はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「英語の長文読解が苦手で、時間が足りない」「英単語も文法も覚えたのに、内容が頭に入ってこない」——そんな悩みを抱えた受験生や保護者の方から、毎月たくさんのご相談をいただきます。
そのたびに私が最初に確認するのは、実は「英語の学習状況」ではありません。「国語の読解力」です。
英語の長文読解に必要な国語力——これは、多くの保護者が見落としている盲点です。英語と国語は別科目だから関係ない、と思いがちですが、現場で指導してきた経験から断言できます。英語力が高い子は、例外なく国語力も高い。そして逆に、英語の長文が読めない子の多くは、国語の読解に根本的な課題を抱えています。
今回の記事では、なぜ英語の長文読解に国語力が必要なのか、そのメカニズムと具体的な鍛え方を、翔先生と一緒に徹底解説します。中学生・高校生の受験生はもちろん、お子さんの英語学習に悩む保護者の方にも、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
核心情報:英語の長文読解と国語力の深い関係
翔先生からまず核心をお伝えしましょう。
「藤原先生、よく生徒さんから『英語の問題が解けない』という相談を受けるんですが、一緒に問題を見ていくと、英語以前の問題であることがほとんどなんです。たとえば、日本語で同じ内容を説明しても『よくわからない』という子は、英語になったとたんさらにわからなくなる。つまり、日本語(母語)での思考力・読解力が、そのまま英語読解に影響しているんです」
おっしゃる通りです。言語学の世界では、「言語間転移(Linguistic Transfer)」という概念があります。母語でのリテラシー(読み書き能力・論理的思考力)は、外国語学習にも直接転移するというものです。つまり、国語力はそのまま英語力の土台になっているのです。
具体的に、英語の長文読解に必要な国語力として以下の3つが挙げられます。
- ①論理的読解力:筆者の主張・根拠・結論の流れを追う力
- ②語彙・概念理解力:抽象的な言葉や概念をイメージに変換する力
- ③要約・構造把握力:段落ごとの役割と文章全体の構成を理解する力
これらはすべて、国語の読解練習によって鍛えられるスキルです。英語の単語や文法をいくら増やしても、この土台がなければ「読めているようで理解できていない」状態が続きます。
具体的な方法・解説
① 論理的読解力を鍛える:「主張」と「根拠」を常に意識する
英語の長文読解でよく出題されるのが、「筆者の主張として最も適切なものを選べ」という問題です。この問題が解けない生徒の多くは、文章全体を漠然と読んでいて、どこが「結論(主張)」でどこが「根拠(例)」かを区別できていません。
これは英語固有の問題ではなく、国語の論説文・説明文読解でまったく同じことが求められるスキルです。
【具体的な練習法】
国語の論説文を読む際に、次の3点を色分けして書き込む習慣をつけましょう。
- 🔴 赤ペン:筆者の「主張・意見」の文(〜だと思う、〜べきだ、〜である など)
- 🔵 青ペン:「根拠・理由・データ」の文(なぜなら〜、〜によると、例えば〜 など)
- 🟡 黄色マーカー:「まとめ・結論」の文(このように、したがって、つまり など)
この訓練を国語で繰り返すと、英語の長文を読むときも自然と「これは主張の文か、根拠の文か」を意識しながら読めるようになります。翔先生の指導でも、この練習を取り入れた生徒は英語の長文正答率が平均20〜30%向上するというデータが出ています。
② 語彙・概念理解力を鍛える:日本語の抽象語を増やす
「英単語は覚えたのに、文章の意味がわからない」という生徒に多いのが、日本語の抽象語・概念語の理解不足です。
たとえば英語の長文に “sustainability(持続可能性)” という単語が出てきたとします。訳語は知っていても、「持続可能性って何?」という概念レベルの理解がなければ、その語を含む文章全体の論旨を追えません。
英語の長文で頻出のテーマ(環境問題、グローバル化、テクノロジーと社会、多様性など)は、国語の説明文・論説文でも頻繁に扱われます。国語の読解学習で日本語の概念語を増やすことが、そのまま英語の読解力強化につながります。
【具体的な練習法】
国語の教科書や入試問題に出てくる以下のような抽象語を、「自分の言葉で説明できるか」を確認しながら語彙ノートに整理しましょう。
- 「普遍性・相対性・主体性・客観性・アイデンティティ・パラダイム」
これらを日本語でしっかり理解していると、英語で同じ概念が出てきたときに「ああ、あの考え方のことか」と素早く理解できます。
③ 要約・構造把握力を鍛える:段落の「役割」を言語化する
英語の長文読解でもっとも点差が開くのは、「文章の構成・展開を理解しているかどうか」です。優秀な受験生は、英語の長文を読みながら頭の中で「この段落は問題提起、次は具体例、最後は筆者の解決策」というように構造を把握しています。
この力を鍛えるのに最適な練習が、国語の「段落要約」です。
【具体的な練習法】
国語の論説文や説明文を読むとき、各段落の横に「役割ラベル」を書く練習をします。
- 「話題提示」「具体例」「主張」「反論」「まとめ」「転換」
これを続けると、英語の長文でも同じように段落の役割を即座に把握できるようになります。英語の長文問題の選択肢は、この段落構造の理解を問うものが非常に多いため、正答率が大きく上がります。
④ 接続詞・論理マーカーを意識する
英語の長文読解指導でよく「however(しかし)、therefore(したがって)、for example(例えば)に注目しろ」と言われます。これらは論理の流れを示す「道標」です。
実はこれと全く同じ機能を持つのが、国語の接続詞です。「しかし・だから・つまり・たとえば・一方で・ところが」——これらの働きをしっかり理解している生徒は、英語の論理マーカーも自然に使いこなせます。
国語で接続詞の使い方を体感として覚えることが、英語長文の論理把握力を飛躍的に高めます。日頃から国語の問題で「接続詞の前後で何が変わるか」を確認する習慣をつけましょう。
⑤ 日本語で「要約する力」を磨く
英語の長文問題では、「本文の内容と一致するものを選べ」という選択肢問題が多数出ます。この問題を解く核心は、「文章の内容を正確に圧縮して理解する力」、つまり要約力です。
要約力は一朝一夕に身につくものではありませんが、国語の読解練習で「100字要約・200字要約」を繰り返すことが最も効率的なトレーニングです。毎日1つの文章を読み、100字で要約する習慣をつけるだけで、英語の長文内容一致問題の精度が格段に上がります。
藤原&翔先生の実践アドバイス
翔先生より:
「私が指導してきた生徒で、英語の偏差値が60を超えていた子は、ほぼ全員、国語も得意でした。逆に、英語が苦手な子に共通しているのは『日本語の文章を読む習慣がない』こと。英語の長文を読む練習をする前に、まず日本語の長文をしっかり読めるようにすることが先決です。私のクラスでは週に1回、必ず国語の論説文を題材にした『構造分析ワーク』をやっています。これを3ヶ月続けた生徒の英語の長文正答率が平均15点以上上がったケースを何人も見てきました。」
藤原より:
保護者の方へ特にお伝えしたいのは、「英語と国語は別物」という思い込みを今すぐ捨ててください、ということです。子どもの英語成績が伸び悩んでいるとき、英語の塾を増やす前に「国語の読解力はどうか」を確認してほしいのです。日本国語塾TOPでは、英語の長文読解を念頭に置いた国語指導も行っています。英語力が高い子は国語もできる——この事実を、ぜひお子さんの学習戦略に活かしてください。
よくある失敗と解決策
失敗① 英語の単語・文法ばかり強化して長文対策を後回しにする
単語も文法も大切ですが、それだけでは「木を見て森を見ず」の状態です。早い段階から長文読解の練習を取り入れ、その土台として国語の読解練習を並行して進めましょう。
失敗② 英語の長文を「訳すこと」が目的になってしまう
一語一語を丁寧に訳そうとすると、文章全体の論旨を見失います。英語の長文読解では「大意把握→細部確認」の順番が正しいアプローチです。この感覚は、国語の論説文を「全体の流れ→細部」で読む練習で養えます。
失敗③ 国語の勉強を「感覚・感想」でやってしまう
「なんとなく読んで問題を解く」という勉強では、国語力も英語力も伸びません。先述の「色分け読解」「段落ラベル」「100字要約」など、論理的・構造的に読む習慣を意識的につけることが重要です。
失敗④ 英語と国語の学習を完全に切り離して考える
スケジュールを立てるとき、英語と国語の学習テーマを連動させることも効果的です。たとえば「今週は環境問題をテーマに国語の論説文を読み、英語でも関連する長文を読む」というように、テーマを合わせて学ぶと両方の理解が深まります。
今日からできるアクション
難しく考える必要はありません。今日から始められる具体的なアクションを3つだけお伝えします。
-
📖 毎日1つの国語論説文を「構造分析しながら」読む
入試問題の論説文を1題選び、各段落の役割ラベルを書き込む。これだけで英語の長文読解に必要な国語力が確実に積み上がります。 -
✏️ 週3回「100字要約」を書く
新聞のコラム、教科書の文章、入試問題の文章、何でも構いません。読んだ文章を100字でまとめる練習を週3回続けてください。1ヶ月後には、英語の長文の内容把握スピードと精度が明らかに変わります。 -
🔗 英語と国語のテーマを月1回リンクさせる
月に一度、英語と国語で同じテーマの文章を読む週を設ける。「AI・テクノロジー」「環境問題」「グローバル化」などのテーマで、日本語→英語の順で読むと理解がぐっと深まります。
まとめ・日本国語塾トップについて
英語の長文読解に必要な国語力——これは、受験英語の世界で見落とされがちな重要テーマです。今回の記事でお伝えしたポイントを改めて整理します。
- ✅ 英語力が高い子は国語もできる。それは「言語間転移」という学術的な根拠がある
- ✅ 英語の長文読解に必要な国語力は「論理的読解力」「語彙・概念理解力」「要約・構造把握力」の3つ
- ✅ 色分け読解・段落ラベル・100字要約などの国語練習が、英語長文の正答率を直接上げる
- ✅ 英語と国語の学習を連動させることで、相乗効果が生まれる
英語の成績が伸び悩んでいるお子さんの多くは、実は国語力の底上げが最短ルートです。ぜひ今日から実践してみてください。
日本国語塾トップは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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