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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

表現技法の一覧15種|比喩・反復・倒置を例文と見抜き方で解説

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表現技法とは、内容をより効果的に伝えるために、言葉の使い方や語順に工夫を加える技法のことです。

入試で問われるのは技法の名前だけではありません。「その技法によって何がどう伝わるか」まで答えられるかどうかで差がつきます。このページでは、入試で出る15種を一覧で整理し、それぞれの意味・例文・見抜き方・記述での答え方をまとめました。

表現技法の一覧15種

まず全体像です。表の下で、1つずつ詳しく見ていきます。例文はすべてこのページ用に書いたものです。

# 技法 意味
1 直喩(明喩)
ちょくゆ
「ようだ」「みたいだ」「ごとし」などを使って、二つのものを直接たとえる。 彼の手は氷のように冷たかった。
2 隠喩(暗喩)
いんゆ
「ようだ」を使わず、AをBだと言い切ってたとえる。 彼の手は氷だった。
3 擬人法
ぎじんほう
人でないものを、人のように行動させたり感じさせたりする。 風が窓を叩き、木々がささやいた。
4 擬声語・擬態語
ぎせいご・ぎたいご
音を写した語(擬声語)と、状態を写した語(擬態語)。オノマトペ。 雨がぱたぱたと鳴り、心がざわざわした。
5 反復法
はんぷくほう
同じ語や句を繰り返して印象を強める。 走った。走った。息が切れても走った。
6 対句法
ついくほう
構造が似た二つの句を並べ、意味を対照させる。 山は動かず、川は止まらず。
7 倒置法
とうちほう
通常の語順を入れかえて、強調したい部分を前に出す。 美しかった、その夜の海は。
8 体言止め
たいげんどめ
文末を名詞(体言)で終える。 窓の外に、静かな雪。
9 省略法
しょうりゃくほう
言うべき部分をあえて言わずに残す。 あのとき、もし声をかけていれば——。
10 反語
はんご
疑問の形をとりながら、実際には逆の内容を強く主張する。 この結果を、誰が予想できただろうか。
11 設疑法(問いかけ)
せつぎほう
読者に問いを投げかけて、注意を引きつける。 では、言葉とは何のためにあるのか。
12 列挙法
きょれつほう
同種のものを並べて挙げ、量や広がりを示す。 机、椅子、本棚、そして読みかけの本。
13 誇張法
こちょうほう
実際より大げさに言って強調する。 百回言っても伝わらなかった。
14 換喩
かんゆ
あるものを、それと深く結びついた別のもので言いかえる。 白衣が足早に廊下を過ぎた。(=医師・看護師)
15 押韻
おういん
同じ響きの音を、句の初めや終わりにそろえる。 光を待ち、風を待ち、朝を待つ。

技法別|意味・例文・見抜き方・記述の型

「記述の型」は、「表現技法の効果を説明せよ」と問われたときにそのまま使える形にしてあります。◯◯や△△の部分は、必ず本文中の言葉から取ってください。

1. 直喩(明喩)(ちょくゆ)

意味
「ようだ」「みたいだ」「ごとし」などを使って、二つのものを直接たとえる。
例文
彼の手は氷のように冷たかった。
見抜き方
「ように」「ような」「みたいな」「ごとし」があれば直喩。
記述の型
「AをBにたとえることで、Aの◯◯という性質を読者に実感させている」

2. 隠喩(暗喩)(いんゆ)

意味
「ようだ」を使わず、AをBだと言い切ってたとえる。
例文
彼の手は氷だった。
見抜き方
たとえの言葉がないのに、字義どおりでは成り立たない文。
記述の型
「言い切ることで、たとえの強さと断定的な印象を生んでいる」

3. 擬人法(ぎじんほう)

意味
人でないものを、人のように行動させたり感じさせたりする。
例文
風が窓を叩き、木々がささやいた。
見抜き方
主語が人ではないのに、人の動作・感情の動詞がついている。
記述の型
「◯◯を人のように描くことで、情景に意思や生命を感じさせている」

4. 擬声語・擬態語(ぎせいご・ぎたいご)

意味
音を写した語(擬声語)と、状態を写した語(擬態語)。オノマトペ。
例文
雨がぱたぱたと鳴り、心がざわざわした。
見抜き方
「ぱたぱた」=音なので擬声語、「ざわざわ」=心の状態なので擬態語。
記述の型
「感覚に直接訴えることで、場面の臨場感を高めている」

5. 反復法(はんぷくほう)

意味
同じ語や句を繰り返して印象を強める。
例文
走った。走った。息が切れても走った。
見抜き方
同じ語句が意図的に2回以上出てくる。
記述の型
「繰り返すことで、◯◯という感情の強さや持続を印象づけている」

6. 対句法(ついくほう)

意味
構造が似た二つの句を並べ、意味を対照させる。
例文
山は動かず、川は止まらず。
見抜き方
語数・品詞の並びがそろっていて、意味が対になっている。
記述の型
「対照させることで、両者の違い(または共通性)を際立たせている」

7. 倒置法(とうちほう)

意味
通常の語順を入れかえて、強調したい部分を前に出す。
例文
美しかった、その夜の海は。
見抜き方
述語が主語より前に来ている、または修飾の順が逆になっている。
記述の型
「語順を変えることで、◯◯の部分を強調している」

8. 体言止め(たいげんどめ)

意味
文末を名詞(体言)で終える。
例文
窓の外に、静かな雪。
見抜き方
文末が「〜だ」「〜する」ではなく名詞で終わっている。
記述の型
「言い切らずに余韻を残し、読者に情景を想像させている」

9. 省略法(しょうりゃくほう)

意味
言うべき部分をあえて言わずに残す。
例文
あのとき、もし声をかけていれば——。
見抜き方
文が途中で切れている、ダッシュや三点リーダで終わる。
記述の型
「言わないことで、語りきれない感情の大きさを示している」

10. 反語(はんご)

意味
疑問の形をとりながら、実際には逆の内容を強く主張する。
例文
この結果を、誰が予想できただろうか。
見抜き方
疑問形だが答えを求めていない。「=誰も予想できなかった」と裏返せる。
記述の型
「疑問の形で述べることで、断定より強い否定(肯定)を表している」

11. 設疑法(問いかけ)(せつぎほう)

意味
読者に問いを投げかけて、注意を引きつける。
例文
では、言葉とは何のためにあるのか。
見抜き方
疑問形で、直後に筆者自身が答えを述べている。
記述の型
「問いを立てることで、読者を論の流れに引き込んでいる」

12. 列挙法(きょれつほう)

意味
同種のものを並べて挙げ、量や広がりを示す。
例文
机、椅子、本棚、そして読みかけの本。
見抜き方
同じ格の語が三つ以上並んでいる。反復とは違い、語は毎回異なる。
記述の型
「並べ挙げることで、◯◯の多さや全体の広がりを印象づけている」

13. 誇張法(こちょうほう)

意味
実際より大げさに言って強調する。
例文
百回言っても伝わらなかった。
見抜き方
字義どおりに受け取ると事実と合わない大きさ・数。
記述の型
「大げさに言うことで、◯◯の程度の甚だしさを示している」

14. 換喩(かんゆ)

意味
あるものを、それと深く結びついた別のもので言いかえる。
例文
白衣が足早に廊下を過ぎた。(=医師・看護師)
見抜き方
たとえではなく、隣接するもので言いかえている。
記述の型
「対象を象徴する物で示すことで、印象を一点に集めている」

15. 押韻(おういん)

意味
同じ響きの音を、句の初めや終わりにそろえる。
例文
光を待ち、風を待ち、朝を待つ。
見抜き方
行末や行頭の音がそろっている。詩や漢詩で問われる。
記述の型
「音をそろえることで、リズムと一体感を生んでいる」

紛らわしい4組の見分け方

選択肢問題で外すのは、たいていこの4組です。判断の基準を1つに決めておけば迷いません。

紛らわしい組 判断の基準
直喩 / 隠喩 「ように」「みたいな」があるか 氷のように冷たい=直喩/彼の手は氷だった=隠喩
隠喩 / 擬人法 与えられているのが「別のもの」か「人の動作・感情」か 人生は旅だ=隠喩/風がささやく=擬人法
反復法 / 列挙法 繰り返される語が同じか、毎回違うか 走った。走った。=反復/机、椅子、本棚=列挙
反語 / 設疑法 直後に筆者の答えがあるか 誰が予想できたか=反語/言葉とは何か。それは——=設疑

記述問題「効果を説明せよ」の答え方

技法の名前を書いただけの答案は、ほとんど点になりません。採点されるのは次の三点がそろっているかです。

  1. 技法の名前を挙げる。「倒置法を用いて」「体言止めによって」のように明示します。ここは配点の入口で、外すと後がすべて空振りになります。
  2. 本文の内容を、本文の言葉で入れる。「主人公の孤独」ではなく、本文に「誰も待っていない部屋」とあるなら、その表現を使います。自分の言葉に置きかえるほど点が減ります。
  3. 読者に与える効果で締める。「強調している」「余韻を残している」「臨場感を与えている」「対比を際立たせている」のいずれかに着地させます。効果を書かないと説明が完成しません。

この三点をつなぐと、たとえば次の形になります。

体言止めを用いることで、「静かな雪」の情景を言い切らずに示し、主人公の心情を読者の想像に委ねる余韻を残している。

今日の練習

手を動かさないと定着しません。次の3つを、本文を1つ選んでやってみてください。

  1. 教科書か問題集の文章から、上の15種のうち3つを探して線を引く。見つからない技法があってもかまいません。探す目を作るのが目的です。
  2. そのうち1つについて、上の三点の型で1文にまとめる。本文の言葉を必ず1語以上入れてください。
  3. 書いた1文を、模範解答や解説と「要素の数」で見比べる。文章の巧拙ではなく、必要な要素が入っていたかを数えます。

手を動かす教材が必要な場合は、国語ドリル全52枚を登録不要・無料で公開しています。記述の型を扱うのはVOL.7・VOL.8です。

関連ページ

読解の土台になる考え方を、続けて確認できます。

よくある質問

表現技法とは何ですか。

文章の内容をより効果的に伝えるために、言葉の使い方や語順に工夫を加える技法のことです。比喩・反復・倒置・体言止めなどがあり、入試では「使われている技法の名前」と「その効果」の両方が問われます。

直喩と隠喩の違いは何ですか。

「ようだ」「みたいだ」「ごとし」などのたとえを示す語があるかどうかで分かれます。「氷のように冷たい」は直喩、「彼の手は氷だった」は隠喩です。隠喩のほうが言い切るため、印象が強くなります。

隠喩と擬人法はどう見分けますか。

隠喩は「AはBだ」と別のものに言いかえる技法、擬人法は人でないものに人の動作や感情を与える技法です。「風がささやく」は、風を人にたとえて人の動作を与えているので擬人法にあたります。

反復法と列挙法の違いは何ですか。

反復法は同じ語句を繰り返します。列挙法は異なる語を三つ以上並べます。「走った。走った。」は反復、「机、椅子、本棚」は列挙です。

反語と設疑法(問いかけ)はどう区別しますか。

反語は答えを求めておらず、裏返すと逆の主張になります(「誰が予想できただろうか」=誰も予想できなかった)。設疑法は問いを立てたあと、筆者自身が答えを述べます。直後に答えがあるかどうかで判断できます。

「表現技法の効果を説明せよ」と問われたとき、どう書けばいいですか。

技法の名前だけでは点になりません。「◯◯法を用いることで、△△という内容を強調している」のように、技法名+本文の内容+読者に与える効果の三点をつなげて書きます。△△の部分は必ず本文中の言葉から取ってください。

体言止めは詩以外でも出ますか。

出ます。小説の情景描写や随筆でも使われ、「余韻を残す」「読者の想像に委ねる」効果として問われます。文末が名詞で終わっていたら、まず体言止めを疑ってください。

書いた答案を、そのまま見てもらえます

表現技法の記述は、要素の過不足が点差になります。プロ講師が本文の根拠・必要な要素・文末の形から具体的に添削します。

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