はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
近年、大学入学共通テストをはじめとする現代文の入試問題では、図表・グラフが文章とセットになった複合的な読解問題が増加しています。従来の「文章だけを読んで解く」スタイルから大きく様変わりし、受験生の多くが「どう対処すればいいのかわからない」と悩んでいます。
「グラフを見ても何を読み取ればいいの?」「文章と図表、どちらを先に読めばいいの?」「データの読み取りで時間をロスしてしまう…」——こうした声は、私たちの塾にも毎年多く寄せられます。
この記事では、現代文における図表・グラフ付き問題の解き方を、具体例を交えながら徹底的に解説します。データと文章を組み合わせる読解術を身につけることで、共通テストでも記述式でも確実に点数を伸ばせるようになります。ぜひ最後まで読んで、今日から実践してください。
核心情報:なぜ「図表・グラフ付き問題」が増えているのか
まず、なぜこうした問題形式が増えているのかを理解しておくことが大切です。文部科学省が推進する「思考力・判断力・表現力」の評価という観点から、複数の情報源を統合して読み解く能力が重視されるようになりました。
具体的に言えば、現代社会では論文・レポート・ビジネス文書など、あらゆる場面でグラフや統計データが文章と組み合わせて使われます。それらを正確に読み取り、論理的に判断できる力こそが「現代の読解力」だと考えられているわけです。
大学入学共通テスト(現代文)では2021年度以降、複数テキスト型の問題が本格導入されました。文章+図表、文章+グラフ、さらには文章+文章+図という3素材の組み合わせも登場しています。私立大学の一般入試や総合型選抜でも、こうした形式を取り入れる大学が急増しています。
翔先生からひとこと:「従来の『読解力』だけでは対応しきれない部分が出てきています。でも、正しい解法を身につければ、むしろ他の受験生と差をつけるチャンスにもなります!」
具体的な方法:図表・グラフ付き問題の解き方ステップ
ステップ①:問題全体を「俯瞰(ふかん)」する
最初にやるべきことは、文章を読み始めることではありません。問題全体の構成を30秒〜1分で把握することです。
- 文章はいくつあるか(1本か、複数か)
- 図表・グラフは何枚あるか、何を示しているか(タイトルだけ確認)
- 設問は何問あり、どのような種類か(選択肢型・記述型・組み合わせ型)
例えば、「文章A(評論)+グラフ(年代別スマートフォン利用率)+文章B(統計データの解説)」という構成だとわかれば、「文章Aの主張をグラフで補強し、文章Bでさらに分析する」という流れが予測できます。この予測があるだけで、読み方の方向性が定まります。
ステップ②:図表・グラフの「タイトル・軸・単位」を先に確認する
文章を読む前に、図表・グラフについて以下の3点を必ず確認してください。
- タイトル:何についてのデータか(例:「2010〜2023年における日本の読書時間の変化」)
- 縦軸・横軸(または項目名):何を測定しているか、単位は何か(例:縦軸=1日あたりの平均読書時間(分)、横軸=年)
- 出典・調査対象:誰が誰を対象に調べたデータか(例:文化庁「国語に関する世論調査」、対象=全国16歳以上の男女)
この3点を押さえるだけで、グラフの「意味」が格段につかみやすくなります。いきなり数値を読もうとすると混乱するので、必ずこの順番で確認しましょう。
具体例: 棒グラフのタイトルが「世代別・1日のSNS利用時間(2023年)」だとします。縦軸が「分」、横軸が「10代・20代・30代・40代・50代以上」となっていれば、「世代によってSNS利用時間にどのような差があるか」を示すグラフだとすぐに理解できます。
ステップ③:グラフの「大きな傾向(トレンド)」を読み取る
細かい数値を全部記憶しようとするのは時間の無駄です。大切なのは「全体の傾向」を読み取ることです。
折れ線グラフであれば:「右上がりか、右下がりか、一度増えてから減っているか」
棒グラフであれば:「どの項目が最も高く、どの項目が最も低いか」
円グラフであれば:「最も大きな割合を占めているのはどれか」
具体例: ある折れ線グラフで「2010年から2015年にかけて急増し、その後2020年にかけて緩やかに低下している」という傾向が読み取れたとします。このトレンドを文章と照合するだけで、設問の多くは解けるようになります。
翔先生のアドバイス:「グラフを見るとき、私はまず『形』を言語化するようにしています。『山型だ』『右下がりだ』『2015年だけ突出して高い』など、言葉にすることでグラフの特徴が頭に定着しやすくなりますよ。」
ステップ④:文章を読みながら「図表との対応箇所」を意識する
文章を読む際は、図表・グラフに言及している箇所に印をつけながら読むことが重要です。多くの場合、文章中には「図1に示すように」「グラフからわかるとおり」「上記のデータによれば」などの表現があります。
こうした表現が出てきたら、その都度グラフを参照して「文章の主張とグラフのデータが一致しているか」を確認してください。ここが最重要ポイントです。
具体例: 文章に「近年、若者の活字離れが深刻化しており、10代の読書時間は10年前と比べて半減している」という記述があったとします。グラフを見て本当に半減しているか確認する。もし「半減」ではなく「3割減」であれば、文章の主張がデータと微妙にずれていることになり、それが設問のポイントになっている可能性があります。
ステップ⑤:設問を解く際の「照合」と「整合性確認」
設問に取り組む際、図表・グラフ付き問題では「照合作業」が欠かせません。選択肢に含まれるデータや数値が、実際のグラフと一致しているかを必ず確認しましょう。
よく出る設問パターンと対処法:
- 「文章の内容とグラフの内容の両方と合致するものを選べ」型→文章の論点を整理してからグラフと照合する
- 「グラフから読み取れることとして適切なものを選べ」型→グラフだけを根拠にする(文章の知識で判断しない)
- 「筆者の主張をグラフで裏付けるとすれば、どのデータが最も適切か」型→文章の論旨を正確に把握してからグラフを選ぶ
特に注意してほしいのが2つ目のパターンです。「グラフから読み取れること」を問う設問では、文章の内容や自分の常識・知識を根拠にしてはいけません。あくまでもグラフのデータだけで判断することが求められています。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介からのアドバイス
私が塾生に必ず伝えることがあります。それは、「図表・グラフは筆者の主張を補強する『証拠』として読む」という視点です。
現代文の評論文において、筆者は自分の主張を論証するために様々な根拠を示します。図表・グラフはその根拠のひとつです。つまり、「筆者はなぜこのグラフをここで使っているのか?」という問いを常に持ちながら読むことが大切です。
たとえば、「現代日本人のコミュニケーション能力が低下している」という主張をする文章に、「年代別・友人との直接会話時間」を示すグラフが添付されていれば、そのグラフは「対面コミュニケーションの減少」を示すために使われています。この「目的」を理解したうえでグラフを読むと、設問への答えが自然に浮かび上がってきます。
翔先生からのアドバイス
私が受験生にすすめているのは、「グラフを言語化する練習」です。グラフを見て、「このグラフを知らない人に口頭で説明するとしたら?」という視点で、自分の言葉で説明する練習をしてみてください。
例えば、「このグラフは2010年から2023年にかけての読書時間の変化を示しており、全体的に減少傾向にある。特に10代・20代での落ち込みが顕著で、2020年には2010年比でほぼ半減している。一方、60代以上はほぼ横ばいで推移している」というように言語化できれば、設問に対して的確に答えられるようになります。
この練習は、記述式問題で「グラフから読み取れることを述べよ」という問いにも直接役立ちます。日頃から新聞の図表や統計グラフを見て言語化する癖をつけると、自然と力が身につきます。
よくある失敗と解決策
失敗①:グラフの細かい数値にこだわりすぎて時間切れ
解決策: 全体の傾向だけをまず把握し、設問で必要な数値だけを確認するようにしましょう。グラフを完璧に記憶しようとする必要はありません。「設問を解くために必要な情報だけ」を取りに行く姿勢が重要です。
失敗②:文章とグラフを別々に読んで、統合できない
解決策: 文章を読みながら「このグラフのどの部分と対応しているか」を常に意識することが大切です。文章とグラフを行き来する読み方に慣れるために、過去問を使って繰り返し練習してください。
失敗③:「グラフから読み取れること」と「文章から読み取れること」を混同する
解決策: 設問を読む際に「これはグラフだけを根拠にする問い?それとも文章との整合性を問う問い?」を明確に判断してから解答しましょう。設問の指示語(「文章の内容をふまえて」「グラフから読み取れるものとして」など)を見落とさないことが重要です。
失敗④:グラフを見た瞬間に「苦手だ」と思って思考停止する
解決策: 図表・グラフは「情報の圧縮」です。怖がる必要はまったくありません。タイトル・軸・単位の3点確認から始めるという手順を守れば、必ず読み解けます。苦手意識は手順を知ることで克服できます。
今日からできるアクション
理論を学んでも実践しなければ力はつきません。以下のアクションを今日から始めてください。
- 共通テストの過去問(複数テキスト型)を1問解く:2021年度以降の共通テスト現代文には図表・グラフ付き問題が含まれています。まずは1問、今回解説したステップどおりに解いてみましょう。
- 新聞・ニュースサイトのグラフを毎日1つ言語化する:朝日新聞・読売新聞などのウェブサイトには多くのグラフが掲載されています。1日1つ、グラフを見て「このグラフが示す傾向を3文で説明する」練習を習慣にしましょう。
- 過去問演習時に「文章とグラフの対応箇所」に印をつける:文章中でグラフに言及している箇所と、グラフの該当部分を線でつなぐ練習をしてください。視覚的に対応関係を把握する力が身につきます。
- 設問の指示語を必ずチェックする習慣をつける:「文章の内容と一致するものを選べ」「グラフから読み取れるものを選べ」「文章とグラフの両方をふまえて」など、指示の違いを意識することが正解率アップに直結します。
まとめ・日本国語塾トップについて
今回は、現代文における図表・グラフ付き問題の解き方を5つのステップで解説しました。
ポイントをおさらいしましょう:
- 問題全体を俯瞰してから読み始める
- グラフはタイトル・軸・単位の3点を先に確認する
- 全体の傾向(トレンド)を言語化して把握する
- 文章とグラフの対応箇所を意識しながら読む
- 設問の指示語に従って「グラフのみ根拠」か「文章+グラフ両方根拠」かを判断する
図表・グラフ付き問題は、正しい読み方を身につければ必ず得点源になります。むしろ、この形式に慣れていない受験生が多いからこそ、しっかり対策した受験生が大きく差をつけられるチャンスでもあります。
「どうしても自分では対策できない」「一度プロに直接指導してほしい」という方は、ぜひ日本国語塾トップにご相談ください。一人ひとりの弱点に合わせた個別指導で、現代文・図表読解の力を確実に伸ばします。
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