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「具体」と「抽象」の往還で読解力アップ|筆者の主張は抽象の中にある

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「具体」と「抽象」の往還で読解力アップ|筆者の主張は抽象の中にある|日本国語塾TOP


「具体」と「抽象」の往還で読解力アップ|筆者の主張は抽象の中にある

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数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。スタディサプリ国語講師の山下翔平先生と一緒に解説します!

この記事では、現代文読解の核心ともいえる「具体と抽象の往還」について、徹底的に解説します。「具体」と「抽象」を使いこなすことができれば、読解力は確実に飛躍します。ぜひ最後まで読んで、今日から実践してください。

はじめに|なぜ「具体と抽象」が読解力の鍵なのか

突然ですが、こんな悩みを持っている生徒さんはいませんか?

  • 「文章は読めているのに、設問の答えが見つけられない」
  • 「筆者が何を言いたいのかさっぱりわからない」
  • 「評論文を読んでいると、どこが大事なのかわからなくなる」
  • 「選択肢を絞り込めず、最後は感覚で選んでしまう」

これらの悩みは、実は多くの場合、「具体」と「抽象」の区別ができていないことから生まれています。

日本国語塾TOPには、毎年多くの受験生が相談に来ます。その中でも特に印象に残っているのは、ある高校2年生の生徒のエピソードです。彼女は地元の進学校に通っており、定期テストの成績は優秀。ところが、模試になると現代文の点数がガクッと落ちてしまうと悩んでいました。

詳しく話を聞いてみると、「文章を読むとき、具体的なエピソードや例の部分ばかり読んでいる」ということが判明しました。筆者が具体的な事例をいくつも並べているとき、彼女はそれらの事例を丁寧に理解しようとする。でも、その先にある「筆者が本当に言いたいこと(=抽象的な主張)」を読み飛ばしてしまっていたのです。

これは、彼女だけの問題ではありません。多くの受験生が同じ罠にはまっています。なぜなら、学校生活の中では「具体的に話しなさい」「もっと例を挙げて説明して」と指導される場面が多く、「具体=大事」という感覚が染み付いているからです。

しかし、現代文の読解において最も重要なのは「抽象」の理解です。これが今日の記事でお伝えしたい最大のポイントです。

「具体と抽象の往還(おうかん)」——つまり、具体と抽象を行き来しながら文章を読む技術——を身につけることで、読解力は劇的にアップします。この読解技術は、大学入学共通テスト(旧センター試験)から難関私大・国公立大の記述問題まで、あらゆる入試の現代文で応用できる、まさに「万能の武器」です。

藤原:「山下先生、日本国語塾TOPに入ってくる生徒さんで、最初に躓いているポイントって、やっぱり具体と抽象の混同が多いですか?」

山下:「そうですね、これは本当に多いです。スタディサプリの受講生でも同じで、『具体例をいくら丁寧に読んでも点数が上がらない』という声をよく聞きます。文章を読む姿勢そのものを変えないといけないんですよね。」

藤原:「そこを変えると、劇的に読解力が変わりますよね。今日はそのポイントをとことん掘り下げていきましょう!」

【基礎解説】「具体」と「抽象」とは何か|読解力の根幹を理解する

「具体」と「抽象」の定義

まず、「具体」と「抽象」という言葉そのものを丁寧に理解しましょう。

用語 意味 文章での役割
具体(Concrete) 実際の例・出来事・事実。目に見える・体験できるレベルの情報。 主張を説明・補強する「材料」 「スマホでの動画視聴」「通学中にイヤホンをして音楽を聴く」
抽象(Abstract) 考え方・原理・一般的なまとめ。複数の具体例から引き出された本質。 筆者の「主張」「意見」「主題」そのもの 「現代人の時間の使い方の変化」「一人の世界に閉じこもる傾向」

「抽象」という言葉は、もともとラテン語の “abstrahere”(引き抜く、引き離す)に由来します。たくさんの具体的な事例から、共通する本質的な要素を「抜き取って」まとめたものが抽象なのです。

学校で「具体的に」と言われる理由と、国語での逆転

日常生活・学校生活では、「もっと具体的に話して」「例を挙げて説明して」と指導されることがほとんどです。これは、話や文章をわかりやすくするためには具体例が必要だからです。確かに、具体例は重要です。

しかし、「読む」という行為においては、逆のことが求められます。

評論文や論説文を書く筆者は、たくさんの具体例を並べながら、最終的に「こういうことが言える」という抽象的な主張を展開します。読者(受験生)に求められているのは、その具体例の一つひとつを丁寧に理解することではなく、「筆者がこれらの例を通じて何を言おうとしているのか」という抽象的なメッセージをつかむことなのです。

🔑 ポイント:読解における具体と抽象の役割

  • 具体は「例」であり、主張を支えるための材料にすぎない
  • 抽象は「言いたいこと」であり、筆者の主張・意見の核心
  • ✅ 現代文の設問で問われるのは、ほぼ100%「抽象的な内容(主張)」
  • ✅ 具体例は「なんでこの例を出したんだろう?」と問いかけながら読む

「具体と抽象の往還」とはどういう読み方か

「往還(おうかん)」とは、行ったり来たりすること、往復することを意味します。読解における「具体と抽象の往還」とは、具体と抽象を意識的に行き来しながら文章を読む技術のことです。

具体的には、次のような思考プロセスです:

  1. 具体例を読む → 「この例は何を言いたいための例なの?」と問いかける
  2. 抽象的な主張を見つける → 「この主張を説明するためにどんな例が使われているか」と確認する
  3. 再び具体に戻る → 「この具体例は抽象的な主張とどうつながっているか」を検証する
  4. 全体を俯瞰する → 「この文章全体の抽象的なメッセージは何か」を確定する

このような読み方ができるようになると、評論文や論説文の構造が見えてくるようになります。そして、設問に対して的確な根拠を見つけ出すことができるようになるのです。

抽象的な表現を見分ける3つのサイン

文章の中で「ここが抽象的な表現だ」と見分けるためのサインがあります。

サイン 具体例 解説
①まとめ・結論の言葉 「こうした〜は」「このような〜は」「つまり」「すなわち」「要するに」 直前の具体例をまとめて抽象化する接続表現
②一般化・普遍化の表現 「人間とは」「社会において」「現代では」「〜というものは」 特定の事例を超えた一般的な原理・傾向を述べている
③筆者の評価・判断の言葉 「〜かもしれない」「〜と考えられる」「〜であろう」「〜である」(断定) 筆者が具体例に対して下した評価や解釈が抽象的な主張になる
❓ よくある生徒の質問①:「具体と抽象、どっちが先に来るの?」
実は、どちらが先に来るかは文章によって違います。多くの評論文では、「具体 → 抽象」の流れ(帰納的展開)が多いですが、「抽象 → 具体 → 抽象」(抽象的な主張を先に述べて、具体例で説明し、再びまとめる)という構造もよく見られます。どちらのパターンでも、「抽象を見つけて主張をつかむ」という姿勢は変わりません。

【藤原×山下 会話で学ぶ】なぜ「具体と抽象の往還」が重要なのか

藤原:「山下先生、この『具体と抽象』って、生徒がつまずくポイントはどこですか? スタディサプリで教えている中での実感を聞かせてください。」

山下:「そうですね、多くの生徒が具体例ばかり追って、筆者の本当の主張を見失うんですよ。特に評論文って、著者によっては具体例がすごく面白かったりする。例えば哲学的な評論文で、日常的なエピソードが出てきたりすると、生徒はそこに引き込まれてしまって、『なるほど、こういうことが起きるんだ』で終わってしまう。」

藤原:「なるほど! 具体例が面白すぎると、そこで思考が止まってしまうということですね。でも筆者はその具体例を使って、もっと大きな抽象的なメッセージを伝えようとしている。」

山下:「まさにそうです。面白い具体例を書くのが上手い筆者ほど、実は抽象的な主張が深い。生徒にはいつも言うんですが、『その具体例、なんのために書かれているの?』と常に問いかけながら読む習慣をつけてほしいんです。」

藤原:「その問いかけが、具体と抽象を往還する読み方の第一歩ですよね。私も指導していて思うんですが、この習慣がつくと、文章の『骨格』が見えるようになる。筆者が何を言いたくて、どう説明しているか、一目瞭然になる。」

山下:「そうなんです。そして、一度この感覚をつかんだ生徒は、本当に読解力が飛躍的に上がります。具体的な得点でいうと、模試の現代文で10〜20点上がるケースも珍しくない。」

藤原:「10〜20点は大きいですよね! 受験において現代文1科目でそれだけ変わると、合否が変わることもある。今日の記事を読んでいる皆さんにも、ぜひこの技術を身につけてほしいです。」

なぜ抽象的な主張が「解答の根拠」になるのか

現代文の設問、特に「筆者の考えとして最も適切なものを選べ」「傍線部の意味を説明せよ」といった問いは、必ずといっていいほど抽象的な内容を問うています

選択肢問題でも、「具体的な事実だけを述べている選択肢」は正解にならないことがほとんどです。なぜなら、それは単なる「事実の記述」であり、筆者の「主張」や「意見」を反映していないからです。

記述問題においても同様です。「〜イヤホンをして動画を見ていた」という具体的な事実を記述しても、筆者が主張したかった「一人の世界に閉じこもる傾向」という抽象的な内容を盛り込まなければ、点数はもらえません。

🔑 重要:設問の答えは「抽象」の中にある

現代文の設問では、具体例そのものを答えさせることはほぼない。問われているのは、その具体例が示す「抽象的な意味・主張・原理」です。
だからこそ、読解において抽象的な記述に注目する習慣が、直接的に得点アップにつながるのです。

「具体と抽象の往還」が他の科目にも効く理由

「具体と抽象の往還」は、現代文だけに使える技術ではありません。考えてみれば、あらゆる文章・あらゆる科目に「具体的な事実」と「それをまとめた考え方(抽象)」の構造があります。

  • 📘 英語の長文読解:英文でも “for example” の後は具体例、”therefore” や “in other words” の後は抽象的な主張。この構造を意識するだけで英文読解の正答率が上がる。
  • 📙 社会(歴史・地理・公民):歴史的事件(具体)の背後にある「時代の流れ」「社会構造の変化」(抽象)を理解することが論述問題の鍵。
  • 📗 理科(物理・化学・生物):実験結果(具体)から法則・原理(抽象)を導く思考は、まさに「具体から抽象へ」の往還。
  • 📕 数学の文章題:問題文の具体的な状況設定から、解くべき数学的構造(抽象)を読み取る力が必要。

抽象を読み取れる人は、科目を問わず、「何が言いたいのか」を的確につかめる人です。これは、受験だけでなく、社会に出てからも一生使える「知的な読解力」の基盤となります。

❓ よくある生徒の質問②:「抽象的な文章って難しくて読みにくいんですが…」
抽象的な記述が難しく感じるのは、それが「一般化された考え方」だからです。でも、難しいのは当然! 筆者はあえて具体例を使って、その難しい抽象的な考えをわかりやすく説明しているんです。だから、「具体例を読んで抽象的な主張を理解する」という流れで読めば、抽象的な記述が少しずつ理解しやすくなります。最初は「この例って、結局何を言いたいの?」と問いかけながら読む練習をしてみてください。

【原稿の例題・解説】実際に解いてみよう|具体と抽象を見分ける練習

例文で「具体」と「抽象」を見分けてみよう

📖 例文

最近の若者は、通学中にイヤホンをして動画を見たり、音楽を聴いたりすることが多い。こうした習慣は、一人の世界に閉じこもる傾向を強めているのかもしれない。

この短い文章の中に、「具体」と「抽象」の両方が含まれています。整理してみましょう。

文の部分 具体 or 抽象 解説
「通学中にイヤホンをして動画を見たり、音楽を聴いたりすることが多い」 具体 実際の行動の例。目に見える・体験できるレベルの具体的な事実。
「こうした

こうした習慣は、一人の世界に閉じこもる傾向を強めているのかもしれない。

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「こうした習慣は、一人の世界に閉じこもる傾向を強めているのかもしれない」 抽象 具体的な行動から引き出された、筆者の解釈・主張。「一人の世界に閉じこもる傾向」という一般化された考え方が含まれている。

🔑 この例文から学べること

もし前半の「具体」だけを読んで「なるほど、若者はイヤホンをして通学しているんだな」で終わってしまうと、ただの「若者の行動紹介」にしか見えません。

しかし後半の「抽象」まで読むことで、筆者が言いたいのは「一人の世界に閉じこもる傾向」=人間関係の変化という問題意識だとわかります。

つまり、「こうした習慣は〜」という接続表現をしっかり意識することが、具体から抽象への移行を見抜くカギになります。

山下:「この例文はとてもシンプルで、具体と抽象の構造がわかりやすいですよね。『こうした習慣は』という表現が、前の具体例をまとめて抽象に移行するサインになっています。」

藤原:「そうですね。『こうした』『このような』『そうした』といった指示語が出てきたら、直前の具体例を受けて抽象的なまとめに移っているサインだと覚えておくといいですね。」

山下:「まさに。これを意識するだけで、文章の『話題の切り替わり』と『筆者の主張が出てくる場所』がぐっとわかりやすくなります。受験生には絶対に意識してほしいポイントです。」

藤原:「指示語と接続表現は、具体と抽象を往還するための『道しるべ』なんですよね。この意識を持って読むだけで、文章の見え方がまったく変わってくる。」

練習問題に挑戦しよう

では、実際に問題を解いてみましょう。

📝 練習問題

問題文:

あるカフェでは、店員が客の名前を覚え、来店のたびに「おはようございます」と笑顔で声をかけてくれる。こうした小さな行動は、人と人とのつながりの温かさを思い出させるものである。

問い:この文章における「抽象的な内容」はどれか。

選択肢 内容
店員が名前を覚えてくれること
笑顔で声をかけてくれること
人と人とのつながりの温かさ
カフェの接客方法の工夫

✅ 正解と解説

正解:ウ「人と人とのつながりの温かさ」

【各選択肢の解説】

選択肢 具体 or 抽象 解説
ア「店員が名前を覚えてくれること」 ❌ 具体 実際のカフェでの具体的な行動の一つ。事実の記述であり、抽象的な主張ではない。
イ「笑顔で声をかけてくれること」 ❌ 具体 こちらも実際の行動の描写。問題文の「来店のたびに笑顔で声をかけてくれる」という具体的な事実そのまま。
ウ「人と人とのつながりの温かさ」 抽象(正解) 「こうした小さな行動は〜」という表現で具体例を受けて述べられた、筆者の抽象的な主張。特定のカフェの話を超えた、普遍的・一般的な価値観・考え方を表している。
エ「カフェの接客方法の工夫」 ❌ やや具体寄り 「カフェ」という特定の場所に限定された話であり、筆者が言いたいことの本質(人と人とのつながり)を反映していない。これは「具体例の説明・言い換え」にすぎない。

【解き方のポイント】

「こうした小さな行動は、人と人とのつながりの温かさを思い出させるものである」という文は、前の具体例(名前を覚える・笑顔で挨拶する)を受けて、筆者が「何を言いたいのか」を述べた抽象的な主張です。

選択肢を見るとき、「これは特定の場面・行動の話か(=具体)?それとも、より広い意味での考え方・価値観か(=抽象)?」と問いかけるのがコツです。「人と人とのつながりの温かさ」は、カフェに限らずあらゆる場面に当てはまる一般的な価値観ですから、これが「抽象」です。

藤原:「山下先生、この問題で間違える生徒はどの選択肢を選びがちですか?」

山下:「エの『カフェの接客方法の工夫』を選んでしまう生徒が意外と多いですね。なんとなく『まとめっぽい』感じがするから。でも、これはあくまでカフェという具体的な場所に限定された話で、筆者の本当に言いたいことである『人と人とのつながりの温かさ』という普遍的な価値観には届いていない。」

藤原:「なるほど。『なんとなくまとめっぽい』という感覚で選ぶと引っかかる。大切なのは、『筆者がこの文章を通じて伝えたい一番大事なこと(=最も抽象度が高いもの)はどれか』という視点で選択肢を見ることですよね。」

山下:「そうです。抽象度を意識するというのが重要なキーワードで、選択肢の中で最も一般的・普遍的な内容を述べているものを選ぶ、という考え方が使えます。」

藤原:「その考え方は、共通テストの選択問題でもそのまま使えますよね。選択肢の中で最も抽象度が高いもの、つまり最も広い意味で当てはまるものが正解に近いことが多い。」

❓ よくある生徒の質問③:「選択肢でアとウで迷ったとき、どうやって判断すればいいですか?」
迷ったときは、「これは特定の場所・人・出来事の話か、それとも一般的・普遍的な考え方の話か」と問いかけてみてください。アの「店員が名前を覚えてくれること」は「あるカフェの特定の行動」という具体的な話。ウの「人と人とのつながりの温かさ」は「どんな場面でも当てはまる一般的な価値観」という抽象的な話。より広い範囲に当てはまる方が「抽象」です。この「広さ・普遍性」が判断基準になります。

【実践ステップ】具体と抽象の往還を使いこなすための具体的な方法

「具体と抽象の往還」という考え方を理解したところで、実際の読解にどう活かすかを、5つのステップで解説します。今日から実践できる内容ですので、ぜひ手元の問題集や教科書を使って試してみてください。

ステップ①:文章を読みながら「C(具体)」「A(抽象)」とメモする習慣をつける

最初のステップは、文章を読みながら各文・各段落が「具体(Concrete)」なのか「抽象(Abstract)」なのかを意識する練習です。実際に文章の横に「C」「A」とメモを書きながら読んでみましょう。

📖 実践例

文章 分類
「最近の若者は、通学中にイヤホンをして動画を見たり、音楽を聴いたりすることが多い。」 C(具体)
「こうした習慣は、一人の世界に閉じこもる傾向を強めているのかもしれない。」 A(抽象)← 筆者の主張!

最初は時間がかかっても大丈夫。繰り返すうちに、パッと見て「ここは具体、ここは抽象」とわかるようになります。

このメモをつける習慣は、最初は時間がかかるかもしれませんが、2〜3週間続けると、意識せずに具体と抽象を区別できるようになります。日本国語塾TOPでは、この習慣を身につけさせることを最初のトレーニングとして実施しています。

ステップ②:「この具体例は何のために書かれているか」を常に問いかける

具体例を読むたびに、「なぜ筆者はこの例を出したのか?」「この例を通じて何を言いたいのか?」と問いかける習慣をつけましょう。

この問いかけが、具体から抽象へと思考を昇華させるための最も重要な習慣です。評論文では、筆者は必ず「目的を持って」具体例を選んでいます。その目的(=抽象的な主張)を読み取ることが、読解の核心です。

⚠️ 注意:具体例の「内容」を理解することに満足しないこと!「この例って面白いな」「こういう現象があるんだ」と理解した段階で止まってしまうのが最大の落とし穴です。常に「だから筆者は何が言いたいの?」と次の問いを立てましょう。

ステップ③:接続表現・指示語をマーキングして「具体→抽象の切り替わり」を見つける

文章の中には、具体から抽象へ(またはその逆へ)切り替わるサインとなる接続表現・指示語があります。これらをマーキングしておくことで、筆者の主張が出てくる場所を素早く特定できます。

種類 代表的な表現 働き
具体→抽象への切り替え 「こうした〜は」「このような〜は」「つまり」「すなわち」「要するに」「このことは」「したがって」「以上のことから」 直前の具体例を受けて、抽象的な主張・まとめへと移行するサイン
抽象→具体への切り替え 「例えば」「たとえば」「具体的には」「実際に」「〜の場合」「〜を考えてみよう」 抽象的な主張の後に、それを説明するための具体例が続くサイン
抽象的な主張の強調 「〜ことが重要だ」「〜と言えよう」「〜ではないだろうか」「〜に他ならない」「〜のである」 筆者が特に強調したい抽象的な主張を述べているサイン

これらの表現に下線を引いたり、マーカーを引いたりする習慣をつけると、文章の構造が視覚的に見えるようになります。特に「つまり」「すなわち」「要するに」の後には、必ず筆者の主張の核心が来ますから、ここは絶対にマーキングしてください。

ステップ④:段落ごとに「この段落の抽象的な主張は何か」を一言でまとめる

文章を読んだ後、各段落について「この段落で筆者が言いたいこと(抽象)を一言でまとめると?」という練習をしましょう。これは、「要約力」と「抽象化力」を同時に鍛える非常に効果的なトレーニングです。

最初は長くなっても構いません。練習を重ねるうちに、どんどん端的にまとめられるようになります。

📖 段落まとめの例

段落の内容(具体) 一言まとめ(抽象)
通学中にイヤホンで動画・音楽を楽しむ若者の行動について述べた段落 →「現代の若者は孤立傾向を強めている」
カフェの店員が名前を覚えて挨拶するエピソードを述べた段落 →「小さな行動が人と人とのつながりを生む」

ステップ⑤:抽象的な主張どうしをつなげて「文章全体の主張」を把握する

各段落の抽象的な主張を一言でまとめたら、最後にそれらをつなげて「この文章全体で筆者が言いたいこと」を把握します。これが、文章全体の読解の完成です。

文章全体の主張をつかめるようになると、記述問題の解答が格段に書きやすくなります。また、選択問題でも「この選択肢は文章全体の主張と合っているか」という観点で判断できるようになり、正答率が大幅に上がります。

📌 Step 1

C・Aメモで具体と抽象を色分け

📌 Step 2

「この例、何のため?」と常に問いかける

📌 Step 3

接続表現・指示語をマーキング

📌 Step 4

段落ごとに抽象的な主張を一言でまとめる

📌 Step 5

主張をつなげて文章全体の主張を把握

❓ よくある生徒の質問④:「具体と抽象を意識して読んでいると、時間がかかりすぎます。試験で時間が足りなくなりそうで怖いです。」
最初は時間がかかるのは当然です!でも、これは「自転車の練習」と同じ。最初はよろよろしながら時間をかけて乗るけれど、慣れると無意識にバランスをとれるようになります。具体と抽象の往還も、練習を重ねるうちに自然にできるようになり、むしろ読む速度が上がります。なぜなら「読むべき重要なポイント(抽象)」と「読み流してよい部分(具体例の詳細)」の区別がつくようになるからです。日本国語塾TOPでは、まず普段の練習でこの習慣を徹底的に身につけ、試験本番では自然にできるレベルまで引き上げることを目標にしています。

【会話形式】よくある生徒の疑問に答えます|具体と抽象Q&A

生徒(Aさん):「先生、具体と抽象の区別はわかったんですが、文章によっては具体なのか抽象なのかわからないものがあります。グレーゾーンみたいな…。」

藤原:「いい質問ですね! 実は、具体と抽象は二項対立ではなく、グラデーション(連続的なもの)なんです。つまり、同じ内容でも、より具体的なレベルと、より抽象的なレベルがある。たとえば『現代人のスマホ使用』は、『特定のAさんがスマホでゲームをした』という話に比べれば抽象的だけど、『現代人のコミュニケーションの変化』という話に比べれば具体的。大切なのは、その文章の中で相対的に見て、より筆者の主張に近い方(より抽象度が高い方)を優先することです。」

山下:「そうですね。試験で迷ったときは『選択肢の中でどちらがより一般的・普遍的な内容か』を考えると判断しやすくなりますよ。」

生徒(Bさん):「先生、抽象的な主張を見つけたはいいんですが、それが本当に筆者の主張なのか、自信が持てないんです。」

山下:「それは、文章全体を通じてその主張が繰り返されているかどうかを確認するといいです。筆者は自分が大事だと思っている主張を、言い方を変えながら何度も繰り返す傾向があります。一つの段落だけで見つけた抽象的な主張が、他の段落でも似たような形で述べられていれば、それが文章の中心的な主張である可能性が高いです。」

藤原:「それを確認するためにも、ステップ④でやった『各段落の抽象的な主張を一言でまとめる』練習が効くんですよね。各段落のまとめを並べてみると、共通するテーマが浮かび上がってくる。それが文章全体の主張です。」

生徒(Cさん):「具体例をまったく無視して抽象だけ読めばいいんですか?」

藤原:「いいえ、それは違います! だからこそ『往還(行き来する)』という言葉を使っているんです。具体例を完全に無視すると、抽象的な主張の意味が理解できなくなります。特に記述問題では、抽象的な主張の根拠として具体例を引用する必要があることもある。大切なのは、具体例を『主役』として読むのではなく、抽象的な主張を理解するための『脇役・材料』として読むことです。」

山下:「上手い例えで言うと、具体は料理の『食材』で、抽象は『完成した料理』。食材ばかり見ていても、シェフ(筆者)が作りたかった料理の全体像はわかりません。でも食材を見ることで、料理がどんな味かを理解する助けになる。そういう関係ですね。」

藤原:「山下先生、素晴らしい例え! まさにそのとおりです。具体例(食材)をしっかり理解した上で、筆者が作り上げた料理(抽象的な主張)の全体像をつかむ。これが『具体と抽象の往還』の本質です。」

❓ よくある生徒の質問⑤:「小説(文学的文章)でも具体と抽象の往還は使えますか?」
はい、使えます! 小説(文学的文章)でも、具体的な場面・登場人物の行動・会話(具体)と、それが示す登場人物の心情・作品のテーマ・人間の本質(抽象)の区別は重要です。たとえば、「主人公が雨の中で傘を差し出した(具体)」という場面は、「他者への思いやり・つながり(抽象)」というテーマを表している可能性があります。設問では「この行動はどんな心情を表しているか」「作品のテーマは何か」という形で抽象的な内容が問われます。評論文と小説、どちらでも「具体と抽象の往還」は有効な読解技術です。

【入試での活かし方】試験本番で使えるポイント|具体と抽象を武器にする

大学入学共通テストにおける「具体と抽象」の重要性

大学入学共通テスト(旧センター試験)の現代文では、評論文・小説それぞれで「筆者の主張・意図を問う問題」が必ず出題されます。近年の共通テストでは、複数のテキストを組み合わせた「複数資料型」の問題も出題され、それぞれの文章に含まれる抽象的な主張を比較・統合する力がますます求められています。

2021年度以降の共通テスト現代文では、実用的な文章(資料・パンフレット・レポートなど)も出題されています。これらの文章でも、「具体的な情報(数値・事例・手順)」と「それが示す抽象的な意味・目的」を区別して読む力が必要です。

🔑 共通テスト現代文の出題傾向

  • ✅ 傍線部の意味を問う問題 → 傍線部が「具体」なら抽象化、「抽象」なら具体例を参照して解釈する
  • ✅ 「筆者の主張として最も適切なもの」を選ぶ問題 → 最も抽象度が高く、文章全体の主張と合致するものを選ぶ
  • ✅ 複数資料の比較問題 → 各文章の抽象的な主張を把握し、共通点・相違点を整理する“`html
  • ✅ 複数資料の比較問題 → 各文章の抽象的な主張を把握し、共通点・相違点を整理する
  • ✅ 内容一致問題 → 具体例の記述ではなく、抽象的な主張と合致しているかを確認する

難関私大における「具体と抽象」の出題傾向

難関私大(早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学・明治大学・立教大学など)の現代文では、共通テストよりもさらに高度な「抽象的思考力」が求められます。

大学・学部 出題傾向 「具体と抽象」との関連
早稲田大学(文学部・文化構想学部) 哲学・思想・文化論など高度な評論文が出題される。抽象度が非常に高い文章が多い。 抽象的な概念語(「他者性」「脱構築」など)を具体例と照らし合わせながら理解する力が必須。
慶應義塾大学(文学部・経済学部) 長文の評論文で、筆者の論旨の展開を正確に追う力が問われる。記述問題も多い。 各段落の抽象的な主張を把握し、論旨の流れ(具体→抽象→具体→抽象)を追う力が鍵。
上智大学(文学部・総合人間科学部) 比較的難易度が高い評論文。選択肢の精度が高く、「ほぼ正しいが微妙にずれている」選択肢が多い。 抽象的な主張の「抽象度のレベル」を正確に把握することで、選択肢の微妙なズレを見抜ける。
明治大学・立教大学(文系各学部) 標準〜やや難レベルの評論文。内容一致問題・傍線部説明問題が中心。 具体例に引きずられず、抽象的な主張を正確に押さえることで安定した得点が可能。
国公立大学(東京大学・京都大学・一橋大学など) 記述・論述問題が中心。筆者の主張を自分の言葉で説明する力が求められる。 抽象的な主張を的確に把握し、適切な具体例と組み合わせながら論述する力が直接問われる。

試験本番で「具体と抽象の往還」を使う3つのテクニック

テクニック①:設問を先に読んで「何を問われているか(具体か抽象か)」を把握する

試験本番では、文章を読む前に設問に目を通す「設問先読み」が有効です。設問の問い方を見ることで、「この問題は具体的な内容を聞いているのか、抽象的な主張を聞いているのか」が事前に把握できます。

たとえば、「筆者の主張として最も適切なものを選べ」という設問であれば、文章を読む際から「筆者の抽象的な主張はどこか」を意識して読めます。一方、「傍線部の具体的な内容を説明したものとして適切なものを選べ」という設問であれば、傍線部の前後の具体例に注目して読む、といった戦略が立てられます。

テクニック②:選択肢を「具体レベル」と「抽象レベル」で分類して絞り込む

選択問題では、選択肢を次のように分類すると正解を絞り込みやすくなります。

🔑 選択肢の分類法

  1. 具体的すぎる選択肢:文章中の具体例をそのまま言い換えているだけ → 「筆者の主張」を問う設問では×
  2. 抽象的すぎる選択肢:文章の内容を逸脱した、一般論・常識的な話になっている → 文章の主張から離れすぎている×
  3. 適切な抽象度の選択肢:文章の具体例を踏まえつつ、筆者の主張を的確に言い換えている → ◎

「具体的すぎず、抽象的すぎず」——この「適切な抽象度」を見極めることが、選択問題の正答率を上げる鍵です。

テクニック③:記述問題では「抽象的な主張+具体的な根拠」のセットで答える

国公立大や私大の記述問題では、「〜とはどういうことか、説明せよ」という問いに対して、抽象的な主張だけを書いても、具体的な根拠だけを書いても、満点はもらえません。

最も評価される解答は、「抽象的な主張(=筆者が言いたいこと)+それを裏付ける具体的な根拠(=文章中の具体例・事実)」のセットで構成された解答です。

📖 記述解答の構成例

解答の要素 内容 評価
具体的な根拠のみ 「若者が通学中にイヤホンをして動画や音楽を楽しんでいるということ。」 △(事実の記述だけで主張の理解が不十分)
抽象的な主張のみ 「現代の若者は一人の世界に閉じこもる傾向を強めているということ。」 ○(主張はつかめているが根拠が不足)
抽象+具体のセット 「通学中にイヤホンで動画・音楽を楽しむ習慣(具体)に見られるように、現代の若者は一人の世界に閉じこもる傾向を強めており、人間関係の孤立化が進んでいる(抽象)ということ。」 ◎(具体的根拠と抽象的主張の両方が含まれ、筆者の意図を正確に反映している)
❓ よくある生徒の質問⑥:「共通テストは選択問題だから、記述の練習は不要ですか?」
いいえ! 共通テストだけを受ける場合でも、記述の練習は非常に有効です。なぜなら、記述の練習を通じて「抽象的な主張を正確に言語化する力」が鍛えられるからです。この力がつくと、選択問題でも「この選択肢の表現は筆者の主張を正確に言語化しているか」という視点で選択肢を評価できるようになります。記述と選択は、求められる「読解力の本質」はまったく同じです。

【藤原×山下 対談】「具体と抽象の往還」を身につけた生徒の変化

藤原:「山下先生、この『具体と抽象の往還』を身につけた生徒さんって、どんな変化がありましたか? 印象的なエピソードがあれば教えてください。」

山下:「たくさんありますが、特に印象的なのは、現代文がずっと苦手だった高3の男子生徒のケースです。彼は模試で現代文が40点台(100点満点)という状態で、評論文を読むと『何が書いてあるかわからない』と言っていました。」

藤原:「現代文で40点台は、かなり苦しい状況ですね。どんなアドバイスをしたんですか?」

山下:「最初に、彼の読み方を観察してみたんです。すると、文章の具体例の部分をものすごく丁寧に読んで、そこに時間をかけすぎていた。抽象的な主張の部分は、むしろ『難しいな』と感じてサラッと読み飛ばしてしまっていた。逆なんですよね(笑)。」

藤原:「あるある、ですね(笑)。難しいと感じるものを避けてしまう。でも、その『難しいと感じる抽象的な部分』こそが解答の核心なんですよね。」

山下:「そうなんです。だから彼に、C・Aメモの習慣と、接続表現マーキングを徹底的に練習させました。最初の1週間は本当に時間がかかっていましたが、2週間目から少しずつ『ここが抽象だ』とわかるようになってきた。」

藤原:「2週間でわかるようになってきたのは早いですね!」

山下:「彼が真剣に取り組んでくれたんです。そして1ヶ月後の模試では、現代文が67点に上がりました。40点台から67点ですから、約25点アップ。本人がいちばんびっくりしていました(笑)。」

藤原:「25点アップは本当にすごい。受験生にとって25点は合否を大きく左右しますよね。」

山下:「彼が言っていたのが、『文章が地図みたいに見えるようになった』という言葉で。具体例がある場所と、筆者の主張がある場所が地図のように視覚化されて見えるようになったと。この感覚を一度つかむと、もう後退することはないんですよね。」

藤原:「その『地図みたいに見える』という感覚、すごくいい表現ですね。文章の構造が見えるようになるということ。私が日本国語塾TOPで指導していても、同じような変化を経験する生徒をたくさん見てきました。」

山下:「藤原先生のところでも同じような変化がありますか?」

藤原:「ありますね。特に印象的だったのは、数学は得意なのに国語が苦手という理系の生徒さん。彼女は『数学は得意なのに、なんで国語ができないの』と悩んでいた。でも、実は数学的な思考と『具体と抽象の往還』はすごく近いんですよね。数学でも、具体的な問題(数字・図形)から抽象的な公式・定理を引き出して、また具体的な計算に適用する、という往還をやっている。」

山下:「確かに! 数学的な思考と現代文の読解は、抽象化という点で共通しているんですね。」

藤原:「その話をしたら、彼女は『なるほど、数学と同じじゃないですか!』とすごく納得してくれて。それからは国語も数学と同じように論理的に読めるようになって、模試でも安定して高得点が取れるようになりました。」

山下:「数学が得意な生徒に『抽象化の作業は数学と同じ』と説明するのは、すごくいいアプローチですね。今日の記事を読んでいる理系の受験生にも、ぜひそういう視点で取り組んでほしいです。」

藤原:「まったくそのとおりです。国語の読解力と数学的な思考力は、実は根っこでつながっている。『具体と抽象の往還』はその共通の根っこを鍛えるものだと思っています。」

「具体と抽象の往還」で変わる3つのこと

日本国語塾TOPでの指導経験をもとに、この技術を身につけた生徒に共通して見られる変化を3つにまとめました。

変化 before(習得前) after(習得後)
①文章の読み方 具体例を全部丁寧に読もうとして、時間切れになる。どこが大事かわからず、全部に線を引いてしまう。 抽象的な主張(重要部分)と具体例(参考部分)を区別して読める。時間の使い方が効率化される。
②設問への対応 設問を見ても「どこに答えがあるかわからない」。感覚で選択肢を選んでしまう。 「この設問は抽象的な主張を問いているな」と判断し、的確な箇所を根拠として特定できる。
③他科目への影響 国語だけの問題として捉えていた。 英語・社会・理科・数学の文章題でも「何が言いたいのか」を素早くつかめるようになる。

今日からできる実践チェックリスト|具体と抽象の往還をマスターする

以下のチェックリストを活用して、「具体と抽象の往還」の習得度を確認しましょう。まだできていない項目は、今日から意識して取り組んでみてください。

  • 文章を読むとき、各文・各段落が「具体」か「抽象」かを意識している
  • 具体例を読むたびに「この例は何のために書かれているか?」と問いかけている
  • 「こうした〜」「このような〜」「つまり」「すなわち」などの接続表現・指示語をマーキングしている
  • 「たとえば」「具体的には」「実際に」などの表現の後には具体例が来ると意識している
  • 各段落の抽象的な主張を一言でまとめる練習をしている
  • 各段落のまとめをつなげて、文章全体の主張を把握する練習をしている
  • 選択問題で選択肢を「具体的すぎる・適切・抽象的すぎる」と分類して絞り込んでいる
  • 記述問題で「抽象的な主張+具体的な根拠」のセットで解答を構成している
  • 現代文だけでなく、英語・社会・理科・数学でも「具体と抽象の区別」を意識して読んでいる
  • 文章を読んだ後、「この文章全体で筆者が最も言いたかったことは何か」を一言でまとめられる
⚠️ チェックリストの使い方:最初から全部できなくても大丈夫です。今日から1つずつ意識して取り組み、1週間後・1ヶ月後に再確認してみてください。できている項目が増えるにつれて、読解力の変化を実感できるはずです。

藤原:「山下先生、このチェックリストの中で、特に最初に意識してほしい項目はどれですか?」

山下:「まず最初は『具体か抽象かを意識する』と『具体例に問いかける』の2つですね。この2つの習慣がつくだけで、読み方がガラッと変わります。他の項目は、この2つができてから少しずつ加えていくといいと思います。」

藤原:「一度にすべてやろうとすると消化不良になることもありますからね。まず基本の2つを徹底して、それが当たり前になったら次のステップへ。この積み上げ方が大切です。」

山下:「そうですね。そして、チェックリストを使って自分の成長を可視化することも大事。できている項目が増えていくのを見ると、モチベーションにもつながります。」

❓ よくある生徒の質問⑦:「どんな問題集・参考書で練習すればいいですか?」
「具体と抽象の往還」を練習するために特別な問題集は必要ありません。今持っている教科書・問題集・模試の過去問を使って、C・Aメモと接続表現マーキングの習慣をつけることが最も効果的です。ただし、参考書を選ぶなら、評論文の「構造分析」を丁寧に解説しているものが役立ちます。日本国語塾TOPでは、生徒一人ひとりのレベルに合わせて最適な教材を選定し、「具体と抽象の往還」をはじめとした読解技術を体系的に指導しています。

まとめ|「具体と抽象の往還」で読解力アップ、日本国語塾トップで差をつけよう

今日の記事では、現代文読解の核心技術である「具体と抽象の往還」について、基礎から実践まで徹底的に解説しました。最後にポイントを整理しておきましょう。

🔑 今日の記事のまとめ

  1. 「具体」は例・事実、「抽象」は筆者の主張・原理・一般的なまとめであり、現代文では「抽象」の方が重要。
  2. 筆者の主張は必ず抽象的な記述の中にある。設問で問われるのも、ほぼ100%「抽象的な内容」。
  3. 「具体と抽象の往還」とは、具体と抽象を意識的に行き来しながら読む技術。「この例は何のため?」と問いかけながら読む習慣が鍵。
  4. 接続表現・指示語がサイン。「こうした〜」「つまり」の後には抽象、「たとえば」「具体的には」の後には具体例が来る。
  5. 5つの実践ステップ(C・Aメモ→問いかけ→マーキング→段落まとめ→全体把握)で確実に身につく。
  6. 「具体と抽象の往還」は国語だけでなく全科目に効く万能の読解技術。抽象を読み取れる人は、科目を問わず「何が言いたいのか」を的確につかめる人。

「具体と抽象の往還」は、一度身につければ一生使える読解技術です。受験勉強の期間だけでなく、大学・社会に出てからも、文章を読み、人の話を理解し、自分の意見を整理するあらゆる場面で役立ちます。

今日から、文章を読むたびに「ここは具体?抽象?」「この例は何のため?」と問いかける習慣をスタートしてください。最初は意識的に行う必要がありますが、継続することで必ず「自動化」されます。そのとき、あなたの読解力は確実に次のレベルへと上がっています。

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執筆:藤原進之介(数強塾グループ代表・日本国語塾TOP監修)/山下翔平(スタディサプリ国語講師・日本国語塾TOP在籍)



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