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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

急がば回れの意味と使い方|例文・誤用・類語・中学受験問題を解説

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「急がば回れ」とは、急いで目的を達成したいときほど、危険な近道よりも、安全で確実な道や方法を選ぶべきだということわざです。 いつも遠回りを選べという意味ではありません。失敗・事故・やり直しまで含めると、確実な方法のほうが早く目的へ着く場面を表します。

読み方・分類・基本の意味

項目内容
読み方いそがばまわれ
分類ことわざ
意味急ぐときほど、安全で確実な方法を選ぶほうがよい
判断の基準目先の距離・時間だけでなく、失敗ややり直しの危険も比べる

「急がば」は「急ぐならば」、「回れ」は「遠回りせよ」という意味です。一見すると、急ぐことと回ることは反対に見えます。しかし近道に危険があり、途中で失敗すれば、元へ戻ったり大きな損失を受けたりします。結果まで考えれば、安定した道のほうが早い場合があります。

琵琶湖をめぐる由来

このことわざは、室町時代の連歌師・宗長の歌に由来すると説明されます。京都へ向かう際、琵琶湖を渡る船は近く見えるものの、比叡山から吹き下ろす風による危険があり、瀬田の長橋を渡る陸路のほうが確実だ、という内容です。

ここでの「回れ」は、意味もなく時間をかけることではありません。船という短いが不安定な方法と、橋という長いが確実な方法を比べています。この構造が、現代の勉強、仕事、安全確認にも応用されます。

読解の要点:近道か遠回りかは距離だけで決まりません。「成功する確率」「失敗したときの損失」「やり直しに必要な時間」を含めて比べるのが、このことわざの考え方です。

自然な使用例

例文1 基礎へ戻る

「難しい記述問題だけを解き続けるより、急がば回れで、まず主語と接続語を正確に読む練習へ戻った。」

受験まで急いでいても、土台の欠落を直すほうが後のやり直しを減らします。

例文2 安全な通学路

「遅れそうでも、工事中の路地を抜けるのは危険だ。急がば回れで、横断歩道のある道を使った。」

時間より安全を優先し、事故による重大な損失を避けています。

例文3 提出前の確認

「早く提出したかったが、急がば回れと思い、名前・ページ順・添付資料を確認した。」

数分の確認によって、差し戻しや再提出を防ぐ使い方です。

例文4 機械の修理

「自己流で部品を外さず、急がば回れで説明書を読み、電源を切ってから作業した。」

準備の時間が安全と成功率を高めます。

例文5 人間関係

「早く誤解を解こうと長い言い訳を送る前に、急がば回れで、まず相手の話を聞く時間を作った。」

結論を急ぐより、理解の手順を踏むほうが関係修復へ近づきます。

よくある誤用

誤用1 必ず遠い道を選ぶ

「安全で空いている近道があるが、急がば回れだから最も遠い道を選ぶ。」

遠回り自体が目的ではありません。近道に特別な危険がなければ、近い道を選んでも矛盾しません。

誤用2 先延ばしの言い訳

「締め切りは今日だが、急がば回れなので来月まで始めない。」

確実な手順を踏むことと、必要な着手を遅らせることは別です。

誤用3 緊急時にのんびりする

「火災報知器が鳴ったが、急がば回れだからその場でゆっくり考える。」

緊急時は定められた避難経路と指示に従い、速やかに行動します。ことわざを安全手順に反して使ってはいけません。

誤用4 努力量だけを増やす

「急がば回れだから、同じ間違った方法を三倍の時間続けた。」

この表現は時間を多く使うことではなく、成功しやすい確実な方法を選ぶことを勧めます。

似た表現との違い

石橋を叩いて渡る

丈夫そうな石橋でも安全を確かめて渡るほど慎重であることです。確認の慎重さが中心で、目的までの経路選択を中心にする「急がば回れ」とは焦点が異なります。

転ばぬ先の杖

失敗しないよう、事前に準備することのたとえです。危険を予防する点は共通しますが、近道と確実な道の比較を必ずしも含みません。

善は急げ

よいと思ったことは機会を逃さず実行すべきだという表現です。反対に見えますが、着手は早く、実行方法は確実に、という形で両立できます。

急いては事を仕損じる

焦ると失敗するという意味で非常に近い表現です。「急がば回れ」は確実な別経路を選ぶ解決策まで示します。

作文で使うための因果関係

作文では、①急いでいた理由、②選べた近道と確実な方法、③近道にあった危険、④確実な方法を選んだ結果、の順に書きます。「ゆっくりやったら成功した」だけでは、なぜ遠回りが合理的だったか伝わりません。

学習経験なら、難問へ飛びついて何度も止まったことと、基礎事項を確認してから解き直したことを比べます。使った時間だけでなく、理解、正確さ、再現性がどう変わったかを書くと説得力が出ます。

中学受験で「急がば回れ」をどう問われるか

入試では、意味をそのまま答えるだけでなく、前後の状況に合う用例を選ぶ問題、似た表現と区別する問題、短文を作る問題に発展します。「知っているつもり」から一歩進み、誰が、どのような状況で、何を評価するために使った言葉かを説明できるようにしましょう。

問題1 意味と文脈

「急がば回れ」を使える場面を自分で一つ考え、①出来事、②話し手の評価、③このことわざを選ぶ理由、の三点に分けて説明しなさい。

解答の確認方法:出来事だけでなく、文字どおりではない意味が状況と結びついているかを確認します。「急がば回れだからです」と同じ言葉を繰り返すだけでは説明になりません。

問題2 誤用を直す

この記事の誤用例から一つを選び、どの条件が不足しているかを示した上で、自然な一文へ書き換えなさい。

採点の観点:誤りを「何となく変」とせず、主語、場面、評価の方向、程度、比喩のいずれが合わないのかを明示します。修正文では「急がば回れ」の意味が前後から推測できるようにします。

問題3 比較記述

「急がば回れ」と、記事中で紹介した類似表現の一つは、どこが同じでどこが違いますか。60字以内で説明しなさい。

解答の型:「どちらも〜を表すが、急がば回れは〜に重点があり、もう一方は〜に重点がある。」共通点と相違点の両方が必要です。

家庭で定着させる四段階学習

第一段階:一行の意味を自分の言葉へ直す

辞書の説明を丸暗記した後、本文を閉じて小学生にも分かる言葉で説明します。言い換えられない部分があれば、まだ理解が曖昧です。「急がば回れ」を構成する語の文字どおりの意味と、表現全体の意味を分けると整理できます。

第二段階:使える場面と使えない場面を対にする

正しい一文だけでなく、似ているけれど使えない一文も作ります。誤用を作る学習は、意味の境界を見つける作業です。保護者は「どの言葉が加われば自然になるか」「反対の評価なら何と言い換えるか」と質問してください。

第三段階:短い物語へ入れる

登場人物、出来事、結果を決め、最後に「急がば回れ」が自然に入る80〜120字の物語を作ります。表現だけが突然現れないよう、意味を支える出来事を先に書くことが大切です。作文力と語彙力を同時に鍛えられます。

第四段階:一週間後に再テストする

読んだ直後の正解は短期記憶かもしれません。一週間後に、読み「いそがばまわれ」、意味、正用例、混同しやすい表現を何も見ずに答えます。間違えた項目だけを戻ることで、復習時間を抑えながら長期記憶へ移せます。

選択肢問題で確認する四つのずれ

確認点典型的な誤答見直し方
主語誰の状態・行動かが本文と違う表現されている人物を指で確認する
評価の方向肯定と否定、称賛と批判が逆前後の感情語や接続語を見る
程度「少し」を「必ず」「完全に」と強める断定語と限定語を比較する
場面字面は似ているが必要条件がない急がば回れが成立する出来事を言葉にする

選択肢に「急がば回れ」と同じ語が含まれていても、それだけで正解にはなりません。本文の状況を一度短く言い換えてから選択肢を比べると、部分一致の罠を避けやすくなります。

よくある質問

「急がば回れ」は慣用句ですか、ことわざですか

本記事ではJMdictの分類を確認し、「ことわざ」として扱っています。教材によって大きな「慣用表現」の単元へまとめられる場合はありますが、記事内では分類を明示して学びます。

読み方はどうなりますか

「いそがばまわれ」と読みます。漢字だけでなく、送り仮名や助詞を含む表現全体で覚えてください。

意味を一つだけ覚えればよいですか

まず中心的な意味を覚えます。その上で、肯定・否定の方向、使える相手、程度の強さなど、記事で説明したニュアンスも確認してください。文脈問題ではこの差が問われます。

作文に入れれば評価されますか

難しい言葉を入れただけでは評価は決まりません。表現に合う具体的な出来事があり、前後の文と自然につながることが重要です。無理に使うより、意味を正確に伝えることを優先します。

どのように復習すればよいですか

読み、意味、正用、誤用、類似表現の五項目でカードを作り、翌日・一週間後・一か月後に確認します。間違えた理由も短く記録すると、語彙問題だけでなく読解の選択肢分析にも役立ちます。

まとめ

「急がば回れ(いそがばまわれ)」を使える知識にするには、意味を暗記するだけでなく、文字どおりの表現との違い、使える状況、誤用、類似表現との境界まで説明する必要があります。例文を自分の経験へ置き換え、正しい文と誤った文を対にして復習しましょう。

中学受験では、語彙は独立した知識問題にとどまりません。人物の心情、筆者の評価、選択肢の微妙な違いを捉える土台です。一語を深く学ぶ習慣が、物語文・説明文・作文のすべてにつながります。

参考資料・編集方針

例文・誤用分析・練習問題は日本国語塾TOPのオリジナルです。個別の語源や初出を確認できない場合は推測で補わず、断定を避けています。2026年7月30日確認。

執筆・編集:日本国語塾TOP
日本国語塾TOPは、藤原進之介が代表を務める数強塾グループの国語専門塾です。語彙を暗記で終わらせず、本文根拠・選択肢・記述へつなげて指導します。
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