はじめに
藤原進之介:数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!今回から「古典文学史」シリーズをスタートします。翔先生、記念すべき第1回はどんな内容にしましょうか。
翔先生:はい!第1回は基礎中の基礎、入試で絶対に落とせない超有名作品の作者・成立時代・ジャンルを扱います。『源氏物語』や『枕草子』のような、誰もが名前だけは知っている作品ほど、実は正確な知識があやふやな受験生が多いんです。
藤原:そうですね。「作者は知っているけどジャンルは曖昧」「成立時代を平安と鎌倉で取り違える」といったミスは本当によくあります。この回を解き終える頃には、超頻出10作品について、作者・成立時代・ジャンルの3点セットを自信を持って答えられるようになっているはずです。
翔先生:解答は一つに決まるように作ってありますので、迷わず取り組んでください。それでは早速いきましょう!
問題(全10問)
第1問
次の作品の作者として正しいものを答えよ。
『源氏物語』
第2問
次の作品のジャンル(文学の種類)として正しいものを答えよ。
『枕草子』
第3問
次の作品が成立した時代として正しいものを答えよ。
『竹取物語』
第4問
次の作品の作者として正しいものを答えよ。
『徒然草』
第5問
次の作品のジャンル(文学の種類)として正しいものを答えよ。
『平家物語』
第6問
次の説明に当てはまる作品名を答えよ。
醍醐天皇の命により編まれた、最初の勅撰和歌集。紀貫之らが編纂に携わった。
第7問
次の作品の作者として正しいものを答えよ。
『土佐日記』
第8問
次の作品の作者として正しいものを答えよ。
『方丈記』
第9問
次の作品が成立した時代として正しいものを答えよ。
『奥の細道』
第10問
次の作品のジャンル(文学の種類)として正しいものを答えよ。
『伊勢物語』
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:紫式部
『源氏物語』は平安時代中期に成立した長編物語で、作者は紫式部です。一条天皇の中宮・彰子に仕えた女房であり、宮仕えの経験が作品の宮廷描写に生かされています。紛らわしいのは同時期に活躍した清少納言との混同で、清少納言は『枕草子』の作者であり、『源氏物語』とは別人です。「平安時代の女流文学=紫式部か清少納言」という大きな枠でまとめて覚えると、どちらがどちらか整理しやすくなります。
第2問の解答と解説
解答:随筆(随筆文学)
『枕草子』は清少納言による随筆で、「春はあけぼの」の書き出しで知られる通り、四季や宮廷生活について作者の感性で自由に綴った作品です。物語のように筋(ストーリー)があるわけではない点が、『源氏物語』などの物語文学との大きな違いです。日本三大随筆と呼ばれる『枕草子』『方丈記』『徒然草』はセットで問われることが多いため、まとめて覚えておくと得点源になります。ジャンルを問う問題では「随筆」と「物語」の区別が最頻出の論点です。
第3問の解答と解説
解答:平安時代
『竹取物語』は平安時代前期に成立したとされる、現存する日本最古の物語(作り物語)です。作者は未詳とされています。「かぐや姫」の物語として広く知られていますが、成立時代を奈良時代と誤答するケースが目立つため注意が必要です。「物語のはじまり」として『源氏物語』の中でも言及されるほど古い作品であることも押さえておきましょう。
第4問の解答と解説
解答:兼好法師(吉田兼好)
『徒然草』は鎌倉時代末期に成立した随筆で、作者は兼好法師です。「つれづれなるままに」という書き出しが特に有名で、無常観に基づく人生観や処世訓が数多く語られています。同じく随筆に分類される『方丈記』の作者・鴨長明と混同しやすいので、「兼好法師=徒然草」「鴨長明=方丈記」という対応をセットで記憶しておくことが大切です。
第5問の解答と解説
解答:軍記物語
『平家物語』は平家一門の栄華と滅亡を描いた軍記物語で、鎌倉時代に成立したとされています。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」という冒頭部分は特に有名で、無常観を基調とする文体が特徴です。物語文学の中でも、合戦や武士の活躍を主題とする作品は「軍記物語」というジャンルに分類される点を押さえておきましょう。単に「物語」とだけ答えると不十分になる場合があるため注意が必要です。
第6問の解答と解説
解答:古今和歌集
『古今和歌集』は平安時代前期、醍醐天皇の勅命によって編まれた最初の勅撰和歌集です。紀貫之・紀友則・凡河内躬恒・壬生忠岑の4人が撰者として編纂に携わりました。「勅撰和歌集の最初=古今和歌集」という知識は文学史の頻出ポイントであり、後の『新古今和歌集』(鎌倉時代)と時代を混同しないことが重要です。紀貫之は後述の第7問にも関わる人物なので、あわせて覚えておくと効率的です。
第7問の解答と解説
解答:紀貫之
『土佐日記』は平安時代に成立した日記文学で、作者は紀貫之です。男性である紀貫之が女性に仮託して「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」という書き出しで始めている点が大きな特徴で、これは仮名文字を用いて日記を書くための工夫だったと考えられています。紀貫之は『古今和歌集』の撰者の一人でもあるため、和歌と日記文学の両面で活躍した人物として覚えておくと知識がつながります。
第8問の解答と解説
解答:鴨長明
『方丈記』は鎌倉時代前期に成立した随筆で、作者は鴨長明です。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という冒頭が有名で、無常観をテーマに、自身が体験した災害や社会の混乱についても記されています。第4問の兼好法師と混同しやすいため、「鴨長明=方丈記」「兼好法師=徒然草」を対で暗記することが有効です。日本三大随筆の一つとしても頻出です。
第9問の解答と解説
解答:江戸時代
『奥の細道(おくのほそ道)』は江戸時代に成立した俳諧紀行文で、作者は松尾芭蕉です。芭蕉が門人の曾良を伴い、江戸から東北・北陸を旅した際の紀行文で、俳句と散文が組み合わされた形式が特徴です。中世(平安・鎌倉・室町)の作品と混同して「鎌倉時代」などと誤答するケースがあるため、江戸時代の作品であることをしっかり区別して覚えましょう。
第10問の解答と解説
解答:歌物語
『伊勢物語』は平安時代に成立した歌物語で、作者は未詳とされています。ある男(在原業平がモデルとされる)の恋愛や人生を、和歌を中心とした短い章段の連なりで描いている点が特徴です。和歌を軸に物語が展開する作品を「歌物語」と呼び、これは『竹取物語』のような「作り物語」とは異なるジャンルです。「歌物語」と「作り物語」の違いを整理しておくことが、ジャンル問題を得点源にするコツです。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:今回の10問、いかがでしたか?作品名・作者・時代・ジャンルの4点セットは、バラバラに覚えるのではなく「セットで」記憶するのがコツです。
藤原:その通りですね。特に「随筆3作品」「歌物語と作り物語の違い」「勅撰和歌集の最初」のように、似ている作品同士をグループ化して整理することが古典文学史攻略の近道です。単語カードのように暗記するのではなく、「なぜこの作品はこのジャンルなのか」を一言で説明できるようにしておくと、入試本番で応用が利きます。
翔先生:次回は第2回として、和歌・随筆・軍記物語をさらに掘り下げた応用問題をお届けする予定です。今回の10作品を完璧にしてから挑戦してくださいね!
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は古典文学史の基礎として、超頻出の10作品について作者・成立時代・ジャンルを問う一問一答形式の練習問題をお届けしました。似ている作品同士を対比しながら整理する学習法を意識することで、今後の応用問題にもスムーズにつなげることができます。次回もぜひ挑戦してみてください。
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