「於」は 置き字(おイテ/より) と読みます。
「於」は読まない置き字が基本です。直後の語との関係を示す働きだけをもち、場所・時間・比較・受身・対象のどれになるかは直前の動詞と文脈で決まります。「于」「乎」も同じ働きをします。
「於」の読み方・意味 一覧
| 読み | 意味 | 例(白文) | 書き下し |
|---|---|---|---|
| (読まない) | 場所・時間「〜において・〜で」 | 生於憂患 | 憂患に生く |
| (読まない) | 比較「〜より」 | 青出於藍 | 青は藍より出づ |
| (読まない) | 受身「〜に…される」 | 労力者治於人 | 力を労する者は人に治めらる |
| (読まない) | 対象「〜に対して」 | 問於師 | 師に問ふ |
| (読まない) | 起点「〜から」 | 取之於民 | 之を民より取る |
用法別の詳しい解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。白文・書き下し文・現代語訳をそろえてあります。
1. (読まない) ―― 場所・時間「〜において・〜で」
- 白文
- 生於憂患
- 書き下し
- 憂患に生く
- 現代語訳
- 憂いと苦しみの中で生きのびる。
2. (読まない) ―― 比較「〜より」
- 白文
- 青出於藍
- 書き下し
- 青は藍より出づ
- 現代語訳
- 青色は藍という草から取り出される。
3. (読まない) ―― 受身「〜に…される」
- 白文
- 労力者治於人
- 書き下し
- 力を労する者は人に治めらる
- 現代語訳
- 肉体を使って働く者は、人に治められる。
4. (読まない) ―― 対象「〜に対して」
- 白文
- 問於師
- 書き下し
- 師に問ふ
- 現代語訳
- 先生に尋ねる。
5. (読まない) ―― 起点「〜から」
- 白文
- 取之於民
- 書き下し
- 之を民より取る
- 現代語訳
- それを民衆から取り立てる。
紛らわしい字との識別
| 比較 か 場所 か | 直前が形容詞・状態を表す語なら比較(〜より)。直前が動作を表す動詞なら場所・対象。「青は藍より出づ」は「出づ」が動作だが、藍が起点なので「より」。 |
|---|---|
| 受身の見分け方 | 「A 於 B」でBが人・行為者にあたり、Aがその作用を受けているときは受身。「治於人」=人に治められる。 |
| 於 と 于 と 乎 | 働きはほぼ同じで、どれも置き字。「乎」は文末で疑問・詠嘆の助字になる用法もあるため、位置で判断する。 |
入試ではどう問われるか
返り点と送り仮名を補わせる設問で頻出します。「於」自体は読まないので、直前の語にどの送り仮名を付けるか(に・より・を)が答えになります。比較なのか場所なのかを取り違えると、そこから先の解釈がすべてずれます。
本ページは漢文法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
今日の練習
読み方を覚えるだけでは、初見の白文で使えません。次の順で手を動かしてください。
- 上の白文を隠して、書き下し文から白文の語順を復元する。
- 「於」が出てくる文を教科書か問題集から3つ探し、上のどの用法かを判定する。
- 判定の根拠を「直前が〜だから」の形で1行書く。根拠を言葉にできて初めて使える知識になります。
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よくある質問
「於」は読まないのですか。
文中では読まない置き字として扱うのが基本です。直前の語に「に」「より」などの送り仮名を付けて処理します。
比較の「より」か、場所の「に」か、どう見分けますか。
直前が状態や性質を表す語なら比較、動作を表す動詞なら場所・対象になることが多いです。最終的には文全体の意味が通るかどうかで決めます。
「於」「于」「乎」の違いは何ですか。
文中での働きはほぼ同じです。ただし「乎」は文末に置かれると疑問・詠嘆の助字になるため、文中か文末かで判断してください。
書き下し文の答案を見てもらえます
漢文は、読めているつもりでも送り仮名と返り点で減点されます。プロ講師が一対一で、答案に赤を入れて書き直しまで指導します。
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