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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】慣用句練習問題 第3回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、慣用句シリーズも第3回になりましたね。今回のテーマは?

翔先生:今回は「体の部位」を使った慣用句を中心に集めました。「頭」「顔」「耳」「目」「口」「肩」「腹」「手」「足」「眉」と、入試で本当によく出るものばかりです。

藤原:体の部位を使う慣用句は数が多いので、混同しがちですよね。

翔先生:はい。特に「似ているけど意味が違う」ものや、「似た意味だけど部位が違う」ものが要注意です。今回は意味を問う問題と、正しい使い方を選ぶ問題を半分ずつ用意しました。両方を解くことで、意味の理解と実際の運用力の両方が身につきます。

藤原:それでは10問、じっくり取り組んでみましょう。

問題(全10問)

第1問

「頭が上がらない」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 考えがまとまらず、混乱している
イ 恩義や負い目があって、相手に対等な態度をとれない
ウ 自信がなく、人前に出るのを恥ずかしがる
エ 病気やけがのために、体を動かせない

第2問

「顔が広い」の使い方として正しいものを選びなさい。

ア 彼は昔からの知人が多く、業界のどこへ行っても顔が広い。
イ 初めて訪れた土地なので、まだ顔が広い状態だ。
ウ 彼女は緊張のあまり顔が広い表情になっていた。
エ 失敗を重ねて、上司の前ではすっかり顔が広い。

第3問

「耳が痛い」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 大きな音を聞いて、実際に耳に痛みを感じる
イ 自分の欠点や弱点を指摘され、聞くのがつらい
ウ 人の噂話を聞くのが苦手である
エ 長時間の会話で聞き疲れしてしまう

第4問

「目が利く」の使い方として正しいものを選びなさい。

ア 彼は骨董品の目が利くので、偽物をすぐに見抜く。
イ 彼は視力が良く、遠くの標識まで目が利く。
ウ 久しぶりに再会した友人の顔を見て、目が利いた。
エ 彼女は涙もろく、悲しい場面ではすぐに目が利く。

第5問

「口が堅い」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 言い出したことは決して撤回しない
イ 話し方がぎこちなく、聞き取りにくい
ウ 秘密や約束を守り、うかつに人に話さない
エ 食べ物の好みがはっきりしている

第6問

「肩を持つ」の使い方として正しいものを選びなさい。

ア 兄はいつも弟の肩を持って、喧嘩の際には弟の側に立つ。
イ 彼は重い荷物の肩を持って、遠くまで運んでいった。
ウ 彼女は責任の肩を持って、最後までやり遂げた。
エ 監督は選手たちの肩を持って、練習を見守った。

第7問

「腹を割る」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 激しく怒って、感情を抑えられなくなる
イ 本心を隠さず、率直に話し合う
ウ 空腹のあまり、食べ物を探し回る
エ 物事の是非を、公平に判断する

第8問

「手を焼く」の使い方として正しいものを選びなさい。

ア 子どものいたずらに手を焼き、対応に困り果てた。
イ 料理の腕を上げるため、毎日手を焼いている。
ウ 彼はどんな仕事にも手を焼き、要領よく処理する。
エ 彼女は手を焼いて、すぐに料理を完成させた。

第9問

「足を洗う」の意味として最も適切なものを選びなさい。

ア 旅の疲れをとるために、ゆっくり休息する
イ 悪い仲間や好ましくない生活からきっぱり抜け出す
ウ 目的地に到着し、一段落つく
エ 新しい環境に慣れるために準備を整える

第10問

「眉をひそめる」の使い方として正しいものを選びなさい。

ア 彼は嫌な話を聞かされて、思わず眉をひそめた。
イ 彼は久しぶりの再会に喜び、眉をひそめて笑った。
ウ 彼女は試験に合格し、うれしさに眉をひそめた。
エ 彼は自信満々に、眉をひそめて発表を行った。

解答・解説

第1問の解答と解説

解答:イ

「頭が上がらない」は、相手から受けた恩や、負い目・弱みがあるために、対等な立場で振る舞えない、遠慮した態度をとってしまうという意味です。「頭」は謙虚さや上下関係を表す部位として使われています。アの「考えがまとまらない」は「頭を抱える」などと混同しやすいので注意しましょう。エのように体が動かないという物理的な意味には使いません。恩義・負い目という抽象的な意味である点をしっかり押さえておきましょう。

第2問の解答と解説

解答:ア

「顔が広い」は、交際範囲が広く、多くの人に知られている、知人が多いという意味です。「顔」がそのまま「知られている度合い」の比喩になっている点がポイントです。イは単に土地に不慣れという意味で誤用、ウ・エは「顔つき」や「立場」の話であり、いずれも「顔が広い」の意味とは無関係です。特にエは「顔が立たない」「肩身が狭い」など別の慣用句と混同しやすい典型例なので注意しましょう。

第3問の解答と解説

解答:イ

「耳が痛い」は、自分の欠点や弱点を指摘されて、それを聞くのがつらい・苦しいという意味です。物理的に耳が痛むわけではない点に注意してください。アのような直接的な痛みの意味で使うのは誤りです。この慣用句は「先生の言葉は耳が痛かったが、正しい指摘だった」のように、自分に都合の悪い正論を聞くときに使うのが典型的な用法です。「耳」が「聞くこと」の比喩として機能している点を意識しましょう。

第4問の解答と解説

解答:ア

「目が利く」は、物の価値や本質を見分ける能力に優れているという意味です。骨董品や美術品、品物の良し悪しを見抜く場面でよく使われます。イのように単なる視力の良さを表す場合には使いません。ウ・エは感情の変化を表す表現であり、「目が利く」とは無関係です。「目」が「鑑識力・鑑定力」という抽象的な能力の比喩になっている点をしっかり理解しておきましょう。

第5問の解答と解説

解答:ウ

「口が堅い」は、秘密や約束をしっかり守り、うかつに人に話してしまわないという意味です。信頼できる人物を評価する際によく用いられます。アの「言い出したことを撤回しない」という意味は「口が堅い」ではなく、意志の強さを表す別の表現と混同した誤答です。イの発話のぎこちなさも別の意味であり、誤りです。「口が堅い」=「秘密を守れる」という一対一の対応をしっかり覚えておきましょう。

第6問の解答と解説

解答:ア

「肩を持つ」は、争いや対立において一方の側に味方する、後押しをするという意味です。「肩」が「支える・味方する対象」の比喩として使われています。イは物理的に肩の部分を持つという意味であり、慣用句ではなく単純な動作の説明にすぎません。ウ・エも「責任」や「選手」を支える意味に取れそうですが、「肩を持つ」の対象は本来「人(の側)」であり、争いの場面で使うのが正しい用法です。

第7問の解答と解説

解答:イ

「腹を割る」は、本心を隠さずに、率直に話し合うという意味です。「腹」は本心・気持ちを表す代表的な部位で、「腹を探る」「腹が立つ」など多くの慣用句を作ります。アの「怒り」を表す表現は「腹を立てる」であり、混同しやすいので注意しましょう。「腹を割って話す」という形で使われることが多く、友人同士や対立していた者同士が本音で語り合う場面が典型的です。

第8問の解答と解説

解答:ア

「手を焼く」は、扱いが難しく、対応や処理に苦労するという意味です。子どものいたずらや、扱いにくい問題・人物に対してよく使われます。イ・エのように、料理や仕事を効率よく仕上げるという意味では使いません。ウの「どんな仕事にも手を焼き、要領よく処理する」は文脈上矛盾しており、「手を焼く」は苦労している状態を表す表現なので、うまく処理できている描写とは結びつきません。

第9問の解答と解説

解答:イ

「足を洗う」は、悪い仲間や好ましくない生活・行為からきっぱり抜け出すという意味です。もともとは仏教で、汚れた足を洗って清めることに由来するとされる表現です。アのような単純な休息の意味では使いません。「悪事から手を引く」というニュアンスが核心であり、「悪の道から足を洗う」のように、望ましくない状態からの脱却を強調する文脈で使われる点を押さえておきましょう。

第10問の解答と解説

解答:ア

「眉をひそめる」は、不快感や心配、嫌悪感などから顔をしかめるという意味です。よくない話や困った出来事に対する反応として使われます。イ・ウのように喜びや嬉しさを表す場面では使いません。エの「自信満々」という肯定的な意味でも誤りです。「眉をひそめる」はマイナスの感情に限定される表現である点をしっかり覚え、「顔をしかめる」とほぼ同義であることを確認しておきましょう。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:体の部位を使う慣用句は、まず「その部位が何を象徴しているか」を意識すると覚えやすくなります。「腹」は本心、「口」は発言・秘密、「顔」は評判・交際範囲、「目」は判断力や視力に関わる能力、というように整理してみてください。

藤原:その通りですね。加えて、似た漢字・似た響きの慣用句とセットで比較して覚えるのも効果的です。「腹を割る」と「腹を立てる」、「肩を持つ」と「肩を並べる」のように、対比で整理すると入試でのひっかけ問題にも対応できます。

翔先生:用法を問う問題では、部位そのものの物理的な意味に引っかからないかを常にチェックする習慣をつけましょう。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は体の部位を使った入試頻出の慣用句10問を扱いました。意味と正しい用法をセットで覚えることで、記述・選択問題どちらにも対応できる力がつきます。ぜひ何度も解き直して、確実な知識として定着させてください。

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