数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
はじめに
藤原:翔先生、前回の接続語・指示語第1回はかなり反響がありましたね。
翔先生:はい。今回の第2回では、前回よりも少しレベルを上げて、「対比」「言い換え」「話題転換」といった、受験生がつまずきやすい接続語のパターンと、指示語が「直前の一文全体」を指す少し複雑なケースを扱います。
藤原:指示語の問題は、単語だけ答えて減点される人が本当に多いんですよね。
翔先生:そうなんです。「何が」ではなく「どういうことが」指されているのかを、文の形で答える練習をこの記事でしていきましょう。全10問、接続語選択が6問、指示語の記述が4問です。制限時間の意識を持って、まずは自力で解いてみてください。
問題(全10問)
第1問
彼は毎朝、専門書を熱心に読み込んでいた。( )、彼自身は研究者ではなく、一介の会社員に過ぎなかった。
ア だから イ しかし ウ つまり エ さらに
第2問
彼の説明は専門用語が多く、聞いていて難しく感じられた。( )、彼が言いたかったことは「早めに準備をしよう」という、ただそれだけのことだった。
ア そのため イ つまり ウ ところで エ また
第3問
彼女は絵を描くことが好きだった。( )、音楽を聴くことも好きで、休日はいつもコンサートに出かけていた。
ア しかし イ ところが ウ また エ すなわち
第4問
都会では人と人との物理的な距離が近く、すれ違う人の数も多い。( )、田舎では人口が少なく、物理的な距離があるぶん、かえって一人ひとりとの関係が深いことも少なくない。
ア さらに イ 一方 ウ したがって エ つまり
第5問
今年の夏は例年に比べて雨が極端に少なかった。( )、多くの地域で農作物の収穫量が減少した。
ア そのため イ ところで ウ しかし エ あるいは
第6問
新製品の発表会は、来週の月曜日、( )火曜日に開催される予定だが、詳しい日時はまだ決定していない。
ア すなわち イ あるいは ウ したがって エ ただし
第7問
地域の図書館では、子どもたちが自由に本を選び、静かに読書に没頭できる時間を毎週設けている。多くの保護者はそのことを高く評価しているという。
問:傍線部「そのこと」が指す内容を、30字程度で説明しなさい。
第8問
近年、スマートフォンの普及によって、誰もがいつでもどこでも情報を得られるようになった。これは便利である一方、情報の真偽を見極める力がこれまで以上に求められることを意味している。
問:傍線部「これ」が指す内容を説明しなさい。
第9問
多くの人は、努力さえすれば必ず結果が出ると信じている。しかし、努力の方向性が正しくなければ、いくら時間をかけても望む結果には至らない。そうした考え方に固執すると、努力そのものが目的化してしまう危険がある。
問:傍線部「そうした考え方」が指す内容を説明しなさい。
第10問
筆者は、便利さを追求することが必ずしも人間を幸福にするとは限らないと述べている。その根拠として、便利さが増すほど人は待つことや工夫することを忘れ、かえって物事に対する満足感が薄れていく例を挙げている。
問:傍線部「その」が指す内容を説明しなさい。
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:イ(しかし)
前半は「専門書を熱心に読み込んでいた」というプラスの内容、後半は「研究者ではなく、一介の会社員に過ぎなかった」という、前半から予想される内容とは逆の事実です。このように、前で述べたことから読者が想像する内容と、後で述べる内容が食い違うときに使うのが逆接の「しかし」です。「だから」を選ぶ受験生が多いですが、「だから」は原因・理由から結果を導く順接なので、ここでは文意がつながりません。前後の内容が「予想通りか、予想外か」を意識して判断しましょう。
第2問の解答と解説
解答:イ(つまり)
前半で「専門用語が多く難しく感じられた」と述べたあと、後半では「言いたかったことはただそれだけ」と、内容を一言でまとめ直しています。このように、前の内容を別の言葉で言い換えたり、要約したりするときに使うのが「つまり」です。「そのため」は原因・結果の関係を表すため、ここでは「難しく感じられた」ことの結果として「準備をしよう」が導かれることになり、文脈がずれてしまいます。要約・言い換えの合図となる語句(「つまり」「すなわち」「要するに」)はセットで覚えておきましょう。
第3問の解答と解説
解答:ウ(また)
「絵を描くことが好き」という内容に、「音楽を聴くことも好き」という同じ種類の内容を並べて付け加えています。このように、対等な内容を並べて追加するときに使うのが並立・添加の「また」です。「しかし」「ところが」は逆接なので、前後が対立する内容でなければ使えません。「絵も好き、音楽も好き」はどちらもプラスの内容で対立していないため、逆接を選ぶと誤りになります。
第4問の解答と解説
解答:イ(一方)
前半で「都会」の特徴を、後半で「田舎」の特徴を述べ、二つのものを対比させています。このように、二つの事柄を比べて示すときに使うのが「一方」です。「一方」は逆接の「しかし」と混同されがちですが、「しかし」は一つの話の流れの中で内容が反転する場合に使い、「一方」は別々の対象(都会と田舎)を並べて比較する場合に使う、という違いを押さえておくと判別しやすくなります。
第5問の解答と解説
解答:ア(そのため)
前半の「雨が少なかった」という原因から、後半の「収穫量が減少した」という結果が導かれています。このように、原因・理由から自然な結果を導く順接の接続語が「そのため」です。「しかし」を選んでしまう間違いが多いですが、雨が少ないことと収穫量の減少は予想通りの因果関係であり、逆接で結ぶような食い違いはありません。順接か逆接かは、前後が「当然の流れ」か「意外な流れ」かで見分けましょう。
第6問の解答と解説
解答:イ(あるいは)
「月曜日」か「火曜日」か、どちらか一方であることを示しているので、選択を表す「あるいは」が適切です。「すなわち」は言い換え、「したがって」は順接、「ただし」は例外・条件を示す語であり、いずれも「AかBか」という選択の関係を表すことはできません。選択の接続語には「あるいは」のほかに「または」「もしくは」があるので、あわせて覚えておきましょう。
第7問の解答と解説
解答例:子どもたちが自由に本を選び、静かに読書に没頭できる時間を毎週設けていること。
指示語「そのこと」は、直前の一文全体、すなわち図書館が行っている取り組みの内容を指しています。指示語の問題では、直前の名詞一語だけを抜き出して答えてしまう誤りが非常に多いですが、この問題のように「そのこと」という抽象的な指示語の場合は、前文全体の内容を「〜こと」の形でまとめて答える必要があります。答えるときは、指示語を含む一文にそのまま当てはめて読んでみて、意味が通るかを必ず確認しましょう。
第8問の解答と解説
解答例:スマートフォンの普及によって、誰もがいつでもどこでも情報を得られるようになったこと。
「これ」は直前の一文「スマートフォンの普及によって、誰もがいつでもどこでも情報を得られるようになった」という内容全体を指しています。「スマートフォン」だけを答えると不正解になる点に注意してください。指示語の直後に「〜である」「〜を意味している」と続く場合、指示語は単なるモノではなく、直前の出来事や状況全体を受けていることが多いという特徴も覚えておきましょう。
第9問の解答と解説
解答例:努力さえすれば必ず結果が出るという考え方。
この問題のポイントは、「しかし」で始まる二文目に引きずられて、そちらを指示内容だと誤答してしまいやすい点です。「そうした考え方」の「そうした」は、「〜という」という形で言い換えられる内容、つまり具体的な「考え方」の中身を探す指示語です。二文目は一文目の考え方に対する筆者の反論であり、指示語が指しているのは反論の内容ではなく、あくまで一文目に示された「努力さえすれば必ず結果が出る」という考え方そのものです。指示内容を探すときは、必ず「その語と置き換えて意味が通るか」を確認する習慣をつけましょう。
第10問の解答と解説
解答例:便利さを追求することが必ずしも人間を幸福にするとは限らないという筆者の主張。
「その根拠」の「その」は、直前で述べられた筆者の主張全体を指しています。この問題では「根拠」という言葉に注目することが解答の鍵です。「〜の根拠」と言われたら、その前には必ず「根拠づけられる対象=主張」があるはずだと考え、一文前にさかのぼって主張を探す姿勢が大切です。逆に、後半の「便利さが増すほど〜満足感が薄れていく例」を指示内容と勘違いする誤りが目立ちますが、この部分は「その根拠」の内容として後から示される具体例であり、指示語が指す対象ではない点に注意してください。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:今回の10問を通して意識してほしいのは、接続語は「前後の関係のパターン」で覚えるということです。順接(原因→結果)、逆接(予想外の展開)、並立・添加(同種の内容を並べる)、対比(二つを比べる)、説明・言い換え(要約し直す)、選択(どちらか)、転換(話題を変える)。この7つの型に当てはめて練習すれば、初見の文章でも迷わなくなります。
藤原:指示語については、答えを探したら必ず「指示語のところにそのまま当てはめて読む」というチェックを習慣にしてください。これだけで見当違いの答えを書くミスがかなり減ります。第2回でこの型がしっかり身についたら、次はもう少し長い文章の中で複数の指示語が連続して出てくるパターンにも挑戦していきましょう。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は接続語・指示語練習問題の第2回として、対比・言い換え・選択などの接続語と、一文全体を受ける指示語の記述問題を扱いました。どちらも国語の全ジャンルの土台となる力です。間違えた問題は時間をおいてもう一度解き直し、なぜその接続語・指示内容になるのかを自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
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