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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】小論文の演習課題練習問題 第5回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:翔先生、小論文シリーズも第5回になりましたね。今回はどんな力を鍛えますか?

翔先生:今回は「課題文の要求を正確に読み取り、条件に沿った骨子を組み立てる」練習に絞りました。小論文で一番減点されやすいのは、実は文章力ではなく「問いに正面から答えていない」ことなんです。

藤原:なるほど。今回の10問では、テーマ型・資料型・体験型・提案型など出題パターンを変えて、それぞれで「何を書けば合格ラインに届くか」の骨子を具体的に示していきますね。

翔先生:はい。すべて自作の課題文・お題ですが、実際の入試小論文で頻出のパターンを再現しています。まずは自分で構成メモを作ってから解説を読んでみてください。

問題(全10問)

※以下の課題文・設問はすべて学習用に書き下ろしたオリジナル文章です。

第1問

次の課題文を読み、後の問いに600字以内で答えなさい。

「便利さは、しばしば不便さを別の場所に移し替えているだけである。宅配便が翌日に届く社会は、その裏で配達員の労働時間を延ばしている。オンライン授業が普及した社会は、その裏で対面でしか得られない気づきを減らしている。私たちは『便利になった』と喜ぶとき、何が犠牲になっているかを見落としがちである。」

設問:筆者の主張を踏まえ、あなたが身近に感じる「便利さの裏で失われているもの」を一つ挙げ、それにどう向き合うべきか、あなたの考えを述べなさい。

第2問

「学校での話し合い活動は、多数決に頼りすぎるとかえって少数意見を切り捨てる結果になりやすい」という意見がある。この意見に対するあなたの立場を明らかにしたうえで、根拠とともに500字以内で論じなさい。

第3問

次の資料を読み、問いに答えなさい。

【資料】ある市が行った調査によると、「地域の祭りに参加したことがある」と答えた10代の割合は、20年前は72%だったが、現在は38%に減少している。一方で「地域とのつながりが大切だと思う」と答えた10代の割合は、20年前の54%から現在の68%へと増加している。

設問:この資料から読み取れる矛盾点を指摘したうえで、その原因として考えられることを700字以内で論じなさい。

第4問

「本当の優しさとは何か」について、あなたの考えを400字以内で述べなさい。ただし、抽象的な説明だけで終わらせず、具体的な場面を一つ挙げて論じること。

第5問

次のグラフに関する説明文を読みなさい。

「ある高校で実施したアンケートでは、『将来の夢がある』と答えた生徒は1年生で81%、2年生で64%、3年生で58%と、学年が上がるほど減少する傾向が見られた。」

設問:このような傾向が生じる理由として考えられることを二つ挙げ、それぞれについて説明しなさい(600字以内)。

第6問

「失敗は成功のもとである」という言葉について、あなたはこの言葉が常に正しいとは限らないと考えている。その理由を、具体例を交えて500字以内で説明しなさい。

第7問

次の二つの立場を読み、問いに答えなさい。

A:「SNSでの発信は誰もが自由に意見を表明できる場を広げた点で社会的に価値がある。」
B:「SNSでの発信は匿名性ゆえに責任のない言葉を増やし、社会の分断を深めている。」

設問:AとBのどちらの立場がより説得力があるか、あなた自身の考えを理由とともに700字以内で述べなさい。

第8問

「地方の人口減少を食い止めるために、あなたが市長ならどのような政策を一つ実施するか」を、想定される反論とその再反論も含めて800字以内で論じなさい。

第9問

次の文章を読み、問いに答えなさい。

「読書量が減っている、と言われる。しかしそれは読む行為そのものが減ったのではなく、長い文章をじっくり読む機会が減ったということではないか。私たちは日々、スマートフォンの画面で膨大な文字情報に触れている。」

設問:筆者の見方に賛成か反対かを明らかにし、あなたの読書経験を根拠として600字以内で論じなさい。

第10問

「多様性を尊重する社会」を実現するために、学校教育が果たすべき役割について、あなたの考えを800字以内で述べなさい。ただし、具体的な教育活動の例を一つ以上含めること。

解答・解説

第1問の解答と解説

【骨子】①筆者の主張(便利さは不便さの移し替えである)を一文で要約→②身近な具体例を一つに絞る(例:ネット通販の普及で地元商店街が衰退し、対面でのやり取りが減った)→③その犠牲にどう向き合うかを提案(例:便利さを享受しつつ意識的に地域との接点を作る)。評価の観点は「具体例が一つに絞られているか」「課題文の論理構造(便利=どこかへの移し替え)を踏まえているか」です。多くの受験生は具体例を複数挙げて散漫になったり、課題文と無関係な一般論に流れたりして減点されます。600字という短い字数では、具体例は必ず一つに絞り込むことが鉄則です。「便利さ自体を否定する」結論にすると課題文の趣旨(移し替えの構造への気づき)からずれるので注意しましょう。

第2問の解答と解説

【骨子】立場を最初の一文で明示(賛成/反対)→根拠を2点(例:反対の場合「多数決は合意形成の一手段にすぎず、少数意見を丁寧に聞く姿勢があれば切り捨てにならない」「話し合いの質を高める工夫が本質的な解決策」)→結論で立場を再確認。評価の観点は「賛否が冒頭で明確か」「根拠が意見文になっておらず具体的な仕組みや事例に基づいているか」です。よくある失敗は、賛成と反対の両方の良い点を並べて結論があいまいになること。小論文では最後まで一貫した立場を貫くことが最重要です。500字なら根拠は2点、それぞれ2〜3文で十分な密度になります。

第3問の解答と解説

【骨子】①矛盾点の指摘(参加率は下がっているのに、つながりを大切だと思う気持ちは上がっている=「思っているが行動できていない」状態)→②原因を2つ提示(例:部活動や塾で時間的余裕がない、祭りの運営側の高齢化で開催機会自体が減っている)→③まとめ。評価の観点は「資料の数値を正確に対比できているか」「原因が『気持ち』側ではなく『行動』側の要因として説明されているか」です。資料型小論文で最も多いミスは、数値を無視して感想文になってしまうこと。必ず「〇%から〇%に増減した」という具体的数値を本文中に引用しましょう。

第4問の解答と解説

【骨子】定義を一文で提示(例:本当の優しさとは、相手が嫌がることでも相手のために言う勇気を含むものである)→具体的場面を一つ(例:友人の失敗を指摘せず黙って見過ごすことは優しさに見えて実は無責任である、という場面)→定義の再確認。評価の観点は「定義が抽象論で終わらず具体例と結びついているか」です。400字という短さでは定義と具体例のバランスが命で、定義だけで終わる答案、具体例だけで定義がない答案はどちらも大きく減点されます。単に「優しさは大切だ」という当たり前の結論にならないよう、独自の切り口(本問なら「厳しさを含む優しさ」)を用意しましょう。

第5問の解答と解説

【骨子】理由①(進路や現実を知るにつれ、夢が具体的な選択肢に絞られ「夢がある」と答えにくくなる)、理由②(受験や成績によって選択肢が制限されると感じ始める)をそれぞれ独立した段落で説明。評価の観点は「二つの理由が重複せず、異なる角度(心理的要因と環境的要因など)から説明されているか」です。よくある失敗は、二つの理由が実質同じ内容の言い換えになってしまうこと。理由を挙げる問題では、必ず「観点を変える」意識を持ちましょう。

第6問の解答と解説

【骨子】主張(失敗が成功につながらない場合もある)→具体例(例:健康や信頼関係に関わる失敗は取り返しがつかず、次の挑戦の機会自体を失わせる)→結論(失敗から学ぶ姿勢は大切だが、失敗を美化しすぎるのは危険)。評価の観点は「ことわざを単純に否定するのではなく、条件付きで批判できているか」です。この問題は「常に正しいとは限らない」という限定的な主張を求めているため、「失敗は絶対に悪いものだ」という極論に走ると設問の要求からずれてしまいます。

第7問の解答と解説

【骨子】どちらか一方を選び(例:B)、理由を2点(例:匿名性による誹謗中傷の実例、意見の分断を助長するアルゴリズムの存在)→Aの立場にも一定の理解を示しつつ、それでもBが優位である根拠を補強→結論。評価の観点は「対立する立場を無視せず、その上で自分の選択を根拠づけているか」です。二項対立型の設問では、片方を完全に無視すると論の厚みが出ません。相手の立場に軽く触れてから反論する「譲歩構文」を使うと説得力が増します。

第8問の解答と解説

【骨子】政策提示(例:地元企業と連携した若者向けリモートワーク支援制度の導入)→想定される反論(例:企業誘致の効果は限定的で税収の裏付けがない)→再反論(例:初期投資は補助金で賄い、定住による税収増で長期的に回収する設計にする)。評価の観点は「政策が具体的か」「反論・再反論が単なる言い訳ではなく論理的に構成されているか」です。政策提案型では「反論を想定できているか」が合否を分けます。反論を書かない答案は一面的とみなされ大きく減点されます。

第9問の解答と解説

【骨子】賛成の立場を取る場合:主張の要約→自分の経験(例:スマートフォンで毎日ニュースや小説の一部に触れているが、長編小説を読み通す機会は減った)→結論(読む「量」ではなく「質」の変化として捉え直す必要がある)。評価の観点は「賛否の理由が個人的な体験に基づき具体的か」です。この問題は経験を根拠にすることが条件なので、一般論だけで済ませると設問違反になります。必ず自分の読書行動を一つ具体的に描写しましょう。

第10問の解答と解説

【骨子】学校教育の役割を一文で提示(例:異なる背景を持つ他者と関わる経験を意図的に設計すること)→具体的な教育活動を一つ(例:異なる学年・地域の生徒が合同で行う探究学習)→その活動がなぜ多様性の尊重につながるかを説明→結論。評価の観点は「役割の提示が抽象論で終わらず、具体的な教育活動と結びついているか」です。800字という長めの設問では、抽象論(多様性は大切だ)だけで終わる答案が最も多い失敗パターンです。必ず「誰が」「どんな活動を」「どう変わるか」まで具体化しましょう。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:今回の10問を通して伝えたかったのは、「小論文は設問の条件をどれだけ正確に守れるか」の勝負だということです。字数、具体例の数、賛否の明示、反論の有無――これらはすべて採点者が必ずチェックするポイントです。

藤原:そうですね。逆に言えば、文章の巧拙よりも先に「条件を満たしているか」を自己チェックする習慣をつければ、点数は安定して伸びます。書き終えたら必ず設問文を読み直し、要求されている要素(立場・根拠の数・具体例の有無)が全部入っているか確認しましょう。

翔先生:次回は「資料の複数提示型」や「200字要約+600字論述の複合問題」に挑戦してもらいます。お楽しみに!

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は小論文の演習課題練習問題として、テーマ型・資料分析型・体験提示型・提案型など多様な出題形式を10問用意しました。小論文は「型」を知っているかどうかで得点が大きく変わります。ぜひ何度も解き直して、自分の中に骨子作りのパターンを蓄積してください。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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