数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「スマホで本を読んでも国語力は上がらないよ」——そんなことを言われたことはありませんか?確かに一昔前は「読書=紙の本」が当たり前でしたが、今やKindleやKindleアプリ、電子書籍サービスが当たり前の時代になりました。受験生のみなさんの中にも、「電子書籍でも国語の勉強になるの?」「読書アプリと紙の本、どっちがいいの?」と疑問を持っている方は多いはずです。
この記事では、電子書籍・読書アプリを使って国語力を効果的に上げる方法を、最新の研究知見と私たちの指導経験をもとに徹底解説します。紙の本との違いを正確に理解した上で、デジタル読書を国語学習に活かす実践的なアドバイスをお届けします。受験生の保護者の方にも、子どもへの適切なサポート方法がわかるようにまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。
電子書籍・読書アプリと国語力|まず知っておくべき核心情報
「電子書籍で読書しても国語力は上がらない」という説は、実は半分正解で半分間違いです。重要なのはデバイスの種類ではなく、「どのように読むか」です。
ただし、電子書籍と紙の本には読書体験として明確な違いがあり、その違いを無視して同じように使おうとすると効果が下がります。まずはその違いをしっかり把握しましょう。
研究が示す「紙 vs 電子」の差
ノルウェーのスタヴァンゲル大学の研究(2013年)では、同じ短編ミステリーを紙と電子書籍で読んだグループを比較したところ、内容の理解度・記憶の定着度において紙が有意に優れていたという結果が出ました。特に「出来事の時系列を把握する」「登場人物の行動を順序立てて覚える」という点で差が開きました。
一方で、2021年以降の研究では、電子書籍の読み方に慣れた世代では差が縮まっているというデータもあります。つまり「慣れ」と「使い方」次第で、電子書籍でも十分に国語力を伸ばせる可能性があるということです。
電子書籍が国語力に与えるメリット
- 語彙力アップに直結するワンタップ辞書機能:知らない言葉をその場で調べられる
- ハイライト・メモ機能:重要な箇所に即座にマーカーを引ける
- 読書ハードルが下がる:「本を持ち歩く」手間がなくなり、スキマ時間に読める
- 豊富なコンテンツへのアクセス:青空文庫など無料で名作文学が読める
- フォントサイズ調整:読みやすい環境を自分で整えられる
電子書籍が国語力に与えるデメリット・注意点
- 「流し読み」になりやすい:スクロールの感覚が速読を促進してしまう
- 空間的記憶が形成されにくい:「あのページの右上に書いてあった」という記憶が紙より薄れる
- 通知・SNSへの誘惑:スマホで読む場合、集中力が途切れやすい
- 目の疲労:長時間の読書には液晶画面より紙が優しい
これらのメリット・デメリットを踏まえた上で、次章では具体的な活用法をお伝えします。
電子書籍・読書アプリで国語力を上げる具体的な方法
①「精読モード」と「速読モード」を使い分ける
電子書籍で国語力を伸ばすための最大のコツは、目的に応じた読み方の切り替えです。
精読モード(国語力強化に最も効果的)
1ページ読んだら一度止まり、「今読んだ内容を自分の言葉で説明できるか」を確認します。これを「自己説明法」と呼びます。具体的には、スマホの音声メモに向かって「今のパラグラフのポイントは○○だ」とつぶやくだけでOKです。声に出すことで、文章の理解度が飛躍的に高まります。
速読モード(読書量を増やしたい時)
まず章全体を素早く読み、あとで「印象に残った表現・言葉」をノートに書き出す方法です。語彙の蓄積や文章の流れの把握に向いています。
②ハイライト機能を「国語的」に使う
多くの電子書籍アプリには、文章をハイライト(マーカー)する機能があります。ただし「なんとなく気になった」というハイライトでは国語力向上につながりません。
以下の3種類のルールでハイライトの色を使い分けることをおすすめします。
- 黄色ハイライト:筆者の主張・意見が書かれた文
- 青色ハイライト:知らなかった言葉・表現
- 赤色ハイライト:比喩・情景描写など文学的に印象的な表現
例えば、芥川龍之介の「羅生門」を読む場合、「下人の心理変化が書かれた一文」を黄色でハイライトし、「屍骸の腐臭」などの印象的な描写を赤でハイライトします。読後にハイライト一覧を見直すだけで、文章構造の把握力と語彙力の両方が鍛えられます。
③ワンタップ辞書機能を必ず活用する
電子書籍最大の国語力アップ機能が、ワンタップ辞書です。紙の本では「後で調べよう」と思いながらそのままにしてしまう言葉を、その場で即座に確認できます。
ここで重要なのは、調べた言葉を「文脈と一緒に」記録することです。「難解(なんかい)=理解しにくいこと」とメモするだけでなく、「○○という文脈で使われていた」という情報を一緒に残しましょう。Kindleのメモ機能やGoodNotesなど別のノートアプリに転記する習慣をつけると、語彙力が爆発的に伸びます。
受験国語で頻出の語彙——「逡巡(しゅんじゅん)」「忸怩(じくじ)」「蓋然性(がいぜんせい)」なども、電子書籍で出会った際にその場で調べて記録することで、入試本番での語彙問題に直結する力になります。
④おすすめの読書アプリと使い方
Kindle(Amazon)
最も多くのコンテンツを持ち、X-Ray機能(登場人物・用語の解説)が国語学習に便利です。ハイライト・メモ機能も充実しており、読んだ内容をPCで確認できる「Kindle Highlights」との連携が強力です。
青空文庫 × 読書アプリ(i文庫、BooxなどのE-inkリーダー)
夏目漱石・森鴎外・太宰治・芥川龍之介など、受験国語の出典として頻出の近現代文学が無料で読み放題です。「i文庫S」などのアプリと組み合わせると、辞書引き機能も使えて非常に便利です。受験生には特におすすめします。
Audible(Amazon)・audiobook.jp
厳密には「読書」ではなく「聴書」ですが、プロのナレーターが朗読する文学作品を聴くことで、文章のリズム感・句読点の使い方・情景の広がりを体感できます。通学中のながら聴きで文学的感性を養う方法として取り入れる価値があります。
⑤E-inkリーダーという選択肢
「スマホで読むと他のアプリが気になって集中できない」という受験生には、Kindle Paperwhiteなどのe-inkリーダーを強くおすすめします。液晶ではなく電子ペーパーを使用しているため目が疲れにくく、読書以外のアプリが入っていないため集中力が維持されます。「紙の本に近い読書体験」をデジタルで得たい人には最適なデバイスです。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介より:
私が指導してきた生徒の中で、電子書籍読書を上手く活用して国語力を伸ばした生徒には共通点があります。それは「読んだ後に必ず何かを書く」という習慣です。
電子書籍は「読みっぱなし」になりやすいのが最大の落とし穴です。どんなに短くても、読んだ後に「この文章で筆者が最も言いたかったこと」を一文でいいので手書きのノートに書き出す。これだけで、読解力と記述力が同時に鍛えられます。
特に入試現代文の対策として、新書や評論文を電子書籍で読む際は、各段落を読むたびに「段落の要点を一文にまとめる」練習を繰り返してください。これは実際の入試で求められる「傍線部の説明問題」「要旨把握問題」に直結するトレーニングです。
翔先生より:
私が生徒によく言うのは「電子書籍はツール、使い方が9割」という言葉です。同じKindleを使っていても、ただスクロールして読むだけの生徒と、ハイライト・メモ・辞書機能をフル活用して読む生徒とでは、3ヶ月後に圧倒的な差がつきます。
特に中学生・高校生の受験生に実践してほしいのが、「一冊読み終えたら200字感想文を書く」というルールです。これは国語の記述力だけでなく、他教科の論述力にも効果があります。感想文を書くためには「何が書いてあったか」を整理しなければならないので、自然と読解が深まります。
また、電子書籍で読んだ文学作品は、余裕があれば紙の本でも同じ箇所を読み直すことをおすすめします。最初に電子で全体を把握し、印象的な章だけ紙で精読するという「ハイブリッド読書法」は、時間効率と深い理解の両立ができる優れた方法です。
よくある失敗と解決策
失敗①「読んだつもり」になっている
症状:電子書籍でたくさん読んでいるはずなのに、国語の模試の点数が上がらない。
原因:スクロールに慣れすぎて「流し読み」が習慣化している。
解決策:1日の読書量を「ページ数」ではなく「要約できる段落数」で測る。読んだ内容を翌日に口頭で再現できるか確認する習慣をつける。
失敗②スマホ読書で集中力が続かない
症状:読書アプリを開いてもSNSや動画アプリに移動してしまう。
原因:スマホは「SNS・ゲーム・動画を楽しむデバイス」として脳が認識している。
解決策:①読書専用のタイムロックアプリ(Focusなど)を使う、②E-inkリーダーに移行する、③読書の30分前はSNSを見ない、の3つを組み合わせる。
失敗③ハイライトを引きすぎて意味がなくなる
症状:熱心にハイライトしているが、後で見直すと全体の7割がハイライトされていて何が重要かわからない。
原因:「重要そう」という感覚でハイライトしているため基準が曖昧。
解決策:前述の「3色ルール」を徹底し、1ページにつきハイライトは最大3箇所までというルールを設ける。
失敗④語彙調べで「辞書を読むこと」が目的になる
症状:知らない言葉をひくたびに辞書の説明文が難しく、調べること自体に時間がかかり読書が進まない。
原因:すべての未知語を完璧に理解しようとしている。
解決策:調べる言葉を「文脈から意味が全くわからない言葉だけ」に絞る。ある程度は前後の文脈から推測する力も国語力の一つなので、推測して読み進める練習も並行して行う。
今日からできるアクション
難しいことは何もありません。今日からすぐに始められる3つのアクションを紹介します。
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青空文庫アプリを今すぐダウンロードする
無料で夏目漱石「こころ」・芥川龍之介「羅生門」・太宰治「走れメロス」など受験頻出の名作が読めます。まず1作品を選んで読み始めましょう。読書アプリで国語力を上げる第一歩はここからです。 -
読書ノート(手書き)を一冊用意する
電子書籍で読んだ内容の「一言感想・印象的な言葉・要点まとめ」をアナログのノートに書き出すルールを作りましょう。デジタル読書とアナログ記録の組み合わせが国語力向上の最強の武器になります。 -
週1冊のペースで新書・評論文を読む習慣をつける
Kindleや電子書籍サービスで「岩波新書」「ちくま新書」などの評論系新書を1冊購入し、週1冊読む目標を立てましょう。現代文の読解力は「評論文に慣れること」で大きく伸びます。読書アプリを活用した語彙力強化と論理的読解の習慣化が、入試国語の得点アップに直結します。
まとめ・日本国語塾トップについて
この記事のポイントをまとめます。
- 電子書籍・読書アプリでも国語力は上げられる。ただし「使い方」が重要。
- 紙の本と電子書籍はそれぞれ特性が異なる。違いを理解した上でハイブリッドに活用する。
- ハイライト・辞書・メモ機能を「国語的ルール」に沿って活用する。
- 「読んだ後に書く」習慣が、電子書籍読書を国語力向上に直結させる最大のカギ。
- 集中できない人はE-inkリーダーへの移行を検討する。
- 青空文庫×読書アプリで受験頻出の名作文学を無料で読める。
読書アプリを活用した国語力強化は、正しい方法で継続すれば必ず成果に結びつきます。ぜひ今日から一つでも実践してみてください。
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