はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「記述問題、全部書いたのに点数が全然もらえなかった…」「白紙にするよりはマシだと思って書いたけど、0点だった…」
こんな悩みを抱えている受験生は非常に多いです。特に現代文の記述問題は、「なんとなく書けた気がする」のに点数が低い、あるいは「何を書けばいいか全くわからない」という二極化した悩みが出やすい問題形式です。
今回は、記述問題で「部分点」を確実に取るコツについて、具体例を交えながら徹底解説します。この記事を読めば、「記述問題で1点でも多く積み上げるための思考法と技術」が手に入ります。受験本番でも迷わず使えるメソッドをお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでください。
核心情報:「部分点」とはそもそも何か?採点者の視点を知る
部分点を取るコツを語る前に、まず「部分点がどのような仕組みで与えられるか」を正確に理解することが重要です。ここを理解しているかどうかで、記述の戦略はまるで変わります。
採点の仕組み:「採点基準表」が存在する
大学入試・高校入試を問わず、記述問題には必ず「採点基準表(採点ルーブリック)」が存在します。採点者はこの基準表をもとに、答案に「採点要素(加点ポイント)」がいくつ含まれているかを確認し、点数を付けています。
たとえば10点満点の記述問題であれば、採点要素が5つ設定されており、1つ満たすごとに2点が加算される、というような構造になっていることが多いです。
つまり、部分点を取るとは「採点要素をひとつでも多く答案に盛り込むこと」に他なりません。「なんとなく良いことを書く」のではなく、「採点者が○をつけるポイントを意図的に盛り込む」という発想の転換が必要です。
採点要素はどこから来るのか?
採点要素は基本的に「問題文(本文)の中」にあります。現代文の記述問題において、採点者が求めているのは「受験生自身の意見」ではなく、「本文の内容を正確に把握し、それを自分の言葉で再構成できているか」です。
この視点を持つだけで、「自分の感想を書いてしまっていた」「本文を読まずに一般論を書いていた」という典型的なミスを防ぐことができます。
具体的な方法:部分点を確実に取る5つのコツ
①「問い」を正確に分解する
記述問題で最初にすべきことは、設問文を丁寧に読んで「問われていること」を分解することです。
たとえば次のような設問があったとします。
「筆者が『現代の孤独』を問題視する理由と、その解決策として提案していることを、本文の内容に即して120字以内で説明せよ。」
この設問には実は2つの要素が含まれています。
- ① 「現代の孤独」を問題視する理由
- ② 解決策として筆者が提案していること
この2点を両方書かなければ、たとえどちらか片方が完璧でも満点にはなりません。しかし「①だけを丁寧に書いた」答案でも、①に関する採点要素は取得できます。これが部分点です。
実践法:設問文を読んだら、問われていることに番号をつけるクセをつけましょう。「①○○について、②○○を」という形で整理することで、書き漏れを防ぎ、確実に部分点が取れる構造を意識できます。
②「採点要素候補」を本文からピックアップする
設問を分解したら、次は本文に戻って「採点要素になりそうな情報」を探します。具体的には以下の箇所に注目してください。
- 筆者の主張が明確に書かれている文(主題文・結論文)
- 「〜だからこそ」「〜によって」「〜の結果」など因果関係を示す表現
- 対比構造(A≠B、AではなくB)で強調されている部分
- 繰り返し登場するキーワード
たとえば本文中に「人間は他者との対話を通じてのみ、自己を確立できる」という文があり、設問で「孤独が問題視される理由」を問われていれば、「他者との対話がなければ自己が確立できないから」という内容が採点要素のひとつになると予測できます。
このように、「本文の言葉=採点者が求めている素材」と考えて積極的に引用・言い換えをしていくことが、部分点獲得の鉄則です。
③「型(フォーマット)」に当てはめて書く
記述問題には、答案を構成する基本的な型があります。この型を覚えておくだけで、何を書けばいいか迷う時間が大幅に短縮され、部分点を取りやすい答案が書けるようになります。
【理由説明型の基本フォーマット】
「〜(主語・状況)が〜(どういう状態)であり、〜(理由・根拠)であるから、〜(結論・筆者の判断)。」
【内容説明型の基本フォーマット】
「〜(対象)とは、〜(性質・特徴)であり、〜(具体的な内容)を意味する。」
たとえば「傍線部『魂の脱出』とはどういうことか説明せよ」という問いに対して、
「『魂の脱出』とは、人が社会的な役割や期待から解放され、本来の自己に立ち返ろうとする内面的な試みのことであり、筆者はこれを現代人が孤独を求める根本的な動機として捉えている。」
このように型に当てはめて書くことで、「定義→内容→文脈」という採点要素をすべてカバーした答案ができあがります。
④字数の「7割以上」は必ず埋める
「120字以内」という指定があった場合、84字(7割)以上は必ず書くことを目標にしましょう。字数が少なすぎる答案は、そもそも採点要素を盛り込む物理的なスペースが足りません。
よく「短くまとめれば加点される」と勘違いする受験生がいますが、記述問題において簡潔さは加点要素ではありません。「必要な採点要素が過不足なく含まれているか」が評価基準です。字数制限の上限近くまで丁寧に書くことで、自然と複数の採点要素を盛り込めるようになります。
⑤「接続表現」と「指示語の言い換え」で論理を明示する
採点者が読みやすく、かつ加点しやすい答案には共通した特徴があります。それは論理の流れが明確であることです。
以下の接続表現を積極的に使うことで、論理が整理された答案が書けます。
- 原因→結果:「〜であるため」「〜の結果として」「〜によって」
- 対比:「〜ではなく」「〜に対して」「一方で」
- 補足・具体化:「つまり」「すなわち」「言い換えると」
- まとめ:「こうして」「以上のことから」
また、本文中の「これ」「そのような」などの指示語は、必ず具体的な言葉に言い換えて答案に盛り込みましょう。指示語のまま書いた答案は採点者に「本文を理解していない」と判断され、加点されないことがほとんどです。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介より:「捨てる」発想を捨てなさい
受験生の中には「記述問題は得意な人だけが取れる問題だから、自分は配点の低い問題に集中する」と考える人がいます。しかしこれは非常にもったいない発想です。
記述問題の部分点は、積み上げ式の得点です。完璧な答案でなくても、採点要素をひとつ入れるだけで2〜3点が取れる。10点の問題で6点取れれば十分に合否を左右します。「完答できないから捨てる」のではなく、「部分点を確実に取りにいく」という姿勢で臨んでください。
私が指導してきた生徒の中にも、記述問題の答案を「部分点狙い特化型」に切り替えただけで、現代文の偏差値が5〜8ポイント上がったケースが複数あります。
翔先生より:「本文に答えはある」を徹底しよう
僕が生徒に最初に伝えることは、「現代文の記述は創作ではない」ということです。記述問題を見た瞬間に、自分の意見や知識を書こうとしてしまう受験生がとても多い。でも採点者が求めているのは、「本文のどこに答えの素材があるかを見つける力」です。
具体的な練習方法として、答案を書いた後に「自分が書いた各フレーズが、本文のどこに根拠があるか」を指差し確認する習慣をつけることをおすすめします。本文に根拠がないフレーズが入っていたら、それは採点要素にならない可能性が高い。逆に、本文の重要箇所を丁寧に言い換えられていれば、確実に加点されます。
よくある失敗と解決策
失敗①:「筆者の言いたいことは〜だと思う」と主観を書いてしまう
解決策:「〜だと思う」という表現は答案から完全に排除する。「本文では〜と述べられており」「筆者は〜と主張している」という客観的な表現に切り替える。
失敗②:長くなるのが嫌で短くまとめすぎる
解決策:字数制限の7〜9割を埋めることを意識する。「短い=わかりやすい」ではなく、「採点要素が足りない=減点」であることを理解する。
失敗③:難しい言葉を使おうとして意味がズレる
解決策:本文で使われている言葉をそのまま活用する。無理に難しい言い換えをするよりも、本文の表現を適切に引用・組み合わせる方が採点要素を正確に押さえられる。
失敗④:設問に対して「ズレた答え」を書いてしまう
解決策:答案を書き終えたら、もう一度設問文を読んで「問われていることに答えられているか」を確認する。「問われているのは理由なのに、内容説明になっていた」というズレは最も多いミスのひとつ。
今日からできるアクション
記述問題で部分点を確実に取るために、今日から以下の3つを実践してください。
- 設問文を読んだら「問われていること」に番号をつける習慣をつける
どんな問題でも、まず設問を分解することから始めましょう。 - 答案を書いた後、各フレーズの「本文での根拠箇所」を確認する
本文に根拠がないことを書いていないか、セルフチェックを徹底する。 - 過去問の記述問題を「型(フォーマット)」に当てはめて書き直す練習をする
「理由説明型」「内容説明型」など、基本フォーマットに沿って書き直すことで、答案の構造が整ってくる。
この3つを繰り返すだけで、記述問題に対する「怖さ」は確実に薄れていきます。部分点を取るコツは、特別な才能ではなく、正しい手順の繰り返しで身につくスキルです。
まとめ・日本国語塾トップについて
今回は「記述問題で部分点を確実に取るコツ」について解説しました。ポイントをまとめます。
- 部分点とは「採点要素をひとつでも多く盛り込むこと」で得られる
- 設問文を分解して「問われていること」を明確にする
- 採点要素の素材は必ず「本文の中」にある
- 「型(フォーマット)」に当てはめて答案を構成する
- 字数制限の7割以上を埋め、論理をつなぐ接続表現を活用する
- 指示語は必ず言い換えて、主観的表現は排除する
記述問題は「得意・不得意」で片付けてしまいがちですが、正しい方法論を身につければ、誰でも部分点を積み上げることができます。今日から実践を始めてください。
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