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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

苦しい時の神頼みの意味と使い方|例文・誤用・類語・中学受験問題を解説

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「苦しい時の神頼み」とは、普段は神仏を信じたり頼ったりしない人が、困った時だけ助けを求めることを、やや皮肉に表すことわざです。 困難な時に祈る行為そのものを否定するのではなく、平常時の努力や感謝を欠いたまま、都合のよい時だけ頼る態度を問題にします。

読み方・分類・意味

項目内容
読み方くるしいときのかみだのみ
分類ことわざ
意味普段は頼らない相手へ、困った時だけ都合よく助けを求める
語調自嘲、皮肉、軽い批判を含みやすい

「神頼み」は、神仏へ願い、助けを求めることです。この表現では「苦しい時の」という条件が付きます。普段は信仰や感謝と関係なく過ごしているのに、自分では解決できない危機になると急に願うという、行動の一貫性のなさを示します。

現代では、神仏だけでなく、人間関係にも広げて使います。日頃は連絡しない友人へ宿題の答えが必要な時だけ相談する、普段は整備しない道具が壊れた時だけ専門家へ無理な依頼をする、といった場面です。

読解の要点:「助けを求めることが悪い」のではありません。必要な努力や日頃の関係づくりを省き、困った瞬間だけ相手を利用するような頼り方が批判の対象です。

自然な使用例

例文1 試験前の祈願

「勉強不足のまま合格だけを祈るのは、苦しい時の神頼みだと自分でも分かっている。まず残り時間で復習しよう。」

祈ることを否定せず、自分ができる努力へ戻っています。

例文2 友人への依頼

「普段は連絡しないのに、ノートを借りたい時だけ頼むのは苦しい時の神頼みと思われても仕方がない。」

困った時だけ関係を利用する態度への自省です。

例文3 機械の整備

「点検をしてこなかったのに、故障当日に修理業者へ無理を頼むのは、苦しい時の神頼みに近い。」

日常的な準備を怠った後の都合のよい依頼を表します。

例文4 自分を軽く笑う

「結果発表の朝だけ神社の前で手を合わせ、苦しい時の神頼みだな、と私は苦笑した。」

他人の信仰を批判せず、自分の行動へ軽い皮肉を向けています。

例文5 組織の協力関係

「繁忙期だけ別部署へ協力を求める苦しい時の神頼みではなく、普段から情報を共有しよう。」

一時的な依頼を、継続的な関係づくりへ改善しています。

誤用・不適切な場面

誤用1 継続的な信仰

「毎日祈りを続けている人が困難な時にも祈ったので、苦しい時の神頼みだ。」

普段は頼らないという前提がありません。信仰を継続する人の祈りを皮肉る表現ではありません。

誤用2 正当な緊急支援

「事故に遭った人が救急へ電話するのは、苦しい時の神頼みだ。」

緊急サービスへ助けを求めるのは適切な行動です。日頃の関係を利用する都合のよさとは異なります。

誤用3 助けを求める人を責める

「つらいと相談した人へ、苦しい時の神頼みをするな、と一切話を聞かなかった。」

孤立や危険がある時の相談を妨げてはいけません。ことわざで支援の必要性を否定するのは不適切です。

誤用4 必ず願いがかなう意味にする

「苦しい時の神頼みをすれば、必ず問題は解決する。」

このことわざは願いの効果を保証せず、頼る人の都合のよい態度を表します。

似た表現との違い

困った時の神頼み

ほぼ同じ意味で使われる言い方です。「苦しい時」と「困った時」の語が替わっています。

溺れる者は藁をもつかむ

危機に陥った人は、頼りにならないものにまで助けを求めるという意味です。極度の切迫が中心で、普段の態度への皮肉は必須ではありません。

喉元過ぎれば熱さを忘れる

苦しさが過ぎると、その経験や恩を忘れるという意味です。困った時だけ頼り、解決後に再び忘れる行動と組み合わせて使われることがあります。

人事を尽くして天命を待つ

できる限り努力した後、結果を天に任せるという意味です。努力を省きがちな「苦しい時の神頼み」と対照的です。

作文で扱うときの注意

作文では、①普段どんな準備や関係づくりを怠っていたか、②どんな困難が起きたか、③誰へ急に頼ったか、④次からどう改善するか、を書きます。神社へ行った事実だけでなく、「日頃と困難時の態度の差」が必要です。

信仰には個人差があります。他人の祈りを迷信として笑う文章にせず、自分の努力不足、感謝、相互協力という普遍的な問題へ焦点を移すと、配慮のある考察になります。

中学受験で「苦しい時の神頼み」をどう問われるか

入試では、意味をそのまま答えるだけでなく、前後の状況に合う用例を選ぶ問題、似た表現と区別する問題、短文を作る問題に発展します。「知っているつもり」から一歩進み、誰が、どのような状況で、何を評価するために使った言葉かを説明できるようにしましょう。

問題1 意味と文脈

「苦しい時の神頼み」を使える場面を自分で一つ考え、①出来事、②話し手の評価、③このことわざを選ぶ理由、の三点に分けて説明しなさい。

解答の確認方法:出来事だけでなく、文字どおりではない意味が状況と結びついているかを確認します。「苦しい時の神頼みだからです」と同じ言葉を繰り返すだけでは説明になりません。

問題2 誤用を直す

この記事の誤用例から一つを選び、どの条件が不足しているかを示した上で、自然な一文へ書き換えなさい。

採点の観点:誤りを「何となく変」とせず、主語、場面、評価の方向、程度、比喩のいずれが合わないのかを明示します。修正文では「苦しい時の神頼み」の意味が前後から推測できるようにします。

問題3 比較記述

「苦しい時の神頼み」と、記事中で紹介した類似表現の一つは、どこが同じでどこが違いますか。60字以内で説明しなさい。

解答の型:「どちらも〜を表すが、苦しい時の神頼みは〜に重点があり、もう一方は〜に重点がある。」共通点と相違点の両方が必要です。

家庭で定着させる四段階学習

第一段階:一行の意味を自分の言葉へ直す

辞書の説明を丸暗記した後、本文を閉じて小学生にも分かる言葉で説明します。言い換えられない部分があれば、まだ理解が曖昧です。「苦しい時の神頼み」を構成する語の文字どおりの意味と、表現全体の意味を分けると整理できます。

第二段階:使える場面と使えない場面を対にする

正しい一文だけでなく、似ているけれど使えない一文も作ります。誤用を作る学習は、意味の境界を見つける作業です。保護者は「どの言葉が加われば自然になるか」「反対の評価なら何と言い換えるか」と質問してください。

第三段階:短い物語へ入れる

登場人物、出来事、結果を決め、最後に「苦しい時の神頼み」が自然に入る80〜120字の物語を作ります。表現だけが突然現れないよう、意味を支える出来事を先に書くことが大切です。作文力と語彙力を同時に鍛えられます。

第四段階:一週間後に再テストする

読んだ直後の正解は短期記憶かもしれません。一週間後に、読み「くるしいときのかみだのみ」、意味、正用例、混同しやすい表現を何も見ずに答えます。間違えた項目だけを戻ることで、復習時間を抑えながら長期記憶へ移せます。

選択肢問題で確認する四つのずれ

確認点典型的な誤答見直し方
主語誰の状態・行動かが本文と違う表現されている人物を指で確認する
評価の方向肯定と否定、称賛と批判が逆前後の感情語や接続語を見る
程度「少し」を「必ず」「完全に」と強める断定語と限定語を比較する
場面字面は似ているが必要条件がない苦しい時の神頼みが成立する出来事を言葉にする

選択肢に「苦しい時の神頼み」と同じ語が含まれていても、それだけで正解にはなりません。本文の状況を一度短く言い換えてから選択肢を比べると、部分一致の罠を避けやすくなります。

よくある質問

「苦しい時の神頼み」は慣用句ですか、ことわざですか

本記事ではJMdictの分類を確認し、「ことわざ」として扱っています。教材によって大きな「慣用表現」の単元へまとめられる場合はありますが、記事内では分類を明示して学びます。

読み方はどうなりますか

「くるしいときのかみだのみ」と読みます。漢字だけでなく、送り仮名や助詞を含む表現全体で覚えてください。

意味を一つだけ覚えればよいですか

まず中心的な意味を覚えます。その上で、肯定・否定の方向、使える相手、程度の強さなど、記事で説明したニュアンスも確認してください。文脈問題ではこの差が問われます。

作文に入れれば評価されますか

難しい言葉を入れただけでは評価は決まりません。表現に合う具体的な出来事があり、前後の文と自然につながることが重要です。無理に使うより、意味を正確に伝えることを優先します。

どのように復習すればよいですか

読み、意味、正用、誤用、類似表現の五項目でカードを作り、翌日・一週間後・一か月後に確認します。間違えた理由も短く記録すると、語彙問題だけでなく読解の選択肢分析にも役立ちます。

まとめ

「苦しい時の神頼み(くるしいときのかみだのみ)」を使える知識にするには、意味を暗記するだけでなく、文字どおりの表現との違い、使える状況、誤用、類似表現との境界まで説明する必要があります。例文を自分の経験へ置き換え、正しい文と誤った文を対にして復習しましょう。

中学受験では、語彙は独立した知識問題にとどまりません。人物の心情、筆者の評価、選択肢の微妙な違いを捉える土台です。一語を深く学ぶ習慣が、物語文・説明文・作文のすべてにつながります。

参考資料・編集方針

例文・誤用分析・練習問題は日本国語塾TOPのオリジナルです。個別の語源や初出を確認できない場合は推測で補わず、断定を避けています。2026年7月30日確認。

執筆・編集:日本国語塾TOP
日本国語塾TOPは、藤原進之介が代表を務める数強塾グループの国語専門塾です。語彙を暗記で終わらせず、本文根拠・選択肢・記述へつなげて指導します。
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