2027年度共通テスト試験日まで
時間
Picture of 藤原 進之介

藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

鳴く猫は鼠を捕らぬの意味と使い方|例文・誤用・類語・中学受験問題を解説

Facebook
Twitter
「鳴く猫は鼠を捕らぬ」とは、よくしゃべり自己宣伝する人は、口先ばかりで実際の行動や成果が伴わないことが多いということわざです。 読み方は「なくねこは、ねずみをとらぬ」。猫の鳴き声と鼠を捕る実務を対比し、言葉と行動のずれを表します。

具体像と比喩

具体的な表現人間についての比喩
鳴く猫よく話す、能力を大きく宣伝する人
鼠を捕る本来の仕事を実行し、成果を出すこと
捕らぬ行動や結果が伴わない

猫が実際に鳴くかどうかと狩りの能力を科学的に説明する言葉ではありません。人間社会で、話すことに力を使い、実務を行わない者を猫にたとえたものです。「おしゃべりな人は全員無能」という断定ではなく、口先と実行の不一致を戒めます。

言葉も行動の一部である

このことわざは行動を重視しますが、説明、相談、報告、説得も重要な行動です。計画を伝えなければ協力を得られず、成果を説明しなければ改善もできません。問題は「話すこと」そのものではなく、約束した内容、期限、成果が伴わないことです。

反対に、黙って働けば必ず優れているとも限りません。必要な報告をしない人は、組織へ危険をもたらす場合があります。言葉と実行を対立させるのでなく、言葉が実行を支え、実行が言葉を裏づける関係を目指します。

口先だけかを判断する基準

約束が具体的か

「頑張ります」だけでなく、何を、いつまでに、どの状態へするかが示されているかを見ます。

途中の証拠があるか

作業記録、試作品、練習結果など、成果までの途中経過を確認します。

失敗を説明するか

実行する人も失敗します。原因と修正を説明する姿勢は、口先だけとは異なります。

同じ宣言を繰り返していないか

毎回大きな約束をし、期限が来ると別の話へ移るなら、行動とのずれが疑われます。

自然な使用例

例文1 係活動

「改革案を何度も語るのに一度も資料を作らず、鳴く猫は鼠を捕らぬと言われた。」

発言と実務が一致していません。

例文2 自己点検

「鳴く猫は鼠を捕らぬにならないよう、宣言する前に試作品を一つ完成させた。」

言葉より先に小さな実行を置きます。

例文3 反論

「彼はよく話すが成果も出しているので、鳴く猫は鼠を捕らぬには当てはまらない。」

おしゃべりという一面だけで判断しません。

例文4 説明の価値

「黙って作業するだけでなく進捗を共有した。鳴かないことと有能さは同じではない。」

ことわざの限界を示します。

よくある誤用

誤用1 話好きな人を無能と決める

会話量と成果は別の指標です。実際の行動を確認せず評価しません。

誤用2 必要な報告をしない理由にする

「できる人は黙る」と考えて連絡を省くと、協働できません。説明責任は必要です。

誤用3 猫の生態の法則とする

ことわざは人間の行動を表す比喩です。全てのよく鳴く猫が鼠を捕らないという生物学的法則ではありません。

誤用4 成果だけを見て過程を無視する

努力しても外部要因で結果が出ない場合があります。実行の有無と、結果の成否を分けます。

似た表現との違い

能ある鷹は爪を隠す

能力のある人ほど軽々しく誇示しないという意味です。「鳴く猫」は口先だけの人を批判し、「能ある鷹」は控えめな有能者を評価します。

言うは易く行うは難し

口で言うのは簡単だが実行は難しいという一般的な表現です。猫と鼠の比喩はありません。

不言実行

あれこれ言わず、黙って実行することを評価します。ただし現代の協働では、必要な共有と両立させます。

鳴かぬ猫は鼠を捕る

口数の少ない人のほうが実行力を持つという反対側からの表現です。同じ価値観を共有します。

中学受験・作文での活用

物語文では、人物の発言と後の行動を対応させます。大きな宣言が伏線になり、実行できないことで性格が示される場合も、逆に宣言どおり行動して周囲の偏見を覆す場合もあります。

作文では、宣言しただけで終わった経験と、期限や手順を決めて実行した経験を比較します。話さないことを美徳にするだけでなく、約束、実行、報告を一つの循環として結論づけると現代的です。

漢字・語法

「鼠」は「ねずみ」、「捕らぬ」は「とらぬ」。「取る」ではなく、動物を捕まえる「捕る」を用います。「ぬ」は打消の助動詞で「捕らない」。五段活用「捕る」の未然形「捕ら」へ付きます。

発言と実績を比較する表

確認項目見る内容
発言具体性、期限、責任範囲
行動着手、継続、途中経過
結果目標との差、外部条件
振り返り失敗の説明と次の修正

人物を一度の印象で決めず、四つの証拠をそろえて評価します。

中学受験で「鳴く猫は鼠を捕らぬ」をどう問われるか

入試では、意味をそのまま答えるだけでなく、前後の状況に合う用例を選ぶ問題、似た表現と区別する問題、短文を作る問題に発展します。「知っているつもり」から一歩進み、誰が、どのような状況で、何を評価するために使った言葉かを説明できるようにしましょう。

問題1 意味と文脈

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」を使える場面を自分で一つ考え、①出来事、②話し手の評価、③このことわざを選ぶ理由、の三点に分けて説明しなさい。

解答の確認方法:出来事だけでなく、文字どおりではない意味が状況と結びついているかを確認します。「鳴く猫は鼠を捕らぬだからです」と同じ言葉を繰り返すだけでは説明になりません。

問題2 誤用を直す

この記事の誤用例から一つを選び、どの条件が不足しているかを示した上で、自然な一文へ書き換えなさい。

採点の観点:誤りを「何となく変」とせず、主語、場面、評価の方向、程度、比喩のいずれが合わないのかを明示します。修正文では「鳴く猫は鼠を捕らぬ」の意味が前後から推測できるようにします。

問題3 比較記述

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」と、記事中で紹介した類似表現の一つは、どこが同じでどこが違いますか。60字以内で説明しなさい。

解答の型:「どちらも〜を表すが、鳴く猫は鼠を捕らぬは〜に重点があり、もう一方は〜に重点がある。」共通点と相違点の両方が必要です。

家庭で定着させる四段階学習

第一段階:一行の意味を自分の言葉へ直す

辞書の説明を丸暗記した後、本文を閉じて小学生にも分かる言葉で説明します。言い換えられない部分があれば、まだ理解が曖昧です。「鳴く猫は鼠を捕らぬ」を構成する語の文字どおりの意味と、表現全体の意味を分けると整理できます。

第二段階:使える場面と使えない場面を対にする

正しい一文だけでなく、似ているけれど使えない一文も作ります。誤用を作る学習は、意味の境界を見つける作業です。保護者は「どの言葉が加われば自然になるか」「反対の評価なら何と言い換えるか」と質問してください。

第三段階:短い物語へ入れる

登場人物、出来事、結果を決め、最後に「鳴く猫は鼠を捕らぬ」が自然に入る80〜120字の物語を作ります。表現だけが突然現れないよう、意味を支える出来事を先に書くことが大切です。作文力と語彙力を同時に鍛えられます。

第四段階:一週間後に再テストする

読んだ直後の正解は短期記憶かもしれません。一週間後に、読み「なくねこはねずみをとらぬ」、意味、正用例、混同しやすい表現を何も見ずに答えます。間違えた項目だけを戻ることで、復習時間を抑えながら長期記憶へ移せます。

選択肢問題で確認する四つのずれ

確認点典型的な誤答見直し方
主語誰の状態・行動かが本文と違う表現されている人物を指で確認する
評価の方向肯定と否定、称賛と批判が逆前後の感情語や接続語を見る
程度「少し」を「必ず」「完全に」と強める断定語と限定語を比較する
場面字面は似ているが必要条件がない鳴く猫は鼠を捕らぬが成立する出来事を言葉にする

選択肢に「鳴く猫は鼠を捕らぬ」と同じ語が含まれていても、それだけで正解にはなりません。本文の状況を一度短く言い換えてから選択肢を比べると、部分一致の罠を避けやすくなります。

よくある質問

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」は慣用句ですか、ことわざですか

本記事ではJMdictの分類を確認し、「ことわざ」として扱っています。教材によって大きな「慣用表現」の単元へまとめられる場合はありますが、記事内では分類を明示して学びます。

読み方はどうなりますか

「なくねこはねずみをとらぬ」と読みます。漢字だけでなく、送り仮名や助詞を含む表現全体で覚えてください。

意味を一つだけ覚えればよいですか

まず中心的な意味を覚えます。その上で、肯定・否定の方向、使える相手、程度の強さなど、記事で説明したニュアンスも確認してください。文脈問題ではこの差が問われます。

作文に入れれば評価されますか

難しい言葉を入れただけでは評価は決まりません。表現に合う具体的な出来事があり、前後の文と自然につながることが重要です。無理に使うより、意味を正確に伝えることを優先します。

どのように復習すればよいですか

読み、意味、正用、誤用、類似表現の五項目でカードを作り、翌日・一週間後・一か月後に確認します。間違えた理由も短く記録すると、語彙問題だけでなく読解の選択肢分析にも役立ちます。

まとめ

「鳴く猫は鼠を捕らぬ(なくねこはねずみをとらぬ)」を使える知識にするには、意味を暗記するだけでなく、文字どおりの表現との違い、使える状況、誤用、類似表現との境界まで説明する必要があります。例文を自分の経験へ置き換え、正しい文と誤った文を対にして復習しましょう。

中学受験では、語彙は独立した知識問題にとどまりません。人物の心情、筆者の評価、選択肢の微妙な違いを捉える土台です。一語を深く学ぶ習慣が、物語文・説明文・作文のすべてにつながります。

参考資料・編集方針

例文・誤用分析・練習問題は日本国語塾TOPのオリジナルです。個別の語源や初出を確認できない場合は推測で補わず、断定を避けています。2026年7月30日確認。

執筆・編集:日本国語塾TOP
日本国語塾TOPは、藤原進之介が代表を務める数強塾グループの国語専門塾です。語彙を暗記で終わらせず、本文根拠・選択肢・記述へつなげて指導します。
国語の語彙・読解について相談する

慣用句・ことわざ深掘り辞典へ戻る

💬 数強塾グループ 公式LINEに登録しよう

情報I・数学・英語・国語に関する有益な情報発信や無料授業の告知をLINEで行っています。英検合格保証の英論会もこちら👇

プレゼント付き公式LINEを友だち追加

こちらの記事もどうぞ!

LINEで無料情報を受け取る

オンライン授業の受講方法が分からない。
初めてで不安である、という方も気軽にご連絡ください。