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齋藤孝・外山滋比古の文章術|現代文評論から学ぶ「思考力」の鍛え方

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数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

今回のテーマは、受験現代文でも頻出の評論家・齋藤孝と外山滋比古の文章術です。この2人の著作や思想は、大学入試の評論文として出題されるだけでなく、「思考力」そのものを鍛えるための最高の教材でもあります。

「現代文の評論文が苦手」「筆者の言いたいことが読み取れない」「記述問題で何を書けばいいかわからない」——そんな悩みを抱える受験生は多いはずです。でも実は、齋藤孝・外山滋比古の文章術を深く理解することで、読む力・考える力・書く力が同時に向上します。本記事では、その核心を徹底解説していきます。


はじめに|なぜ今、齋藤孝と外山滋比古なのか

齋藤孝(明治大学教授)と外山滋比古(お茶の水女子大学名誉教授・故人)。この2人は、日本を代表する「知的生産論・文章論」の大家です。

齋藤孝の代表作『声に出して読みたい日本語』『読書力』、外山滋比古の代表作『思考の整理学』は、いずれも累計100万部を超えるベストセラー。そして重要なのは、これらの著作が大学入試の現代文・評論問題に繰り返し出題されてきたという事実です。

特に外山滋比古の『思考の整理学』は、東京大学・早稲田大学をはじめ難関大の入試でも出題実績があり、「受験生が読むべき本」として長年にわたって推薦されてきました。

しかし、多くの受験生はこれらの文章を「難しい評論文」として敬遠しがちです。本記事では、現代文評論から思考力を鍛えるための具体的なアプローチを、翔先生との対話形式を交えながら丁寧にお伝えします。


核心情報|齋藤孝・外山滋比古が語る「思考力」の本質

外山滋比古の「思考の整理学」が示す思考の構造

外山滋比古の『思考の整理学』が長年読まれ続ける理由は、「思考とは何か」「どうすれば人間は本当に考えられるのか」という根本的な問いに答えているからです。

外山が提唱する思考のキーワードは大きく3つです。

  • 「醗酵(はっこう)」としての思考:良い考えは、すぐに生まれるのではなく、時間をかけて「寝かせる」ことで熟成される。試験勉強にも同じことが言えます。
  • 「グライダー型」vs「飛行機型」の人間観:外山は、与えられた知識を受動的に吸収するだけの人間を「グライダー型」と呼び、自ら考えて飛び立てる「飛行機型」の知性を目指すべきだと主張します。これはまさに受験勉強における思考力の本質を突いています。
  • 「忘れること」の重要性:外山は「忘れることは思考の整理である」と述べます。すべてを記憶しようとするのではなく、重要なものだけを定着させ、他は捨てることで、本質的な思考が生まれるというわけです。

これらの概念は、現代文評論問題として出題されたとき、設問の核心部分になることが多いため、受験生は「グライダー型」「飛行機型」「醗酵」といったキーワードを評論文の文脈でしっかり理解しておく必要があります。

齋藤孝の「身体知・三色ボールペン」が示す思考の技法

一方の齋藤孝は、思考を「技術」として捉え、誰でも再現できる具体的な方法論を提示することで知られています。

代表的な概念は以下の通りです。

  • 「身体知」:齋藤孝は、知性は頭だけでなく身体全体で獲得されると主張します。声に出して読む、手で書く、身体を使って覚えるという行為が、思考力の深化につながるという考え方です。
  • 「三色ボールペン読書術」:赤=最も重要、青=まあ重要、緑=自分が面白いと思った箇所、と色分けしながら読む方法。これは現代文の読解訓練に直接応用できます。
  • 「コミュニケーション力の核心は編集力にある」:情報をそのまま伝えるのではなく、受け手に伝わるように「編集」し直す力が、真のコミュニケーション力だという主張です。

齋藤孝の評論文が入試で出題される場合、こうした「技法の背後にある思想」が問われることが多いため、表面的な方法論だけでなく、なぜその方法が有効なのかという本質的な理解が必要です。


具体的な方法|現代文評論から思考力を鍛えるステップ

ステップ1:「対立構造」を見抜く読み方を身につける

齋藤孝・外山滋比古に限らず、現代文の評論文には必ずと言っていいほど「AではなくB」という対立構造が存在します。

例えば、外山滋比古なら「グライダー型 vs 飛行機型」、齋藤孝なら「受動的な読書 vs 能動的な読書」といった具合です。

評論文を読む際には、最初に「この文章の対立軸は何か」を意識的に探してください。これだけで文章の論理構造が驚くほど見えやすくなります。

実践例:外山滋比古の文章を読むとき、「筆者はどちら側の立場を肯定しているか」「否定されているのはどんな考え方か」を余白にメモしながら読む練習を繰り返しましょう。

ステップ2:「換言表現」をトレースして論旨を整理する

評論文では、同じ概念が別の言葉で言い換えられることが多くあります。外山滋比古が「グライダー」と呼んでいるものを、別の箇所では「受動的知性」と言い換えるケースが典型例です。

この換言表現を追うことが、設問の答えに直結します。

具体的な方法:文章を読みながら、「Aとは=Bである」「AはBと言い換えられる」という箇所に下線を引き、対応関係をノートに整理する習慣をつけましょう。齋藤孝の三色ボールペン術をここで応用するのが効果的です。

ステップ3:「自分の言葉で要約する」訓練を繰り返す

外山滋比古は「頭の中で思考を整理するには、一度言語化することが不可欠だ」と述べています。この主張を受験勉強に直接応用できます。

評論文を読んだ後、200字以内で「筆者の主張を自分の言葉でまとめる」練習を毎日続けてください。これが現代文の記述力と思考力を同時に鍛える最強の訓練です。

具体的な手順:

  1. 評論文を一度通読する
  2. 対立構造と換言表現を確認する
  3. 「筆者は何を主張しているのか」を自分の言葉で200字にまとめる
  4. 模範解答や解説と照らし合わせて精度を確認する

ステップ4:「問い」を自分で立てる習慣を持つ

齋藤孝が繰り返し強調するのは「問い続ける力」の重要性です。受動的に問題を解くだけの勉強から脱却し、「なぜ筆者はこう主張するのか」「どんな社会的背景がこの主張を生んでいるのか」と自問する習慣を持つことが、評論文の深い読解につながります。

例えば、外山滋比古の「忘れることの重要性」という主張を読んだとき、「なぜ筆者は『忘れる』ことをポジティブに捉えるのか?」と問いを立ててみる。すると、「記憶の整理」と「創造的思考」の関係という本質的な論点が見えてきます。


藤原&翔先生の実践アドバイス

藤原進之介:「評論文が苦手な受験生に共通する問題は、文章を『情報の羅列』として読んでしまうことです。でも齋藤孝・外山滋比古の文章を素材にすると、文章に『論理の骨格』があることが実感しやすい。まず彼らの著作を1冊通読してみることを強くお勧めします。特に『思考の整理学』は薄くて読みやすいので、受験生でも1〜2日で読み切れます。評論文を『文章術』の教科書として読むこと自体が、思考力トレーニングになるんです。」

翔先生:「授業でよく話すのですが、現代文は『正解を当てる科目』ではなく、『論理を追う科目』なんですよね。外山滋比古の評論を読んでいると、『なるほど、こういう順番で主張を積み上げていくのか』という発見があります。それを意識して読むだけで、設問に対する答えの精度が上がります。僕が生徒にやってもらっているのは、評論文を読んだ後に『この文章の一言まとめ』を言わせること。それだけで読解の深さが全然変わります。」

藤原進之介:「翔先生の言う『一言まとめ』は本当に大事。外山滋比古の『思考の整理学』を一言で言うなら『飛行機型の自律的思考を目指せ』、齋藤孝の文章術なら『身体を使って能動的に読み書きすることで思考が深まる』とまとめられる。この一言まとめができる人は、記述問題でも高得点が取れます。」


よくある失敗と解決策

失敗①:難しい語句にひっかかって全体が読めない

原因:評論文特有の抽象的な語彙(「知的生産」「身体知」「メタ認知」など)の意味がわからず、そこで思考が止まってしまう。

解決策:わからない語句は文脈から意味を推測する練習を積む。評論文の語彙は、前後の文章で必ず「定義」や「換言」が示されることがほとんどです。わからない語句が出てきたら、その直後の文を注意深く読んでください。齋藤孝・外山滋比古の著作を繰り返し読むことで、評論頻出語彙の自然な習得にもつながります。

失敗②:設問に答えるとき、本文の言葉をそのまま抜き出す

原因:「書いてあることを答えればいい」という思い込みから、本文の表現を丸コピーしてしまう。

解決策:記述問題では「なぜ」「どういうことか」という問いに対して、自分の言葉で論理を組み立てる必要があります。外山滋比古の「思考の整理学」の読解練習でステップ3の要約訓練を繰り返すことで、この力が養われます。

失敗③:評論文の「具体例」と「主張」を混同する

原因:筆者が具体例として挙げている部分を、主張そのものだと誤解してしまう。

解決策:評論文の構造は「主張→具体例→まとめ」が基本です。段落ごとに「これは主張か、具体例か、補足か」とラベルを貼る練習をしてください。齋藤孝の文章は特に「具体例が豊富」な構成が多いので、練習素材として最適です。

失敗④:「思考力を鍛える」と言われても何をすればいいかわからない

原因:「思考力」という言葉が抽象的すぎて、具体的な行動に落とし込めていない。

解決策:思考力の訓練は「問いを立てる」「要約する」「対立軸を見つける」という3つの具体的行動に分解できます。これらをセットで毎日15〜20分実践するだけで、半年後には別人のような読解力が身につきます。


今日からできるアクション

難しく考える必要はありません。今日から以下の3つを始めてください。

  1. 外山滋比古『思考の整理学』を1章読む
    文庫で150円程度。1章は10〜15分で読めます。読みながら「筆者の主張はどちら側か」「対立しているものは何か」をメモしてみましょう。これが現代文評論から思考力を鍛える第一歩です。
  2. 今日解いた現代文問題を200字で要約する
    問題を解いた後、答え合わせだけで終わらず、「この文章の筆者は何を言いたかったのか」を200字でまとめる習慣をつけましょう。翔先生が実践している「一言まとめ」の発展版です。
  3. 齋藤孝の三色ボールペン術を現代文読解に応用する
    赤=絶対に重要な主張・結論、青=論拠・根拠、緑=自分が「なるほど」と感じた表現、として評論文にマークをつけながら読む練習を始めてください。これだけで文章の構造が視覚化され、設問への答えが格段に出しやすくなります。

この3つを1週間続けるだけで、現代文評論の読み方に確実な変化が生まれます。焦らず、しかし継続的に実践してみてください。


まとめ・日本国語塾トップについて

今回は、齋藤孝・外山滋比古の文章術を切り口に、現代文評論から思考力を鍛える方法を徹底解説しました。

ポイントを振り返ります。

  • 外山滋比古の「飛行機型思考」「醗酵」「忘れることの価値」は評論頻出の核心概念
  • 齋藤孝の「身体知」「三色ボールペン読書術」「編集力」は実践的な思考術として応用可能
  • 現代文評論の読解には「対立構造の把握」「換言表現のトレース」「自分の言葉での要約」が有効
  • 思考力の訓練とは「問いを立てる・要約する・対立軸を見つける」という具体的行動の積み重ね

現代文は才能の科目ではありません。正しい方法で、正しい素材を使って訓練すれば、必ず伸びる科目です。齋藤孝・外山滋比古の文章術を学ぶことは、受験のためだけでなく、一生涯使える知的思考力の基盤を築くことにもつながります。

ぜひ今日から、翔先生と一緒に紹介した方法を実践してみてください。


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