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現代文「ポストコロナ社会と人間」テーマ完全攻略|コロナ後を問う評論の読み方

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数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

「ポストコロナ」「パンデミック後の社会」「人間の脆弱性と回復力」――近年の大学入試現代文で、こうしたテーマを扱う評論が急増しています。2020年以降、共通テストから難関私大・国公立大の二次試験まで、コロナ禍を起点に「人間とは何か」「社会はどうあるべきか」を問う文章が頻出するようになりました。

しかし多くの受験生が「なんとなく読んでいるけど、筆者が何を言いたいのかわからない」「抽象的すぎて選択肢が絞れない」という壁にぶつかっています。この記事では、ポストコロナ社会と人間というテーマの評論を読み解くための核心的な知識と実践的な読み方を、具体例とともに徹底解説します。

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はじめに――なぜ今「ポストコロナ×現代文」なのか

2020年のコロナ禍は、私たちの社会に根本的な問いを突きつけました。「人間は自然の前にいかに無力か」「グローバル化とは何をもたらしたのか」「共同体・絆・孤立とはどういう意味を持つのか」。こうした問いは、もともと哲学・思想・社会学の分野で論じられてきたテーマと深くつながっています。

出題者である大学教授たちは、コロナ禍という「現実の事件」を通じて、人間・社会・文明についての本質的な思索を深めた論者たちの文章を積極的に入試問題に採用するようになりました。つまり、ポストコロナ社会と人間というテーマは、単なる「時事問題」ではなく、人文・社会科学の根幹に触れる評論テーマなのです。

翔先生からひとこと:「コロナをきっかけに書かれた評論は、たいてい『コロナ以前の常識を問い直す』構造になっています。まずその大枠をつかむことが読解の第一歩です。」

核心情報――ポストコロナ評論の「3つの軸」

ポストコロナ社会と人間をテーマにした評論には、ほぼ例外なく次の3つの軸が登場します。この軸を頭に入れておくだけで、読解スピードと正答率が劇的に上がります。

軸①:「近代的合理性」への疑問

コロナ禍が暴いた最大の問題のひとつは、「効率・合理・最適化」を追求し続けた近代社会の脆弱性です。グローバルなサプライチェーン、医療資源の集中、人口密集都市――これらはすべて「合理化」の産物でしたが、パンデミックの前にもろくも崩れました。

評論では「近代的合理性が見落としてきたもの」として、冗長性(余裕・余白)、身体性、ケアの倫理、偶然性といったキーワードが登場します。筆者はたいてい「効率一辺倒の社会観を見直せ」という方向で論を展開します。

具体例:「病院のベッド数を削減し効率化を図ってきた結果、感染者急増時に医療崩壊が起きた」――こうした記述は、近代合理性批判の典型です。入試問題でも「筆者が批判していること」として出題されるパターンが多いです。

軸②:「つながり」と「孤立」の再定義

コロナ禍は「ソーシャルディスタンス」という言葉を生み出し、人と人との物理的な距離を強制しました。一方でオンラインでのつながりが爆発的に広がり、「つながりとは何か」という問いが改めて浮上しました。

評論では「身体を伴うつながり」と「情報ネットワーク上のつながり」の質的差異が論じられます。また「孤立」が単なる否定的状態ではなく、「自己と向き合う契機」として肯定的に論じられる場合もあります。哲学者ハンナ・アーレントの「孤独(solitude)」と「孤立(isolation)」の区別のような議論が引用されることもあります。

具体例:「Zoomでの会議は情報伝達には十分だが、廊下での立ち話から生まれるような偶発的創造性は生まれない」――これは「身体性を伴うつながり」の価値を主張する典型的な論法です。

軸③:「時間感覚・歴史意識」の変容

コロナ禍は「前(ビフォアコロナ)」「後(アフターコロナ)」という時間軸の切断を生み出しました。評論では「進歩・発展を当然とする直線的時間観」に対して「循環・停滞・断絶を含む複合的時間観」が提示されることがあります。

また「不確実性の時代」「リスク社会」(社会学者ウルリッヒ・ベックの概念)という視点から、「予測・計画・管理に依存してきた近代人の時間意識」が批判的に検討されます。

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具体的な方法――ポストコロナ評論を読み解く実践ステップ

ステップ1:「対比構造」を最初にマークする

ポストコロナ評論は、ほぼ必ず「コロナ以前の常識/コロナ以後の問い直し」という対比で構成されています。文章を読み始めたら、まず次の問いを頭に置きましょう。

  • 筆者が「否定・批判している概念」は何か?
  • 筆者が「肯定・提唱している概念」は何か?

これを本文の余白に「×旧概念」「○新概念」とメモしながら読むだけで、設問に答えるときの根拠探しが格段に速くなります。

実践例:「グローバル化による効率的な分業体制(×)」⇔「地域に根ざした自給的な共同体(○)」という対比が見えたら、筆者の主張の骨格はほぼつかめています。

ステップ2:「逆接・転換の接続詞」を〇で囲む

「しかし」「だが」「ところが」「それにもかかわらず」「むしろ」――こうした逆接・転換の接続詞の直後には、必ず筆者の主張の核心が来ます。ポストコロナ評論では特に「コロナ禍は悲劇だった。しかし、それは同時に〇〇を問い直す契機でもあった」という構造が頻出します。

接続詞を〇で囲む習慣をつけると、長い文章でも「筆者が言いたいこと」が一目でわかるようになります。これは受験が終わった後、論文やビジネス文書を読む際にも使い続けられる、一生の国語力の基礎となるスキルです。

ステップ3:「抽象↔具体」のサンドイッチ構造を読む

学術的な評論は「抽象的な主張→具体的な事例→再び抽象的な主張(まとめ)」というサンドイッチ構造で書かれています。ポストコロナ評論では:

  • 抽象層:「人間の有限性・脆弱性こそが共同体の基盤である」
  • 具体層:「感染症への恐怖が近隣住民の助け合いを生んだ事例」
  • 抽象層(まとめ):「弱さを共有することで生まれる連帯の可能性」

このサンドイッチを意識すると、「傍線部の説明として最も適切なものを選べ」という設問で、具体例に引きずられた誤答を選ぶミスを防げます。答えは常に抽象層にあることを覚えておきましょう。

ステップ4:頻出キーワードを事前にストックする

ポストコロナ社会と人間というテーマの評論では、以下のキーワードが繰り返し登場します。意味を正確に理解しておくことが不可欠です。

キーワード 意味・文脈
脆弱性(ヴァルネラビリティ) 傷つきやすさ。人間の限界性を肯定的に捉え直す文脈で使われる
ケアの倫理 相互扶助・世話・配慮を中心に据えた倫理観。効率・権利中心の倫理への対抗概念
リスク社会 ウルリッヒ・ベックの概念。近代化が生み出した新たなリスクが社会を規定する状態
冗長性・余白 効率化で排除されがちな「余裕」。危機対応において不可欠だと再評価される概念
身体性 情報・デジタルでは代替できない、身体を通じた経験・知覚の重要性
公共性・共同性 個人を超えた共同の場・関係性。コロナ禍の集団的行動・連帯の文脈で論じられる

ステップ5:筆者の「立ち位置」を早期に特定する

ポストコロナ評論の筆者は、大きく分けて次の3タイプに分類できます。どのタイプかを序論・第一段落で素早く判断しましょう。

  1. 近代批判型:「コロナは近代文明の行き詰まりを示した」→「新たな価値観・共同体への転換」を訴える
  2. 科学・合理性擁護型:「コロナへの対応にこそ科学的合理性が必要」→「非合理な感情論・陰謀論の危険性」を訴える
  3. 第三の道模索型:「近代的合理性と前近代的共同体の双方を超えた新しい関係性」を提唱する

難関大の入試問題では特に「第三の道模索型」が多く出題されます。「どちらでもなく、〇〇と△△の統合として××を提唱する」という複雑な論理展開を見落とさないことが重要です。

藤原&翔先生の実践アドバイス

藤原進之介より:「背景知識は問題文の「地図」になる」

私がいつも受講生に伝えていることがあります。それは「知識がない状態で評論を読むのは、地図なしで知らない街を歩くようなものだ」ということです。

ポストコロナ社会と人間というテーマは、2020年代の評論の中で最も「背景知識の差が得点差につながる」テーマのひとつです。「ケアの倫理」「リスク社会」「身体性」といったキーワードを知っているだけで、初見の文章でも「ああ、この評論はこの文脈で書かれているんだな」と見当がつきます。

しかしここで強調したいのは、こうした背景知識は受験が終わっても一生使い続けられる財産だということです。ケアの倫理を知っている人は、職場での人間関係・家族との関わり方・社会への参加の仕方が変わります。本物の国語力は、テストの点数を上げるだけでなく、あなたの人生そのものを豊かにするのです。

翔先生より:「模範解答の「言い換え」パターンに慣れよう」

ポストコロナ評論の記述問題・選択肢問題で最も重要なのは「言い換え」のパターンを見抜く力です。本文で使われている難しい表現が、設問・選択肢では別の言葉に置き換えられています。

例えば:

  • 本文:「冗長性を排除した高効率システム」→選択肢:「無駄を削ぎ落とした合理化された体制」
  • 本文:「ヴァルネラビリティの共有による連帯」→選択肢:「互いの弱さを認め合うことで生まれる共同性」

この言い換えパターンは、毎回必ず起きます。本文の表現に引きずられず、「意味内容として同じか」を問うクセをつけましょう。そのためには、日頃から一つの概念を複数の言葉で表現する練習が効果的です。これもまた、受験後も使い続けられる「読む力・書く力・考える力」の核心です。

よくある失敗と解決策

失敗①:「コロナの体験談」として読んでしまう

失敗:「自分もコロナ禍で孤立を感じた」「緊急事態宣言の頃はつらかった」という自分の体験と重ね合わせて読み、筆者の主張とは別のことを答えてしまう。

解決策:評論は筆者の「論理的主張」です。自分の感想・体験は完全に切り離して、「この筆者は何を言いたいのか」だけに集中する。「私はそう思わない」も禁物。

失敗②:カタカナ用語をなんとなくスルーする

失敗:「ヴァルネラビリティ」「レジリエンス」「コモンズ」といったカタカナ用語を意味不明のまま読み進め、結果として筆者の主張を正確につかめない。

解決策:カタカナ用語が出たら必ず立ち止まり、文脈から意味を推測する。「この言葉は直後の文でどう説明されているか」を探す。解説がない場合は前後の対比から意味を逆算する。

失敗③:具体例を「主張」と混同する

失敗:「医療崩壊の具体的な事例」を傍線部の説明として選んでしまい、「抽象的な主張」を答えるべき設問で得点を落とす。

解決策:「この段落は主張段落か、例示段落か」を常に意識して読む。「たとえば」「例えば」「具体的には」という言葉が来たら「これは例だ」と明確にマークする。

失敗④:「ポストコロナ=コロナ後の明るい未来」と決めつける

失敗:「ポストコロナ」=「コロナが終わった後の希望ある社会」という先入観で読み、筆者が「問い直し・批判・再考」を論じていることを見落とす。

解決策:「ポストコロナ」は「コロナを経て問い直された〇〇」という意味で使われることがほとんど。文章全体のトーンが「批判的」か「提唱的」かを序論で見極める。

今日からできるアクション

ここまで読んでくれた受験生・保護者の方に、今日から即実践できる3つのアクションをお伝えします。

アクション①:「3軸メモ」を作る(今日中に!)

「近代的合理性批判」「つながりと孤立の再定義」「時間感覚の変容」という3軸を、ノートの1ページにまとめてください。それぞれに「関連キーワード」「対比構造」を書き込む。これだけで、ポストコロナ評論の読解準備の7割は完成します。

アクション②:新書・評論の「序論」だけ毎日1本読む

斎藤幸平『人新世の「資本論」』、内田樹『コロナ時代の哲学』、広井良典『人口減少社会のデザイン』などの序論・まえがき(1〜3ページ)を毎日1本読みましょう。全部読む必要はありません。「この著者は何に問題意識を持ち、どんな方向で論じようとしているか」だけをつかむ練習です。

アクション③:過去問の「ポストコロナ関連評論」を3年分集める

共通テスト・志望大学の過去問から、コロナ・パンデミック・社会変容をテーマにした評論を3年分ピックアップしてください。読むだけでなく、「この文章の対比構造は?」「筆者の立ち位置は3タイプのどれ?」を毎回言語化する習慣をつけましょう。

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まとめ・日本国語塾トップについて

この記事では、現代文「ポストコロナ社会と人間」テーマ完全攻略のために、次の内容を解説しました。

  • ポストコロナ評論が問う「3つの軸」(近代的合理性批判・つながりと孤立・時間感覚の変容)
  • 実践的な読解ステップ(対比構造マーク・逆接接続詞〇囲み・抽象↔具体の識別・キーワードストック・筆者の立ち位置特定)
  • よくある失敗パターンと具体的な解決策
  • 今日からできる3つのアクション

ポストコロナ社会と人間というテーマは、2020年代の入試現代文において最重要テーマのひとつであり続けるでしょう。しかしそれ以上に、このテーマを深く読み解く力は、あなた自身が社会・他者・自分自身とどう向き合うかを考える力に直結しています。

受験国語の学習は「点数を取るため」だけのものではありません。難しい評論と真剣に向き合い、筆者の思索を追う経験は、読む力・書く力・考える力を育て、受験が終わった後も人生を豊かにし続けます。それが日本国語塾TOPが大切にしている「本物の国語力」の意味です。

翔先生からの最後のメッセージ:「コロナ禍は私たちに多くの痛みをもたらしましたが、同時に『当たり前を問い直す』という知的営みの大切さも教えてくれました。評論を読むことは、その問い直しに参加することです。ぜひ、入試問題を通じて、社会と人間について深く考える習慣を育ててください。その習慣こそが、受験後も一生あなたを支える力になります。」


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