はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「源氏物語の問題が出たら、もう終わりだ…」
そんなふうに感じている受験生は、決して少なくありません。長い文章、複雑な人間関係、現代語とはかけ離れた語彙。源氏物語は確かに難易度が高い古文テキストです。しかし、だからこそ「解き方を知っている受験生」と「知らない受験生」の差が大きく開く分野でもあります。
今回は古文入試問題の実戦演習①として、源氏物語系問題に特化した解き方を徹底解説します。単なるテクニックの羅列ではなく、「なぜそう読むのか」「なぜそう答えるのか」という思考プロセスを丁寧に共有します。なぜなら、国語力とはテクニックではなく、文章を深く理解し、自分の言葉で表現できる力だからです。その力は受験が終わっても、就職しても、人生のあらゆる場面であなたを支え続けます。
翔先生と私・藤原が、実際の入試問題の傾向をもとに「満点答案の作り方」までを具体的にお伝えします。ぜひ最後までお読みください。
日本国語塾TOPの考える「本物の国語力」
国語の力は、テクニックではありません。
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核心情報|源氏物語系問題が難しい「本当の理由」
源氏物語系問題の難しさは、文法や語彙の難易度だけではありません。多くの受験生が「難しい」と感じる本当の理由は、次の3つに集約されます。
① 登場人物が多く、主語が省略されやすい
源氏物語は光源氏を中心に、数十人以上の登場人物が登場します。しかも古文の特性上、主語は頻繁に省略されます。「誰が・誰に・何をしているのか」を見失った瞬間、文章全体の意味が崩れてしまいます。
たとえば「御簾のうちより〜と聞こえ給ふ」という一文。これだけを見ると「誰が申し上げているのか」がわかりません。前後の文脈と、敬語の使い方(二重敬語・謙譲語の方向)を組み合わせて初めて主語が確定できます。
② 宮廷文化・慣習の知識が前提とされている
源氏物語は平安時代の宮廷を舞台としています。「几帳」「直衣」「物詣で」「文遣わし」など、現代人には馴染みのない文化的背景が随所に登場します。この背景知識がないと、登場人物の行動の意味や感情の機微が読み取れません。
入試では注釈が付くことが多いですが、注釈だけに頼らず、文化的背景の基礎知識を持っておくことが重要です。
③ 「心情」を問う問題が多い
源氏物語系問題で最も多く出題されるのが、登場人物の「心情説明問題」です。「このときの○○の気持ちを説明せよ」という問いに答えるためには、文法・語彙・背景知識・文脈理解のすべてを統合する力が必要です。まさに、読む力・考える力・書く力が問われます。
✍️ この記事を監修した人|藤原 進之介
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数強塾グループ代表・日本国語塾TOP監修者。
著書12冊・累計15万部突破(KADOKAWA3冊・Gakken3冊・文英堂・ナツメ社等、大手出版社から多数刊行)。2024年共通テスト対策参考書シリーズ全書第1位。日本初の情報科目講師・代々木ゼミナール情報I講師・情報ラボ代表。消費者庁シンポジウム登壇(2026年5月)。漢字検定準1級・古文検定1級。
数強塾グループは創業11年の老舗塾。スタディサプリ国語科講師 山下翔平先生も協力。
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具体的な方法|源氏物語系問題を攻略する5ステップ
ステップ1:リード文・注釈を徹底的に読む
入試問題の本文の前には、必ずリード文(問題文の前置き)があります。多くの受験生がこれを「さっと確認する程度」で済ませてしまいますが、これは大きな損失です。
リード文には「どの場面か」「主要な登場人物は誰か」「どのような状況か」が凝縮されています。源氏物語系問題では特に、リード文で把握できる情報量が合否を左右します。
実践ポイント:リード文を読みながら、登場人物の名前・身分・関係性をメモ欄や余白に簡単な相関図として書き出す習慣をつけましょう。「光源氏→恋人」「葵の上→正妻」「六条御息所→元恋人」など、わずか数語でも書き出すだけで読解の精度が格段に上がります。
ステップ2:主語を「敬語」で特定する
源氏物語を読む上で最強の武器は、敬語の読解です。古文の敬語には「尊敬語(主語が高い身分)」「謙譲語(動作の対象が高い身分)」「丁寧語(聞き手への配慮)」の3種類があります。
源氏物語では「二重敬語(最高敬語)」が使われていれば、その動作の主語は帝・中宮など最高位の人物です。一方、謙譲語が使われていれば、動作の向かう先が高い身分の人物だとわかります。
具体例で確認:
「大臣、御前に参り給ひて、このことを啓し申し上げ給ふ」という文。
- 「参り給ひて」→「参る」は謙譲語。移動の向かう先(御前)が高貴な人物。「給ひ」は尊敬の補助動詞 → 主語は大臣
- 「啓し申し上げ」→「啓す・申し上げる」は謙譲語 → 申し上げる対象は帝または中宮クラス
このように敬語を分解することで、主語・対象・場の権力構造が自動的に見えてきます。源氏物語系問題で高得点を取る受験生は、必ずこの敬語分析を無意識のレベルまで習熟しています。
ステップ3:和歌の「掛詞・縁語」を必ず確認する
源氏物語系問題では、登場人物が和歌を詠むシーンが頻繁に登場します。和歌は単なる「美しい表現」ではなく、登場人物の心情・意図・皮肉・愛情などを凝縮したメッセージです。
入試でよく問われるのが「掛詞(かけことば)」と「縁語(えんご)」です。
掛詞とは:一つの言葉に二つの意味を持たせる技法。
例)「松」→「待つ」と「松(樹木)」の掛詞。恋の和歌で「松が浦に」と詠まれれば、「(あなたを)待つ」という意味が含まれています。
縁語とは:特定の言葉に関連する言葉を複数散りばめる技法。
例)「火」を中心に→「燃ゆ・煙・焦がる・灰」などが縁語として機能する。
実践ポイント:和歌が出てきたら、まず「この和歌は誰が誰に向けて詠んだか」を確認し、次に「表の意味(自然描写など)と裏の意味(心情)」を並べて考えましょう。この二層読みができると、和歌を使った心情説明問題で大きく差をつけられます。
ステップ4:心情説明問題の「3点セット」で答案を構成する
源氏物語系問題で最も配点が高いのは、記述式の心情説明問題です。ここで満点を取るために、日本国語塾TOPでは「心情説明の3点セット」を指導しています。
- きっかけ(何が原因か):登場人物がその感情を抱いた具体的な出来事・言葉・状況
- 感情の内容(どんな気持ちか):悲しみ・喜び・嫉妬・感謝・焦り・後悔など、感情の種類と強度
- 背景・関係性(なぜその感情なのか):登場人物の立場・関係・これまでの経緯
答案例(模擬):
問:このときの紫の上の気持ちを60字以内で説明せよ。
✗ 不合格答案:「光源氏が自分のことを気にかけてくれないことへの悲しみ。」
→ きっかけが曖昧、背景が欠如
✓ 満点答案:「光源氏が以前の約束を忘れて他の女性のもとへ通い続けるのを見て、正妻でありながら自分の立場の弱さを痛感し、愛されていないという深い悲しみと孤独感を抱いている。」
→ きっかけ・感情・背景の3点が盛り込まれている
ステップ5:選択肢問題は「消去法+根拠探し」の二段構え
選択肢問題では、多くの受験生が「なんとなく合っていそう」で選んでしまいます。しかし入試の選択肢は巧妙に作られており、「惜しい誤り」が混ざっています。
正しい解き方の手順:
- 明らかに間違いの選択肢を消す(消去法)
- 残った選択肢について、本文中に「根拠となる表現」を見つける
- 根拠が見つかった選択肢を正解とする
特に「感情の方向(誰に対してのどんな感情か)」「時制(過去の出来事か現在の感情か)」「断定か推量か」の3点が選択肢の誤りになりやすいポイントです。本文と照合するときは、この3点を特に意識して確認しましょう。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介より:「文化的背景の知識は、勉強ではなく教養として身につけよ」
私が受験生や保護者の方にいつもお伝えするのは、「源氏物語を入試対策として読もうとするな、物語として楽しもうとしろ」ということです。
源氏物語は世界最古の長編小説のひとつとも言われ、登場人物一人ひとりが驚くほど人間的に描かれています。光源氏の魅力と欠点、紫の上の健気さと悲しさ、六条御息所の怨念と知性。これらは千年前の物語でありながら、現代人の心にも強く響くものがあります。
平安時代の宮廷文化を「試験に出るから覚える知識」としてではなく、「こんな世界があったのか」という好奇心で学んでみてください。その姿勢の変化が、読解の深さに直結します。国語力は一生を豊かにする力です。受験のためだけに身につけるものではありません。
翔先生より:「主語把握は『声に出して確認』が最強の練習法」
私が生徒さんに勧めている練習法は、本文を音読しながら「(誰が)(誰に)(何をした)」を声に出して確認していく方法です。
例えば「御文奉り給ふ」と読んだら、すぐに「(誰が?)(帝に?)(文を差し上げた?)」と自問自答しながら読み進める。この習慣をつけると、黙読しているだけでは見落としていた主語の変化に気づきやすくなります。
また、問題を解いた後に「なぜその答えになるのか」を自分の言葉で説明できるか確認する習慣も重要です。答えが合っていても、根拠が言えなければ次の問題では使えません。答えの根拠を言語化する練習が、書く力・考える力を同時に鍛えます。これもまた、受験が終わっても使い続けられる本物の国語力につながる訓練です。
よくある失敗と解決策
失敗①:「なんとなく意味がわかった」で先に進んでしまう
症状:文章をひととおり読んで「だいたいわかった」と思い、設問に移る。しかし心情説明問題で答えが書けない。
解決策:「場面・人物・感情」の3つが言語化できるまで、本文確認に戻る。曖昧なまま設問に移ることを禁止する習慣をつけましょう。特に「誰が悲しいのか」「何が原因なのか」が言語化できていない状態で記述に向かうと、的外れな答案になります。
失敗②:和歌を「読み飛ばし」てしまう
症状:和歌が出てきたら「難しそう」と感じてスキップし、後の散文部分だけで問題を解こうとする。
解決策:和歌は必ず「表の意味(情景)」と「裏の意味(心情)」の両方を確認する。難しい場合は現代語訳の注釈を最大限活用しながら、「なぜこの場面でこの和歌が詠まれたのか」という文脈の問いを自分に投げかけましょう。和歌は問題の核心になることが多く、読み飛ばすと失点のリスクが一気に高まります。
失敗③:敬語の種類を「丸暗記」だけで処理しようとする
症状:「奉る=謙譲語」「給ふ=尊敬語」という暗記はできているが、実際の文章で「誰が誰に対してその敬語を使っているのか」が判断できない。
解決策:敬語は「誰から誰への方向性」で覚え直す。謙譲語なら「動作をする人が低く、受ける人が高い」、尊敬語なら「動作をする人が高い」という方向の意識を持ちながら文章に当てはめる練習を繰り返しましょう。源氏物語では登場人物の身分差が明確なため、この方向性の練習に最適なテキストです。
失敗④:記述答案に「感情の言葉」を入れ忘れる
症状:「〜という状況であるから」という説明で終わり、感情そのものを書いていない。
解決策:心情説明問題の答案には必ず「〜という(悲しみ/喜び/不安/焦り)を感じている」という感情の言葉を入れることを鉄則にしましょう。状況の説明だけでは心情説明にはなりません。採点者は「感情語の有無」を重要なチェックポイントとしています。
今日からできるアクション
源氏物語系問題の解き方を学んだところで、今日から実践できる具体的なアクションをまとめます。
- 過去問を1題解く:センター試験・共通テストの過去問、または模試の源氏物語系問題を1題選び、今日解説した5ステップを意識しながら解いてみましょう。「速く解く」より「丁寧に根拠を確認する」ことを優先してください。
- 敬語一覧表を作る:尊敬語・謙譲語・丁寧語の代表的な語彙を自分でまとめた一覧表を作成しましょう。市販の参考書のものを写すよりも、自分で書いて整理する過程が記憶の定着に直結します。
- 源氏物語の現代語訳を10ページ読む:与謝野晶子訳や瀬戸内寂聴訳など、読みやすい現代語訳で源氏物語の世界に触れましょう。「桐壺」「若紫」「夕顔」など、入試頻出の帖から読み始めると効率的です。宮廷文化や人間関係の背景知識が自然と身につきます。
- 解いた問題の答案を声に出して説明する:答え合わせをした後、「なぜこの答えになるのか」を声に出して自分に説明する習慣をつけましょう。説明できない部分が、あなたの「わかったつもり」ゾーンです。
- 日本国語塾TOPの授業を体験する:独学では限界を感じている方、もっと効率よく古文を伸ばしたい方は、ぜひ日本国語塾TOPの授業を体験してみてください。実際の入試問題を素材に、翔先生をはじめとする講師陣が丁寧に指導します。
まとめ・日本国語塾トップについて
今回は「古文入試問題の実戦演習①|源氏物語系問題の解き方と満点答案の作り方」をテーマに、以下のポイントを解説しました。
- 源氏物語系問題が難しい3つの本当の理由(主語省略・文化背景・心情問題)
- 5ステップの解法(リード文活用→敬語で主語特定→和歌の二層読み→心情3点セット→選択肢の二段構え)
- よくある4つの失敗と具体的な解決策
- 今日から実践できる5つのアクション
古文の力、そして国語の力は、一朝一夕には身につきません。しかし、正しい方向で積み重ねた読解力・思考力・表現力は、受験が終わった後も、社会に出てからも、人生のあらゆる場面であなたの財産になります。源氏物語を通じて、千年前の日本人の感性や文化に触れることは、それ自体が豊かな教養体験です。ぜひ、点数のためだけでなく、一生の国語力を育てるという視点で古文学習に向き合ってみてください。
次回の実戦演習②では、枕草子・徒然草などのエッセイ系問題の解き方を解説予定です。お楽しみに!
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古文入試問題の実戦演習①を深めるために
古文入試問題の実戦演習①は、国語力の土台として非常に重要な分野です。古文入試問題の実戦演習①について、日本国語塾では担任講師が一人ひとりの理解度に合わせて丁寧に指導しています。古文入試問題の実戦演習①に関する疑問や学習上の課題があれば、まずは無料体験授業でご相談ください。
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