2027年度共通テスト試験日まで
時間
Picture of 藤原 進之介

藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】要約練習問題 第3回|10問一問一答と詳しい解説

Facebook
Twitter

はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、要約シリーズも第3回になりましたね。今回のねらいは何でしょう。

翔先生:はい。第1回・第2回で「筆者の主張を1文で捉える」練習をしてきたので、今回は一歩進んで「主張+根拠(具体例・対比)」を、指定字数の中でどう取捨選択するかを鍛えます。字数が厳しくなるほど、削っていい部分と絶対に残すべき部分の判断力が問われますよ。

藤原:特に大事なのは、「具体例そのもの」を書かずに「具体例が示している一般論」に変換する力ですね。これができるかどうかで得点が大きく変わります。

翔先生:今回は10問すべて100〜160字程度の短い評論文です。20〜60字という幅で要約字数を変えていますので、字数感覚を養う練習にもなります。それでは挑戦してみましょう!

問題(全10問)

第1問

言葉は思考の道具であると同時に、思考そのものを縛る枠でもある。私たちはある言語で育つことで、その言語が用意した分類の仕方でしか世界を見られなくなる。たとえば色の呼び分けが少ない言語の話者は、細かい色の違いに気づきにくいという報告がある。言葉を学ぶことは、世界を見る窓を得ると同時に、その窓の外を見えにくくすることでもあるのだ。

問:この文章を40字以内で要約しなさい。

第2問

インターネットの普及によって、誰もが情報の発信者になれる時代が来た。これは民主的な変化のように見えるが、同時に検証されない情報が瞬時に拡散する危険も生んでいる。真偽の確認より共感や驚きの強さが拡散力を決めるため、誤った情報ほど広まりやすいという逆転現象さえ起きている。私たちに必要なのは、情報の速さではなく、立ち止まって確かめる力である。

問:この文章を50字以内で要約しなさい。

第3問

便利な道具は、私たちから「不便さに耐える経験」を奪ってきた。自動車は歩く手間を省き、エアコンは暑さ寒さをしのぐ工夫を不要にした。その結果、私たちは環境の変化に適応する力そのものを鍛える機会を失いつつある。便利さの追求が行き過ぎると、人間は環境に依存しながらも、環境から学ぶ力を失うという逆説に陥るのではないだろうか。

問:この文章を45字以内で要約しなさい。

第4問

学校教育はしばしば「みんな同じであること」を前提に設計されてきた。同じ教科書、同じ進度、同じ評価基準がその典型である。しかし本来、子どもの発達の速さも興味の方向も一人ひとり異なる。画一的な仕組みは効率的である一方、個々の子どもの得意なものを見えにくくしてしまう危険をはらんでいる。教育に求められるのは、効率と個性尊重のバランスを問い直すことだ。

問:この文章を50字以内で要約しなさい。

第5問

遺伝子を自由に編集できる技術は、病気の治療という大きな希望をもたらす一方で、これまで人類が経験したことのない選択を突きつけている。生まれる前の子どもの特徴を「選ぶ」ことができるとしたら、それはどこまで許されるのか。技術的に可能なことと、社会が受け入れるべきこととは必ずしも一致しない。科学技術の進歩は、常に倫理的な問いとセットで進めなければならない。

問:この文章を55字以内で要約しなさい。

第6問

歴史とは、過去に起きた出来事そのものではなく、後世の人間が過去をどう解釈し、語り直したものの積み重ねである。同じ事件でも、立場によって全く異なる歴史として記録されることは珍しくない。したがって私たちが学ぶ「歴史」は、常に誰かの視点を通したものであることを忘れてはならない。歴史を学ぶとは、唯一の真実を暗記することではなく、複数の解釈を比較する営みなのである。

問:この文章を55字以内で要約しなさい。

第7問

芸術における模倣は、しばしば創造性の対極にあるものとして軽視されてきた。しかし歴史を振り返れば、多くの偉大な芸術家は、まず先人の技法を徹底的に模倣することから出発している。模倣を通じて型を体に染み込ませたのち、その型を破ることで独自の表現が生まれる。創造とは無から生まれるものではなく、模倣という土台の上に築かれるものなのである。

問:この文章を50字以内で要約しなさい。

第8問

経済成長は長らく豊かさの指標とされてきたが、所得が一定水準を超えると、幸福度の伸びは頭打ちになるという研究がある。物質的な充足だけでは、人間関係や生きがいといった幸福の別の要素を満たせないためだと考えられる。経済成長を追い求めることは重要だが、それだけを豊かさの尺度にすることには限界があると言わざるを得ない。

問:この文章を45字以内で要約しなさい。

第9問

SNSは離れた人とも簡単につながれる便利な手段だが、対面での会話とは決定的に異なる点がある。表情や声のトーン、間の取り方といった非言語的な情報がほとんど伝わらないことだ。その結果、文字だけでは意図が正しく伝わらず、誤解や対立が生まれやすい。便利さの裏で、私たちは対面でしか得られない豊かな情報を見落としがちになっている。

問:この文章を50字以内で要約しなさい。

第10問

「自分とは何か」という問いに、明確な答えを出すことは難しい。昨日の自分と今日の自分は、記憶によってつながってはいるが、体の細胞も考え方も少しずつ変化し続けている。にもかかわらず、私たちは変わらない「自分」がどこかにあると感じてしまう。自己とは固定された実体ではなく、変化し続けるものを、便宜的に一つの名前でまとめて呼んでいるにすぎないのかもしれない。

問:この文章を60字以内で要約しなさい。

解答・解説

第1問の解答と解説

解答例:言葉は世界を見る窓を与えると同時に、その見方を限定してしまう。(32字)

この文章の骨格は「言葉=窓を与える/窓の外を見えにくくする」という対比構造です。色の呼び分けの例は、その対比を裏づける具体例にすぎないため、要約では削って構いません。よくある失敗は「色の呼び分けが少ない言語では〜」と具体例をそのまま残してしまい、字数を無駄に使うことです。抽象化して一般論に戻す作業を意識しましょう。

第2問の解答と解説

解答例:誰もが発信できる時代は誤情報も広めやすく、確かめる力が必要だ。(30字)

「誰もが発信者になれる」という前半の変化と、「誤情報が広まりやすい」という後半の問題点、そして「確かめる力が必要」という結論の三点を圧縮しています。字数指定が50字とやや余裕があるため、原因(共感や驚きが拡散力を決める)を入れたくなりますが、それは根拠の根拠であり優先度は低い部分です。結論部分を落とさないことが最重要です。

第3問の解答と解説

解答例:便利さの追求は、環境から学び適応する人間の力を奪う逆説を生む。(31字)

自動車やエアコンといった具体例は「不便さに耐える経験を奪う」という主張を支える例示にすぎません。要約では固有名詞的な具体例を消し、「便利さ」「適応する力」という抽象語で置き換える必要があります。この問題で「自動車は」「エアコンは」と個別に書いてしまうと、字数を超過するか結論を書く余地がなくなるため注意しましょう。

第4問の解答と解説

解答例:画一的な教育は効率的だが、子どもの個性を見えにくくする問題がある。(33字)

「同じ教科書」「同じ進度」などの具体例は画一的教育の説明であり、要約では「画一的な教育」という一語にまとめられます。文末の「効率と個性尊重のバランスを問い直す」という結論を落とさずに入れることがポイントです。具体例を並べて字数を使い切り、肝心の結論が入らない答案は減点対象になります。

第5問の解答と解説

解答例:遺伝子編集技術は希望をもたらす一方、常に倫理的検討が求められる。(32字)

この文章は「希望」と「倫理的課題」という対比のあと、「技術的可能性と社会の受容は一致しない」という中間の主張を経て、最後の一文が結論として最も重要です。要約では最終文の内容を核に据え、「生まれる前の子どもを選ぶ」という具体的な問いかけ部分は削ります。抽象的な結論文をそのまま活かすのがこの問題の攻略法です。

第6問の解答と解説

解答例:歴史は誰かの視点を通した解釈であり、複数の解釈を比較する学びが重要だ。(35字)

「過去の出来事そのものではなく解釈の積み重ね」という定義部分と、「歴史を学ぶとは複数解釈を比較すること」という結論部分の二つが要約の核です。「立場によって異なる歴史として記録される」という一文は、前半の定義を裏づける具体例であり、要約では省略対象になります。定義と結論の両方を残すことが55字指定では求められます。

第7問の解答と解説

解答例:創造は無から生まれず、模倣で型を得たうえに独自性が築かれるものだ。(33字)

「模倣は軽視されてきたが、実は創造の土台である」という逆説構造がこの文章の要です。「偉大な芸術家は模倣から出発する」という部分は一般化された根拠なので、要約では「模倣で型を得る」という表現に圧縮できます。「軽視されてきた」という導入部分は要約に不要で、結論の逆説性を優先しましょう。

第8問の解答と解説

解答例:経済成長だけでは幸福を測れず、豊かさの尺度には限界がある。(29字)

「所得が一定を超えると幸福度が頭打ちになる」という研究部分は根拠であり、結論は最終文の「経済成長だけを尺度にすることには限界がある」です。字数が短い45字指定のため、研究の具体的内容よりも結論を優先して残す判断が求められます。根拠を書きたくなる気持ちを抑え、結論優先の姿勢を徹底しましょう。

第9問の解答と解説

解答例:SNSは非言語情報が伝わらず、誤解が生まれやすい点で対面と異なる。(32字)

「便利だが対面とは異なる」という対比のあと、「非言語的情報が伝わらない→誤解が生まれる」という因果関係が展開されています。要約ではこの因果関係を圧縮して一文にまとめることが求められます。「表情や声のトーン、間の取り方」を個別に列挙すると字数を超えるため、「非言語情報」という一語にまとめる訓練が有効です。

第10問の解答と解説

解答例:自己は変化し続ける存在にすぎず、私たちはそれを便宜的に一つの名前で呼んでいる。(38字)

この文章は「自分とは何か、明確な答えはない」という問題提起から始まり、「記憶でつながるが変化し続ける」という説明を経て、最終文の「便宜的に一つの名前でまとめている」という結論に至ります。要約では冒頭の問いかけよりも最終結論を優先すべきです。60字と比較的余裕があるため、「変化し続ける」というキーワードを落とさず入れることが得点のポイントになります。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回の10問を通して気づいてほしいのは、「具体例は削り、結論と対比構造は残す」という優先順位です。特に字数が短くなるほど、この判断力が点差を生みます。

藤原:そうですね。要約の練習は、実は現代文全体の読解力の土台になります。「この段落の役割は何か」「これは根拠か結論か」を常に意識しながら読む習慣が身につけば、選択式の問題にも自然と強くなりますよ。

翔先生:字数指定に合わせて、まず要素を箇条書きで抜き出し、その後で優先順位をつけて削っていく、という手順を練習してみてください。慣れれば時間内にできるようになります。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は10問の要約練習問題を通して、「具体例と結論の見分け方」「対比構造の圧縮」という要約の核心をトレーニングしました。要約力は一朝一夕には身につきませんが、こうした練習を積み重ねることで、確実に読解の精度もスピードも上がっていきます。ぜひ第4回にも挑戦してみてください。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
前橋校・横浜校・オンラインで全国対応しています。nihonkokugojuku.comからお気軽にお問い合わせください。
また、数学・理系科目は数強塾(sukyojuku.com)もあわせてご利用ください。

💬 数強塾グループ 公式LINEに登録しよう

情報I・数学・英語・国語に関する有益な情報発信や無料授業の告知をLINEで行っています。英検合格保証の英論会もこちら👇

プレゼント付き公式LINEを友だち追加

こちらの記事もどうぞ!

LINEで無料情報を受け取る

オンライン授業の受講方法が分からない。
初めてで不安である、という方も気軽にご連絡ください。