二重否定 ―― 否定が二つで強い肯定になる
二重否定は否定語が二つ重なって、結果として強い肯定になる形です。「〜しないわけにはいかない」=「必ず〜すべきだ」となり、訳が反転するため誤読しやすい句法です。
二重否定 の一覧
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 不可不A | Aしないわけにはいかない(必ずAすべきだ) | 不可不学 | 学ばざるべからず |
| 無不A | Aしないものはない(すべてAする) | 無不知 | 知らざるは無し |
| 莫不A | 無不と同じ | 莫不感嘆 | 感嘆せざるは莫し |
| 非不A | Aしないわけではない | 非不知也 | 知らざるに非ざるなり |
| 未嘗不A | Aしなかったことはない | 未嘗不歎 | 未だ嘗て歎ぜずんばあらず |
項目別の解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
不可不A
- 働き
- Aしないわけにはいかない(必ずAすべきだ)
- 例
- 不可不学 → 学ばざるべからず
- ポイント
- 最頻出の形。「必ず学ばねばならない」。
無不A
- 働き
- Aしないものはない(すべてAする)
- 例
- 無不知 → 知らざるは無し
- ポイント
- 「誰もが知っている」。
莫不A
- 働き
- 無不と同じ
- 例
- 莫不感嘆 → 感嘆せざるは莫し
- ポイント
- 「みな感嘆した」。
非不A
- 働き
- Aしないわけではない
- 例
- 非不知也 → 知らざるに非ざるなり
- ポイント
- 控えめな肯定。「知ってはいる」。
未嘗不A
- 働き
- Aしなかったことはない
- 例
- 未嘗不歎 → 未だ嘗て歎ぜずんばあらず
- ポイント
- 「いつも嘆いた」。
間違えやすい点
| 訳の反転 | 否定が二つあれば肯定。機械的に数えて確認するのが確実。 |
|---|---|
| 不可不 と 不必 | 「不可不」は二重否定で強い肯定。「不必」は部分否定で「必ずしも〜ない」。まったく違う。 |
| 非不 のニュアンス | 「不」より控えめ。「知らないわけではない」で、積極的な肯定は避けている。 |
入試ではどう問われるか
「学ばざるべからず」を「学んではいけない」と訳すのが典型的な失点です。否定を一つしか処理していない誤りで、意味が正反対になります。否定語の数を毎回数えてください。
本ページは漢文訓読法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
二重否定とは何ですか。
否定語が二つ重なり、結果として強い肯定になる句法です。
「不可不学」はどう訳しますか。
「学ばないわけにはいかない」=「必ず学ばなければならない」です。
「無不知」はどう訳しますか。
「知らないものはない」=「みな知っている」です。
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