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古文の敬語を完全マスター|尊敬・謙譲・丁寧の見分け方
はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
先日、こんな質問が飛び込んできました。
「先生、古文の敬語って『たまふ』とか『侍り』とか、全部同じように見えるんですけど……どうやって区別するんですか? もう頭がグルグルします😭」
高3の女の子からのSOSでした。気持ち、わかります! 古文の敬語は現代語の「いらっしゃる」「申し上げる」とは微妙にズレていて、最初はとにかく混乱しますよね。でも、一度コツをつかんでしまえば、敬語は最強の得点源になります。
なぜなら、古文の敬語を正確に読めると「誰が誰に対して何をしているか」という主語・人間関係の把握が一気に楽になるからです。長文読解の正答率がガラッと変わります。
この記事では、古文敬語の三種類(尊敬語・謙譲語・丁寧語)の見分け方を、具体的な動詞一覧・識別ステップ・よくある間違いまで、翔先生のフォローも交えながら徹底解説します。最後まで読んで、今日から確実に点数アップを目指しましょう!
なぜこれが重要なのか
古文の敬語が受験でこれほど重視される理由、改めて整理しましょう。
①センター試験・共通テストで毎年出る
共通テスト「古文」の設問をよく見ると、敬語の種類・方向・敬意の対象を問う問題が必ずといっていいほど含まれています。さらに、文脈把握・主語判定・内容説明の問題でも、敬語の知識がないと選択肢が絞れないケースが続出します。
②私立大学・国公立二次でも頻出
早慶・MARCH・旧帝大などの記述問題では「この敬語は誰から誰への敬意を表すか説明せよ」という直球問題が出ます。丸ごと落とすと配点がかなり痛い。
③主語の判定に直結する
古文は主語がしょっちゅう省略されます。そのとき、敬語の方向性(動作主と動作の受け手)を読み解くことが、主語を推定する最大のヒントになります。敬語=古文読解の羅針盤、といっても過言ではありません。
つまり、古文敬語をマスターすることは、読解力と文法力を同時に底上げする最高効率の勉強なのです。
具体的な方法・ステップ解説
STEP 1|まず「三種類の敬語」の定義を正確に理解する
古文の敬語は現代語と同じく三種類に分類されます。ただし、それぞれの「向き」をしっかり意識することが大切です。
| 種類 | 敬意の方向 | 簡単な説明 | 現代語のイメージ |
|---|---|---|---|
| 尊敬語 | 動作主(する人)への敬意 | 偉い人の動作を高める | 「いらっしゃる」「〜なさる」 |
| 謙譲語 | 動作の受け手への敬意 | 自分(または話題の人)の動作を低める | 「申し上げる」「伺う」 |
| 丁寧語 | 聞き手(読み手)への敬意 | 言葉全体を丁寧にする | 「〜です」「〜ます」 |
ここで翔先生からひとこと!
「尊敬語は『する人』を立てる、謙譲語は『される人』を立てる、丁寧語は『聞く人』を立てる、と三方向に整理すると混乱しにくいですよ!」(翔先生)
STEP 2|最重要敬語動詞を一覧で押さえる
古文の敬語動詞には頻出のものが決まっています。以下を完全暗記することが合格への近道です。
▶ 尊敬語(動作主を高める)
| 敬語動詞 | 本動詞の意味 | 補助動詞の意味 |
|---|---|---|
| おはす・おはします | いらっしゃる(居る・行く・来る) | 〜ていらっしゃる |
| たまふ(給ふ) | 〔尊敬〕お与えになる | 〜なさる(四段活用の場合) |
| のたまふ(宣ふ) | おっしゃる | ― |
| きこしめす | お聞きになる・召し上がる | ― |
| ごらんず | ご覧になる | ― |
| おぼす・おぼしめす | お思いになる | ― |
| めす(召す) | お呼びになる・召し上がる・お乗りになる | ― |
| あそばす | 〔尊敬〕なさる | 〜なさる |
▶ 謙譲語(動作の受け手を高める)
| 敬語動詞 | 本動詞の意味 | 補助動詞の意味 |
|---|---|---|
| たてまつる(奉る) | 差し上げる・召し上がらせる | 〜申し上げる |
| まゐらす・まゐる(参る) | 参上する・差し上げる | 〜申し上げる |
| きこゆ・きこえさす | 申し上げる | 〜申し上げる |
| そうす(奏す) | (天皇・上皇に)申し上げる | ― |
| けいす(啓す) | (皇后・皇太子に)申し上げる | ― |
| まうす(申す) | 申し上げる | ― |
▶ 丁寧語
| 敬語動詞 | 意味 |
|---|---|
| 侍り(はべり) | 〜でございます・あります(補助動詞としても使用) |
| さぶらふ(候ふ) | 〜でございます・お仕えする |
STEP 3|「たまふ」の二刀流に注意する
多くの受験生がつまずくのが、「たまふ(給ふ)」が尊敬にも謙譲にもなるという問題です。
- 四段活用の「たまふ」→ 尊敬語(〜なさる)
例:「殿、いでたまふ」→ 殿がお出かけになる - 下二段活用の「たまふ(たまへ・たまへ・たまふ・たまふる)」→ 謙譲語(〜申し上げる)
例:「文をたてまつりたまへば」→ 手紙を差し上げなさると
見分けのコツは活用形を確認すること。下二段なら「たまへ」「たまへる」の形で出てきます。また、謙譲の「たまふ」は他の謙譲語と一緒に使われる(二重敬語)ケースが多いので、周辺の語もチェックしましょう。
STEP 4|「誰から誰への敬意か」を常に意識して読む
敬語の理解で決定的に重要なのは、敬意の発信源(誰が使っているか)と敬意の対象(誰を高めているか)の二点です。
古文では敬意は次の二方向から生まれます。
- 地の文の敬語→ 作者から登場人物への敬意
- 会話文の敬語→ 話し手から聞き手・または話題の人物への敬意
例えば、地の文で「帝、おはします」とあれば、作者が帝への敬意を表している。会話文中で女房が「かくなむ申し侍る」と言えば、女房が相手(主人など)への敬意を表しています。
この「誰から誰へ」をセットで答えられるようにしておくことが、記述問題での得点につながります