はじめに|「何を書けばいいかわからない」あなたへ
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「小論文って、何から書き始めればいいの?」「序論・本論・結論ってよく聞くけど、実際どう使い分けるの?」——この記事を開いてくださったあなたも、きっとそんな悩みを抱えているのではないでしょうか。
実際、私たちの塾にも毎年こんな相談が届きます。「作文は書けるのに、小論文になった途端に手が止まる」「書いた内容がバラバラで、まとまりがない」——これらはすべて、「型」を知らないまま書こうとしているからです。
小論文には、プロが必ず使う「構造の型」があります。それが序論・本論・結論という三部構成です。この型さえ身につければ、どんなテーマが来ても「自動的に」書き出せるようになります。
この記事では、序論・本論・結論の役割と書き方を、具体的な例文・実践テクニックとともに徹底解説します。読み終わる頃には、「次の小論文はこう書けばいい」という確かな手ごたえが生まれるはずです。ぜひ最後までお付き合いください。
核心情報・基礎知識|序論・本論・結論とは何か?
小論文の「三部構成」が必要な本当の理由
まず大前提として確認しておきたいのは、小論文は「感想文」でも「体験作文」でもないということです。小論文とは、あるテーマに対して自分の意見を論理的に述べ、読者(採点者)を説得する文章です。
そのために必要なのが「構造」です。話し言葉で自由に話しているだけでは、相手に伝わりません。文章も同じで、どこで「問い」を立て、どこで「根拠」を示し、どこで「結論」を出すかが決まっていないと、読者は迷子になってしまいます。
序論・本論・結論という三部構成は、その「迷子を防ぐ地図」の役割を果たします。採点者が最も見ているのも、「論理の流れが一貫しているか」という点です。型を使うことで、論理の破綻を防ぎ、採点者に「この受験生はきちんと考えられる」という印象を与えることができます。
序論・本論・結論それぞれの役割をひと言で言うと
| パート | 役割のひと言まとめ | 目安の分量 |
|---|---|---|
| 序論 | 「私はこの問いに、こう答える」と宣言する | 全体の約15〜20% |
| 本論 | 「なぜなら〜だから」と根拠・具体例で説得する | 全体の約60〜70% |
| 結論 | 「以上より、私の主張は〇〇である」と締める | 全体の約15〜20% |
この三つが噛み合って初めて、「読んで納得できる小論文」が完成します。
具体的な方法・解説|各パートの書き方を完全実演
① 序論の書き方|最初の一段落で「勝負を決める」
序論の役割は、①テーマの背景・問題提起、②自分の主張(結論の予告)の2点を明示することです。
多くの受験生が犯しがちな失敗が、「序論でいきなり体験談を長々と書いてしまう」こと。序論は導入であり、読者に「この人が言いたいことは〇〇だ」とすぐわかってもらう場所です。
【序論の型・テンプレート】
〇〇(テーマ・社会的背景)について、現代では△△という問題がある。この問題に対して私は、「◇◇すべきだ(◇◇である)」と考える。以下にその理由を述べる。
【具体例:テーマ「SNSと若者のコミュニケーション」】
スマートフォンの普及により、SNSは若者にとって最も身近なコミュニケーション手段となっている。しかし一方で、SNS上での誹謗中傷や人間関係の希薄化が問題視されている。私はこの状況に対し、「若者はSNSの使用ルールを自らが設定し、対面コミュニケーションとのバランスを意識すべきである」と考える。以下に理由と具体策を述べる。
このように、序論の最後には必ず「以下に述べる」「以下で論じる」という予告文を置くのがポイントです。採点者に「本論を読む準備」をさせることができます。
② 本論の書き方|「根拠→具体例→小まとめ」の繰り返し
本論は小論文の心臓部です。ここで「なぜその主張が正しいのか」を証明します。本論を書くときに使う最強の構造が、「PREP法」です。
- P(Point):主張・理由を一文で述べる
- R(Reason):その根拠を説明する
- E(Example):具体例・データ・体験談を示す
- P(Point):もう一度主張を繰り返してまとめる
たとえば先ほどのSNSの例で本論の一段落を書くとこうなります。
(P)第一に、SNSには対面コミュニケーションでは得られない「つながりの広さ」という利点がある。(R)地理的・時間的な制約を超えて情報や感情を共有できるため、同じ趣味や関心を持つ人々が出会いやすくなっている。(E)たとえば、地方在住の高校生が全国の同世代と学習情報を共有し、モチベーションを高めている事例は近年多く報告されている。(P)このように、SNSを適切に活用することで、若者の学びや成長を支える有益なネットワークが形成されると考える。
本論では、この段落を2〜3個作ることが理想です。「第一に〜」「第二に〜」「また〜」という接続表現で段落を区切ると、採点者が読みやすくなります。
【翔先生からのアドバイス】
「本論で私がよく生徒に言うのは、『反論も書け』ということです。自分の主張に対して『確かに〇〇という意見もある。しかしそれは△△の点で不十分であり、やはり私の主張が妥当である』という譲歩→反駁のパターンを入れると、論の深さが一段上がります。これができている受験生は本当に少ないので、一気に差がつきます。」
③ 結論の書き方|「まとめ+一歩先の視点」で格が上がる
結論の書き方で最もよくある失敗は、「以上のことから、〇〇が大切だとわかった。」で終わってしまうことです。これでは「感想文の終わり方」と変わりません。
高評価を得る結論には、次の2要素が必要です。
- 本論の要約・主張の再提示(序論と呼応させる)
- 今後の展望・社会的含意・自分の行動宣言(一歩先の視点)
以上のことから、SNSは若者のコミュニケーションを豊かにする一方で、使い方を誤れば心身への悪影響をもたらすツールでもある。だからこそ、利用ルールの自己設定と対面交流との意識的なバランスが不可欠だという私の主張は、現代の若者にとって切実な課題といえる。今後、学校教育においてもSNSリテラシー教育がより充実することが望まれるとともに、私自身も日々の使用習慣を見直していきたい。
このように、「個人の問題→社会的な提言」へと視野を広げると、採点者に「物事を俯瞰して考えられる人物だ」という印象を与えます。
④ 全体をつなぐ「接続語・転換ワード」の使い方
序論・本論・結論という小論文の三部構成が機能するためには、各パートをスムーズにつなぐ「接続語」の使い方も重要です。
- 本論を始めるとき:「第一に〜」「まず〜」「理由として〜」
- 段落を追加するとき:「第二に〜」「また〜」「さらに〜」
- 反論・譲歩するとき:「確かに〜しかし〜」「一方で〜」「もちろん〜だが〜」
- 結論に移るとき:「以上のことから〜」「このように考えると〜」「総じて〜」
これらをメモカードに書いて机に貼っておくだけで、書き始めの「どんな言葉で始めればいい?」という迷いがなくなります。
藤原&翔先生の実践アドバイス|塾現場からの声
藤原進之介より:「型の自動化」とはどういうことか
私がよく受験生に話すのは、「型を覚えるのはピアノでいうスケール練習だ」ということです。最初はぎこちなくても、繰り返し練習することで指が自然に動くようになる。小論文の序論・本論・結論も同じで、10本書けば「自動化」が始まります。
実際にある生徒(高3・大学推薦入試を目指していた女子生徒)は、夏の段階では「序論で何を書けばいいかわからない」状態でした。しかし、毎週1本のペースで小論文を書き、翔先生と私が添削を繰り返した結果、秋には「型を見なくてもスラスラ書ける」状態に変化しました。彼女が言っていたのは、「型が手に入ったら、考えることに集中できるようになった」という言葉でした。これこそが「型の自動化」の本質です。
翔先生より:「本論を書く前にメモを取れ」
私が指導で必ず伝えるのが、「書く前の3分間メモ」の習慣です。問題を読んだらすぐ書き始めるのではなく、まず次の3点を殴り書きしてください。
- 自分の主張(賛成か反対か、どうすべきか)
- 根拠を2〜3個リストアップ
- 反論と、それへの反駁
このメモができれば、あとは序論・本論・結論の型に流し込むだけです。実際、私の生徒で「メモを取り始めてから、書き終わらないことがなくなった」という声を何人からも聞いています。試験会場でも問題用紙の余白を使えばできる方法なので、ぜひ今日から習慣にしてください。
よくある疑問・失敗パターンと解決策
Q1. 序論と結論が同じ内容になってしまいます
A. それで問題ありません。むしろ序論と結論は「呼応」しているべきです。ただし、結論には「本論を経て深まった考え+今後の展望」を必ず加えること。「序論=問い・主張の予告」「結論=答えの確認+発展」という違いを意識しましょう。
Q2. 800字の小論文なのに、どう配分すればいい?
A. 800字の場合の目安は以下の通りです。
- 序論:120〜150字(2〜3文)
- 本論:520〜560字(段落2〜3つ)
- 結論:100〜130字(2〜3文)
本論に最もスペースを使い、序論・結論はシンプルにまとめるのが鉄則です。
Q3. 「私は〇〇と思う」という表現は使っていい?
A. 小論文では「〇〇と思う」より「〇〇と考える」「〇〇であると言える」という表現が適切です。「思う」は感情・印象のニュアンスが強く、論理的な文章には不向きです。また「私は」という主語は最小限にとどめ、論の内容で説得するスタイルを目指しましょう。
Q4. 体験談を入れても良い?
A. 大歓迎です。ただし体験談は「根拠の一例として」使うものであり、体験談そのものが主役になってはいけません。「自分がこういう経験をした→だからこそこの主張が正しい」という論理の流れを崩さないようにしましょう。
Q5. 結論で新しい話題を出してしまいました
A. これはよくある失敗パターンです。結論では本論で述べた内容の範囲内でまとめるのが原則。新しい根拠・事例・反論を結論で出すと、「なぜ本論で述べなかったのか?」という疑問を採点者に抱かせてしまいます。結論で新しい話を書きたくなったら、本論に移動させるか、削除してください。
今日からできるアクション|実践チェックリスト
以下のチェックリストを印刷または手帳にメモして、次の小論文を書くときに使ってください。
【書く前チェック】
- ☐ テーマを読んで、「自分の主張(賛成/反対/提言)」を一文で言える
- ☐ 根拠を2〜3個メモに書き出した
- ☐ 反論とその反駁を1セット考えた
- ☐ 字数に合わせた配分(序論・本論・結論)を決めた
【書きながらチェック】
- ☐ 序論に「私は〇〇と考える」という主張が明記されている
- ☐ 序論の末尾に「以下に述べる」という予告文がある
- ☐ 本論の各段落がPREP法(主張→根拠→例→まとめ)になっている
- ☐ 本論に「確かに〜しかし〜」の譲歩・反駁が含まれている
- ☐ 結論が序論の主張と呼応している
- ☐ 結論に「今後の展望」または「社会的提言」が含まれている
【書いた後チェック】
- ☐ 「思う」を「考える」「言える」に修正した
- ☐ 結論に「新しい根拠・事例」が紛れ込んでいないか確認した
- ☐ 誤字・脱字・句読点のミスを声に出して読んで確認した
- ☐ 全体を読んで「論理の流れが一本線になっているか」確認した
この16項目のチェックリストを毎回使うことで、序論・本論・結論の型が無意識に身につき、やがて「自動化」されていきます。
まとめ|型は「思考を解放する」ためのツールである
小論文における序論・本論・結論の三部構成は、「型にはめて個性を殺すもの」ではありません。むしろ逆です。型があるからこそ、「何を書くか」「どう伝えるか」に全エネルギーを集中できるのです。
今日の記事で学んだポイントを振り返りましょう。
- 序論:テーマの背景+主張の宣言+「以下に述べる」という予告
- 本論:PREP法で根拠を示す+譲歩・反駁で論を深める
- 結論:主張の再提示+今後の展望・社会的提言
- 書く前の3分間メモで迷いを消す
- チェックリストを使って毎回自己点検する
型を繰り返し使うことで、やがて「自動化」が起きます。そうなれば、どんな入試テーマが来ても動じない、本物の小論文力が身についたということです。まずは今日、一本書いてみてください。
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