「而」は しかうシテ/しかルニ/置き字 と読みます。
「而」は前後をつなぐ働きだけをもつ字で、多くの場合読まない置き字として扱われます。順接(そして)にも逆接(しかし)にもなり、どちらかは前後の意味関係で決まります。
「而」の読み方・意味 一覧
| 読み | 意味 | 例(白文) | 書き下し |
|---|---|---|---|
| (読まない) | 順接。前後が自然につながる | 学而時習之 | 学びて時に之を習ふ |
| (読まない) | 逆接。前後が食い違う | 少而好学 | 少くして学を好む |
| しかうシテ | そうして(文頭で接続) | 而後行之 | 而して後に之を行ふ |
| しかルニ | ところが(文頭で逆接) | 而不知其故 | 而るに其の故を知らず |
| のみ | 「而已」の形で限定「〜だけだ」 | 如此而已 | 此くのごときのみ |
用法別の詳しい解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。白文・書き下し文・現代語訳をそろえてあります。
1. (読まない) ―― 順接。前後が自然につながる
- 白文
- 学而時習之
- 書き下し
- 学びて時に之を習ふ
- 現代語訳
- 学んで、折にふれてこれを復習する。
2. (読まない) ―― 逆接。前後が食い違う
- 白文
- 少而好学
- 書き下し
- 少くして学を好む
- 現代語訳
- 若いのに学問を好んだ。
3. しかうシテ ―― そうして(文頭で接続)
- 白文
- 而後行之
- 書き下し
- 而して後に之を行ふ
- 現代語訳
- そうしてのちにこれを実行する。
4. しかルニ ―― ところが(文頭で逆接)
- 白文
- 而不知其故
- 書き下し
- 而るに其の故を知らず
- 現代語訳
- ところが、その理由がわからない。
5. のみ ―― 「而已」の形で限定「〜だけだ」
- 白文
- 如此而已
- 書き下し
- 此くのごときのみ
- 現代語訳
- このようであるだけだ。
紛らわしい字との識別
| 順接 と 逆接 | 「而」自体は方向をもたない。前の内容と後の内容が自然につながるか、食い違うかで判断する。「少くして学を好む」は、若さと学問好きが食い違うので逆接。 |
|---|---|
| 而 と 且 | 「且」は「かつ」と読み、二つを並べる(AでありかつB)。「而」は並列だけでなく、前後の時間的・論理的なつながりも表す。 |
入試ではどう問われるか
書き下し文を作らせる設問で、「而」を読まずに送り仮名で処理できるかが問われます。「学びて」の「て」が、まさに「而」の働きを引き受けた形です。解釈問題では、順接か逆接かの判断がそのまま選択肢の分かれ目になります。
本ページは漢文法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
今日の練習
読み方を覚えるだけでは、初見の白文で使えません。次の順で手を動かしてください。
- 上の白文を隠して、書き下し文から白文の語順を復元する。
- 「而」が出てくる文を教科書か問題集から3つ探し、上のどの用法かを判定する。
- 判定の根拠を「直前が〜だから」の形で1行書く。根拠を言葉にできて初めて使える知識になります。
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よくある質問
「而」は読むのですか、読まないのですか。
文中では読まない置き字として扱うのが基本です。前の語の送り仮名(〜して、〜て)が「而」の働きを表します。文頭にある場合は「しかうシテ」「しかルニ」と読みます。
順接か逆接かは、どう見分けますか。
「而」自体には方向がありません。前後の内容が自然につながれば順接、食い違えば逆接です。「少くして学を好む」は、若さと学問好きが食い違うので逆接になります。
「而已」はどう読みますか。
「のみ」と読み、「〜だけだ」という限定を表します。文末に置かれます。
書き下し文の答案を見てもらえます
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