数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
「古文の助動詞表を毎日見ているのに、全然覚えられない……」
このお悩み、毎年本当に多くの受験生から寄せられます。一生懸命勉強しているのに成果が出ない、これほど辛いことはありませんよね。今日はこの問題の根本原因と、すぐ実践できる具体的な解決策を徹底的に解説します。
はじめに|「見ているだけ」では覚えられないのは当たり前
まず、大切な事実をお伝えします。「古文の助動詞表を眺めているだけでは覚えられないのは、あなたのせいではありません。」
人間の脳は、ただ目で見ているだけの情報を長期記憶に定着させることが非常に苦手です。これは認知科学・記憶科学の観点からも明らかになっていることです。「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、人は何もしなければ1日後には学習内容の約74%を忘れてしまうと言われています。
では、古文の助動詞を本当に覚えるには何をすればいいのか。本記事では古文の助動詞の覚え方について、翔先生の実体験も交えながら、段階的にご説明します。
核心情報|なぜ「助動詞表を見るだけ」では覚えられないのか
翔先生からまず核心をお伝えしましょう。
翔先生:「助動詞表を毎日見ているのに覚えられない生徒さんには、ほぼ共通した原因があります。それは『インプットだけでアウトプットをしていない』ということです。助動詞表は『見るもの』ではなく、『使うもの』なんです。」
古文の助動詞の覚え方で最も重要なポイントは、「受動的な記憶」から「能動的な記憶」へシフトすることです。具体的には、以下の3つの問題が「見るだけ勉強」に潜んでいます。
問題①:意味と接続と活用を「バラバラ」に覚えようとしている
助動詞表には、①意味、②接続(どの活用形につくか)、③活用(自分自身の変化)という3つの情報が詰まっています。これを縦横に並んだ表としてそのまま暗記しようとすると、情報が整理されず混乱します。
たとえば助動詞「む」を例に挙げましょう。
- 意味:推量・意志・適当・勧誘・婉曲・仮定(6つ!)
- 接続:未然形につく
- 活用:○・○・む・む・め・○(四段型変化)
これを表として「視覚的に見るだけ」では、3種類の情報がごちゃまぜになって脳に入ってきます。まず「接続」→「活用」→「意味」の順番でブロック単位で覚えることが重要です。
問題②:「書けるか」を確認していない
見れば「あ、知ってる」と思えても、実際に白紙に書けるかは別問題です。認知心理学では「流暢性の錯覚(fluency illusion)」と呼ばれる現象で、見慣れているものを「わかった」と勘違いしてしまうことがあります。古文の助動詞表を毎日見ている人がまさにこの落とし穴にはまっています。
問題③:文章の中で使っていない
助動詞は「文脈の中で意味が決まる」ものです。表で覚えた「べし=推量・意志・可能・当然・命令・適当」という6つの意味も、実際の古文の文章に当てはめてみないと「どの意味か判断する力」は育ちません。
具体的な方法|古文の助動詞を確実に覚える5ステップ
ステップ1:助動詞を「グループ化」して整理する
まず、助動詞を意味のグループに分けて覚えましょう。古文の主要な助動詞は約30個ありますが、意味のカテゴリでまとめると格段に覚えやすくなります。
| 意味カテゴリ | 該当する助動詞 |
|---|---|
| 過去・完了 | き・けり・つ・ぬ・たり・り |
| 推量・意志 | む・むず・べし・らむ・けむ・まし・じ・まじ |
| 打消 | ず |
| 使役・尊敬 | す・さす・しむ |
| 受身・尊敬・自発・可能 | る・らる |
| 断定・存在 | なり・たり |
| 伝聞・推定 | なり・めり |
| 比況・例示 | ごとし |
| 希望 | たし・まほし |
このようにグループで把握することで、「推量系の助動詞はどれか」という横断的な理解ができ、試験でも応用が効くようになります。
ステップ2:「接続」を最優先で覚える
古文の助動詞の覚え方として、多くの指導者が口を揃えて言うのが「まず接続を覚えよ」ということです。なぜなら、接続を知ることで助動詞を「見分ける」ための第一の手がかりになるからです。
接続の覚え方には語呂合わせが有効です。代表的なものを紹介します。
- 未然形接続:「む・むず・まし・まほし・ず・じ・る・らる・す・さす・しむ」→「未然のむすめ、まじさらさす」などの語呂で整理
- 連用形接続:「き・けり・つ・ぬ・たり(完了)・たし・けむ」→「連用でキケツ、たたけむ」
- 終止形接続:「らむ・べし・まじ・なり(伝聞推定)・めり・らし」→「終止でラべまなめらし」
- 連体形接続:「なり(断定)・たり(断定)・ごとし」
- 已然形接続:「り(完了)」→「さみしい已然のり」
語呂合わせは学校や参考書によって異なりますが、自分でアレンジして作ると記憶に残りやすいです。翔先生は生徒と一緒にオリジナル語呂を作ることもあるそうです。
ステップ3:活用は「声に出して」リズムで覚える
助動詞の活用形(未然・連用・終止・連体・已然・命令)は、リズムに乗せて声に出して覚えるのが最も効果的です。
たとえば助動詞「ず」の活用:
「ず・ず・ず・ぬ・ね・○」(未然・連用・終止・連体・已然・命令)
さらに補助活用:「ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ」
これを毎朝声に出して3回唱えるだけで、1週間後には自然に口から出るようになります。音楽のリズムに合わせて歌うように覚えると、さらに定着します。YouTubeには古文助動詞の活用を歌で覚える動画もあるので、活用してみてください。
ステップ4:白紙テストで「書けるか」を確認する
毎日の学習の最後に必ず「白紙テスト」を行ってください。白紙に助動詞名だけ書き、意味・接続・活用を何も見ずに埋めていきます。
【白紙テストのやり方】
- 白い紙に「助動詞名」だけ書く(例:「べし」)
- 何も見ずに「意味・接続・活用」を書く
- 答え合わせをして、間違えた箇所に赤丸をつける
- 翌日は赤丸がついた助動詞から優先してテスト
これを繰り返すことで、「見ればわかる」から「書ける・言える」レベルへ引き上げることができます。古文の助動詞の覚え方として、これは最も即効性のある方法の一つです。
ステップ5:実際の古文文章の中で確認する
覚えた助動詞は、必ず古文の実文で使ってみましょう。たとえば『竹取物語』や『枕草子』などの有名な一節を使って、助動詞に印をつけ、意味・接続・活用を分析する練習をします。
【例文】「月の出づるを見れば、人々わびあへり。」
この文に登場する助動詞「り」は完了・存続の助動詞で、已然形に接続します。「わびあへり」の「り」を見て、「あ、これは完了のりだ。已然形につくから、サ変の未然形かラ変の已然形か……」と頭の中で処理する練習が「使える知識」を作ります。
藤原&翔先生の実践アドバイス
藤原進之介:「私が監修する立場から強調したいのは、『勉強の質は時間ではなく方法で決まる』という点です。助動詞表を毎日1時間眺めるよりも、白紙テスト15分の方が圧倒的に定着率が高い。受験生の皆さんには、勉強時間ではなく勉強法を見直してほしいのです。」
翔先生:「私自身が受験生だったとき、最初は助動詞表を眺めるだけで全然覚えられませんでした。転機になったのは『声に出す・書く・文章で使う』の3点セットを始めたことです。特に、声に出して活用を言いながら書く、というのは両方の感覚器官(聴覚・触覚)を使うので記憶の定着が全く違います。1週間後には劇的に変わりました。」
また、保護者の方へのアドバイスとして、翔先生は次のようにおっしゃっています。
翔先生:「お子さんが机に向かっている時間が長くても、助動詞表を眺めているだけなら効果は薄いです。ぜひ『今日、白紙に書けた?』と声をかけてあげてください。それだけで勉強の質が変わります。」
よくある失敗と解決策
失敗①:全部の助動詞を一気に覚えようとする
解決策:1日3〜4個に絞ってください。たとえば月曜日は「る・らる」、火曜日は「す・さす・しむ」、水曜日は「き・けり」という具合に、週ごとに担当する助動詞を決めて集中的に学びましょう。欲張って全部やろうとすると、全部中途半端になります。
失敗②:意味だけ覚えて接続・活用を後回しにする
解決策:古文読解の試験では「この助動詞の文法的意味を答えよ」という問題が頻出ですが、それに答えるためには「接続」と「活用」の知識が必要不可欠です。意味・接続・活用は「三位一体」として覚える習慣をつけましょう。
失敗③:覚えたつもりで問題演習をしない
解決策:問題演習は「インプットの確認」であると同時に「新しいインプット」でもあります。問題を解くことで「あ、この文脈では意志の意味になるのか」という理解が深まります。古文の助動詞の覚え方として、問題演習は欠かせません。最低でも週に1〜2題は助動詞に特化した問題を解きましょう。
失敗④:覚えたら終わりと思っている
解決策:記憶は時間とともに薄れます。一度完璧に覚えたと思っても、2週間後・1か月後に必ず復習テストを実施してください。スパイラル学習(螺旋状に繰り返す学習)こそが、長期記憶への定着の王道です。
今日からできるアクション
難しいことは必要ありません。今日から以下の3つだけ実践してみてください。
-
今夜:白紙テストを1回やってみる
助動詞を5個選んで、白紙に何も見ずに意味・接続・活用を書いてみましょう。書けなかった部分が「今日の課題」です。 -
明日の朝:声に出して活用を3回言う
今日覚えた助動詞の活用を、朝起きた直後に声に出して3回繰り返します。睡眠直後は記憶が整理された状態なので定着しやすいです。 -
今週中:簡単な古文1文から助動詞を探す
教科書の古文や問題集の例文から1文を選び、助動詞に赤ペンで印をつけて意味・接続・活用を書き込む練習をしましょう。
この3つを1週間続けるだけで、「見るだけ勉強」をしていた頃とは明らかに違う手応えが感じられるはずです。古文の助動詞の覚え方は、方法さえ正しければ必ず身につきます。
まとめ・日本国語塾トップについて
今回の記事をまとめます。
- 古文の助動詞表を眺めるだけでは覚えられないのは当然。インプットだけでなくアウトプットが必要。
- 助動詞は「意味・接続・活用」を三位一体で覚えること。
- グループ化・語呂合わせ・声出し・白紙テスト・文章での実践という5ステップが効果的。
- 一気に全部覚えようとせず、1日3〜4個ずつ確実に積み上げる。
- 定期的な復習(スパイラル学習)で長期記憶に定着させる。
古文の助動詞の覚え方は、正しい方法でやれば必ず結果が出ます。焦らず、今日紹介したステップを一つずつ実践してみてください。
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