「其」は そノ/それ と読みます。
「其」は連体修飾の「その」が基本です。加えて推量・強調・命令のニュアンスを添える副詞的な用法があり、文頭に置かれた「其」はこちらを疑ってください。
「其」の読み方・意味 一覧
| 読み | 意味 | 例(白文) | 書き下し |
|---|---|---|---|
| そノ | その(連体修飾) | 知其名 | 其の名を知る |
| それ | そもそも・いったい(文頭で語調を整える) | 其真無馬邪 | 其れ真に馬無きか |
| そレ | 〜だろう(推量) | 其可乎 | 其れ可ならんか |
| (強調) | 命令・願望を和らげる | 子其勉之 | 子其れ之を勉めよ |
用法別の詳しい解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。白文・書き下し文・現代語訳をそろえてあります。
1. そノ ―― その(連体修飾)
- 白文
- 知其名
- 書き下し
- 其の名を知る
- 現代語訳
- その名を知っている。
2. それ ―― そもそも・いったい(文頭で語調を整える)
- 白文
- 其真無馬邪
- 書き下し
- 其れ真に馬無きか
- 現代語訳
- いったい本当に馬がいないのか。
3. そレ ―― 〜だろう(推量)
- 白文
- 其可乎
- 書き下し
- 其れ可ならんか
- 現代語訳
- それでよいのだろうか。
4. (強調) ―― 命令・願望を和らげる
- 白文
- 子其勉之
- 書き下し
- 子其れ之を勉めよ
- 現代語訳
- あなたはどうかこれに励んでほしい。
紛らわしい字との識別
| 連体 か 副詞 か | 直後が名詞なら連体修飾「その」。文頭にあって直後が名詞でなければ、語調・推量の副詞用法。 |
|---|---|
| 其 と 之 | 「其」は連体修飾(その〜)専用で、目的語にはならない。目的語の「これ」は「之」が担う。 |
入試ではどう問われるか
「其」が文頭に来たとき、機械的に「その」と訳して意味が通らなくなるのが典型的な失点です。直後が名詞かどうかを先に確認してください。
本ページは漢文法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
今日の練習
読み方を覚えるだけでは、初見の白文で使えません。次の順で手を動かしてください。
- 上の白文を隠して、書き下し文から白文の語順を復元する。
- 「其」が出てくる文を教科書か問題集から3つ探し、上のどの用法かを判定する。
- 判定の根拠を「直前が〜だから」の形で1行書く。根拠を言葉にできて初めて使える知識になります。
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よくある質問
「其」はいつも「その」と訳せますか。
いいえ。直後が名詞なら「その」ですが、文頭にあって語調を整えたり推量を表す用法があります。
「其」と「之」の違いは何ですか。
「其」は連体修飾(その〜)専用です。目的語として「これ」を表すのは「之」の役割です。
文頭の「其」はどう訳しますか。
「そもそも」「いったい」「どうか」など、文脈に応じて語調を表す言葉を補います。訳さずに処理することもあります。
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