数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
今回は「東京大学の国語」の中でも、多くの受験生が対策に悩む現代文――第一問の評論と第四問の随筆的文章に焦点を当てて解説します。東京大学の国語は記述式が中心で、単なる読解力だけでなく「読んだ内容を過不足なく文章化する力」が問われます。この記事では、設問タイプ別の解き方から、日々の学習計画まで、実践的な内容を詳しくお伝えします。
はじめに
翔:藤原先生、東京大学の国語というと「難しそう」「対策のしようがない」というイメージを持つ受験生が多い気がします。
藤原:そうですね。でも実は、東京大学の国語は出題のパターンがかなり安定しています。特に現代文の第一問(評論)と第四問(随筆的文章)は、設問の「型」を理解しておけば、対策の方向性がはっきり見えてくる科目です。今日は、その型を一つずつ丁寧に解説していきましょう。
この記事では、東京大学の国語における現代文対策として、傍線部説明の2行記述と、第一問最後に置かれる120字程度の記述問題を中心に、具体的な解き方と学習法をお伝えします。なお、試験時間・配点・大問数は年度によって変更される可能性がありますので、必ず最新の募集要項・入試要項でご確認ください。
出題の全体像
東京大学の国語は、近年は現代文(評論・随筆的文章)と古文・漢文を組み合わせた大問構成が続いています。現代文である第一問は評論文からの出題、第四問は随筆的な文章(エッセイや評論と文学の中間的な文章)からの出題が中心となる形が続いています。これらはいずれも記述式の設問がほとんどで、選択肢問題はほぼありません。
翔:東京大学の国語における現代文の特徴として、まず「解答欄の小ささ」が挙げられますよね。
藤原:その通りです。傍線部の内容を説明させる問題は、多くが「2行程度」というごく限られたスペースに収める形式です。この2行という制約の中で、いかに本質を突いた説明を書けるかが勝負になります。さらに第一問の最後には、文章全体の主旨を踏まえて100字を超える記述(近年は120字程度という形が続いています)を求める設問が置かれることが多く、これが第一問全体の総仕上げのような位置づけになっています。
第四問の随筆的文章は、評論文とは異なり、筆者の内面の動きや情景描写、比喩表現が多く含まれる文章が出題される傾向があります。論理だけを追う読み方では太刀打ちできず、「筆者がどのような心情の変化を経て、この表現に至ったのか」を丁寧に読み取る力が求められます。東京大学の国語対策として現代文を学習する際は、この評論と随筆の「読み方の違い」を意識することが非常に重要です。
設問タイプ別の解き方
傍線部説明(2行記述)の解き方
翔:まず基本となる、傍線部の内容を説明させる2行記述の解き方から教えてください。
藤原:はい。この設問タイプで最も大事なのは「傍線部そのものを言い換えるのではなく、傍線部が成立する理由や背景まで含めて説明する」という意識です。東京大学の国語では、傍線部の表現をそのまま別の言葉に置き換えただけの解答は評価されません。
具体例で考えてみましょう。以下は解説のための自作例文です。
「人は言葉を用いることで、初めて自分の感情に輪郭を与えることができる。輪郭のない感情は、いつまでも自分自身にとってさえ正体不明のままである。」
ここで「輪郭のない感情は、いつまでも自分自身にとってさえ正体不明のままである」に傍線が引かれ、「これはどういうことか」と問われたとします。単に「感情の形がはっきりしないということ」と言い換えるだけでは不十分です。文脈を踏まえ、「言葉によって感情を分節化しない限り、自分の内面で起きていることであっても本人にすら理解できない状態にとどまる、ということ」というように、傍線部の前後にある論理(言葉=輪郭を与える手段、という対比構造)を反映させた解答を作る必要があります。
翔:ポイントは「傍線部の前後にある対比・因果関係を見つけて、それを解答に組み込む」ということですね。
藤原:まさにそうです。東京大学の国語の現代文では、傍線部単体を読んでも答えは出ません。必ず前後の段落、場合によっては文章全体の論の展開を確認し、「なぜこの表現が使われているのか」「この表現は何と対比されているのか」を特定してから記述に取りかかりましょう。
また、2行という限られた字数の中で書くべき要素は、多くても2〜3個に絞る必要があります。要素を詰め込みすぎると一文が長くなり、日本語として破綻してしまいます。「主語+述語」の骨格をまず決め、そこに修飾要素を足していくという書き方の順序を身につけると、限られた字数でも破綻しない解答が作れるようになります。
第一問最後の120字記述の解き方
翔:次に、第一問の最後に置かれることが多い、100字を超える記述問題について教えてください。
藤原:この設問は、文章全体の論旨を踏まえて解答することが求められる、いわば第一問の集大成です。近年は120字程度という字数指定が続いていますが、必ず最新の入試要項で字数を確認してください。
この設問で最も多い失敗は、「文章の最後の段落だけを見て解答してしまう」ことです。東京大学の国語の評論文は、序論・本論・結論という構造の中で、筆者の主張が少しずつ形を変えながら展開していくことが多く、最後の段落だけを読んでも筆者が最も伝えたい核心にたどり着けないケースが少なくありません。
翔:では、どうやって文章全体の論旨をつかめばいいのでしょうか。
藤原:まず、文章を読みながら「筆者の主張がどこで変化・深化しているか」に印をつけていくことをおすすめします。以下は解説のための自作の文章構成例です。
- 第1段落:一般的な常識(例:「効率化は常に善である」という考え方)を提示
- 第2〜3段落:その常識に対する疑問・反例を提示
- 第4〜5段落:疑問を掘り下げ、新しい視点(例:「効率化が失わせるものがある」)を提示
- 最終段落:新しい視点を踏まえた、筆者独自の結論
このような構成の場合、120字記述で問われるのは「最終段落の結論」だけでなく、「最初の常識」から「新しい視点」への転換のプロセスも含めた説明であることが多いのです。単に結論だけを書くと、なぜその結論に至ったかという論理の道筋が抜け落ち、部分点しか得られません。
藤原:具体的な書き方としては、まず「①一般論・前提」「②筆者が提示する反論・新しい視点」「③そこから導かれる結論」という3つのブロックを用意し、それぞれを1〜2文にまとめて接続することをおすすめします。120字という字数は、この3ブロック構成にちょうど収まる分量です。字数配分の目安としては、①に20〜30字、②に40〜50字、③に30〜40字程度を割り当てると、バランスの良い解答になります。
翔:東京大学の国語対策として現代文の記述問題に取り組む際は、いきなり書き始めるのではなく、このようにブロックごとに要素を整理してから文章化する練習が効果的ですね。
第四問(随筆的文章)の読み方・解き方
藤原:第四問の随筆的文章は、評論文の第一問とは異なる読み方が必要です。随筆は論理よりも、筆者の体験・感覚・心情の動きが中心になることが多いため、「なぜ筆者はこの場面でこう感じたのか」「この比喩や情景描写は何を象徴しているのか」を丁寧に追う必要があります。
以下は解説のための自作例文です。
「窓の外では、雨がガラスを静かに叩いていた。私はその音を聞きながら、かつて自分が捨ててきたはずの言葉たちが、まだどこかで息をしているような気がした。」
この文章で「かつて自分が捨ててきたはずの言葉たちが、まだどこかで息をしているような気がした」に傍線が引かれ、説明が求められたとします。ここで大切なのは、「捨てた言葉」が何を指すのか、文章全体の中でどのような文脈(例えば、過去の後悔や、忘れたはずの記憶との再会など)で使われているのかを丁寧に読み取ることです。比喩表現をそのまま解答に使うのではなく、「何のたとえなのか」を具体的な言葉に置き換えて説明する必要があります。
翔:随筆的文章の読解では、「情景描写=心情の投影」という視点を持つことが大事ですね。
藤原:その通りです。東京大学の国語における第四問対策としては、日頃から随筆やエッセイを読む際に、「この情景描写は筆者のどんな心情を表しているだろうか」と自問しながら読む習慣をつけることが有効です。また、随筆的文章には評論文のような明快な論理構造がない分、傍線部の前後だけでなく、文章全体を通じた「時間の流れ」「場面の転換」を意識して読むことも重要になります。
藤原&翔先生の実践アドバイス
翔:藤原先生、東京大学の国語で高得点を狙うために、日々の学習で意識すべきことは何でしょうか。
藤原:いくつかポイントがあります。まず一つ目は「解答を書く前に、解答の設計図を作る癖をつける」ことです。特に120字記述のような長めの記述問題では、いきなり書き始めると論理が破綻しやすいため、先ほど紹介した「①前提②転換③結論」のようなブロック分けを、下書き用紙やメモに書き出してから清書することを習慣化しましょう。
二つ目は「要素の過不足を自分でチェックする力を養う」ことです。東京大学の国語の記述問題は、模範解答と部分的に一致していれば得点が積み上がっていく形式だと考えられます。そのため、解答に盛り込むべき要素(キーワード)を自分でリストアップし、それぞれの要素が解答文の中にきちんと反映されているかを見直す練習が効果的です。
三つ目は「文章のジャンルによって読み方を切り替える」ことです。第一問の評論は論理構造(対比・因果・具体と抽象の関係)を追う読み方、第四問の随筆は心情の変化や情景描写の象徴性を追う読み方というように、意識的に読み方を切り替える練習を積むことで、本番でも安定した読解ができるようになります。
翔:東京大学の国語で現代文の対策をするうえで、この「読み方の切り替え」は本当に大事だと感じます。生徒によっては、随筆文でも評論文と同じように論理構造ばかりを探してしまい、心情の機微を読み落としてしまうケースがありますから。
よくある失敗と解決策
藤原:ここで、東京大学の国語の現代文対策でよく見られる失敗パターンと、その解決策をまとめておきましょう。
失敗①:傍線部の言葉をそのまま言い換えただけの解答になってしまう
解決策:傍線部の前後にある対比・因果関係を必ず確認し、「なぜそう言えるのか」という理由の部分まで解答に含める。
失敗②:120字記述で、最後の段落しか参照せずに解答してしまう
解決策:文章全体を「前提→転換→結論」のブロックに分けて整理し、そのプロセス全体を反映させた解答を作る。
失敗③:随筆的文章を評論文と同じ読み方で読んでしまい、心情の動きを読み落とす
解決策:情景描写や比喩表現が出てきたら、必ず「これは筆者のどんな心情の象徴か」を自問しながら読む習慣をつける。
失敗④:解答の字数配分を考えずに書き始め、途中で字数オーバー・不足になる
解決策:解答を書く前に、盛り込む要素ごとのおおよその字数配分を決めてから清書する。
翔:どれも東京大学の国語に限らず、記述式の現代文問題全般に通じる失敗パターンですね。逆にいえば、この4つを意識するだけでも、答案の質は大きく変わってきます。
今日からできるアクション
藤原:最後に、今日から始められる具体的な学習アクションを紹介します。
- 評論文を読んだら、各段落の要旨を1行でメモする習慣をつける。これにより、文章全体の論理構造を素早くつかむ力が養われます。
- 2行記述の練習では、必ず「主語+述語」の骨格を先に決めてから、修飾要素を付け足していく書き方を実践する。
- 120字記述の練習では、「前提」「転換」「結論」の3ブロックに分けて下書きを作り、それぞれの字数配分を意識して清書する。
- 随筆的文章を読む際は、情景描写・比喩表現に線を引き、その都度「これは何の象徴か」を書き出す練習をする。
- 自分の解答を書いた後、模範解答や解説と照らし合わせ、「盛り込むべきだった要素」をリストアップして次回に活かす。
翔:どれも特別な教材がなくても、今日の学習から取り入れられるものばかりですね。
藤原:そうです。東京大学の国語の現代文対策は、派手なテクニックよりも、こうした地道な読み方・書き方の積み重ねが最終的に大きな差になります。焦らず、一つひとつの設問タイプに丁寧に向き合っていきましょう。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は、東京大学の国語における現代文対策として、第一問の評論と第四問の随筆的文章、そして傍線部説明の2行記述と第一問最後の120字記述の解き方について解説しました。東京大学の国語は、出題の型を理解し、それぞれの設問に応じた読み方・書き方を身につけることで、着実に得点力を伸ばすことができる科目です。ぜひ今日紹介したアクションを、日々の学習に取り入れてみてください。
日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
前橋校・横浜校・オンラインで全国対応しています。nihonkokugojuku.comからお気軽にお問い合わせください。
また、数学・理系科目は数強塾(sukyojuku.com)もあわせてご利用ください。
💬 数強塾グループ 公式LINEに登録しよう
情報I・数学・英語・国語に関する有益な情報発信や無料授業の告知をLINEで行っています。英検合格保証の英論会もこちら👇
プレゼント付き公式LINEを友だち追加