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古文入試問題の実戦演習③|軍記物語・説話文学問題の攻略法

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

入試の古文問題において、軍記物語説話文学は非常に出題頻度の高いジャンルです。平家物語・太平記・今昔物語集・宇治拾遺物語……これらはどの入試でも繰り返し登場し、多くの受験生が「なんとなく読めるけれど、設問で点が取れない」と悩むジャンルでもあります。

今回の「古文入試問題の実戦演習③」では、軍記物語・説話文学それぞれの文章的特徴から、設問の攻略パターン、よくある失敗と解決策まで、徹底的に解説します。受験生はもちろん、「古文が苦手で入試に不安を感じている」という保護者の方にも、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

そして、日本国語塾TOPでは単に「試験問題を解くテクニック」を教えるだけではありません。国語力はテクニックではなく、一生涯にわたって人生を豊かにする力です。受験が終わった後にも役立つ本物の読む力・考える力を、この記事を通じて少しでも感じていただければと思います。

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核心情報|軍記物語・説話文学、それぞれの「文章の型」を知る

古文入試問題の攻略において最も大切なのは、「どのジャンルの文章か」を冒頭で正確に把握することです。なぜなら、ジャンルが分かればあらすじの方向性・主題・登場人物の関係性が予測できるからです。

軍記物語と説話文学は、それぞれ独自の「型」を持っています。この型を事前に知っておくだけで、初見の文章でも驚くほどスムーズに読み進められるようになります。

軍記物語の「型」とは

軍記物語とは、合戦・武将の活躍・政治的な権力争いを描いた物語群のことです。代表作は以下のとおりです。

  • 平家物語(鎌倉時代前期・作者不詳):平氏の栄枯盛衰を描く。「祇園精舎の鐘の声……」の冒頭が有名。
  • 太平記(南北朝時代・作者不詳):南北朝の争乱を描く長大な作品。
  • 保元物語・平治物語:平安末期の保元・平治の乱を描く。

軍記物語の文章には、共通した「型」があります。

①「名乗り」の場面:武士が戦場で「われこそは〇〇なり」と自らを名乗る場面は頻出です。この場面では、登場人物の出自・地位・武勇が一度に紹介されます。入試でも「名乗りの内容を踏まえて説明せよ」という設問が多く出ます。

②「無常観」の表現:軍記物語の底流には仏教的な無常観が流れています。「盛者必衰」「諸行無常」といった思想です。人物の死・敗北の場面では、この無常観を踏まえた心情描写が登場することを念頭に置いて読みましょう。

③「和漢混交文」:軍記物語は和文と漢文の要素が混じった「和漢混交文」で書かれています。漢語・四字熟語が多く登場し、文体がリズミカルで勢いがあります。対句表現も多いので、「対になっている言葉・文」を意識して読むと内容が掴みやすくなります。

説話文学の「型」とは

説話文学とは、民間伝承・仏教説話・世俗的な逸話を集めた文学です。代表作は次のとおりです。

  • 今昔物語集(平安時代末期・作者不詳):インド・中国・日本の説話を集めた大規模な説話集。「今は昔」で始まる冒頭が特徴。
  • 宇治拾遺物語(鎌倉時代初期・作者不詳):笑話・怪異譚・仏教説話など多彩な内容。ユーモラスな話も多い。
  • 古本説話集・発心集:仏教的教訓を中心とした説話集。

説話文学の「型」は次のとおりです。

①「起承転結」が明確:説話は短い文章の中に「発端→展開→クライマックス→結末(教訓)」という構造が凝縮されています。特に結末の一文には、その話全体の教訓・主題が端的にまとめられていることが多いです。

②「今は昔」などの冒頭定型句:説話文学には「今は昔」「今となっては昔のことであるが」のような定型的な書き出しがあります。これが登場したら即座に「説話文学だ」と判断しましょう。

③仏教的価値観・勧善懲悪の視点:特に仏教説話では、「功徳を積めば報われる」「悪行には必ず報いがある」という価値観が根底にあります。登場人物の行動の「善悪」に注目しながら読むと、話の展開が予測しやすくなります。


具体的な方法|軍記物語・説話文学の問題を解く5ステップ

ステップ1:リード文・注を最大限に活用する

入試問題には、本文の前に「リード文(導入文)」が設けられていることがほとんどです。「〇〇の場面で、武将Aが武将Bと対峙したときの話である」といった情報が書かれています。ここを読み飛ばす受験生が非常に多いですが、リード文には文章全体を理解するためのヒントが凝縮されています

同様に、本文中の「注釈(注)」も必ず確認しましょう。難読語・人名・地名の説明が注に載っており、これを活用するだけで読解の精度が大幅に上がります。翔先生もいつも言っています。「注は出題者からのプレゼントだよ」と。

ステップ2:登場人物を整理する

軍記物語では複数の武将が登場し、説話文学でも複数の人物が絡み合います。読み始めたら、余白に「人物メモ」を書く習慣をつけましょう。

例えば、平家物語の「敦盛の最期」なら:

  • 熊谷次郎直実…源氏側の武将。敦盛を討とうとする。
  • 平敦盛…平氏側の若武者。熊谷に組み伏せられる。

このように関係を整理するだけで、「誰が何をしたのか」「誰の心情を問われているのか」が明確になります。

ステップ3:動詞・助動詞に集中して文脈を追う

古文の読解において、動詞と助動詞は文の骨格です。特に以下の点に注意しましょう。

  • 敬語の種類(尊敬・謙譲・丁寧)…誰が誰に対して行動しているかを判断する根拠になります。
  • 過去の助動詞「き」「けり」の使い分け…「き」は直接経験した過去、「けり」は伝聞・詠嘆的な過去。軍記物語では「けり」が多く使われます。
  • 推量の助動詞「べし」「らむ」「めり」…登場人物の意志・推量・状況を正確に読み取るために重要です。

ステップ4:主題・教訓を先読みする

説話文学の問題では、「この話の教訓を説明せよ」「筆者が最も伝えたいことは何か」という設問が頻出です。

説話を読む際は、「この話の主人公は最終的に何を得たか(または何を失ったか)」「その結果から何を教えようとしているか」を常に意識しましょう。特に最後の一文・二文に教訓が明示されることが多いため、結末から逆算して読むと理解が速まります。

例えば、宇治拾遺物語の「鼻の長い僧」の話(芥川龍之介の「鼻」の原典)では、「人の不幸を面白がる心」への皮肉が結末に凝縮されています。このような「人間の心理・社会の在り方への洞察」が説話文学の核心です。

ステップ5:選択肢の「言い過ぎ」「言い足りない」を見抜く

選択式問題では、紛らわしい選択肢が2つ残ることが多いです。最終的な判断基準は「本文に書いてあるかどうか」です。

  • 「言い過ぎ」の選択肢:本文には「悲しんだ」とあるのに、選択肢には「絶望して生きる気力を失った」と書いてある→言い過ぎ。
  • 「言い足りない」の選択肢:本文には「喜びつつも恥じ入った」とあるのに、選択肢には「喜んだ」とだけある→言い足りない。

軍記物語・説話文学の問題を解く際、この「言い過ぎ・言い足りない」の視点は非常に有効です。本文との一致度を丁寧に照合する習慣をつけてください。


藤原&翔先生の実践アドバイス

藤原進之介より

軍記物語で受験生が最も苦労するのは、「登場人物が多く、誰の行動・心情なのかが分からなくなる」という点です。特に合戦場面では、次々と人物が登場し、代名詞(「その人」「かれ」など)が誰を指しているか混乱しがちです。

私がおすすめするのは、「主語の変わり目」に特に注意する読み方です。古文では主語が省略されることが多いですが、「て・して・ば・に」などの接続助詞の後で主語が変わることが多いというルールがあります。このルールを意識するだけで、読解ミスがぐっと減ります。

また、日本国語塾TOPで繰り返し伝えていることですが、国語力はテクニックだけでは育ちません。軍記物語を読みながら「なぜ武士たちは命を賭けてまで名誉を求めたのか」「無常観とは人間にとってどういう意味を持つのか」といった問いを持ち続けること——そういう深い読みの姿勢が、受験が終わった後の人生でも生き続ける本物の国語力につながります。

翔先生より

説話文学で僕がよく言うのは、「説話は短い小説だと思って読め」ということです。短編小説と同じで、必ず「引っかかりのある場面」があります。登場人物が突然変な行動をしたり、予想外の結末が来たりする。そこが「出題者が問いたいポイント」です。

例えば今昔物語集の問題では、「なぜ登場人物はそのような行動をとったのか」という心理・動機を問う設問が非常に多いです。説話の登場人物は現代人と異なる価値観(仏教的善悪観、武士の名誉観など)で動いています。「現代の感覚」で判断せず、当時の文化的背景から人物の行動を読むことが正解への近道です。

そして何より、説話文学は読んでいて面白い! 受験のためだけでなく、ぜひ「物語として楽しむ」気持ちで読んでほしいです。その楽しむ力こそが、読む力・書く力・考える力を本当に高めてくれます。


よくある失敗と解決策

失敗①「訳は分かるのに設問に答えられない」

原因:単語・文法を訳すことに集中しすぎて、「この文章全体で何が言いたいのか」という俯瞰的な視点が抜けている。

解決策:各段落を読み終えるたびに「この段落は何を言っているか」を一言でまとめる練習をしましょう。全段落のまとめが繋がれば、自然と主題が見えてきます。これは受験後も「論理的に文章を読む力」として一生役立つスキルです。

失敗②「軍記物語の戦闘場面で流れを見失う」

原因:合戦場面は動作の主語が次々と変わり、かつ和漢混交文の硬い文体でスピード感があるため、読み解く間もなく先に進んでしまう。

解決策:「だれが・だれに・何をした」という三点を意識して、一文ずつ確認しながら読む。また、合戦場面は「攻撃→防御→逆転→決着」という流れが多いので、この構造を先に頭に入れておくと迷いにくくなります。

失敗③「説話の教訓を現代的に解釈しすぎる」

原因:「この話から学べること」を現代的な価値観で考えてしまい、本文の文脈からずれた解答を書いてしまう。

解決策:教訓の解釈は必ず「本文の言葉・表現」に根拠を求めること。本文に「かくのごとく、慈悲の心こそ大切なれ」と書いてあれば、それが答えの核心です。自分の解釈を付け加えすぎないように注意しましょう。

失敗④「時間配分に失敗して最後の設問が空白になる」

原因:序盤の設問に時間をかけすぎて、記述問題が残り時間で解けなくなる。

解決策:選択問題は1問につき最大2分、記述問題は配点・字数から時間を逆算して割り振る。本文読解に最初の5〜7分を使い、全体像を掴んでから設問に入るのが理想的な流れです。


今日からできるアクション

理論だけ知っていても、実際に問題を解かなければ力はつきません。今日からすぐに実行できるアクションを3つ提示します。

アクション1:軍記物語・説話文学を1日1段落読む

平家物語の「木曾の最期」「敦盛の最期」、宇治拾遺物語の「児のそら寝」「絵仏師良秀」など、有名な段は入試に繰り返し登場します。教科書や参考書に掲載されている有名段を1日1段落ずつ音読する習慣をつけましょう。音読は古文のリズム感覚を鍛える最高の訓練です。

アクション2:過去問を「ジャンル別」に分類して解く

志望校の過去問を5年分集め、古文問題を「軍記物語」「説話文学」「日記文学」「物語」などのジャンルに分類してみましょう。ジャンルごとの出題傾向・頻出設問パターンが見えてきます。弱いジャンルが分かれば、そこに集中的に取り組めます。

アクション3:「教訓まとめノート」を作る

説話文学を読んだら、毎回「この話の教訓を一文で書く」ノートを作りましょう。記述問題の解答力が上がるだけでなく、「書く力・考える力」が日々鍛えられます。これはまさに、受験が終わっても使い続けられる本物の国語力を育てるトレーニングです。

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まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は「古文入試問題の実戦演習③|軍記物語・説話文学問題の攻略法」として、以下の内容をお届けしました。

  • 軍記物語の「型」(名乗り・無常観・和漢混交文)を事前に把握する
  • 説話文学の「型」(起承転結・定型冒頭句・仏教的価値観)を理解する
  • リード文・注の活用、人物整理、助動詞の精読、教訓の先読み、選択肢の吟味という5ステップで解く
  • よくある失敗(訳はできるが設問に答えられない・現代的解釈のしすぎ)と具体的な解決策
  • 今日からできる音読・過去問ジャンル分類・教訓ノートの3アクション

入試における古文の学習は、単なる「試験のためのテクニック習得」ではありません。平家物語を読んで武士の生き様を想像する力、説話文学に込められた人間観・世界観を読み取る力——それは読む力・書く力・考える力を磨き、受験が終わった後の人生においても、ずっとあなたを豊かにしてくれる財産です。

日本国語塾TOPは、そういう本物の国語力を育てることを使命としています。


日本国語塾トップは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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