを結論として書いてしまう誤答が多いです。最後の一文をそのまま骨組みにするのが安全です。

第7問の解答と解説

解答例:環境問題は一国では解決できず、国境を越えた協力が不可欠だ。(29字)

1文目の主張「一つの地域だけで解決できない」が2文目の具体例(排出量の相殺)で補強され、最終文で再び一般化されて締められています。具体例(排出量の増減)を数値のように書いてしまうと具体化しすぎになるため、「一国の努力だけでは不十分」という抽象度に戻して書くのがポイントです。

第8問の解答と解説

解答例:文化は優劣ではなく、違いとして捉えるべきものである。(26字)

前半は「一つの物差しで比べると見下すことになる」という問題点の指摘、後半が「違いとして捉えるべき」という筆者の主張です。要約の核は最後の一文にあります。「気候や歴史の中で育まれてきた」という部分は理由づけの説明であり、字数に余裕がなければ削ってよい部分です。

第9問の解答と解説

解答例:時間には客観的に測られる時間と主観的に感じられる時間の二つがある。(33字)

「楽しい時間はあっという間に」という具体例は、最後の一文の対比(客観的な時間/主観的な時間)を分かりやすくするための説明にすぎません。要約には最後の一文の対比構造をそのまま反映させるのが最も効率的です。具体例の内容(楽しい・退屈)を要約に入れると、抽象化不足で減点されやすい典型例です。

第10問の解答と解説

解答例:模倣は創造の対立物ではなく、独自の表現に至るための通過点である。(33字)

この文章も「〜ではない」という否定のあとに、真の主張が続く構造です。「優れた作品を真似ることで技法を体に染み込ませ」の部分は、模倣がなぜ必要かという理由説明にあたるため、字数に余裕がなければ最後の一文(模倣=創造への通過点)だけでまとめるのが最も安定した解答になります。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回の10問、共通する型に気づきましたか?

藤原:「一般論・問題提起」→「逆接(しかし・むしろ)」→「筆者の結論」という流れが非常に多かったですね。

翔先生:その通りです。要約問題では、まず「逆接の接続語」に丸をつける癖をつけてください。逆接の後ろにこそ、筆者が本当に伝えたい一文が来ることがほとんどです。次に、具体例(固有名詞や数字、エピソード)には線を引いて、要約からは基本的に除外する、というルールを徹底しましょう。

藤原:最後に、指定字数ぴったりに収めようとしすぎず、「結論の骨組みを崩さないこと」を優先するのも大切ですね。骨組みが正しければ、多少の言い回しの違いは減点されません。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は、要約練習問題の第2回として、逆接の後ろに結論が来る文章、否定から入って本当の主張を示す文章など、評論文でよく使われる10種類の構造を集めて出題しました。要約力は一朝一夕では身につきませんが、「抽象と具体を見分ける」「結論の位置を探す」という視点を持って繰り返し練習すれば、着実に伸びていく力です。ぜひ第1回・第3回以降の問題にも挑戦してみてください。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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