はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「高1のときはなんとかついていけたのに、高2になってから古文が急に難しくなった気がする……」
このようなご相談を、保護者の方・受験生本人から非常によくいただきます。実はこれ、特定の生徒さんだけの問題ではありません。高2の秋〜冬にかけて古文の難易度が体感的に跳ね上がる、というのは多くの受験生が経験するリアルな現象です。
翔先生からも一言いただきましょう。
「生徒さんから『急に難しくなった』という声は毎年必ず聞きます。でも安心してください。その『難しさ』には必ずパターンがあって、原因さえ分かれば対処法は明確です。一緒に整理していきましょう!」(翔先生)
この記事では、古文が急に難しく感じる理由を根本から解説し、今日から実践できる具体的な対処法をお伝えします。高2生はもちろん、高3になって古文でつまずいている受験生・保護者の方にも必ず役立つ内容です。ぜひ最後まで読んでください。
核心情報:「急に難しくなった」のは錯覚ではない。でも理由は明確だ。
まず大前提として、古文の難しさが高2で急増するのには構造的な理由があります。感覚的な話ではありません。
高1の古文は、多くの学校で「古文入門」として扱われます。助動詞の基本(る・らる・す・さす)、単語帳の最初の50語、品詞の見分け方……これらは比較的シンプルで、丁寧に暗記すれば点が取れる段階です。
ところが高2になると、次の3つの「壁」が一気に押し寄せます。
- 敬語体系の複雑化(尊敬・謙譲・丁寧の区別+二重敬語)
- 文章ジャンルの多様化(説話・日記・物語・軍記・随筆……それぞれに独自の文体)
- 文脈読解の要求レベルが上がる(単語・文法だけでは読めない「場面把握力」が必要になる)
この3つが重なるため、「急に難しくなった」という感覚が生まれます。つまり、古文の難しさは突然やってくるのではなく、積み上げが足りていたところに複合的な要求が加わることで表面化するのです。
これを理解したうえで、具体的な対処法を見ていきましょう。
具体的な方法・解説
① 助動詞の「意味の識別」を完成させる
古文が難しく感じる最大の原因の一つが、助動詞の意味識別が曖昧なまま先に進んでしまっていることです。
たとえば「む」という助動詞。これ一語で「推量・意志・適当・勧誘・婉曲・仮定」の6つの意味を持ちます。高1段階では「推量か意志か」程度の区別で乗り越えられますが、高2以降の入試レベルの文章では、「婉曲のむ」を「意志のむ」と誤読すると文脈がまったく逆になることがあります。
具体的な対処法:
- 助動詞の接続・活用・意味を一覧表で再確認する(市販の文法書1冊で十分)
- 「なり」「らむ」「べし」など多義語的な助動詞を優先的に識別練習する
- 問題演習では「なぜその意味になるのか」を接続と文脈から言語化する習慣をつける
翔先生のアドバイス:「助動詞の意味を当てずっぽうで選んでいる生徒さんは非常に多いです。『なんとなくこの意味っぽい』から卒業して、接続から論理的に絞り込む練習をしてください。これだけで得点が10点以上変わることもあります。」
② 古文単語は「文脈での意味変化」まで覚える
単語帳を1冊終わらせたのに文章が読めない、という悩みもよく聞きます。その理由は、単語を「見出し語+訳語1つ」だけで覚えているからです。
古文単語の多くは、文脈によって意味が大きく変わります。代表例を挙げましょう。
- 「あはれ」:しみじみとした感動(ポジティブにもネガティブにも使われる)
- 「をかし」:趣がある・おもしろい(軽やかな知的感動)
- 「いとほし」:かわいそうだ・いとしい(文脈によって真逆に見える)
- 「やさし」:優雅だ・優しい(現代語と微妙にずれる)
「あはれ」と「をかし」の区別は、源氏物語と枕草子の文体の違いとも直結しており、高2以降の読解問題で頻出です。単語を暗記する際は、「どんな場面で使われるか」「作品の雰囲気と合っているか」まで意識して覚えることが重要です。
実践方法:単語帳の例文を必ず読む。例文の中で単語がどう機能しているかを確認し、「この文脈ではこの意味」という形でインプットする。単語カードを作る際も、表に単語、裏に「主な意味+使われやすい場面・作品」を書くと効果的です。
③ 敬語は「誰から誰への敬意か」を図式化して理解する
高2古文の最難関の一つが敬語の読解です。特に物語文(源氏物語・大鏡など)では、登場人物の身分関係が敬語で示されるため、敬語が読めないと「誰が何をしたか」すら分からなくなります。
敬語の基本を整理しましょう。
- 尊敬語:動作の主体(する人)を高める → 主語が高貴な人物
- 謙譲語:動作の客体(される人)を高める → 目的語・補語が高貴な人物
- 丁寧語:話し手が聞き手に対して丁寧に話す → 誰が聞いているかの情報
さらに高2以降で重要になるのが二重敬語(最高敬語)です。「せ給ふ」「させ給ふ」のように尊敬の助動詞+尊敬の補助動詞が重なる形は、天皇・上皇など最高位の人物の行動に使われます。これを見たら「あ、主語は最高位の人物だ」と即座に判断できるようになると、文章の人物関係が一気にクリアになります。
図式化の実践:文章を読む際、登場人物を紙の上に書き出し、矢印で「誰が誰に敬語を使っているか」を図示する習慣をつけましょう。最初は時間がかかりますが、慣れれば頭の中で自動的に処理できるようになります。
④ ジャンル別の「読み方のルール」を把握する
古文が難しく感じるもう一つの理由は、ジャンルによって文体・テーマ・登場人物の動き方が全く異なるにもかかわらず、同じ読み方をしようとしてしまうことです。
主要ジャンルの特徴を押さえましょう。
- 物語(源氏・竹取・伊勢など):貴族の恋愛・宮廷生活が中心。敬語が複雑。登場人物の感情の機微を読む。
- 日記(土佐・蜻蛉・更級など):作者の主観・心情が前面に出る。「私はこう感じた」という感情表現を追う。
- 随筆(枕草子・方丈記・徒然草):作者の観察・思想が語られる。論理展開を追う。
- 説話(今昔物語・宇治拾遺物語など):教訓・仏教的メッセージがある。短い話でオチが重要。
- 軍記(平家物語・太平記など):武士の活躍・無常観がテーマ。七五調のリズムに注意。
翔先生:「特に説話と物語を同じ感覚で読もうとして混乱する生徒さんが多いです。説話は『で、結局何が言いたいの?』という視点で読むと格段に読みやすくなりますよ。」
⑤ 「音読」で古文の語感を体に入れる
最後にお伝えしたいのが、意外と軽視されがちな音読の重要性です。
古文は本来、声に出して読まれるものでした。文章のリズム・テンポを体で感じることで、助動詞の接続や係り結びの形が自然に「引っかかる」ようになります。
具体的には、学校の教科書に載っている古文を毎日5〜10分、声に出して読むだけで構いません。意味を完全に理解していなくても大丈夫です。「この文は長い」「ここで文が終わっているな」という感覚が育ちます。これは黙読では絶対に身につかない力です。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介より:
高2でつまずく生徒さんに共通しているのは、「高1の貯金で乗り越えようとしている」という状態です。高1の基礎が薄いまま高2の内容に突入すると、体感難易度が爆発的に上がります。でも、逆に言えば今この瞬間に基礎を固め直せば、高3の受験本番で圧倒的に有利になれるということでもあります。高2の今だからこそ、焦らず基礎の再構築に取り組んでください。
翔先生より:
私が塾で実際にやっている方法をお伝えします。それは「1文精読トレーニング」です。長文を最初から最後まで読もうとするのではなく、まず1文だけを完全に品詞分解・構文把握します。「この動詞の活用形は?」「この助動詞の意味は?」「主語は誰?」を1文単位で確認する練習を毎日10〜15分続けるだけで、2〜3ヶ月後には読解スピードが別次元になります。焦って長文を解くより、確実に力がつきます。
よくある失敗と解決策
失敗①:「単語と文法を完璧にしてから読解をやる」と思って、読解をずっと後回しにする
→ 解決策:単語100語・助動詞基本10個を覚えた段階から、易しい説話(宇治拾遺物語など)の短文で読解練習を並行スタートする。完璧を待たない。
失敗②:答え合わせをして丸・バツだけ確認して終わり
→ 解決策:不正解の問題は「なぜ自分はその答えを選んだか」「正解の根拠はどこにあるか」を必ず言語化する。解説を写すだけでは力がつかない。
失敗③:問題集を何冊も並行してやる
→ 解決策:1冊を完璧にする。古文の問題集は1冊を3回繰り返す方が、3冊を1回ずつやるより圧倒的に実力がつく。
失敗④:学校の授業と受験勉強を切り離して考える
→ 解決策:学校で扱う古文作品は入試頻出作品であることが多い。授業の品詞分解・現代語訳ノートを丁寧に取り、それ自体を受験教材として活用する。
今日からできるアクション
「分かった、でも何から手をつければいい?」という方のために、今日から3日間のスターターメニューを提示します。
Day 1(今日):手持ちの文法書または教科書の助動詞一覧表を開き、「接続・活用・意味」を1時間で見直す。特に「む・べし・なり・まし」の意味識別を重点的に。
Day 2(明日):単語帳を開き、最初の50語を「意味+使われる場面」込みで再確認。1語あたり30秒。その後、教科書の古文1段落を声に出して3回音読する。
Day 3(明後日):短めの説話(宇治拾遺物語の有名な話など)を1本選び、1文ずつ品詞分解してみる。完璧でなくていい。「分からなかった箇所」をリストアップするだけでも十分。
この3日間を終えたら、自分がどこに穴があるかが具体的に見えてくるはずです。あとはその穴を一つずつ埋めていくだけです。
まとめ・日本国語塾トップについて
今回は「高2で古文が急に難しくなった」という悩みについて、原因の整理から具体的な対処法までをお伝えしました。
まとめると、古文の難しさが急増する理由は「助動詞識別・敬語体系・ジャンル多様化」の3つが一気に要求されるからです。対処法は明確で、①助動詞の意味識別を完成させる、②単語を文脈込みで覚える、③敬語を図式化して理解する、④ジャンル別の読み方を習得する、⑤音読で語感を養う、の5つを着実に積み重ねることです。
「急に難しくなった」と感じているあなたは、今が踏ん張り時です。ここで踏み止まって基礎を固めた人が、高3の受験本番で古文を得点源にできます。焦らず、一歩一歩進んでいきましょう。
日本国語塾トップは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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