数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「書き出しは頑張れるけど、結論でいつも失速してしまう……」
「まとめ方がいつも同じで、どこか平凡な感じがする……」
小論文の指導をしていると、こういった悩みを持つ受験生が本当に多いです。序論・本論はしっかり書けているのに、結論で一気に「普通の答案」に成り下がってしまう。これは非常にもったいない!
今回は、大学入試小論文で採点者を唸らせる結論の作り方を、具体例を交えながら徹底解説します。受験本番まで時間がない方も、今日からすぐ実践できる内容ですので、ぜひ最後まで読んでください。
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はじめに|なぜ小論文の「結論」がこんなに大切なのか
小論文の採点において、結論部分が持つ重みは絶大です。採点者は何十本・何百本もの答案を読み続けます。そのなかで「この受験生は違う」と感じさせるのが、まさに結論の質なのです。
心理学に「ピーク・エンドの法則」という概念があります。人は体験の「最も印象的な瞬間(ピーク)」と「終わり(エンド)」で全体を評価するという法則です。小論文の採点もこれと同じ。どれほど本論が充実していても、結論が陳腐であれば、採点者の記憶には「平凡な答案」として残ってしまいます。
逆に言えば、結論を磨くだけで答案全体の印象は劇的に変わります。これは藤原が長年の指導経験で確信していることです。
翔先生からも一言もらいましょう。
翔先生:「僕が添削していて感じるのは、結論を『おまけ』だと思っている受験生がとても多いということです。本論でエネルギーを使い切って、結論はまとめるだけ、という感覚ですね。でも本当は、結論こそが『あなたの知性と思考の深さ』を最終的に証明する場所なんです。」
核心情報|「平凡な結論」と「採点者を唸らせる結論」の違い
まず、よくある平凡な結論のパターンを確認しましょう。
❌ 平凡な結論の典型パターン
- 「以上の理由から、私は〇〇が重要だと考える」(序論の繰り返し)
- 「このように、〇〇には賛成である。今後も社会全体で取り組んでいくことが大切だ」(抽象的な精神論で終わる)
- 「私はこれからも〇〇について考え続けたいと思う」(個人の感想で終わる)
- 「さまざまな立場から議論することが必要である」(誰でも書ける締め)
これらは「書いた」という事実にはなりますが、採点者の印象には残りません。むしろ「この受験生は結論の書き方を知らないな」と思わせてしまうリスクがあります。
✅ 採点者を唸らせる結論の特徴
では、優れた結論にはどのような特徴があるでしょうか。日本国語塾TOPでは、以下の3つの要素を重視しています。
- 「論理の着地」が明確である:本論で展開した議論が、結論でスッキリと収束している
- 「視野の広がり」が感じられる:問題を個人レベルから社会・未来・普遍的な次元へと開いている
- 「書き手の知性」が滲み出ている:紋切り型でなく、その受験生固有の視点・言葉が光っている
この3つを兼ね備えた結論は、採点者にとって「ああ、この受験生は本当に考えている」という確信を与えます。それが高得点につながるのです。
具体的な方法|採点者を唸らせる結論の作り方5ステップ
ステップ①「問いに正面から答える一文」を置く
結論の冒頭は、設問の問いに対して正面から・明確に・一文で答えることから始めます。これは当たり前のようで、意外とできていない受験生が多い。
【例題】「AIの普及は人間の仕事を奪うか」
❌ 平凡:「以上のことから、AIと人間の関係について深く考えることが大切だと思う。」
✅ 優れた例:「AIは確かに特定の仕事を代替するが、それは人間が『より人間らしい仕事』へ移行する契機である。重要なのは、この変化を恐れるのではなく、能動的に設計することだ。」
後者は、問いへの答えが明確でありながら、「能動的に設計する」という独自の視点が加わっています。採点者は「なるほど」と頷きながら読むはずです。
ステップ②「本論の核心を1〜2行で圧縮する」
結論で本論の内容を長々と繰り返すのはNGです。採点者は本論を読んでいます。必要なのは「繰り返し」ではなく「圧縮」です。
本論で展開した2〜3つの論点を、最も本質的なメッセージ1つに凝縮してください。この「凝縮する力」こそが、書き手の思考力の証明になります。
圧縮の練習法:本論を書き終えたあと、「結局、私が一番言いたいことは何か?」と自問し、30字以内で答えてみてください。その答えが結論の核心文になります。
ステップ③「未来・社会・普遍」へ視野を広げる
採点者を唸らせる結論の最大の秘訣は、「個人の意見」を「社会・時代・人類の問題」へとスケールアップすることです。
以下の3つの方向性で視野を広げることができます。
【時間軸:未来へ開く】
「この問題は今後〇〇という社会変化の中で、さらに重要性を増すだろう。なぜなら〜」
【空間軸:社会・世界へ開く】
「個人の問題として語られがちな〇〇は、実は〜という社会構造の問題と直結している。」
【抽象軸:普遍的な問いへ開く】
「この問題の根底には、〇〇と〇〇という二つの価値の緊張関係がある。人間社会が常に直面してきたこの緊張をいかに解消するかが、問われているのだ。」
たとえば「SNSの匿名性の是非」というテーマであれば、「匿名だからこそ発言できる声がある一方、匿名だからこそ生まれる暴力がある。この二律背反は、自由と責任という民主主義の根本問題と重なっている。」という形で普遍へと開くことができます。
ステップ④「具体的なアクション・提言」を入れる
優れた小論文の結論は、抽象論で終わりません。「では具体的にどうすべきか」という提言・アクションを1つ入れると、答案の実践性・具体性が一段階上がります。
注意点:ここでの提言は「社会全体が取り組むべき」という漠然としたものではなく、誰が・何を・どのようにという形で具体性を持たせることが重要です。
❌ 漠然:「社会全体でAIリテラシーを高めていく必要がある。」
✅ 具体的:「義務教育段階からAIの仕組みと限界を体験的に学ぶカリキュラムを導入し、若い世代が技術の主体者として育つ環境を整えることが急務だ。」
「誰が(学校教育の中で)」「何を(AIの仕組みと限界を体験的に)」「どのように(カリキュラムを導入して)」が明確になっています。
ステップ⑤「結びの一文」で知性を刻む
これが最も差がつくポイントです。結論の最後の一文を、「問いを問い直す一文」「逆説を含む一文」「象徴的なキーワードで締める一文」のいずれかで終わらせてみてください。
【問いを問い直す】
「AIが人間の仕事を奪うかどうか、という問いよりも、私たちはどんな仕事をしたいのか、という問いこそが今問われている。」
【逆説を含む】
「技術が進化するほど、人間らしさの定義を深く問い直す必要が生まれる。AIの時代は、皮肉にも最も人文的な時代なのかもしれない。」
【象徴的なキーワードで締める】
「変化を恐れる必要はない。必要なのは、変化を人間の手に取り戻す意志だ。」
これらの結びの一文は、読んだ採点者の頭の中に残ります。「この受験生の答案、印象に残っているな」と思わせることが、高得点の答案の条件です。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介からのアドバイス:「結論は逆算して書く」
私が受験生に最も強く伝えているのは、「結論から逆算して小論文を書け」ということです。
多くの受験生は序論→本論→結論という順番で考えながら書きます。しかし、これだと結論に辿り着いたときに「書くべきことを書き切ってしまった感」が出て、結論が空洞になりやすい。
プロの書き手は違います。「最後にどんな結論で締めたいか」を先に決めてから、そこへ向かう論理の道筋(本論)を設計するのです。
具体的な手順は次の通りです。
- テーマを見たら、まず「私はこの問いに対して最終的に何を言いたいか」を30字で書く
- その結論文を、どんな論点を積み上げれば論証できるかを箇条書きにする
- その箇条書きを本論として展開する
- 結論では、最初に書いた「30字の結論文」をベースに、ステップ③〜⑤で磨き上げる
これは小論文に限らず、レポートや企画書など、一生を通じて使える「書く力の設計思想」です。受験が終わってからも、必ずこの思考法があなたの武器になります。
翔先生からのアドバイス:「採点者の『感情』を意識せよ」
翔先生:「小論文を採点するのは人間です。採点基準はありますが、最終的にA評価とB評価の間を分けるのは、採点者の『おっ、この受験生は面白い視点を持っているな』という感情的な反応であることも多い。
だから僕が受験生に教えるのは、『採点者が思わず次の一文を読みたくなる結論を書け』ということ。そのために有効なのが、結論の冒頭に『しかし』『だからこそ』『問題はここにある』という転換・強調のフレーズを使うことです。
たとえば『しかし、問題の本質はそこではない』と書けば、採点者は『え、じゃあどこに?』と続きを読みたくなる。この『読みたくなる仕掛け』を結論の冒頭に置くだけで、印象はガラッと変わります。」
よくある失敗と解決策
失敗①「結論が本論の繰り返しになっている」
原因:書いた内容をもう一度まとめることが「結論」だと思っている。
解決策:結論では「本論で言ったこと」ではなく「本論を踏まえて、最終的に言えること」を書く。本論で「A・B・Cの理由がある」と書いたなら、結論では「A・B・Cが示すのは、結局〇〇という本質である」と一段高い次元で言い直す。
失敗②「字数が余っているから結論を引き延ばしてしまう」
原因:字数調整を結論でやろうとしている。
解決策:結論は全体の字数の15〜20%が目安。800字の小論文なら120〜160字程度。字数が余っているなら、本論の論証を厚くするか、具体例を増やすことで調整する。結論を引き延ばすと、読後感が重くなり、印象が悪化する。
失敗③「結論で新しい論点を出してしまう」
原因:書いているうちに「あ、これも言いたい」という欲が出てしまう。
解決策:結論で新しい論点を出すのは原則NGです。「〜については今後の課題である」という形で軽く触れる程度にとどめ、あくまでも本論で展開した議論の着地に集中する。新しい論点は本論の構成を見直して組み込む。
失敗④「結論が感情的・主観的になりすぎている」
原因:「思う」「感じる」「信じる」という語尾が多用されている。
解決策:小論文の結論は「私の感情」ではなく「論理の帰結」として書く。「〇〇である」「〇〇と言えよう」「〇〇が求められる」という断定・提言の語尾を使い、論理的な確信として表現する。ただし、最後の結びの一文だけは「私は〜と考える」という形で書き手の主体性を出してもよい。
失敗⑤「採点者を意識しすぎて「優等生的な結論」になる」
原因:減点されないことを優先して、当たり障りのない結論になってしまう。
解決策:採点者が「唸る」のは、安全な答案ではなく、知性と誠実さが感じられる答案です。「両者の立場を理解しつつも、私はこう考える」という明確な立場を持ち、それを論理で支える勇気を持ちましょう。受験小論文は「正解を当てるゲーム」ではなく、「思考の質を証明する場」です。
今日からできるアクション
理論を学んだあとは、実践あるのみです。以下の3つを今日から始めてください。
アクション①「結論リライト練習」
過去に書いた小論文の結論を引っ張り出し、今回学んだ5ステップでリライトしてみましょう。元の結論と比較することで、自分の弱点が明確になります。毎日1本リライトするだけで、2週間で結論の質は劇的に変わります。
アクション②「30字結論文トレーニング」
新聞のオピニオン記事や社説を読んだあと、「この筆者が言いたいことを30字で表すとしたら?」と考える練習をしましょう。これが「圧縮する力」の訓練になります。この力は、大学入試が終わったあとも、社会に出てからも必ず活きる本物の国語力です。
アクション③「採点者になって読む練習」
友人や塾の仲間が書いた小論文の結論を、「採点者の目線」で読んでみましょう。「この結論を読んで、何が残るか?」「この受験生の知性を感じるか?」と自問することで、良い結論の感覚が養われます。人の答案を批評する力は、自分の答案を改善する力に直結します。
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まとめ・日本国語塾トップについて
今回は、大学入試小論文で採点者を唸らせる結論の作り方を5つのステップで解説しました。最後に要点を整理しておきましょう。
- ✅ 結論は「おまけ」ではなく、採点者の最終印象を決める最重要パートである
- ✅ 「問いへの明確な答え」+「本論の圧縮」+「視野の広がり」+「具体的提言」+「知性が滲む結びの一文」の5要素が揃えば、採点者は唸る
- ✅ 結論から逆算して書く習慣が、論理構成を強化する
- ✅ 「採点者に読まれる」意識を持ちながら、自分固有の視点と言葉で書くことが大切
- ✅ 今回学んだ力は、受験が終わった後も一生使い続けられる本物の国語力である
小論文の結論を磨くことは、単なる受験テクニックではありません。「自分の考えを論理的にまとめ、他者に伝える力」——これは、大学生になっても、社会に出ても、あなたの人生のあらゆる場面で活躍します。日本国語塾TOPが大切にしているのは、受験が終わっても一生涯使い続けられる、本物の読む力・書く力・考える力を育てることです。
ぜひ今日から実践してみてください。翔先生も、藤原も、あなたの答案が「採点者を唸らせる一本」になる日を楽しみにしています。
日本国語塾トップは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
国語力はテクニックではなく、一生を豊かにする力。受験対策から社会人まで、本物の国語力を育てます。
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