はじめに|「難しい本を読めない」あなたへ
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「受験対策のために難しい本を読もうと思ったけど、数ページでギブアップしてしまった」「読んでいるうちに何が書いてあるかわからなくなって、気づいたら眠っていた」——そんな経験、ありませんか?
実は、これは多くの受験生が抱える悩みです。日本国語塾トップの授業でも、「読書は大切だとわかっているのに続かない」「難しい本を読もうとすると途中で挫折してしまう」という相談を毎週のように受けています。
この記事では、難しい本で挫折してしまう本当の原因と、読み切るための具体的な方法を丁寧に解説します。読み終えたあとには、今日から実践できるアクションが明確になっているはずです。ぜひ最後まで読んでください。
核心情報|「途中で挫折してしまう」本当の理由
まず大前提として知っておいてほしいことがあります。難しい本を読んで挫折することは、意志の弱さでも、頭が悪いせいでもありません。
難しい本で挫折してしまうのには、明確な理由があります。その理由を知らずに「もっと頑張ろう」と根性論で挑んでも、また同じ結果になるだけです。
挫折の3大原因
- ①「背景知識」が足りない
難しい本というのは、読者がある程度の前提知識を持っていることを想定して書かれています。哲学書を読もうとしても、プラトンやカントの名前すら知らない状態では、文字を目で追っているだけになってしまいます。 - ②「語彙力」が追いついていない
一文に知らない単語が2〜3個出てくると、人間の脳は意味の処理を諦めはじめます。知らない単語が続くと「自分には無理だ」と感じ、本を閉じてしまうのは自然な反応です。 - ③「読む目的」が曖昧
「なんとなく読んだほうがよさそう」という動機で難しい本を開いても、脳は情報を取捨選択できません。目的地のないドライブが疲れるのと同じで、目的のない読書は体力だけを消耗します。
この3つの原因に対処すれば、難しい本を読み切る力は必ず身につきます。次のセクションで、具体的な方法を一つひとつ解説していきます。
具体的な方法|難しい本を読み切るための5つのステップ
① 「助走本」から始める|いきなりてっぺんを目指さない
山登りに例えるなら、難しい本はいきなり登る本番の山です。そのまえに「助走本(入門書・解説書)」で体を慣らすことが不可欠です。
具体例:たとえば、夏目漱石の『こころ』を読みたいけれど挫折してしまうという中学生がいました。その生徒には、まず「夏目漱石の生涯と作品をわかりやすく解説した伝記絵本」→「現代語訳付きの注釈版『こころ』」という順番で読んでもらいました。すると3週間後、本人から「最後まで読めた!」と報告がありました。
入門書や図解本を読むことを「邪道」だと思う必要はまったくありません。助走本を使うことで、本番の本を読む速度と理解度が劇的に上がります。
- 哲学書を読みたい → まず「哲学入門マンガ」や「○○とは何か」系の新書から
- 古典を読みたい → まず「あらすじを現代語で解説した本」から
- 評論文が苦手 → まず「中学生向けの評論入門書」から
② 「目的の言語化」をする|読む前に3行メモを書く
本を開く前に、次の3つをノートに書いてください。
- この本を読む理由(なぜ読みたいのか)
- この本を読んで知りたいこと(どんな問いに答えてほしいのか)
- 読み終えたあとに何をしたいか(どう活かすのか)
実例:日本国語塾トップに通う高校2年生のAさんは、小論文対策のために『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著)を読もうとして挫折していました。そこで私が「なぜ読みたいの?」と聞くと「なんとなく受験に必要かなと思って」という答えでした。
そこで一緒に目的を言語化しました。「AIが苦手とすることを理解して、自分が人間として磨くべき力を見つける」という目的を設定したところ、Aさんは2週間で読み切り、小論文の志望理由書にも活かすことができました。
目的が明確になると、脳は「関係のある情報」「関係のない情報」を自動的に仕分けし始めます。これが読書の集中力を維持する最大のコツです。
③ 「10分・10ページ」ルールで習慣化する
難しい本を挫折なく読み切るためには、「一気読みしようとしない」ことが鉄則です。
おすすめは「1日10分・10ページ」ルールです。
- 毎日決まった時間(例:夜寝る前の10分)に読む
- 10ページ読んだら必ず止める(読み足りなくても止める)
- 読んだあとに「1行感想」をノートに書く
「読み足りなくても止める」のがポイントです。人間の脳は「未完了のこと」を気にし続ける性質(ツァイガルニク効果)があります。あえて途中で止めることで、「続きが読みたい」という気持ちが次の日への動機づけになります。
これを実践した中学3年生のBくんは、苦手だった評論系の本を3週間かけて1冊読み切り、「最初は5分で眠くなっていたのに、気づいたら楽しみになっていた」と話してくれました。
④ 「わからない単語・概念」の扱い方を変える
難しい本で挫折する大きな原因の一つが、「わからない言葉が出てきたときの対処法」を知らないことです。多くの人は次のどちらかをやってしまいます。
- ❌ わからない言葉が出るたびに辞書を引いて読書が中断される
- ❌ わからなくても無視して読み続け、内容が全く入ってこない
正しい方法は「2段階方式」です。
- 第1段階(読み進める):わからない言葉が出たら、ページの端に小さく「?」マークをつけて読み進める。意味がわからなくてもとにかく先へ。
- 第2段階(後でまとめて調べる):10ページ読み終わった後、「?」マークのついた言葉をまとめて調べ、専用ノートに書き出す。
この方法だと読書の流れが止まらず、かつ語彙も確実に増えていきます。難しい本を読み続けることで語彙力が上がり、語彙力が上がるとさらに難しい本が読めるようになる——この好循環が生まれます。
⑤ 「読書仲間」か「アウトプット先」を作る
人間は社会的な生き物です。「誰かに話す」「誰かに見せる」という目標があるだけで、読書の継続率は大きく変わります。
- 友達と「同じ本を読んで感想を話し合う」読書ペアを作る
- 親や先生に「この本を読んで感想を聞いてください」と宣言する
- SNSや日記に読書記録を投稿する(ブクログ・読書メーターなど)
- 塾の先生や国語の先生に「感想文を添削してほしい」とお願いする
日本国語塾トップでは、授業の中で「読んできた本について話す時間」を設けることがあります。すると生徒たちは「先生に話すから」という動機でしっかり読んでくる。アウトプットの場は最高の読書エンジンです。
藤原&翔先生の実践アドバイス|塾現場からの声
藤原進之介より
私が受験生に必ずお伝えしていることがあります。それは「本は読み切ることが目的ではない」ということです。
もちろん読み切れるに越したことはありません。でも、難しい本を50ページ読んで挫折したとしても、その50ページから何かを得ていれば、それは立派な読書です。「読み切れなかった=失敗」という思い込みを捨てることが、挫折からの最初の脱出です。
私自身、大学生の頃にカントの『純粋理性批判』を3回挫折しました。でも4回目に入門書を10冊読んでから挑んだとき、初めてページをめくる喜びを感じました。「今の自分に合ったレベルの本」を読むことが、最終的には「難しい本」を読める力につながります。
翔先生より
生徒さんから「難しい本を読もうとして挫折してしまいます」と相談を受けたとき、私がまず聞くのは「その本、本当に今のあなたに必要ですか?」という質問です。
受験生の中には、「難しい本を読まなければ国語ができるようにならない」という思い込みから、自分のレベルに合っていない本を無理やり読もうとしているケースが多くあります。
国語力は「背伸びした本」よりも「少し難しいけど読める本」を大量に読むことで伸びます。自分の語彙力・背景知識のレベルより2段階上の本は、読む前に準備が必要です。まず「今の自分が9割理解できる本」をたくさん読んで、語彙と背景知識を蓄えること。それが結果的に「難しい本を読めるようになる」最短ルートです。
よくある疑問・失敗パターンと解決策
Q. 毎日読もうとしているのに、気づいたら1週間経っていました
A. これは「習慣のトリガー」が設定されていないことが原因です。「毎日読む」という曖昧な決意ではなく、「夕食後に歯を磨いたら本を開く」のように、すでにある習慣に紐付けてください。これを「習慣スタッキング」と言います。スマホのホーム画面に読んでいる本の写真を設定するだけでも、毎日目に入るリマインダーになります。
Q. 読んでいても内容が全然頭に入りません
A. それは「背景知識不足」か「読む速度が速すぎる」サインです。1ページ読んだあとに「今読んだ内容を自分の言葉で3行にまとめる」練習をしてみてください。まとめられなければ、その箇所を読み返す。これを繰り返すだけで、理解度は劇的に上がります。
Q. 入門書ばかり読んでいて、本当に力がつくか不安です
A. 安心してください。入門書を読む目的は「本番の本を読むための地盤を固めること」です。入門書で理解した概念は、本番の本を読んだときに「あ、あれのことか!」という快感(既知感)になります。この快感が読書の継続力を生みます。入門書を読むことは決して遠回りではありません。
Q. マンガや小説ばかり読んでしまいます。それでも国語力はつきますか?
A. マンガや小説を読むことは国語力の基礎になります。特に小説は「登場人物の心情を読み取る力」「場面の情景を想像する力」を育てます。ただし、受験国語で問われる「評論文読解」の力をつけるためには、少しずつ評論・随筆・新書などの「論理的な文章」も読む習慣を作ることが大切です。まずは好きな分野(スポーツ・音楽・ゲームなど)の新書・評論を読んでみることをおすすめします。
今日からできるアクション|すぐに実践しよう
この記事を読んだ今日から、以下のアクションを一つだけ選んで実践してください。
-
【入門書チェック】
今挫折している本、または読みたい本のジャンルの「入門書・解説書」を書店やAmazonで1冊探して、今日中に注文または購入する。 -
【目的の言語化】
読みたい本について「①なぜ読みたいか ②何を知りたいか ③読んだ後どうしたいか」の3行をノートに書く。 -
【10分ルール設定】
スマホのタイマーを10分にセットして、今日から毎日同じ時間に読書を始める習慣を設定する。カレンダーにリマインダーを入れる。 -
【アウトプット先の確保】
親・友達・先生・SNSのどれか一つを選んで「この本を読んで感想を話す相手」を今日中に決める。 -
【2段階読書ノートの作成】
100円ショップで小さなノートを買って「読書語彙ノート」を作る。わからない言葉を「?マーク→後でまとめて調べる」方式で記録し始める。
一つだけでいいです。今日の夜、必ず一つ動いてください。それが国語力向上の最初の一歩です。
まとめ|難しい本を読める自分になるために
この記事でお伝えしたことをまとめます。
- 難しい本で挫折するのは意志の弱さではなく、「背景知識不足」「語彙力不足」「目的の曖昧さ」が原因
- いきなり難しい本に挑むのではなく、「助走本(入門書)」から始めるのが鉄則
- 「読む目的を3行で言語化する」だけで、脳の情報処理が劇的に変わる
- 「10分・10ページ」ルールで毎日少しずつ積み上げる習慣が力になる
- 「わからない言葉は?マークをつけてあとでまとめて調べる」2段階方式で語彙力も同時に伸ばす
- アウトプットの場(読書仲間・先生への報告)を作ることで継続力が生まれる
- 「今の自分が9割理解できる本」を大量に読むことが「難しい本」への最短ルート
難しい本を読み切る力は、国語の読解力だけでなく、論述・小論文・面接での思考力にも直結します。日本国語塾トップでは、一人ひとりのレベルと目標に合わせた読書指導・読解指導を行っています。「何を読めばいいかわからない」「読んでも力がついている気がしない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
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