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「南総里見八犬伝」入試対策|曲亭馬琴の伝奇小説と勧善懲悪の世界

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数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

今回のテーマは、江戸時代後期を代表する読本(よみほん)の大作、「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」です。中学・高校入試の古文問題として出題されることも増えており、特に「勧善懲悪(かんぜんちょうあく)」の思想や、登場人物の設定、作者・曲亭馬琴(きょくていばきん)についての知識は、問題を解く上で非常に重要です。

「なんとなく聞いたことはあるけれど、内容はよくわからない」という受験生も多いはず。この記事では、入試に直結する知識を整理しながら、読解のコツ・記述対策・語句問題への対応まで、実践的に解説していきます。ぜひ最後まで読んで、得点力アップにつなげてください!


はじめに:なぜ「南総里見八犬伝」が入試に出るのか

「南総里見八犬伝」は、江戸時代後期の作家・曲亭馬琴(滝沢馬琴)が、文化11年(1814年)から天保13年(1842年)にかけて、実に28年の歳月をかけて書き上げた長編伝奇小説です。全98巻・106冊という超大作で、日本の近世小説の中でも最高峰に位置づけられます。

入試でこの作品が取り上げられる理由は主に3つあります。

  • ①文学史上の重要性:江戸時代の読本を代表する作品として、国語・社会を問わず「知識問題」として頻出。
  • ②テーマの明確さ:「勧善懲悪」「因果応報」というテーマが明瞭で、読解問題の設問が作りやすい。
  • ③語彙・表現の豊富さ:武士道・仏教思想・儒教倫理など多様な語彙が登場し、語句問題としても出題しやすい。

特に南総里見八犬伝の入試対策としては、文学史知識だけでなく「なぜ犬士たちは戦うのか」「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つの徳とは何か」という本文の内容理解が欠かせません。翔先生と一緒に、核心から押さえていきましょう。


核心情報:「南総里見八犬伝」を入試で解くために必須の基礎知識

作者・曲亭馬琴とはどんな人物か

曲亭馬琴(1767〜1848)は、本名を滝沢興邦(おきくに)といい、江戸・深川(現在の東京都江東区)に生まれました。武士の家に育ちながら、生計を立てるために書き物の世界に入り、やがて戯作者(げさくしゃ)として名を成します。

代表的な特徴として、入試でよく問われるのが以下の点です。

  • 読本(よみほん)の作家として活躍した
  • 晩年は失明しながらも、息子の嫁・お路(みち)の口述筆記によって南総里見八犬伝を完成させた(この事実は入試の記述問題でも頻出!)
  • 同時代には十返舎一九(じっぺんしゃいっく)・式亭三馬(しきていさんば)などの作家がいたが、馬琴は「勧懲小説(かんちょうしょうせつ)」の代表者として別格視された

翔先生からのポイント:「馬琴が失明しながらも完成させた、という事実は感動的なエピソードとして記述問題に使われることがあります。作者の情熱と、お路の献身が合わさって生まれた作品、と理解しておきましょう。」

あらすじと「八犬士」の設定を押さえる

物語の舞台は室町時代末期。安房国(現在の千葉県南部)の武将・里見義実(さとみよしざね)が、飼い犬の八房(やつふさ)との因縁から物語が始まります。義実の娘・伏姫(ふせひめ)は八房と山中に籠り、清廉なまま非業の死を遂げますが、その際に持っていた数珠の玉(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字が刻まれた八つの霊玉)が空中に散り、それぞれが各地で生まれた若者たちに宿ります。

この八つの霊玉を身に持つ若者たちが「八犬士(はっけんし)」です。犬塚信乃(いぬづかしの)・犬川荘助(いぬかわそうすけ)・犬山道節(いぬやまどうせつ)など、全員が「犬」の字を名字に持ち、それぞれの徳目を体現しながら里見家のために戦います。

入試頻出ポイント:八つの徳目

徳目 読み 意味
じん 思いやり・慈しみ
正しい道理・義理
れい 礼儀・秩序
知恵・判断力
ちゅう 主君への忠義
しん 誠実さ・信頼
こう 親への孝行
てい 兄弟・年長者への敬い

この八徳は儒教道徳に基づいており、「人としてあるべき姿」を表しています。入試では「この人物はどの徳目を体現しているか」「八犬士が大切にした精神とは何か」という問いが出ることがあります。

「勧善懲悪」と「因果応報」のテーマを理解する

勧善懲悪(かんぜんちょうあく)とは「善を勧め、悪を懲らしめる」という意味で、南総里見八犬伝の中心的なテーマです。馬琴は「文学は人を教え導くべきものだ」という強い信念を持っており、この作品を通じて「徳を積んだ者は報われ、悪を行った者は罰せられる」という世界観を描き切りました。

また「因果応報(いんがおうほう)」の概念も重要です。伏姫の死という悲劇が八犬士の誕生につながり、やがて里見家の栄光へと結実する――この「原因と結果の連鎖」こそが物語の骨格です。入試でも「伏姫の死はなぜ意味を持つのか」「霊玉が散ったことはどのような象徴か」という記述問題が出ています。


具体的な方法:南総里見八犬伝の入試問題を解くためのアプローチ

①文学史問題への対応:知識を整理して確実に得点する

まずは基本的な文学史知識を確実に頭に入れましょう。入試で問われる典型的な知識問題のパターンを整理します。

よく出る設問例と解答のポイント

  • 「南総里見八犬伝の作者は誰か」→ 曲亭馬琴(滝沢馬琴)
  • 「この作品のジャンルは何か」→ 読本(よみほん)
  • 「江戸時代のいつ頃書かれたか」→ 江戸時代後期(文化〜天保年間)
  • 「馬琴と同時代の作家を答えよ」→ 十返舎一九・式亭三馬・山東京伝など
  • 「八犬士が持つ徳目を全て答えよ」→ 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌

ここで注意したいのが「読本」という言葉の意味です。江戸時代の出版物には「草双紙(くさぞうし)」「洒落本(しゃれほん)」「人情本(にんじょうほん)」「読本」など様々なジャンルがありますが、読本は文字を主体とした本格的な物語で、教養ある読者層に向けて書かれたものです。南総里見八犬伝はその最高傑作とされます。

②本文読解問題への対応:場面ごとの状況を正確に把握する

実際に本文の一節が出題された場合、次の手順で読み解きましょう。

ステップ1:登場人物を確認する
八犬士の名前と持つ徳目を知っていると、「この人物がなぜこのような行動を取るのか」が自然に理解できます。例えば「信」の玉を持つ犬田小文吾(いぬたこぶんご)が出てきたら、「誠実・信義」に関わる行動をしているはずだ、と予測しながら読めます。

ステップ2:勧善懲悪の文脈に当てはめる
本文中の人物や出来事が「善」側か「悪」側かを区別しましょう。馬琴の作品では善悪の区別が明確なので、人物の発言・行動の意図を読み取りやすいはずです。

ステップ3:古文特有の表現を現代語に置き換える
南総里見八犬伝は江戸時代後期の文語体で書かれており、純粋な古文とは少し異なる「和漢混交文(わかんこんこうぶん)」のスタイルです。漢語が多く使われますが、文脈から意味を推測する練習をしておきましょう。

③記述問題への対応:テーマ・心情・意図を言語化する練習

記述問題では次の3パターンが頻出です。

パターンA:「〜とはどういうことか説明しなさい」
例:「八犬士が一堂に集まることの意味を説明しなさい」
→解答例:「散り散りになった霊玉が再び集まることで、伏姫の意志が成就し、里見家に正義と徳が回復されることを象徴している。」

パターンB:「作者はどのような思いでこの場面を描いたか」
→「勧善懲悪・因果応報の思想に基づき、徳を持って生きることの大切さを読者に伝えようとした」という方向性で答えましょう。

パターンC:「この作品のテーマを〇〇字以内で説明しなさい」
→「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八徳を体現した八犬士が悪を退けて里見家を守るという物語を通じ、善が悪に勝つという勧善懲悪の理想を描いた伝奇小説。」


藤原&翔先生の実践アドバイス

藤原進之介からのアドバイス

南総里見八犬伝は「長くて複雑そう」というイメージで敬遠する受験生が多いのですが、実は入試で問われる範囲は非常に限られています。重要なのは「作者・ジャンル・テーマ・八徳・あらすじの骨格」この5点だけです。

私が受験生に特に強調しているのは、「勧善懲悪という言葉を知識として知るだけでなく、物語の構造と結びつけて理解すること」です。なぜ馬琴が28年もかけてこの作品を書き続けたのか。失明しながらもお路に語り続けたのか。それは「徳ある生き方が報われるという信念を世に伝えたかったから」です。この背景を理解すると、記述問題で説得力のある解答が書けるようになります。

翔先生からのアドバイス

生徒さんからよく受ける質問が「八犬士の名前を全員覚える必要がありますか?」というものです。結論から言うと、全員の名前を完璧に覚える必要はありません。ただし「犬塚信乃」「犬川荘助」「犬山道節」の3名は頻出なので覚えておきましょう。

それより大切なのは「八犬士は全員、名字に”犬”の字がつく」「それぞれが八徳の一つを体現している」という設定の意味を理解することです。なぜ”犬”なのか?それは八房(犬)との因縁から生まれた存在だから。この論理の連鎖を理解すると、初見の文章でも「あ、これは勧善懲悪の文脈だな」と気づけるようになります。

また、南総里見八犬伝の入試対策として私がお勧めするのは、漫画や映像作品などで先にあらすじを把握することです。内容のイメージがあると、古文調の文章でも読み取りがぐっとスムーズになります。


よくある失敗と解決策

失敗①「馬琴=滝沢馬琴と知らない」

曲亭馬琴の本名は「滝沢興邦」であり、「滝沢馬琴」とも呼ばれます。入試では「滝沢馬琴」と表記されることも多いため、「曲亭馬琴=滝沢馬琴」は必ずセットで覚えてください。「滝沢馬琴の作品は?」という問いに「わからない」と答えてしまうのは非常にもったいないミスです。

失敗②「八徳の漢字を間違える」

「悌(てい)」は特に書き間違いが多い字です。「弟」ではなく「悌」(心が入る)と覚えましょう。また「智」を「知」と書いてしまうケースも頻出ミスです。漢字の書き取り問題として出題されることもあるため、正確に書く練習を積んでください。

失敗③「読本と草双紙を混同する」

「読本」は文字中心の教養的な小説、「草双紙」は絵を中心とした大衆向けの読み物です。南総里見八犬伝は「読本」であり、絵も挿入されていましたが、本質は「文字で読む文学」です。「どのジャンルか」という問いに迷わず答えられるよう整理しておきましょう。

失敗④「記述問題で具体性が欠ける」

「勧善懲悪がテーマです」だけでは不十分です。「八犬士が八徳を体現しながら悪と戦い、里見家の再興を果たすという筋立てを通じて、徳ある者が勝つという勧善懲悪の理想を描いた」というように、作品の具体的な内容と結びつけて説明する習慣をつけましょう。


今日からできるアクション

南総里見八犬伝の入試対策として、今日から実践できることを3つ挙げます。

アクション①:5分で基礎知識カードを作る
「作者名(曲亭馬琴=滝沢馬琴)」「ジャンル(読本)」「時代(江戸後期)」「テーマ(勧善懲悪・因果応報)」「八徳(仁義礼智忠信孝悌)」を1枚のカードにまとめ、毎日見返しましょう。文学史問題は「覚えた者勝ち」です。

アクション②:あらすじを口頭で説明できるようにする
「伏姫と八房の因縁→霊玉が八方に散る→八犬士が集まり里見家を守る」という3段階のあらすじを、30秒で説明できるように練習してください。記述問題でも使える「筋の通った説明力」が身につきます。

アクション③:過去問で出題パターンを確認する
南総里見八犬伝が出題された学校の過去問(慶應・早稲田・開成・麻布などの難関校でも出題実績あり)を確認し、「知識問題」「読解問題」「記述問題」のどのパターンで出たかをチェックしましょう。日本国語塾TOPでは過去問分析も指導しています。nihonkokugojuku.comからご相談ください。


まとめ・日本国語塾トップについて

今回は「南総里見八犬伝」の入試対策として、以下のポイントを解説しました。

  • 作者・曲亭馬琴(滝沢馬琴)の基本情報と創作の背景
  • 読本というジャンルの特徴と位置づけ
  • 八犬士の設定と仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八徳
  • 勧善懲悪・因果応報というテーマの理解と記述問題への応用
  • 文学史問題・読解問題・記述問題それぞれへの具体的な対応法
  • よくある失敗と解決策

南総里見八犬伝の入試対策は、単に知識を詰め込むだけでなく、「なぜこの作品が書かれ、何を伝えようとしているのか」を理解することが最大の近道です。馬琴が28年・失明しながらも書き続けたその情熱の源泉は、「徳ある者が報われる世界を描きたい」という強い信念でした。その思いを理解した上で本文を読むと、記述問題でも読み手の心を動かす解答が書けるようになります。

翔先生と私、藤原進之介は、受験生一人ひとりが「国語で確実に点を取れるようになること」を目標に、日々の授業・教材研究に取り組んでいます。古文・現代文・漢文すべての分野にわたって、入試に直結する実践的な指導を行っていますので、ぜひ一度ご相談ください。


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