はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
藤原:今回は「慣用句シリーズ」第2回として、体の部位を使う慣用句を中心に出題します。「顔が広い」「腹を割る」など、入試の語彙問題で頻出のものばかりですね。
翔先生:はい。体の部位の慣用句は数が多いので、意味を丸暗記するだけだと本番でど忘れしがちです。今回は「なぜその部位が使われるのか」というイメージも一緒に押さえて、忘れにくくすることを目標にしましょう。
藤原:あわせて「気が置けない」のように、多くの人が誤解しやすい慣用句も入れています。誤用注意ポイントまでしっかり解説するので、最後まで読んでもらえれば入試本番での取りこぼしがぐっと減るはずです。
問題(全10問)
第1問
次の空欄に入る、体の部位を表す漢字一字を答えなさい。
「彼は業界内外に知り合いが多く、( )が広いことで有名だ。」
第2問
「舌を巻く」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選びなさい。
ア 言葉に詰まって黙り込む
イ あまりの見事さや優秀さに驚き、感心する
ウ 相手をだまして得をする
エ 悔しさをこらえて我慢する
第3問
次のうち、「手を焼く」の使い方として正しいものを一つ選びなさい。
ア 新人の指導に手を焼く毎日だ。
イ 彼は料理の腕前に手を焼いている。
ウ 試験に合格して手を焼いた。
エ 友人の忠告に手を焼いて感謝した。
第4問
次の空欄に入る、体の部位を表す漢字一字を答えなさい。
「合格発表で自分の番号を見つけ、彼女はほっと( )を撫で下ろした。」
第5問
「気が置けない」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選びなさい。
ア 油断できず、警戒すべきだ
イ 遠慮する必要がなく、心から打ち解けられる
ウ 気が利かず、鈍感である
エ 気位が高く、近寄りがたい
第6問
次の空欄に入る、体の部位を表す漢字一字を答えなさい。
「息子が全国大会で優勝し、父親としてとても( )が高い。」
第7問
次のうち、「首を長くする」の使い方として正しいものを一つ選びなさい。
ア 彼は約束を破ったことに首を長くしている。
イ 子どもたちは遠足の日を首を長くして待っていた。
ウ 上司の失礼な態度に首を長くした。
エ 彼女は難しい仕事を首を長くしてやり遂げた。
第8問
次の空欄に入る、体の部位を表す漢字一字を答えなさい。
「先生の的確な指摘は( )が痛かったが、素直に受け止めた。」
第9問
「腹を割って話す」の意味として最も適切なものを、次のア〜エから一つ選びなさい。
ア 相手を怒らせるように話す
イ 本心を隠さずに率直に話す
ウ 冗談を交えて話す
エ 声を荒げて話す
第10問
次のうち、「肩身が狭い」の使い方として正しいものを一つ選びなさい。
ア テストで満点を取り、肩身が狭い思いをした。
イ 約束を破ってしまい、友人の前で肩身が狭い。
ウ 新しい服を買って肩身が狭くなった。
エ 試合に勝って肩身が狭い気分だった。
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:顔
「顔が広い」は、多方面に知り合いが多く、交友関係が広いことを表す慣用句です。「顔」は人物としての存在そのものを指し、そこから「知られている範囲の広さ」を表す用法が生まれました。よくある誤りとして「顔が広い」を「知識が豊富だ」という意味だと勘違いするケースがありますが、これはあくまで人脈の広さを表す表現なので注意が必要です。「顔が利く」(影響力がある)と混同しないようにしましょう。
第2問の解答と解説
解答:イ
「舌を巻く」は、相手の技量や作品などがあまりに優れていて、驚き感心する様子を表します。舌が思うように動かず、言葉を発せられなくなるほど驚くというイメージから生まれた表現です。アの「言葉に詰まって黙り込む」と混同しやすいですが、「舌を巻く」には必ず「感心・驚嘆」というプラスの評価が伴う点が異なります。単に驚いただけ、動揺しただけの場面には使えません。
第3問の解答と解説
解答:ア
「手を焼く」は、扱いに困り、対処に苦労することを表す慣用句です。世話が焼ける相手や、思うようにならない物事に対して使います。イのように能力や技術を褒める文脈には使えず、ウ・エのような良い結果や感謝の場面にも使えません。「手を焼く」は必ずネガティブな「手こずり感」を伴う表現だと覚えておきましょう。
第4問の解答と解説
解答:胸
「胸を撫で下ろす」は、心配事が解消され、ほっと安心することを表します。緊張していた胸のあたりを手で撫でて落ち着かせる仕草からきた表現です。「胸が躍る」(期待や喜びで心が高鳴る)や「胸が痛む」(つらく感じる)など、「胸」を使う慣用句は感情を表すものが多いので、まとめて覚えると効率的です。
第5問の解答と解説
解答:イ
「気が置けない」は、遠慮や気遣いが不要で、心から打ち解けられる相手や関係を表す慣用句です。「気を置く」は「気を遣う・警戒する」という意味なので、それを打ち消した「気が置けない」は「気を遣わなくてよい」というプラスの意味になります。しかし「置けない」という否定形から「油断できない」と誤解する人が非常に多く、入試でも頻出の誤用注意ポイントです。必ず「打ち解けられる良い関係」という肯定的な意味で覚えましょう。
第6問の解答と解説
解答:鼻
「鼻が高い」は、誇らしく、得意な気持ちであることを表す慣用句です。自分自身の自慢だけでなく、家族や関係者の活躍を誇りに思う場面でもよく使われます。「鼻であしらう」(相手を軽く扱い相手にしない)や「鼻を明かす」(出し抜いて驚かせる)など、「鼻」を使う慣用句は複数あるので、意味を混同しないように一つずつ整理して覚えることが大切です。
第7問の解答と解説
解答:イ
「首を長くする」は、期待や楽しみにしていることを、今か今かと待ち焦がれる様子を表します。首を伸ばして遠くを見ようとする仕草からきたイメージで、待ち望む対象は良いこと・楽しみなことである点がポイントです。ア・ウのような不満や怒りの場面、エのような達成の場面には使えません。「首を長くして待つ」という形でセットで覚えておくと、入試本番でも思い出しやすくなります。
第8問の解答と解説
解答:耳
「耳が痛い」は、自分の欠点や弱点を指摘され、聞くのがつらいと感じることを表す慣用句です。物理的に耳が痛むわけではなく、図星を指摘されたときの精神的なつらさを表現しています。「耳を貸す」(人の話を聞く)や「耳が早い」(情報を早く聞きつける)など、「耳」を使う表現は情報の受け取り方に関するものが多いので、あわせて整理しておくと理解が深まります。
第9問の解答と解説
解答:イ
「腹を割って話す」は、本心や本音を隠さずに、率直に話し合うことを表す慣用句です。「腹」は古くから本心や本当の考えが宿る場所とされてきたため、それを「割って」見せるという表現になっています。「腹が黒い」(心の中で悪意を抱いている)や「腹を探る」(相手の本心を推し量る)なども同じ発想から生まれた表現なので、セットで覚えておくと語彙の幅が広がります。
第10問の解答と解説
解答:イ
「肩身が狭い」は、世間や周囲に対して引け目を感じ、堂々としていられない気持ちを表す慣用句です。「肩身」は世間に対する体面や立場を意味し、それが「狭い」ことで、恥ずかしさや居心地の悪さを表現しています。ア・エのような良い結果を出した場面や、ウのような単なる出来事の場面には使えません。反対に、堂々としていられる状態を表す「肩身が広い」という表現もあわせて覚えておきましょう。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:体の部位を使う慣用句は、その部位が持つイメージと結びつけて覚えると忘れにくくなります。「胸」は感情、「腹」は本心、「耳」は情報の受け取り、「鼻」は誇りや自尊心、というように、部位ごとにグループ分けして整理する方法がおすすめです。
藤原:今回の「気が置けない」のように、否定の形なのに肯定的な意味を持つ慣用句は、入試で必ずと言っていいほど狙われます。「置けない=油断できない」と早合点せず、必ず一つひとつの慣用句を文脈の中で正しい意味を確認しながら覚える習慣をつけてください。慣用句は暗記量がものを言う分野なので、今回のように問題演習を通じて繰り返し触れることが、得点力アップへの一番の近道です。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は体の部位を使う慣用句を中心に10問出題しました。「顔が広い」「胸を撫で下ろす」「気が置けない」など、どれも入試頻出の重要表現です。間違えた問題は解説を読み返し、部位ごとのイメージと結びつけて確実に定着させましょう。
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