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漢文の受身・使役・反語|紛らわしい句法の見分け方

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数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

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はじめに

こんにちは、数強塾グループ代表の藤原進之介です。

先日、こんな質問をもらいました。

「藤原先生、『見』って受身になったり、そうじゃなかったりしますよね?どうやって見分けるんですか?模試でも毎回迷って……」

これ、めちゃくちゃわかります。漢文の句法って、同じ漢字が文脈によってまったく別の意味になることがあって、受験生が混乱するのは当然なんです。
特に受身・使役・反語の三つは、センター試験(現在は共通テスト)の時代から繰り返し出題されてきた頻出テーマ。なのに、「なんとなく覚えている」だけで終わっている人が本当に多い。

今日は、この三つの句法を「絶対に見分けられるようになる」ところまで、徹底的に解説します。
読み終わったあと、「あ、これだったのか!」と膝を打つこと間違いなしです。ぜひ最後までお付き合いください。

なぜこれが重要なのか

漢文の受身・使役・反語は、共通テストはもちろん、早稲田・慶應・東大・京大といった難関大学の二次試験でも頻繁に出題される最重要句法です。

なぜ重要かというと、理由は二つあります。

  • ①意味が180度変わる
    受身と使役を間違えると、「〜された」が「〜させた」になってしまう。主体と客体がまるっと逆転します。これは訳の採点で確実に失点しますし、文章全体の理解も狂ってしまいます。
  • ②反語を疑問と混同すると致命的
    「〜か?(本当にそうなのか)」という疑問と、「〜か、いや〜ではない」という反語では、文章が伝えたいことがまったく異なります。
    特に反語は強い肯定・否定の意志表明なので、物語の主旨を読み誤ることになりかねません。

つまり、この三つの句法の見分け方をマスターすることは、漢文全体の読解精度を上げることに直結しているんです。
「なんとなく」ではなく、構造として理解することが合格への近道です。

具体的な方法・ステップ解説

① 受身の句法:「見・被・為〜所・於」を整理する

受身を表す主な句法は次の四つです。

  • 見+動詞(〜される)
  • 被+動詞(〜される)
  • 為+(行為者)+所+動詞((行為者)に〜される)
  • 於・乎・于+場所・相手(〜において、〜よりも)※比較や場所の意味も持つので要注意

中でも最もよく出るのが「見+動詞」の形です。例えば、

「信而見疑、忠而被謗。」(信じられながらも疑われ、忠実でありながらも誹られる。)

ここでの「見疑」は受身で「疑われる」、「被謗」も同じく受身で「誹られる」。
「見」が動詞の直前に置かれているとき、それは受身のサインだと覚えてください。

ただし!「見」は「まみえる(会う)」という動詞としても使われます。その場合は「見+人(目的語)」という語順になることが多い。直後に動詞が来るか、名詞・人物が来るかで判断しましょう。

② 使役の句法:「使・令・教・遣」と「為+動詞」を区別する

使役とは、「〜に〜させる」という意味です。使役の主な句法はこちら。

  • 使+人+動詞(人に〜させる)
  • 令+人+動詞(人に〜させる)
  • 教+人+動詞(人に〜させる/〜を教える)
  • 遣+人+動詞(人を遣わして〜させる)

使役の基本構造は「使役動詞+人(対象)+動詞(させる行為)」というセットです。
例えば、

「王使人問之。」(王は人を遣わしてこれを問わせた。)

「使」のあとに「人」という行為の対象が来て、さらにその後ろに動詞「問」が続く——これが使役の典型パターンです。

受身との見分けポイント:使役は「させる側(主体)が文中に明示」されていることが多く、動詞の前に人・名詞が挟まるのが特徴です。
一方、受身は「〜される」の動作主が省略されることもよくあります。構造を図式化して確認する習慣をつけましょう。

③ 反語の句法:疑問との違いを文脈と呼応する語で見抜く

反語とは、疑問文の形を取りながら、実は強い断定を意味する表現です。
日本語でも「こんな問題、解けないはずがあるか!(=必ず解ける)」というのが反語的表現ですよね。

漢文における反語の主な形はこちらです。

  • 豈〜哉(乎)(どうして〜だろうか、いや〜ではない)
  • 何〜哉(乎)(なんと〜か、いや〜だ)※詠嘆にもなるので注意
  • 寧〜乎(どうして〜だろうか)
  • 安〜哉(乎)(どうして〜だろうか)
  • 不亦〜乎(また〜ではないか)※これは肯定的反語・詠嘆

反語を見分ける最大のコツは、文脈で「この発言が強い主張・否定・感情表現」として機能しているかどうかを確認することです。
「豈〜哉」が来たら、まず「これは疑問ではなく、強い否定または強調だ」と仮定して読んでみてください。
前後の文脈と照らして自然であれば、それが反語です。

また、疑問と反語の呼応表現の違いも押さえておきましょう。

  • 疑問:「〜乎」「〜邪」「〜耶」→ 純粋に問いかけている
  • 反語:「豈〜哉」「何〜哉」→ 問いかけの形を借りた強調・否定

ただし「何〜哉」は詠嘆(なんと〜だ!)にもなるため、感情的な驚きを表しているのか、否定的な意図があるのかを文脈から読み取る必要があります。ここは要注意ポイントです!

藤原流のポイント

さて、ここからは僕が受験生に伝えている「藤原流の覚え方・考え方」をお話しします。

その1:句法は「構造で覚える」

「見=受身」「使=使役」と単語ベースで暗記しようとすると、必ず失敗します。
大事なのは前後の構造(語順)です。
「見+動詞」なら受身、「使+人+動詞」なら使役——このセットで覚えることで、初見の文章でも迷わなくなります。

その2:反語は「演技者の視点」で読む

反語って、要は「言っている本人が絶対にそうじゃないと思っている」ときに使う表現です。
豪語、誇示、憤慨、諫言——感情が強く乗っている場面で反語は使われやすい。
「この発言者は何かに怒っているのか、誇っているのか、訴えているのか」という話者の感情・立場を意識すると、反語かどうかが見えてきます。

その3:迷ったら「置き字」と「語順」に戻れ

受身・使役・反語の見分けに迷ったとき、必ず原文の語順に立ち返ってください。
漢文は語順が意味の命綱です。
返り点を外した白文状態でもう一度読んでみると、構造が見えやすくなります。
これは難関大の記述問題対策としても非常に有効です。

よくある間違いと対策

間違い①「為」を使役だと思って読んでしまう

「為」は文脈によって受身・使役・〜のために(目的)・〜となる(断定)など複数の読み方があります。
特に「為〜所〜」の形(為人所笑=人に笑われる)は受身ですが、「為+人+動詞」に見えることもあって混乱しやすい。
対策は「所」があるかどうかを確認すること。「為〜所〜」の「所」は受身のサインです。

間違い②「不亦〜乎」を否定文として読む

「不亦〜乎」は一見すると「また〜ではないか」と否定に見えますが、実際は肯定的な詠嘆・反語で「なんと〜ではないか(=そうに違いない)」という意味です。
論語の冒頭「学而時習之、不亦説乎」が有名ですね。「なんと喜ばしいことではないか」という意味です。
「不」に惑わされず、「不亦〜乎」はセットで肯定的意味と覚えてください。

間違い③使役の「令」を命令形と混同する

「令」は使役(〜させる)の他に、「命令」という名詞として使われることもあります。
「令+人+動詞」の構造になっていれば使役、「命令・法令」という文脈なら名詞と判断しましょう。
前後の主語と動詞の関係を確認する習慣が大切です。

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