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英語の要約問題と国語の要約問題|共通する思考プロセスとは
はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
先日、こんな質問が届きました。
「先生、英語の要約問題って国語の要約問題と何か違うんですか?どっちも苦手なんですけど、一緒に勉強できますか?」
これを聞いた瞬間、翔先生と思わず顔を見合わせてしまいました。「いい質問すぎる!」と。
実はこれ、多くの受験生が気づいていない超重要なポイントなんです。英語の要約問題と国語の要約問題、科目が違うからといって「別モノ」と思って勉強していませんか?実は解き方の核心部分(思考プロセス)はほぼ同じなんです。
この記事では、英語×国語の比較学習という視点から、要約問題に共通する思考プロセスを徹底解説します。「どちらも苦手」という人も、「片方だけ得意」という人も、この記事を読めば両方の得点が上がるヒントが見つかるはずです。最後まで読んでいただければ、きっと「読んでよかった!」と思ってもらえると自信を持って言えます!
なぜこれが重要なのか
まず、現在の入試における要約問題の位置づけを確認しましょう。
国語(現代文)の要約問題は、共通テストはもちろん、早稲田・慶應・東大などの難関大の記述問題において頻出です。「本文全体を100字以内で要約せよ」といった形式で、読解力と論理的思考力が同時に問われます。
英語の要約問題(summarizing)は、共通テストの大問では長文読解の一部として実質的な要約力が問われますし、外部試験(英検・TEAP・GTECなど)のライティングセクションでは明示的に「要約文を書きなさい」という問題が出題されます。英検2級・準1級・1級のライティングでは要約問題が必須です。
つまり、英語でも国語でも、要約力は現代の入試の「超頻出スキル」なのです。
そして、ここが肝心なのですが――英語が苦手な人が国語の要約もできなかったり、国語が苦手な人が英語の要約でも失点したりする「共倒れ現象」がよく見られます。逆に言えば、共通する思考プロセスを身につければ、英語・国語の両方が同時に伸びるという「一石二鳥の学習法」が成立するわけです。これが今回のテーマを取り上げた最大の理由です。
具体的な方法・ステップ解説
では、英語の要約問題と国語の要約問題に共通する思考プロセスを、5つのステップで解説します。翔先生が授業でよく使うフレームワークです。
ステップ①:文章全体の「話題(トピック)」を一言でつかむ
要約の第一歩は、文章全体が「何について書かれているか」を一言でつかむことです。
国語の場合:「この評論文は何について論じているのか」を問います。たとえば「言語と思考の関係について」「近代的自我の問題について」など。タイトルや冒頭の数行に注目すると見えやすいです。
英語の場合:パッセージのタイトルや第1段落(introduction)を読んで、”What is this passage about?”と自問します。同じ作業です。
この段階で「話題」が曖昧なまま要約を始めると、的外れな内容を書いてしまいます。まずここを明確にすることが、すべての出発点です。
ステップ②:「筆者の主張(メインクレーム)」を見つける
話題がわかったら、次は「筆者はその話題についてどう主張しているか」を探します。これが要約の核心です。
国語の場合:評論文では「逆接」の接続詞(しかし・だが・ところが・にもかかわらず)の直後や、「つまり・要するに・このように」などの接続詞の後に主張が来ることが多いです。また、文章の末尾(結論部分)に主張がまとめられていることも多い。
英語の場合:Thesis statement(主題文)はintroductionの最後の文、またはconclusion(結論段落)に置かれるのが基本構造です。”However,” “Therefore,” “In conclusion,” “Thus,” などのdiscourse markersに注目すると見つけやすい。
お気づきでしょうか?国語でいう「逆接の後を見ろ」は、英語でいう”However”の後を見ることと全く同じ発想です。言語が違っても、論理のシグナルは機能が同じなのです。
ステップ③:「根拠・理由・具体例」と「主張」を区別する
要約で最もよくある失敗が、具体例や根拠をそのまま要約文に入れすぎることです。要約では主張(抽象・一般)を中心に書き、具体例は基本的にカットします。
国語の場合:「たとえば」「具体的に言うと」「〜の場合を考えてみよう」などが来た後の内容は、具体例=原則カット対象です。その具体例が示している「抽象的な主張」を見つけて書くのが正解。
英語の場合:“For example,” “For instance,” “such as,” “like” の後は具体例です。同様にカット。その前後にある抽象的な一文(topic sentence)を使います。
「具体例は捨てろ、抽象を拾え」――これは国語でも英語でも要約の鉄則です。
ステップ④:段落ごとの「要点」を一文でまとめる
文章全体の主張を把握したら、各段落の要点を一文ずつ抽出します。これを「段落メモ」と呼んでいます。
国語の場合:各意味段落(形式段落ではなく、内容のまとまりで分けた段落)ごとに「何を言っているか」を一文でメモします。記述問題の下書き作業と同じです。
英語の場合:各paragraphのtopic sentence(通常は第一文か最終文)を拾います。これが段落の要点です。英語の論説文は特に、topic sentenceが明示されていることが多いので、探しやすいです。
この段落メモが、最終的な要約文の「素材」になります。
ステップ⑤:字数・語数制限の中で「論理の流れ」を保ちながら文章化する
最後のステップは、集めた素材を制限内でまとめ上げることです。ここで重要なのは「論理の流れ(因果関係・対比・展開)」を壊さないことです。
国語の場合:「〜であるが、〜。したがって、〜。」という接続詞を使って論理を繋ぎます。主語・述語を明確にし、一文一義(一文に一つの意味)を心がけます。
英語の場合:Transition words(”However,” “Therefore,” “As a result,” “In contrast,” etc.)を使って論理を繋ぎます。自分の言葉で言い換える(paraphrase)のが高得点のポイントです。
言語が違っても「論理の流れを保つ」という要求は全く同じです。
藤原流のポイント
ここからは、私・藤原進之介が特に強調したい「藤原流の視点」をお伝えします。
「要約力=情報の取捨選択力」と定義せよ
多くの参考書では要約を「文章を短くすること」と説明しています。でも、これは半分正解で半分不正解です。
正確に言うと、要約とは「重要な情報を保ちながら、不要な情報を捨てる作業」です。この「捨てる」作業こそが難しい。何を捨てて何を残すかの判断基準が「筆者の主張への貢献度」です。
「この具体例は、筆者の主張を支えているか?」「この表現は、主張の本質を伝えるために必要か?」と常に問い続けることが、英語でも国語でも高精度の要約につながります。
英語の要約を国語の感覚で解くトレーニング法
翔先生が実際に授業でやっている方法を一つ紹介します。
英語の長文を読んで要約する際に、まず日本語で要約文を書いてから英語に訳すというステップを踏みます。「英語で考えて英語で書く」より、「日本語で論理を整理してから英語にする」方が、要約の精度が格段に上がります。これは英語力の問題ではなく、思考力の問題です。
国語が得意な人は、この方法で英語の要約問題を解くと驚くほどスムーズになります。逆に国語が苦手な人は、英語の論説文(英語は論理構造が明示的なので)を使って要約の練習をすると、論理的思考力が鍛えられ、国語の要約にも応用できます。
「主張→根拠→結論」の三角形を頭に描け
私がよく黒板に書く図があります。
【主張】 / \ 【根拠】【根拠】 ↓ 【結論(≒主張の再確認)】
英語でも国語でも、論説文・説明文の構造はこの三角形で捉えられます。要約するときはこの三角形の「頂点(主張)」と「底辺(根拠の抽象化)」と「結論」を拾えば、大抵の要約問題は解けます。具体例は三角形の外側にある飾りだと思ってください。