使役形 ―― AにBさせる
使役形は「AをしてBしむ」という形で、「AにBさせる」を表します。使役の対象に「〜をして」を送るのが最大の目印です。
使役形 の一覧
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 使A B | AにBさせる | 使民耕田 | 民をして田を耕さしむ |
| 令A B | 使と同じ | 令民安居 | 民をして安居せしむ |
| 教A B | AにBするよう教える・させる | 教子読書 | 子をして書を読ましむ |
| 遣A B | AをやってBさせる | 遣使往 | 使を遣はして往かしむ |
| 文脈上の使役 | 使役の字がなくても文脈で判断 | 王殺之 | 王之を殺さしむ |
項目別の解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
使A B
- 働き
- AにBさせる
- 例
- 使民耕田 → 民をして田を耕さしむ
- ポイント
- 最も基本の形。「使」を「しム」と読む。
令A B
- 働き
- 使と同じ
- 例
- 令民安居 → 民をして安居せしむ
- ポイント
- 「令」も「しム」。働きは同じ。
教A B
- 働き
- AにBするよう教える・させる
- 例
- 教子読書 → 子をして書を読ましむ
- ポイント
- 「教」も使役に使われる。
遣A B
- 働き
- AをやってBさせる
- 例
- 遣使往 → 使を遣はして往かしむ
- ポイント
- 人を派遣する含みを持つ。
文脈上の使役
- 働き
- 使役の字がなくても文脈で判断
- 例
- 王殺之 → 王之を殺さしむ
- ポイント
- 王が自ら手を下したのでなければ使役に読む。
間違えやすい点
| 使役の目印 | 対象に「〜をして」、動詞に「〜しむ」。この二つがそろって初めて使役が表現できる。 |
|---|---|
| 使 と 令 と 教 と 遣 | いずれも「しム」と読み、働きはほぼ同じ。字が違うだけ。 |
| 使役 と 仮定 | 「使」は「もシ」と読んで仮定を表すこともある。「AをしてBしむ」の形になっていなければ仮定を疑う。 |
入試ではどう問われるか
「〜をして」の送り仮名が採点の中心です。これを落とすと、書き下し文として使役が成立しません。また、使役の字がない文を文脈から使役と判断させる設問も出ます。
本ページは漢文訓読法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
使役形の基本の形を教えてください。
「使A B」で「AをしてBしむ」=「AにBさせる」です。対象に「〜をして」を送ります。
使役に使われる字は何ですか。
「使」「令」「教」「遣」が代表的です。いずれも「しム」と読みます。
使役の字がなくても使役になりますか。
なります。主語が自ら行うと考えると不自然な場合、文脈から使役に読みます。
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