「以」は もっテ と読みます。
「以」は「もっテ」と読み、手段・理由・対象を示します。「以A」で「Aを用いて」「Aによって」となり、「以A為B」=AをBとみなすという重要な形をつくります。
「以」の読み方・意味 一覧
| 読み | 意味 | 例(白文) | 書き下し |
|---|---|---|---|
| もっテ | 手段「〜を用いて・〜で」 | 以刀断之 | 刀を以て之を断つ |
| もっテ | 理由「〜のために・〜によって」 | 以其智也 | 其の智を以てなり |
| もっテ〜なス | 「以A為B」=AをBとみなす・AをBとする | 以民為本 | 民を以て本と為す |
| おもへらク | 「以為」で「〜と思う」 | 以為不可 | 以為へらく不可なりと |
| ゆゑん | 「所以」で「理由・方法」 | 所以然者 | 然る所以の者 |
用法別の詳しい解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。白文・書き下し文・現代語訳をそろえてあります。
1. もっテ ―― 手段「〜を用いて・〜で」
- 白文
- 以刀断之
- 書き下し
- 刀を以て之を断つ
- 現代語訳
- 刀でこれを断ち切る。
2. もっテ ―― 理由「〜のために・〜によって」
- 白文
- 以其智也
- 書き下し
- 其の智を以てなり
- 現代語訳
- その知恵のためである。
3. もっテ〜なス ―― 「以A為B」=AをBとみなす・AをBとする
- 白文
- 以民為本
- 書き下し
- 民を以て本と為す
- 現代語訳
- 民衆を国の根本とみなす。
4. おもへらク ―― 「以為」で「〜と思う」
- 白文
- 以為不可
- 書き下し
- 以為へらく不可なりと
- 現代語訳
- できないと思った。
5. ゆゑん ―― 「所以」で「理由・方法」
- 白文
- 所以然者
- 書き下し
- 然る所以の者
- 現代語訳
- そうである理由。
紛らわしい字との識別
| 以 と 用 | 「用」は動詞として「用いる」。「以」は前置詞的に手段を示す働きが中心。 |
|---|---|
| 以為 の読み分け | 「以て〜と為す」と読むか、「以為へらく〜と」と読むかは文脈で決まる。後に「〜と」で受ける内容が続けば後者。 |
入試ではどう問われるか
「以A為B」の形を正しく取れるかが最頻出です。AとBの範囲を取り違えると解釈が崩れます。また「所以」を「ゆゑん(理由)」と読めるかも、書き下し文の設問でよく問われます。
本ページは漢文法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
今日の練習
読み方を覚えるだけでは、初見の白文で使えません。次の順で手を動かしてください。
- 上の白文を隠して、書き下し文から白文の語順を復元する。
- 「以」が出てくる文を教科書か問題集から3つ探し、上のどの用法かを判定する。
- 判定の根拠を「直前が〜だから」の形で1行書く。根拠を言葉にできて初めて使える知識になります。
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よくある質問
「以」は何と読みますか。
「もっテ」と読みます。「以為」の形では「おもへらく」と読む場合があります。
「以A為B」はどう訳しますか。
「AをBとみなす」「AをBとする」と訳します。「民を以て本と為す」なら「民衆を根本とみなす」です。
「所以」の読みと意味を教えてください。
「ゆゑん」と読み、「理由」または「方法・手段」を表します。文脈でどちらかを判断します。
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