2027年度共通テスト試験日まで
時間
Picture of 藤原 進之介

藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

東大古文の和歌解釈|掛詞・縁語・比喩を踏まえて設問に答える

Facebook
Twitter

はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します! 今回のテーマは「東大古文の和歌解釈」です。東大の古文では、地の文の読解に加えて和歌が本文中に組み込まれ、その和歌の解釈を問う設問が出題される年度があります。多くの受験生が「掛詞を見つけた」「縁語を指摘した」で満足してしまいますが、東大古文で求められているのはその先、つまり「その修辞が本文の文脈でどのような心情・関係性・場面の機能を担っているか」まで説明することです。この記事では、和歌解釈の基本的な読み方から、東大型の設問への対応方法まで、翔先生と一緒に体系的に整理していきます。

出題の全体像

東大古文における和歌解釈は、単独の和歌鑑賞問題としてではなく、多くの場合「地の文の中に和歌が引用され、その和歌が登場人物の心情表現や物語展開の要となっている」形で出題されます。つまり、和歌そのものを独立した詩として味わうのではなく、「誰が」「どんな状況で」「なぜその歌を詠んだのか」という文脈の中に和歌を位置づけて読むことが第一歩になります。

近年の東大古文では、記述式の設問を通じて、単なる現代語訳ではなく「本文の内容を踏まえた説明」が求められる形が続いています。和歌が絡む設問もこの延長線上にあり、掛詞・縁語・比喩といった修辞技法を指摘するだけでは得点にならず、その修辞が生み出す意味の二重性や連想の広がりを、登場人物の心情や場面の展開に結びつけて説明する力が問われます。出題形式や配点は年度によって変わりますので、詳細は必ず最新の募集要項・入試要項でご確認ください。

翔先生:「東大古文の和歌解釈は、いわば『和歌読解』と『物語読解』のハイブリッドなんです。和歌単体の知識だけでは太刀打ちできず、地の文とのつながりを常に意識する必要があります。」

設問タイプ別の解き方

①掛詞を指摘させる設問

掛詞は「一つの音に二つの意味を重ねる」技法です。例えば「まつ」に「松」と「待つ」を掛ける、「ながめ」に「眺め」と「長雨」を掛けるといったパターンが典型です。東大古文で掛詞が問われる場合、単に「AとBが掛かっている」と答えるだけでは不十分で、「なぜその二つの意味を重ねる必要があったのか」「その掛詞によってどんな心情が二重写しになっているのか」まで踏み込む必要があります。

ここで自作の例文を使って考えてみましょう(以下は解説用に作成したオリジナルの和歌例です)。

「秋風にほころびそめし袖の色 誰を待つとて涙こぼるる」

この例文では「まつ」に「待つ」の意味を込めていると仮定します。掛詞を指摘するだけなら「待つ」と関連語を挙げて終わりですが、東大型の設問では「誰かの帰りを待つ切なさが、涙という具体的な行為と結びついて表現されている」というように、掛詞が生み出す心情の重層性を文脈に即して説明することが求められます。

②縁語を指摘させる設問

縁語は、ある言葉と意味的・イメージ的につながりのある語を歌の中に散りばめる技法です。「糸」「乱れ」「結ぶ」のように、一つの語群が連鎖的に配置されることで、和歌全体に統一されたイメージの網目が形成されます。東大古文で縁語が問われる場合も同様で、「どの語とどの語が縁語関係にあるか」を指摘するだけでなく、「その縁語の連鎖が何を強調しているのか」「登場人物のどんな心の状態を象徴しているのか」まで答える必要があります。

先ほどの自作例文「秋風にほころびそめし袖の色 誰を待つとて涙こぼるる」であれば、「ほころぶ」「色」「涙」といった語が、衣服のイメージと心情の乱れを重ねる縁語的な機能を果たしている、というように、単語の指摘に留めず、和歌全体の心情表現としてまとめる姿勢が重要です。

③比喩の機能を説明させる設問

和歌にはしばしば自然物(花・月・雨・風など)が心情の比喩として用いられます。東大古文で比喩が問われる場合、単に「花は美しさの比喩」「月は寂しさの比喩」といった一般論で終わらせず、本文中の具体的な状況——誰が、どんな別れや再会、待ち望む状況にあるのか——と結びつけて説明することが得点の鍵になります。

翔先生:「比喩は『定番の連想』を知っているだけでは足りません。東大は必ず『この場面でなぜその比喩が選ばれたのか』を問うてきます。文脈とセットで比喩を読む訓練が必要です。」

④和歌全体の解釈と心情説明を求める設問

最も配点が高くなりやすいのが、和歌全体を現代語訳的に解釈しつつ、詠み手の心情を説明させる設問です。この場合、掛詞・縁語・比喩をすべて統合して、一つのまとまった心情のストーリーとして答案化する必要があります。手順としては以下の流れが有効です。

  1. 和歌の文法的な直訳をまず作る(掛詞は両方の意味を仮に書き出す)
  2. 地の文から、誰が・どんな状況で詠んだ歌かを確認する
  3. 掛詞・縁語・比喩が、その状況の中でどんな効果を持つか整理する
  4. 最終的に「〜という状況の中で、〜という心情を、〜という技法で表現している」という一文にまとめる

この手順を踏むことで、修辞の指摘だけに終わらない、東大古文が求める「文脈上の心情・機能」まで答える解答が作れます。

藤原&翔先生の実践アドバイス

藤原:「和歌解釈の指導をしていて感じるのは、多くの受験生が『修辞技法を覚えること』をゴールにしてしまっている点です。掛詞・縁語・比喩は覚えるべき知識ですが、それは解答を作るための『材料』にすぎません。東大古文が本当に見ているのは、その材料を使って文脈上の心情や場面の機能を説明できるかどうかです。」

翔先生:「私が指導する際は、必ず『この和歌を一文の地の文に置き換えるとどうなるか』を生徒に考えさせます。つまり、和歌を心情説明の一文に翻訳する練習です。これを繰り返すと、修辞技法の指摘と心情説明が自然につながるようになります。」

藤原:「もう一つ重要なのは、和歌の前後の地の文をしっかり読むことです。誰が誰に贈った歌なのか、どんな別れや再会の場面なのか、和歌の直前直後にヒントが必ずあります。東大古文では、和歌だけを切り離して読むのではなく、地の文とのセットで読解する姿勢が合格への近道です。」

翔先生:「また、掛詞や縁語の知識は、単語帳的に暗記するのではなく、実際の和歌の中でどう機能しているかを繰り返し確認することが大切です。知識と運用力は別物だと意識してください。」

よくある失敗と解決策

失敗①:修辞技法の指摘だけで満足してしまう
解決策:解答を書いたら、必ず「この修辞は本文のどの心情・場面と結びついているか」を自問する一文を追加する習慣をつけましょう。

失敗②:和歌を地の文と切り離して単独で解釈してしまう
解決策:和歌の直前・直後の地の文を必ず読み直し、「誰が」「なぜ」その歌を詠んだのかを確認してから解答を作成しましょう。

失敗③:掛詞の二つの意味を両方訳に反映できていない
解決策:掛詞は下訳の段階で必ず両方の意味を書き出し、どちらが文脈上より強調されているかを判断してから最終解答にまとめましょう。

失敗④:比喩を一般論で片付けてしまう
解決策:「花=美」「月=寂しさ」といった定番知識をベースにしつつ、本文の具体的状況に即した説明を必ず加えましょう。

失敗⑤:時間配分の失敗で和歌部分が手薄になる
解決策:過去問演習の際、和歌が絡む設問にかける時間をあらかじめ決めておき、地の文の読解と和歌解釈のバランスを訓練しましょう。

今日からできるアクション

東大古文の和歌解釈力を高めるために、今日から実践できる学習法を紹介します。

  • ①掛詞・縁語・比喩の基本知識を一覧化する:頻出の掛詞(まつ=松/待つ、ながめ=眺め/長雨、あき=秋/飽きなど)を自分専用のノートにまとめ、繰り返し確認しましょう。
  • ②和歌を含む文章を読んだら「一文翻訳」する練習をする:和歌の内容を、心情説明の一文に置き換える練習を日課にしましょう。これが東大古文の記述力を大きく伸ばします。
  • ③地の文と和歌の対応関係を図式化する:誰が・誰に・どんな状況で詠んだ歌かを矢印でつなぐ図を作ると、文脈理解が視覚的に整理できます。
  • ④過去問演習では答案を「修辞の指摘」と「心情説明」の二段構成で書く練習をする:この二段構成を意識するだけで、東大型の採点基準に近い答案が作れるようになります。
  • ⑤添削を受ける:和歌解釈の答案は自己採点が難しい分野です。信頼できる指導者に添削してもらい、修辞の指摘に留まっていないかをチェックしてもらいましょう。

これらを継続することで、東大古文の和歌解釈における「修辞の指摘」から「文脈上の心情・機能の説明」へのステップアップが着実に進みます。

まとめ・日本国語塾TOPについて

東大古文の和歌解釈は、掛詞・縁語・比喩といった修辞技法の知識を土台にしながら、そこから一歩踏み込んで「本文の文脈における心情・機能」まで説明する力が求められます。修辞の指摘に留まらず、地の文とのつながりを常に意識し、和歌を一つの心情表現として読み解く姿勢こそが、東大古文の和歌解釈で高得点を取るための鍵です。ぜひ今日から紹介したアクションを実践し、着実に力を伸ばしていってください。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
前橋校・横浜校・オンラインで全国対応しています。nihonkokugojuku.comからお気軽にお問い合わせください。
また、数学・理系科目は数強塾(sukyojuku.com)もあわせてご利用ください。

💬 数強塾グループ 公式LINEに登録しよう

情報I・数学・英語・国語に関する有益な情報発信や無料授業の告知をLINEで行っています。英検合格保証の英論会もこちら👇

プレゼント付き公式LINEを友だち追加

こちらの記事もどうぞ!

LINEで無料情報を受け取る

オンライン授業の受講方法が分からない。
初めてで不安である、という方も気軽にご連絡ください。